江戸川コナン
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江戸川コナン(えどがわ こなん、5月4日 - )は、青山剛昌作の漫画、テレビアニメ・テレビドラマ『名探偵コナン』に登場する架空の探偵。 高校生探偵・工藤新一(くどう しんいち)の仮の姿である。
アニメでの声優は、江戸川コナン・幼年期の工藤新一が高山みなみ、中学生以降の工藤新一が山口勝平。ドラマでは、江戸川コナンを藤崎直(声を高山みなみ)、工藤新一を小栗旬が演じている。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
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[編集] 概要
「日本警察の救世主」、「平成のホームズ」などと言われ、東の高校生探偵として名を馳せた工藤新一は、「黒の組織」によって試作段階の毒薬(APTX4869)を飲まされ、子供の姿にされてしまう。正体が露見して周りに危害が及ぶのを防ぐため、帝丹小学校に通う1年生、江戸川コナンとして、新一の幼馴染である毛利蘭の家で居候生活をしている。名前は、父親の書斎にある本に書いてあった江戸川乱歩とコナン・ドイルの名前から考え出した。名乗った際に「父がコナン・ドイルのファンだから」と言っている。
2008年5月現在、コナン=新一の事実を知っているのは、阿笠博士、灰原哀、服部平次、工藤優作、工藤有希子、ベルモット、本堂瑛祐の7人。劇場版も含めるならば、怪盗キッド、ノアズ・アーク(『ベイカー街の亡霊』)もこの事実を知っている[1]。
風邪の状態で中国酒の白乾児(パイカル)を飲むことで一時的に体が元に戻ったことが、劇場版を含めて2回ある[2]。また、灰原が白乾児の成分を参考にして作った解毒剤で元に戻ったことも一度あり、その際は灰原の変装による偽装が行われた。ドラマ版第2弾では白乾児と他の酒を混ぜて作られたケーキを偶然食べたことで元に戻っている。だがその反面、体にかける負担は大きく、いずれの場合も風邪に近い状態であり、解毒剤の効果が切れコナンの姿に戻るタイムリミットが近づくにつれ呼吸が荒くなり、激しい動悸のため胸を押さえるシーンがある(1回目に戻ったときは、実際に風邪の状態であった)。
[編集] 人物像
[編集] 江戸川コナンとして
帝丹小学校1年B組。毛利家に居候中。体重は18kg。かなりの音痴で料理も苦手。声も幼い頃のものに戻っている。
小さい頃の顔を知っている蘭に不審がられないよう、新一の父親・工藤優作の眼鏡を咄嗟に掛けたことから、日常的に眼鏡を掛けるようになった。しかし視力は新一の頃のままなので、レンズに度は入っていない。以後は阿笠博士に改良してもらったものを使用。体力などは相応の子供並に落ちているが、性格や癖、頭脳や技術などは変わっていないため、その頭脳を駆使して数々の事件を解決している。また、子供の身体であるがゆえに探偵としての行動に制限が掛かるため、阿笠博士の作ったメカ(「時計型麻酔銃」や「蝶ネクタイ型変声機」など)でそれを補っている。「小五郎を麻酔銃で眠らせて犯人を追い詰める」というパターンが多く、現在ではこれをパロディ化した作品も多い(クレヨンしんちゃんやケロロ軍曹など)。
主な推理の形式は「小五郎、園子、山村刑事らを麻酔銃で眠らせ、蝶ネクタイ型変声機で真相を話す」「阿笠博士に口パクさせて変声機で真相を話す」「小五郎、目暮警部、横溝警部らにヒントを与えて自力で解かせる(一度ジェスチャーで山村刑事に教えたことも)」「服部平次とのコンビで真相を話す(この場合も小五郎を眠らせることが多い)」などだが、自分で真相を話すこともある。この場合犯人と一対一で相対する場合が多い(劇場版、黒の組織幹部、VS怪盗キッド戦はほぼ毎回)。また、電話越しに蘭に推理を話して蘭自身に真相を話させたり、有希子に推理を吹き込んで真相を話させたこともある。少年探偵団がいる時は、彼(彼女)らにトリックの実演またはヒントとなるキーワードを言わせるなどして協力してもらう。
