電源開発
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種類 | 株式会社 | |||
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市場情報 |
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略称 | J-POWER、Jパワー | |||
本社所在地 | 日本 〒104-8165 東京都中央区銀座6-15-1 |
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設立 | 1952年9月16日 | |||
業種 | 電気・ガス業 | |||
事業内容 | 電気事業など | |||
代表者 | 中垣喜彦(代表取締役社長) | |||
資本金 | 1524億4900万円(2008年3月31日現在) | |||
売上高 | 単体:5293億円(2008年3月期) 連結:5878億円(2008年3月期) |
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従業員数 | 単体:2,174人 連結:6,494人(2007年3月31日現在) | |||
決算期 | 毎年3月31日 | |||
主要株主 | ザ・チルドレンズ・インベストメント・マスターファンド(9.9%)ほか | |||
主要子会社 | 主な関連会社の項目を参照 | |||
関係する人物 | 高碕達之助(初代総裁)、小坂順造、藤井崇治、吉田確太、大堀弘、両角良彦、門田正三、藤原一郎、杉山和男 | |||
外部リンク | http://www.jpower.co.jp/ | |||
電源開発株式会社(でんげんかいはつ、愛称:J-POWER)は日本最大の卸電気事業者である。
目次 |
[編集] 概要
太平洋戦争の日本敗戦後、GHQの指示で作られた過度経済力集中排除法の指定を受け日本発送電が解体、地域電力会社に分割された。しかし、分割されたばかりの地域電力会社は資本的にも非常に貧弱で、復興のために必要となる電力を満足に供給できず、発電所新設の投資もままならない状態であったため、国内での電力需要の増加に対応して制定された電源開発促進法により、1952年9月16日に国の特殊会社として設立された(資本構成は66.69%を財務大臣、残りを9電力会社が保有)。
電源開発の最初の大事業は佐久間ダムであるが、10年はかかるという工事をアメリカからの技術導入により3年で完成させた。この成功により、関西電力は黒部ダムの建設にゴーサインを出したという話もある。(なお、佐久間ダムは現在も年間発電量日本一の水力発電所である。)
1997年に特殊法人合理化の中で5ヵ年程度の準備期間を置いた後に民営化することで閣議決定され、2003年に電源開発促進法を廃止、2004年10月6日に東京証券取引所第1部に上場し、電力会社および政府出資の民営化ファンドの保有株式の全てを売却した(初値は2,795円)。
日本国内に水力、火力合わせて60ヶ所以上の発電所を有し、特に水力発電に関しては日本一の規模。発電能力は東北電力に匹敵し、北海道・本州間、本州・四国間、本州・九州間等、地域電力会社の供給地域を連系する送電網を有するのはJ-POWERのみである。なお、青森県において大間原子力発電所を建設準備中である。
風力発電についても国内9地点でトップクラス、国外においてもポーランドでの事業に参画(2008年2月以降順次運転開始)するなど、積極的な展開を進めている。
また、近年の電力自由化の流れに対応すべく事業を多角化(水道事業など)。併せて、これまで主にはアジア地域におけるコンサルティングを展開してきた海外事業も、近年はIPPへの積極投資(タイ・カエンコイ2発電所、アメリカ・テナスカフロンティア、エルウッド、グリーン・カントリーなど)、炭鉱開発(豪州・クレアモント炭鉱など)などにより拡大しつつある。
[編集] 沿革
(主要設備運転開始時期等)
- 1952年9月 - 「電源開発促進法」に基づき、政府出資の電源開発株式会社設立
- 1956年1月 - 糠平発電所運転開始(糠平ダム)
- 1956年4月 - 佐久間発電所運転開始(佐久間ダム)
- 1960年12月 - 奥只見発電所運転開始(奥只見ダム)
- 1961年1月 - 御母衣発電所運転開始(御母衣ダム)
- 1965年10月 - 佐久間周波数変換所運転開始
