毛利蘭
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毛利 蘭(もうり らん)は、青山剛昌の漫画作品及びそれを原作とするアニメ、テレビドラマ『名探偵コナン』に登場する架空の人物。アニメでの声優は山崎和佳奈、ドラマ版での俳優は黒川智花。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
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[編集] 概要
工藤新一の幼馴染で物語のヒロイン。父は探偵の毛利小五郎、母は弁護士の妃英理。新一の帰りを待つ一方で、居候であるコナンの姉的な役割を果たす。また、別居中の母に代わって毛利家の家事全般を担っており、父親の悪癖を制止する歯止め役でもある。空手を得意とする。
新一が大好き(新一への恋愛感情を自覚し始めたのはニューヨークの事件がきっかけで高校1年生の頃)。一途に新一の帰りを待っているが、時折「コナン=新一」かと疑うことがあり、コナンを慌てさせる。小さい頃の新一の声とコナンの声は同じだがなぜかそこには何とも言わない。両想いなのだが、彼同様、素直になれないでいて、友人の鈴木園子などに度々新一との仲を「未来のフィアンセ(婚約者)」などと冷やかされると、顔を赤らめつつ「馬鹿ね! そんなんじゃないわよ!」「誰があんな推理オタク」と否定するのがお決まりとなっている。また初期に一度だけ、コナンと新一が同一人物だとは思わずコナンに「新一が大好き」と告白してしまったことがあった。
[編集] 人物像
帝丹高校2年B組。身長は高校1年の時点で160cm。空手部主将。都大会優勝での優勝経験があり(劇場版では関東大会優勝)固く施錠されたドアを蹴破ったり、車のドアガラスを蹴り砕いたり、犯人をその技術で叩き伏せたり、アニメでは栄養ドリンクのビンを真っ二つにしたり、犯人のナイフを蹴り折ったりもしている。その技術や破壊力は女性離れ(場合によっては人間離れ)している。現役のプロレスラーをシャイニング・ウィザードで一撃KOしたこともある。
その他のスポーツも万能で力そのものも非常に強く、コナンや園子によれば小さい頃から体力があった様子である。「ストレス解消にいい」と言われ、なかなか帰ってこない新一への激怒をぶつけ挑戦したパンチングマシーンで400という凄まじいスコアを叩き出した(ボクシング経験者の20代の男性ですら348だった)。初期はシリアスさが薄かったため電柱を破壊したり、事務所の2階から飛び降りて走行中の車の窓ガラスを割ったりするシーンがあったが、連載が進むにつれてそのような描写はなくなり、走行中の車の窓ガラスを勢いをつけないと割れなかったり〔22巻〕、天国へのカウントダウンでも一撃ではビルの強化ガラスを割れない描写があった。
ピアノは初見で「月光」の第一楽章を弾けるくらいの腕前(ただし通常、それだけの技術を習得する過程で「月光」は必ず学習する)。またモデルにスカウトされるなど、高校生にしてはプロポーションがいい方である。得意科目は国語。英語も簡単なリスニング、及び日常会話はできる。コバルト文庫系らしき少女向けライトノベルを中学時代に愛読していたらしく、また、三国志にも詳しいという文学少女的な一面もある。しかし、数学などは苦手なようだ。
勝気で男勝りな性格で、母親の浮気相手(蘭の勘違いだったが)を蹴り倒そうとした。中華街で食券が使えないと言われた時には、蹴りでその理由を聞き出そうとしたが、単にその食券が使えない曜日だっただけだった。また、事務所の二階から飛び降りて(これにはコナンと小五郎もさすがに驚愕していた)怪しい男を捕まえたりしたこともある。遠くにいると思っている新一に対してもちょくちょく「見つけ出してボコにしてやる」などと言い、近くで聞いているコナンを震え上がらせることもあるが、基本的には他人に優しい性格である。
トレードマークは角のように尖がった前髪。連載初期にはまだウェーブがかった前髪と思わせる描かれ方をしていたが、次第に鋭角化、角のような状態で安定した。
アニメオリジナルのエピソードでは、後ろから殴られて誘拐されたことがある。普段、犯人に後ろから襲われてもすぐその気配を察して反撃するのだが、この時だけそれができなかったのは謎である。
連載初期には、新一の失踪が絡むと激怒するシーンが見られる。新一が別の女性と付き合っていてキスまでした仲だという話を当のその彼女から聞いて、顔を真っ赤に沸騰させながら暴走し、行った先のトイレの扉を破壊しようとした。他人のぬいぐるみに穴をあけたり、当の新一がいるかもしれないという情報を聞きつけたマンションの扉を問答無用でいきなり蹴り破り派手に侵入した話がある。そのとき、依頼人として彼女が訪れた探偵事務所で小五郎が「まさかそれ(キス)以上のこともしたのではないか」とその女性を問い詰めた。蘭は小五郎の質問にあいまいな答えしか返さない彼女の前で、激怒するのを通り越し蒼ざめていた。この誤解はその女性から事情を聞いて、三日もたってからようやく解かれた。コナンをただの小学生だと信じていた時には、コナンに対して「新一が大好き」などと発言したり、一緒に風呂に入っていた時期もあったが、コナン=新一疑惑が生まれてからは、そういう行動はなくなっている。
