幼馴染
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幼馴染(おさななじみ)は、子供の頃に親しくしていた友達を言う。遊び始めた時期に関して厳密な定義はない。だが、2~6歳の頃を幼児期といい、大体この時期の友人をさすことが多い。この時期は子供の行動範囲が広まる時期でもある。幼馴染は内心も話せることが多いが、それゆえにお互いの行動が雑になりがちな事もある。
[編集] サブカルチャーの幼馴染
「転居等で離ればなれになっていた幼馴染と再会する」という展開は文学等でよく使われる。特に幼馴染の男女が再会する展開は『伊勢物語』の「筒井筒」以来しばしば用いられてきた。この幼馴染という設定は戦後発達した漫画、アニメといったサブカルチャーにおいても活用された。そして、再会する設定だけでなく昔からずっと交遊関係にある設定も用いられてきた。
サブカルチャーにおいてさらに幼馴染が注目されるようになったのは、1990年代からギャルゲー・アダルトゲームにおいて登場人物間の人間関係における定番のシチュエーションとして用いられ、しかもそれぞれがヒーロー、メインヒロインといった主人公クラスの設定に頻繁に使用されたことによると考えられる。
このような作品における幼馴染キャラクターの典型的な類型は以下のようなものである。
- 家が近く、幼少時から家族ぐるみのつきあいをしている。
- 同じ学校の同じクラスに通っている、あるいは近所であることから登下校を共にする。
- 友人などから仲をひやかされる状況にある。
- 昔の出来事や秘密を共有しており、そのことで互いにからかったり、思い出にひたったりする。
- 相手を恋愛対象として見ていないが、何かのきっかけでそのことに気付かされる。
- 従兄妹(従姉弟)の場合、住居を共にしている場合もある。
幼馴染はキャラクターを設定するにあたり、幼少時から深い絆で結ばれた関係や、第三者を介入しない秘め事を持たせるのに利便性がある。幼馴染独特の親密さを維持できる時期が多感な時期であることからラブコメ展開が傾向としてあげられる。このように当初から親しい関係であることが多いことは、必然的に登場機会が増える結果として、主人公クラスに向いている設定となった理由の一つであろう。また、主人公が不良であったり、無愛想、朴念仁、モテない、異性嫌いなど、恋愛に疎遠なキャラクターの唯一の親しい異性として強調される。幼馴染の関係が結ばれるのは生まれてから幼稚園にかけてが多いため、登場人物の年齢は一般に小学生以上で特に高校生間の関係で多く見られる。ただし、中には高校生時代の交遊の記憶に基づいた大人同士の関係などもみられる(厳密に幼馴染と呼ぶべきかどうかはともかく)。
[編集] 歌謡曲
幼馴染を扱った歌謡曲も数多くみられる。霧島昇の『誰か故郷を想わざる』(詩: 西条八十)、デューク・エイセスの『おさななじみ』(詩: 永六輔)、トワ・エ・モワの『或る日突然』(詩: 山上路夫)『空よ』(詩: 難波寛臣)、やまがたすみこの『あの日のことは』(詩: 山県すみ子)、SWAY(さそり座)の『幼なじみ』、藤本美貴の『幼なじみ』(詩:つんく)と枚挙に暇がない。