- 1967年3月 - タイ国クワイヤNo.1(シーナカリン)水力発電計画
- 1967年5月 - 磯子火力発電所運転開始
- 1975年3月 - 鬼首地熱発電所運転開始
- 1978年7月 - 奥清津発電所(揚水式)運転開始(二居ダム・カッサダム)
- 1979年12月 - 北海道・本州間連系設備 (本州~北海道間)運転開始(日本初の直流送電による連系設備)
- 1999年3月 - 沖縄やんばる海水揚水発電所運転開始(世界初の海水揚水発電所)
- 2000年7月 - 橘湾火力発電所運転開始(出力:210万kW 日本最大級の石炭火力発電所)
- 2002年4月 - 愛称を「でんぱつ」から「J-POWER」へ変更・
- 2003年10月 - 「電源開発促進法」廃止
- 2004年10月 - 東京証券取引所市場第一部に上場。
- 2004年10月 - タイ・カエンコイ2ガス火力発電所事業参画
- 2005年3月 - 比CBK発電所(総出力72.8万kW)買収
- 2006年4月 - 米テナスカ・フロンティア発電所権益取得
- 2006年11月 - 米エルウッド・エナジー発電所権益取得
- 2006年1月 - 豪クイーンズランド州クレアモント炭鉱開発
- 2006年10月 -英投資ファンド 『ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド』(TCI)が大量保有報告書を初めて提出。株式保有割合5.07%
- 2007年3月 - TCIが大量保有報告書を提出。株式保有割合が9.90%となり、これ以上の株式保有については事実上外為法による外資規制より事前報告が必要となる。(事前報告が必要となるのは正確には10%以上から)
- 2007年9月 - 米グリーン・カントリー発電所権益取得
- 2007年11月 - 中国漢江一貫水力開発プロジェクト参入、権益取得
- 2008年3月 - 中国新昌石炭火力発電プロジェクト参画(海外IPP件数:6カ国・地域 運転中16件、建設中3件)
- 2008年4月 - 財務省および経済産業省が、外為法による事前報告を提出したTCIの電源開発株式買い増しに対し中止勧告を発表[1]
- 2008年4月 - 経済産業省、大間原子力発電所の原子炉設置を許可
[編集] 人事
- 社長
- 中垣喜彦(1961年電源開発入社)
- 副社長
[編集] 主要事業所一覧
(国内)
- 北海道支店 北海道札幌市中央区北三条西3丁目大同生命ビル
- 仙台事務所 宮城県仙台市青葉区一番町4-6-1仙台第一生命タワービル
- 東日本支店 埼玉県川越市むさし野37番地77
- 中部支店 愛知県春日井市十三塚町十三塚3030-68-1
- 北陸支社 富山県富山市桜橋通り5-13富山興銀ビル
- 西日本支店 大阪府大阪市北区中之島6-2-27中之島センタービル
- 中国支社 広島県広島市中区八丁堀15-10セントラルビル
- 高松事務所 香川県高松市寿町1-4-3高松中央通りビル
- 福岡事務所 福岡県福岡市博多区博多駅前3-2-1日本生命博多駅前ビル
(海外)
- ワシントン事務所
- クアラルンプール事務所
- ハノイ事務所
- ジャカルタ事務所
※(主な海外法人)
- オーストラリア
- J-POWER AUSTRALIA PTY. LTD.
- 米国
- J-POWER North America Holdings Co., Ltd.
- オランダ
- J-Power Investment Netherlands B.V.
- CBK Netherlands Holdings B.V.
- タイ
- J-POWER Generation(Thailand)
- Gulf Electric Public Co., Ltd.
- TLP Cogeneration Company Limited
- Thaioil Power Co., Ltd.
- Gulf Power Generation Co., Ltd.
- Nong Khae Cogeneration Co., Ltd.
- Samutprakarn Cogeneration Co., Ltd.
- Gulf Cogeneration Co., Ltd.
- Gulf Yala Green Co., Ltd.
- Independent Power(Thailand) Co., Ltd.
- フィリピン
- CBK Power Company Limited
- スペイン
- SEC HoldCo, S.A.