周囲に自分の推理を話す際、素の状態(工藤新一として)で推理を披露するとそれに慣れていない大人に訝しがられ、子供のフリをして「あれれ~?おっかしいぞぉ~?」のような口調で話すと少年探偵団に「そんな喋り方だから子供だと思われて馬鹿にされる」などと文句を言われるため、やりにくさを感じることもあるようだ。
単行本25巻において犯人に拳銃で撃たれ、左側腹部貫通の重傷を負った。手術の際に輸血用の血液が不足していたが、蘭からの輸血によって命拾いする[4]。
野球などをしてるときも、サッカーの癖が身体に染み付いてしまっているのか、足を使ってしまう事がある。また、TVゲームがヘタで、元太たちによくバカにされている。本人はそれが悔しかったのか、小五郎や蘭が就寝した後、居間でこっそり練習するという努力家(新一の時もそうだが)な一面もある。
劇中ではW21Sのエナジーレッドを愛用している。しかし劇場版などでは多少変更されている。以前は公衆電話や「イヤリング型携帯電話」を使用していたが携帯電話が普及した事もあり、今はほとんど使っていない(「イヤリング型携帯電話」に関してはある事件で犯人に奪われたため、それが原因の可能性もあるが)。
周囲からの呼称は、蘭・歩美・光彦・英理・和葉・警察関係者・ジェイムズが「コナン君」、小五郎が「コナン」または「ボウズ」で元太が「コナン」、小林が「江戸川君」または「コナン君」。平次は何度も「工藤」と言ってしまい蘭などに指摘されると「このボウズ」や「コナン君」などと言い難そうに言い直す(なお、「工藤」と呼んだことに対しては、「苦労」や「くどい」など似た言葉の間違いだったことにする)。灰原は、少年探偵団のメンバーや蘭などが居るときにには「江戸川君」、コナンと二人きりの時や博士や平次などコナンの正体を知っている者と一緒の時には「工藤君」と呼ぶ。阿笠博士はコナンと二人きりの時や電話で話す時や灰原や平次などと一緒のときは「新一」、蘭や少年探偵団と一緒にいるときには「コナン君」と言う。園子は「コナン君」または「メガネのガキンチョ」、ベルモットは「シルバーブレット君」または「クールガイ」、ジョディは「クールキッド」または「コナン君」。赤井は「ボウヤ」。また、キッドは通常「探偵君」稀に「名探偵」で、変装時を除き名前で呼んだことはない。
漫画での決め台詞は「江戸川コナン…探偵さ…」。TVアニメ・劇場版での決め台詞は「真実はいつもひとつ」(放送開始前のアイキャッチで使用。以前は「犯人はお前だ」だったが、視聴者を指差しながらの台詞だったためか変更された)。また、アニメのオープニングでは毎回ナレーションがあり、シリーズの途中からは「たった一つの真実見抜く、見た目は子供、頭脳は大人、その名は名探偵コナン」というセンテンスが定型で用いられている。
[編集] 工藤新一として
帝丹高校2年B組。推理オタクであり、中でもシャーロック・ホームズの大ファンで、「世界最高の探偵」と評している。身長は作者と同じ174cm。住所は東京都米花市米花町2丁目21番地[5]。好物はレモンパイ。口癖は「バーロ[6]」。
幼馴染の毛利蘭とは両想いなのだが、素直になれないでいる[7]。コナンが新一だとは夢にも思わない蘭から自分を「だーい好き」だと告白されてしまった。そのため変声機を使用して初めて電話した際「必ず元の体に戻って聞かせてやるからな。オレの本当の声で、本当の気持ちを」と約束し、元に戻ったら蘭に告白しようとしている。一時的に新一の姿に戻った際も、優作が有希子にプロポーズしたのと同じ場所で蘭にプロポーズしようとしたが、事件に遭遇し、何とか事件は解決したものの薬の時間切れ(描写から計算すると約一日半。灰原曰く「予定より24分オーバー[8]」)によってそれはかなわなかった[9]。
サッカー好きで、中学までサッカー部に所属していた。その技術はJリーグにスカウトされるほどだったが、新一本人はあくまで運動神経を養うためだけに行っていただけらしく、止めてしまった。蘭曰く、続けていれば国立のヒーローになっていたらしい。
性格は常に冷静な二枚目を気取っているが、その実は負けず嫌いで嫉妬深く、煽てられると喜びを大いに表したりと、実生活ではクールに成り切れず二枚目半に落ち着いてしまう部分が多くある。特に蘭の事となると、たまに子供のような態度や無謀な行動に走ることも少なくない(その無鉄砲ぶりは阿笠博士にも警告されている)。また、彼女に命の危機が迫ると普段の冷静さから一転、周りが見えなくなりやすい。だがどんなときでも諦めない強い意志と熱い部分を合わせ持つ青年である。
