JR西日本キハ120形気動車
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JR西日本キハ120形気動車 | |
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キハ120形200番台(越前大野鉄道部所属)
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最高速度 | 95km/h |
最大寸法 (長/幅/高) |
16,300×2,800*1×4,045 (mm) |
質量 | 27.7t(0・300番台) 26.7t(200番台) |
定員 | 49(席)+63(立)=112名(0・300番台) 49(席)+56(立)=105名(200番台) |
機関出力 | 330PS × 1(0・300番台) 250PS × 1(200番台) |
駆動方式 | 液体式 |
変速段 | 変速1段・直結2段(自動切替) |
台車形式 | |
ブレーキ方式 | 自動空気ブレーキ 機関ブレーキ併用 |
保安装置 | |
備考 | *1 - 200番台は2,700mm |
キハ120形気動車(キハ120がたきどうしゃ)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)の一般形気動車。
JR西日本の標準型気動車として、1991年に製造を開始した。
目次 |
[編集] 概要
JR西日本がローカル線区の経営改善とサービスアップ等のために、地方交通線を中心に投入した小型気動車である。新潟鐵工所(現・新潟トランシス)の地方鉄道向け車両「NDCシリーズ」を元にしているため、九州旅客鉄道(JR九州)キハ125形など兄弟形式も多い。同一シリーズの車両は松浦鉄道、高千穂鉄道、くま川鉄道、水島臨海鉄道、山形鉄道などでもみられ、特に松浦鉄道のMR-100形は本形式の200番台と同型である。
新製時にはトイレは設置されていなかったが、乗り通すと長時間の乗車となる上に運行本数が少ない路線が多く、長距離運用では乗客に対し交換駅での停車時間中に駅トイレを利用するよう促す策が取られたが、それでも苦情が絶えなかったことから、2004年度より順次トイレ設置改造が行われ、2007年3月末までに、既存車両89両全てにトイレが設置された。トイレが設置された車両はトイレ設置場所の窓をステンレス板〈ステンレス製車両〉または鋼板〈普通鋼製車両〉で塞いでいる。
このうち越美北線用の車両は、トイレ設置改造後も運用区間が短いことや越前大野駅構内に汚物処理設備がないことを理由に「このトイレは使用できません」と表記された貼り紙がされて使用できなかったが、2007年6月30日に福井豪雨からの全面復旧・全線運転再開以降は使用可能とされた。
NDCシリーズはボギー台車を装着した鉄道車両であることから、厳密にはレールバスではないが、客用ドアや冷房装置等にはバス用の汎用品を使用している。新潟鐵工所のほか、自社の後藤総合車両所でもライセンス生産された。ワンマン運転にも対応している。
代替対象となったキハ58形急行形気動車等に対し、基本設計が新しいため省力化や投入線区のスピードアップ等に寄与した反面、キハ120形自体が従来より小型車体である上に編成両数の減少が進んだため、着席率低下・混雑率上昇を招いた。
[編集] 番台区別(製造順)
[編集] 200番台
JR西日本発足後初めての新製気動車として1991年に登場した。車体のカラーリングは配置区所によって異なるが、これは後述する0・300番台も同様である。
車体は普通鋼製で、座席はセミクロスシートとなっている。エンジンはコマツ製SA6D125-H1形 (250ps/2,000rpm) を搭載している。変速機は直結2段式である。運転台の主幹制御器は横軸式とされたが、操作部自体は従来車両と同一品が採用されている。側面は国鉄キハ32形気動車に類似する。
また、越美北線用の車両は、前面方向幕がアーバンネットワークで運用される103系電車や113系電車などで採用されている黒地に白文字のものに変更されている。
- 所属
- 越前大野鉄道部に201~205の5両が在籍しており、主に越美北線(乗り入れる北陸本線の福井駅~越前花堂駅間も含む)で運用されている。
- 木次鉄道部に206~208の3両が在籍しており、主に木次線で運用されている。206は2001年頃までは越前大野鉄道部に在籍していた。
[編集] 0番台
1992年に登場した2次車である。
車体は軽量ステンレス製となり、車体幅も200番台の2,700mmに対し2,800mmに拡大された。座席はロングシートとなった。エンジン出力は250psから330psに向上した。主幹制御器は221系電車に準じた前後操作式とされたが、ブレーキハンドルは200番台と同一の着脱可能な構造である。
- 所属
[編集] 300番台
座席はセミクロスシートに変更された。その他は0番台とほぼ同じである。
- 所属
- 亀山鉄道部に301~306の6両が在籍しており、主に関西本線で運用されている。
- 浜田鉄道部に307~317・319・321の13両が在籍しており、主に山陰本線・三江線で運用されている。
- 広島運転所に320・322~327・332・333の9両が在籍しており、主に芸備線・福塩線で運用されている。いわゆる「福塩色」ではなく「美祢色」の車両もあるが、美祢線では運用されない。
- 富山鉄道部に318・331・344~352の11両が在籍しており、主に高山本線で運用されている。かつては東海旅客鉄道(JR東海)エリアの高山まで入線していたこともあった(猪谷~高山間は車掌乗務)。また、富山ライトレールに移管される前の富山港線でもワンマン運転を実施するために昼間の時間帯に運用されていた。
- 岡山電車区気動車センターに337・339・353・356~359の7両が在籍しており、主に津山線で運用されている。
- 津山鉄道部に328~330・334~336・338・340~343・354・355の13両が在籍しており、主に因美線・姫新線・芸備線・津山線で運用されている。
[編集] 関連商品
- Nゲージ
- トミーテックから越美北線、関西線、木次線、津山線、高山線、美祢線、三江線、福塩線各仕様2両セットが発売されている。
- バンダイから、Bトレインショーティー通常版パート12、西日本スペシャルパート2の1車種として販売。
[編集] 関連項目
- JR西日本の在来線車両 (■国鉄引継車を含む全一覧 / ■カテゴリ) ■Template ■ノート