- 中国
- 捷瓦(jie pa wa)電源開発諮詢(北京)有限公司
- 台湾
- 嘉恵電力股有限公司
[編集] 主要設備一覧
- 水力発電所 設備出力総計:8,555,500kW
- 火力発電所 設備出力総計:7,824,500kW
[編集] 主要水力発電所
- 10万kW以下の主要発電所については電力会社管理ダム#電源開発株式会社の項を参照のこと。
- 管理する発電用ダム一覧については日本の発電用ダム一覧#電源開発を参照のこと。
所在地 | 水系 | 一次支川 (本川) |
二次支川 | 発電所 | 発電方式 | 認可出力 (kW) |
ダム | 運用開始 |
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福島県 | 阿賀野川 | 阿賀野川 小野川 |
下郷発電所 | 揚水式 | 1,000,000 | 大川ダム(下池) 大内ダム(上池) |
1988年 | |
福島県 新潟県 |
阿賀野川 | 只見川 | 奥只見発電所 | ダム式 | 560,000 | 奥只見ダム | 1960年 | |
福島県 | 阿賀野川 | 只見川 | 大鳥発電所 | ダム式 | 182,000 | 大鳥ダム | 1963年 | |
福島県 | 阿賀野川 | 只見川 | 田子倉発電所 | ダム式 | 385,000 | 田子倉ダム | 1959年 | |
栃木県 | 那珂川 | 那珂川 (河道外) |
沼原発電所 | 揚水式 | 675,000 | 深山ダム(下池) 沼原ダム(上池) |
1973年 | |
静岡県 愛知県 |
天竜川 | 天竜川 | 佐久間発電所 | ダム水路式 | 350,000 | 佐久間ダム | 1956年 | |
愛知県 | 天竜川 | 天竜川 大千瀬川 |
大入川 |
新豊根発電所 | 揚水式 | 1,120,000 | 佐久間ダム(下池) 新豊根ダム(上池) |
1972年 |
新潟県 | 信濃川 | 清津川 カッサ川 |
奥清津第一発電所 奥清津第二発電所 |
揚水式 | 1,000,000 600,000 |
二居ダム(下池) カッサダム(上池) |
1978年 1996年 |
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岐阜県 | 庄川 | 庄川 | 御母衣発電所 | ダム式 | 215,000 | 御母衣ダム | 1961年 | |
石川県 | 手取川 | 手取川 | 手取川第一発電所 | ダム水路式 | 250,000 | 手取川ダム | 1979年 | |
福井県 | 九頭竜川 | 九頭竜川 | 長野発電所 | 揚水式 | 220,000 | 九頭竜ダム 鷲ダム |
1968年 | |
奈良県 | 熊野川 | 北山川 | 池原発電所 | 揚水式 | 350,000 | 池原ダム 七色ダム |
1964年 | |
鹿児島県 | 川内川 | 川内川 | 川内川第一発電所 | ダム式 | 120,000 | 鶴田ダム | 1965年 |
[編集] 火力発電所
- 磯子火力発電所(1基※2号基建設中)/神奈川県横浜市磯子区/出力:60万kW
- 高砂火力発電所(2基)/兵庫県高砂市/出力:50万kW
- 竹原火力発電所(3基)/広島県竹原市/出力:(1号機)25万kW(2号機)35万kW(3号機)70万kW
- 橘湾火力発電所(2基)/徳島県阿南市/出力:210万kw(105万kW×2)
- 松島火力発電所(2基)/長崎県西海市/出力:100万kW(50万kW×2)
- 松浦火力発電所(2基)/長崎県松浦市/出力:200万kW(100万kW×2)
- 石川石炭火力発電所(2基)/沖縄県うるま市/出力:31.2万kW(15.6万kW×2)
[編集] 地熱発電所
- 鬼首地熱発電所(1基)/宮城県大崎市/出力:12,500kW
[編集] 海外実績
- 技術コンサルティング 61カ国・地域257件(2006年3月末実績)
- IPP(海外発電事業) 6カ国・地域16件(2008年3月末実績)
[編集] 提供番組
[編集] 主な関連会社
- 株式会社JPビジネスサービス
- 株式会社JPハイテック
- 株式会社ジェイペック
- 株式会社JPリソーシズ
- 株式会社開発設計コンサルタント
- 開発電子技術株式会社
[編集] TCIによる株式取得をめぐる問題について
2008年1月15日、電源開発の発行済株式の9.9%を保有するザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド(TCI)は、電源開発の株式の保有率を20%まで引き上げるため、外為法による事前届出を行った[1]。しかし外為審は4月15日、この株式取得は日本の「公の秩序の維持が妨げられるおそれがあるもの」とする意見を出した。この意見を受けて、額賀財務大臣と甘利経済産業大臣は、TCIによる株式の取得の中止の勧告を出すと同時に、「日本政府の対日直接投資促進は不変」という談話を発表し、電源開発もこの勧告と談話を許容する内容のコメントを発表した。
4月25日に入り、TCIは中止勧告の応諾の拒否を通知したため、額賀財務大臣と甘利経済産業大臣は、外為法27条10項の中止命令のための手続に着手し、5月13日に中止命令を発した。
一方でTCIは、4月16日に、6月の電源開発の定時株主総会において、期末配当に関する提案と、条件が受け入れられない場合の社長の解任を内容とする株主提案を行うこと発表した。電源開発は4月18日にこの提案を受領した旨を発表し、4月30日にTCIの全提案に反対する旨の取締役会の意見が発表し、TCIと電源開発との間で書簡の往来が続いたものの意見の対立は埋まらず、5月22日には、定時総会に向けて委任状勧誘を行うことをTCIが発表した。