最近はあまり見られないが、初期の話では、事件が起こると喜んでしまうという悪い癖を持っていた。また、体が小さくなってしまったのも、軽い気持ちで事件に首を突っ込んだからだと阿笠博士に諭された事もある(実際、自分と無関係な事件にでも興味本位で首を突っ込む、というもう1つの悪い癖の持ち主である。ただ、これも最近はあまり見られない)
極度の音痴で、コナンとなった現在でもそれは変わらない。ただ、日本音響研究所の所長・鈴木松美(実在の人物)曰く、「この音痴は声が上手く出せない音痴であって、音はしっかり聞くことができる音痴である」とのこと(『コナンドリル』より)。実際に、作中においても音感に関してのみでは蘭よりも遥かに優れており、絶対音感を持っている(名探偵コナン 戦慄の楽譜でほぼ明らかになったが、それ以前にも「ピアノソナタ「月光」殺人事件」においてピアノの音階をアルファベットに置き換えた暗号を、耳だけで聞いて内容を理解している描写がある)。しかし、音楽の授業は苦手[10]。
ネイティブの人とも普通に話せるほど英語に堪能である一方で、蘭にさえ違和感を覚えさせるほど妙な関西弁を披露したり(平次を眠らせた時)、ポルトガル語ができなかったりするが、作者曰く外国語は「いっぱい」話せるとのこと。その他にもありとあらゆる知識を持っており(逆に、知識が多すぎて高校生らしくないとも言える)、推理をするときに役立てている。しかし、たまに、大抵の人が知っていそうな単純なことが抜けていて、「右手を上げた招き猫が金運を招く」という話を、ある事件で聞くまで知らなかったりする。また、劇場版で拳銃や乗り物を扱っていて、それは「ハワイで親父に教わった」らしい。(なお、このセリフは劇場版初期のころは定番となっていたが、近年は見られなくなった。)
小学1年生の頃は恥ずかしがって蘭のことを苗字の「毛利」と呼び、自分のことも「工藤くん」と呼ばせようとしていた時期があったが、とある些細な謎解き事件がキッカケで、現在でも互いに下の名前で呼び合うようになったという年相応の過去もある。
自分を想う蘭の恋心に関しては、平次が呆れ果てるほど非常に鈍感。しかし、平次や光彦といった他人の恋沙汰を見抜く能力はある。
自分の好みの話題(特にホームズ関連)になると空気を読まずに一方的に自分の話を続けてしまう。第1話でもせっかく遊園地に遊びに行ったにも関わらず話す内容は全てホームズのことばかりで蘭に呆れられてしまっていた。
周りからの呼ばれ方は、蘭・優作・小五郎・阿笠が「新一」、園子・英理が「新一君」、灰原・目暮警部・和葉・高木刑事が「工藤君(灰原の場合は正体を知らない者がいる場合は「江戸川君」と呼んでいる)」、有希子が「新一・新ちゃん」、服部が「工藤」。歩美が「新一お兄さん」、光彦が「新一さん」。なお、蘭らの前でコナンとして新一(自分)を呼ぶ場合は「新一兄ちゃん」。また、怪盗キッドと昔会った事があり(直接では無いが)、その時に「頭の切れるジョーカー」と言われていた。
好きな言葉は "When you have eliminated the impossible, whatever remains, however improbable, must be the truth." 「不可能なものを除外していって残ったものが、たとえどんなに信じられなくても、それが真相である」であり、これもホームズの推理論である(『四つの署名』より)。
通り魔に扮したベルモットが手擦りから落下しそうになったのを新一が助けたことをきっかけに、ベルモットからは組織を打ち破るためのシルバーブレットとして一目置かれている。
基本的には標準語を話すが、親しい者との日常会話にはしばしば江戸っ子特有の表現(前述の「バーロ」や、語尾に「よ」を多用する傾向がある(「~って言ってたからな」→「~って言ってたからよ」)ことなど)が混ざることがある。
好きなサッカー選手はレイ・カーティス(単行本29巻 FILE.9「Kスリー」より)。
名前の由来は、工藤俊作の工藤。「新一」の由来は、明確にされていない。
苦手な食べ物はレーズン(作者の青山剛昌も、同じくレーズンが苦手)。