別居中の英理に代わり、毛利家の家事全般を担っているので、和洋中の料理全てを作れる原作ではごはん・味噌汁・焼き魚・卵焼きやおでん等の一般的和食が最も多い。料理下手な母の下でどうやって料理の腕を身につけたかは不明。中学の先輩・内田麻美からわざと下手なレモンパイの作り方を教わった際にも、何故かおいしく作ることができた。
両親の別居を快く思っておらず、仲を取りもとうと策を講じることがたまにあるが、大抵は粗の目立つ計画で「あ、あれー?お母さんも○○に来てたの?すっごい偶然!」と言うのが定番となっており、どれも失敗に終わっている。しかし、決して完全に無意味に終わっているわけでもなく、徐々に夫妻の仲は当初に比べるとかなり縮まりつつある(これは、元々互いの意地の張り合いだからである)。蘭は7歳の時小五郎がトイレに入っている間に英理が出て行き、つまり自分を小五郎同様に置いてった母を「自分を見捨てた母」と思っていないようだ。
空手部の女主将で強気な反面、優しく、人と仲良くなれる人当たりの良さもある。人の遺体や、お化けや怪物、怪談話の類が大の苦手で(実体のある人間がお化けの振りをしていた場合、正体が分かれば平気)、よく悲鳴をあげている。だが意思は強いので、正義感から大胆な行動を取ったり、犯人の動機に対して物申すこともある。また、誰かを守るために自らの命を危険にさらすこともある。
麻雀やポーカーに関しては神がかり的な強運を持つ。方向音痴は父親の小五郎譲りな部分があり、意地っ張りなところは母親の英理に似ている。「一度寝たら起きない」という設定があるのだが、ある話では就寝中に犯人に襲われ、それを庇ったコナンに蹴っ飛ばされてベッドから落ちても起きなかったり、別の話では電話のベル程度で起きたり、かなりいい加減な設定。
推理力は新一の影響を受けたのかレベルアップしてきていて、時にコナンも気づけなかった所のおかしさを指摘し、新一の力を借りながらも数件、事件を解決したことがある。しかし、新一=コナンの疑いを何度か持ちつつもその都度疑いを解消したり、自分に嫉妬した先輩の意地悪の真意に気付けないなど普段は非常に鈍感で、その鈍さは園子にも呆れられることがある。
コナン(新一)からは「あいつを組織に関係した事件に巻き込む訳にはいかない」と思われているが、すでに組織の刺客であるコードネーム・ベルモットと深く接触してしまっている。ニューヨークで通り魔に変装した彼女がビルから転落しかけるのを助けたことがあるほか、ベルモットを軸として動いた殺人計画を阻止するために、ターゲットとなった灰原哀を護り抜いたことがある。本人は犯罪組織と接触しているという事実には気づいていないのだが、ベルモットは彼女を組織に関係しないように配慮している。
子供好きである。ファミレスでは、「コナン君はお子様ランチが好きだろう」と勝手に思い込んで問答無用でお子様ランチを注文したり、さらにバレンタインデーでは、「仮面ヤイバーチョコレート」をプレゼントしている。さらには灰原を、初対面のときから「哀ちゃん」と呼んでいる。
[編集] 服装
当初、私服着用の時は頻繁にオーバーニーソックス(色は黄色、白色、緑色、黒色など)を穿いていたが、現在はあまり穿いていない。通学用の靴下は白色の短いソックス(三つ折り)から黒色のハイソックスに、靴もスニーカーからローファーに替わった。
スカートは膝くらいだったり、ミニだったり、色々あるが、空手の蹴りを繰り出す時は、スカートの長さには全く関係ない(ある意味ではまずいことである)。また、ズボン系の場合、ジーパンのような長いものより、ショートパンツやスパッツのようなものを穿いていることが多い。
[編集] 補足
- 名前の由来は、アルセーヌ・ルパンの作者であるモーリス・ルブラン。
- 新一から贈られた携帯電話を愛用。ストラップについているナマコ男(青山剛昌の作品『YAIBA』の登場キャラクター)のマスコットは、そのコマでの蘭に合わせて表情が変わるという小ネタになっている。
- 携帯電話は誘拐された際一度アニメ版で壊されてしまったことがある。しかし上述の通りこれは大切な意味を持つアイテムであるため、改めて新一からプレゼントされるオリジナルエピソードが後日加えられた。
- 『時計じかけの摩天楼』でのコナンの発言より、好きな色は「赤」らしい。
- 『瞳の中の暗殺者』で、知り合いの佐藤刑事が狙撃され負傷する現場を間近で見てしまったショックから、記憶喪失に陥ってしまうが、ラストで記憶を取り戻し、犯人を空手で殴り倒す活躍を見せた。
[編集] 関連項目
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主題歌集 | 第1作 - 第2作 - 第3作 |
登場人物 | 江戸川コナン - 毛利蘭 - 毛利小五郎 - 妃英理 - 阿笠博士 - 灰原哀 - 少年探偵団 - 鈴木園子 - 服部平次 - 遠山和葉 - 目暮十三 - 白鳥任三郎 - 佐藤美和子 - 高木渉 - FBI - 怪盗キッド - 黒の組織 |
関連項目 | 事件一覧 - APTX4869 - 東都環状線 - まじっく快斗 - 週刊少年サンデー - ytv読売テレビ - トムス・エンタテインメント |