長妻昭
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長妻 昭(ながつま あきら、1960年6月14日 ‐ )は、日本の政治家。衆議院議員(3期)。
生年月日 | 1960年6月14日(48歳) |
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出生地 | 東京都練馬区 |
出身校 | 慶應義塾大学 |
学位・資格 | 法学士 |
前職 | ビジネス誌記者 会社員 |
所属委員会 内閣役職 |
衆議院外務委員会委員 日本国憲法に関する調査特別委員会 委員 国際テロリズムの防止及びわが国の協力 支援活動並びにイラク人道復興支援活動 等に関する特別委員会委員 |
世襲 | 非世襲 |
選出選挙区 | 比例東京ブロック(東京7区) |
当選回数 | 3回 |
所属党派 | 民主党(無派閥) |
党役職 | 民主党政策調査会長代理 次の内閣・年金担当大臣 |
会館部屋番号 | 衆・第2議員会館706号室 |
ウェブサイト | [1] |
目次 |
[編集] 略歴
東京都練馬区出身。東京都立練馬高等学校、慶應義塾大学法学部を卒業後、日本電気の営業職、日経ビジネス記者を務めた。
1995年、第17回参議院議員通常選挙に平成維新の会公認候補として立候補し落選。その後、新党さきがけを経て旧民主党結党に入党した。1996年、第41回衆議院議員総選挙・東京10区に立候補、小林興起(当時自民党・清和会)に完敗し落選した。
2000年6月25日、東京都第7区に立候補していた第42回衆議院議員総選挙において自由民主党の現職・粕谷茂を破って初当選、衆議院議員となった。続く第43回総選挙(2003年11月9日)でも同小選挙区で再選された。第44回総選挙(2005年9月11日)では、松本文明(自民党新人で当選後に清和会に所属)に敗北したものの比例復活により3選された。
「ミスター年金」の異名を持ち、民主党内では2007年9月から「次の内閣」年金担当大臣とされている。
[編集] 政治活動
[編集] 年金記録問題
長妻は小泉純一郎政権時の2006年夏頃、厚生労働委員会等で厚生労働省・社会保険庁の施策の追求を始めた。2006年6月には支払った年金が未納扱いになっている事実を扱い、年金記録問題の存在を追求した(所謂「宙に浮いた年金」「消えた年金」)。安倍晋三政権となった2006年秋以降、次期参議院選に備えて追及は本格化した。2007年2月、柳沢伯夫厚生労働大臣は、年金の納付記録漏れが2006年6月現在、5000万件以上あることを認めた。 2007年5月、民主党内で政府・自民党の追求の先鋒に立ち、2007年7月の第21回参議院議員通常選挙における民主党大勝の一因となった。2008年3月現在、「政府には3つの失敗があり、それが年金問題の解決が遅れている原因である」としている[1]。
[編集] 質問主意書の提出活動
長妻は、国会答弁で回答のなかった質問事項に関して、内閣に対する質問主意書の提出を主要な活動として行う国会議員の1人であった。2003年には、全質問主意書5210ページのうち3756ページを作成させ、電気毛布等の小児白血病・脳腫瘍発症への影響に関する質問主意書[2]等、行政機関に活動状況及びその評価を表明させるに至った事例が存在した。
- 2003年7月11日提出の質問第126号「電気毛布等の小児白血病・脳腫瘍発症への影響に関する質問主意書」に於いて、 文部科学省の2年余の期間と7億円もの税金を使った大規模疫学調査が「優れた研究であるとはいえず極めて残念な結果に終わった」とすれば、文部科学省(注 - 研究を実施したのは環境省所管の機関)は謝罪するなり、責任を取るなりする必要があると考えるとして、同議員が「注目すべき数々のデータがある」という、その研究、疫学調査には全体の症例数が少な過ぎること、他の交絡要因の影響の除去が適切であるかどうか不明であること等」所期の目標を達成することができていないこと等の理由により、「優れた研究ではなかった」との評価がなされたところであるため、今後のチェック体制の充実が必要である旨の答弁を引き出し、その研究内容で主張されていることの信憑性の乏しさを明らかにした。
- 同年6月5日提出の質問第84号「道路特定財源の一般財源化に関する質問主意書」を皮切りに再質問を重ね、「道路特定財源を一般財源化することも、選択肢の一つであると理解してよいのか。」と追及を重ね、「いわゆる一般財源化の問題も含め、今後、予断をはさまず、真剣に検討してまいりたい。」という答弁を引き出した[3]。これについては、のちに、2008年2月14日、衆議院予算委員会で、「まず、国道事務所でアロマセラピーを道路特定財源で購入していた、(中略)そしてもう一つは、私も驚いたんですけれども、地下鉄に道路特定財源が投入をされているということでございます。東京メトロ副都心線でございますけれども」東京都第7区も通る東京地下鉄副都心線について追及し、「渋滞緩和が見込めるので支出している」という旨の回答を引き出し、「飛行場も道路特定財源で作ることができる」とし、さらに今後10年間で最大59兆円を支出する道路整備中期計画の中で地下鉄への支出が明記されていないとして追及した。[4][5]。これについては、道路特定財源制度#使途も参照されたい。