[編集] 余談
読売テレビ本社前には江戸川コナンのブロンズ像が建てられている。
[編集] パロディ
- かいけつゾロリ - コニャン(「コナン」+猫の鳴き声の「ニャン」)
- クレヨンしんちゃん - コシン(しんのすけが変装、ロゴと音楽もパロディ化されている。なお、クレヨンしんちゃんに登場するおケイの声優はコナンの声優と同じで、おケイ自身がコシンのナレーションをした)
- ケータイ刑事 銭形シリーズ - 多摩川ドイル(脚本の渡邉睦月が生んだシリーズ名物キャラで、チビッ子検事。いつまでも10歳という設定なので、演じる子役が三人交代している)
- ポケットモンスター (アニメ) - ヒロシ(サトシのライバルの一人でコナンと声優が同じ、番外編では優れた推理力を発揮した)
- 焼きたて!!ジャぱん - 利根川コナン
- 喰いタン (テレビドラマ) - 金田 一(パロディというより、単に須賀健太がコナンのコスプレをしているだけ)
- ハヤテのごとく! - 連載が同じ少年サンデーな為か、コナンの銅像が度々出てくる。第108話にコナン自身も登場する。
- うちゅう人 田中太郎 - 名探偵ドイル(名前の「コナン」に対し、苗字の「ドイル」を捩った)
- フルメタル・パニック!(原作小説) - 未来少年探偵コニャン(「未来少年コナン」+「名探偵コナン」)
- 銀魂-第30話で主人公・銀時の回想にコナンそっくりの少年が出てくる。また小五郎そっくりの人物も数秒ながら登場する。
[編集] 脚注
- ^ ノアズ・アークはコナンの記憶情報を読み取ったことから察知した(ノアズ・アークは劇中に消滅。その為、後の展開への影響はないと思われる)。
- ^ 劇場版『迷宮の十字路』内では白乾児と、風邪と同じ作用を起こす阿笠博士の発明した薬によって元に戻った。
- ^ 自分の誕生日を忘れていることが多く、毎年蘭に思い出させられている。
- ^ 当時コナン=新一と疑っていた蘭は、コナンも新一と同様自分と同じ血液型であることを知っていた。
- ^ ホームズが住んでいたとされるベーカー街221Bに由来。
- ^ 『バカヤロー』の意。アニメ版での高山みなみの口調が特徴的に聞こえることからか、ネットスラングとして「バーロー」と表記されることが多いが、原作中では「バーロ」の表記の方が主流。本来は青山が『馬鹿野郎』というストレートな罵倒語を作中で用いる事を避けたための表記であり、他のコナンキャラクターも使用する言葉である。
- ^ 彼が蘭を好きだと思い始めた時期については中学校の頃言ったとされる「小さい頃から気になっている奴がいる」との言及や『水平線上の陰謀』でのエピソードからも小学校低学年、あるいはその前から好きだったのではないかと推測されるが、蘭が新一への想いに気づいたのは高校1年生で遭遇した事件によるものなために、新一の立場として見れば10年以上と相当な年月をかけた片想いだった可能性が極めて高い。
- ^ なお、そのオーバーした時間分はほとんど事件の推理と真相披露に使ってしまった。
- ^ 20年前にも優作がここで事件を解決した後有希子にプロポーズをしており、他殺に見せかけて自殺した加害者というのは新一が解いた事件の犯人の父親であり皮肉にも親子二代で事件をといたことになったが、肝心のプロポーズはそうはいかなかった。
- ^ リコーダーを吹けば教師(松本小百合)にタクトでピシパシ叩かれ、歌を歌えば音程を外す。中学3年間は新一にとっては最悪だったらしい。だが、ホームズが出来るということでバイオリンにだけは異常に詳しく、一応弾くことができる。
[編集] 関連項目
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主題歌集 | 第1作 - 第2作 - 第3作 |
登場人物 | 江戸川コナン - 毛利蘭 - 毛利小五郎 - 妃英理 - 阿笠博士 - 灰原哀 - 少年探偵団 - 鈴木園子 - 服部平次 - 遠山和葉 - 目暮十三 - 白鳥任三郎 - 佐藤美和子 - 高木渉 - FBI - 怪盗キッド - 黒の組織 |
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