[編集] 国家公務員の深夜の公費帰宅タクシー、ビール、おつまみ等の受領問題
長妻は中央省庁全省庁に公費でのタクシーの利用状況の調査を積極的に求め、中央省庁の職員で深夜に帰宅する際にタクシーの運転手からビール、おつまみ等を受領している者がいることを明らかにした[2]。
[編集] その他
- 2005年11月17日に発覚した耐震強度偽造問題では参考人質疑・証人喚問・政治倫理審査会において伊藤公介元国土庁長官などを同じ民主党議員の馬淵澄夫などとともに追及した。
- 静岡空港建設反対の国会議員署名活動で署名者に加わった[3]。
- 2006年10月15日、自民党の政調会長(当時)・中川昭一がテレビ番組内で当時の北朝鮮による核兵器実験を受け、日本の核武装について「議論を尽くすべき」とコメント。このことについて長妻は「非常に不謹慎。北朝鮮に核実験をさせた責任の一端が日本の国会にないとは言えない」などと述べた。
- 2007年5月31日の衆議院本会議で柳澤大臣の不信任決議案が提出された際、長妻は提案説明に1時間47分をかけた。
- 2007年10月3日の衆議院代表質問では福田康夫内閣総理大臣に対し、35分の演説時間で70項目に渡る国会始まって以来異例の質問攻めを行った。
- 2008年5月11日、フジテレビの報道番組で、「終末期医療について患者の意思を聞く厚労省の方針は間違っている。患者の意思に関わらずできる限りの終末期医療を行うべき」との趣旨の内容を述べた。
- 2008年5月24日、フジテレビの報道番組で、年金の財源に対し「民主党案では、18%ほどは消費税を上げる必要はない」と述べ、2007年のマニュフェストの消費税率維持は嘘だったことを明らかにした。
[編集] 人物
- 消えた年金問題で知り合った山井和則と親しく、長妻は自身の著書で山井を「一生の友」と称している。
- 「選挙では全日本自治団体労働組合(自治労)の応援をもらったことは無い」と主張している。[4]
- テレビ朝日系列の『サンデープロジェクト』に出演した際には、田原総一朗から、「民主党は長妻さんに5000万くらいボーナスを出すべきですよ」と冗談を受けた。
[編集] その他
- 2007年8月、WikiScannerでの検索により、2006年4月5日に厚生労働省から接続のIPユーザーより当項目に書込みがあったことが発覚。長妻を誹謗中傷する内容であったため、厚生労働事務次官が「遺憾である」とコメントした[5]
- 2007年10月の衆議院厚生労働委員会での長妻の発言「与党というものは一度でも(政府の)不祥事を追及したことがあるのか」が、自民党厚生労働委員長の茂木敏充により会議録から削除されていたことが判明。通常こうした行為は理事会の合意を得て行うことになっており、委員長の職権で削除したのは極めて異例。長妻は2008年2月8日の衆議院予算委員会で、「今は戦時中ですか!」と与党を批判した。国会の会議録削除は野中広務の発言以降、11年ぶりである[6]。
- 住民票は、自身の出身地で1996年に立候補した東京10区内の東京都練馬区に置かれていた。したがって、渋谷区、中野区を選挙区とする東京7区で自身に投票することができない(2008年現在)。[要出典]
- 地元(中野)事務所の上の階には、昔演説妨害をされたこともある鳥肌実のことり事務所が入居している。
- 父親・謙三郎はかつて世田谷警察署長を務めた。
- かねてから政府・与党の政治腐敗や無駄遣いを批判し続けてきたが、2004年3月には自身が秘書給与詐欺を行ったと一部週刊誌で報じられたが、本人はこの疑惑を否定した。[要出典]
[編集] 著書
- 『マンガで読むびっくり仰天!年金浪費―「福祉」という名のブラックホールを塞げ!』(赤池キョウコとの共著) ISBN 4766208536
- 『「消えた年金」を追って―欠陥国家、その実態を暴く』 ISBN 4576071289
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- ながつま昭(公式サイト)
- 『ザ・選挙』長妻昭政治家情報ページ(動画あり)
[編集] 脚注部
- ^ 【動画メッセージ】「消えた年金」記録問題 政府対応3つの失敗>
- ^ この件について財務省は「タクシー業界と利害関係がなく、国家公務員倫理規程で禁止されている行為には当たらない」との見解を示した(社説:居酒屋タクシー 税金でいい思いは許されない - 毎日jp(毎日新聞))。
- ^ 国会議員署名これまでと今後の展望 - 空港はいらない静岡県民の会
- ^ 2007年7月朝日ニュースター パックインジャーナル
- ^ 厚生労働省内部から国会議員への中傷記事作成(2007年9月5日読売新聞)
- ^ 議事録削除:長妻議員の与党批判、厚労委長が職権で勝手に(毎日新聞)