木曜ドラマストリート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
木曜ドラマストリート(もくようドラマストリート)は、フジテレビ系列で1985年10月17日から1986年9月25日まで、木曜日の20:02~21:48に放送された単発の2時間ドラマ枠。
目次 |
[編集] 番組概要
若者&ファミリー層の視聴者向けの単発ドラマ枠「月曜ドラマランド」(月曜日 19:30~20:54)の好評を受けて、1985年10月からは木曜日にも同様の視聴者層向けの2時間ドラマ枠を新たに設定(時間枠そのものは前番組の「木曜ファミリーワイド」からそのままの編成を受け継ぐ)。こちらでもやはり主演に若手タレントやアイドルを中心に起用しながらも、「月曜ドラマランド」では扱えなかった殺人事件や愛憎サスペンス等、ミステリー小説を原作にした物を中心に取り上げた。特に開始時の同年内は赤川次郎作品を毎週連続して放映するといった特色を打ち出して話題をまく。また、石坂洋次郎や橋本治らの文学作品かつそれを原作にした名作映画のリメイクも幾つも作られるなどして意欲的なドラマ枠であった。
しかしながら、裏番組の日本テレビ系で放映されていた夜7時から9時までの「木曜スペシャル」やTBS系で放映されていた夜8時からの「世界まるごとHOWマッチ!!」と夜9時からの「ザ・ベストテン」があまりに強力なために視聴率的には不振を招く。さらに、1986年4月からはプロ野球のナイター中継放送枠にも充てられて度々番組は休止。不定期感が漂い、その不振に追い打ちを掛けてわずか一年で終了した。
[編集] 放映リスト
- 孤独な週末(1985年10月17日) 岸本加世子
- 払い戻した恋人(1985年10月24日) 藤谷美和子、石田純一、三浦洋一
- 明日を殺さないで(1985年10月31日) 渡辺典子、桑名正博
- 復讐はワイングラスに浮かぶ(1985年11月14日) 柏原芳恵、萩原流行、川上麻衣子
- 名探偵はひとりぼっち(1985年11月21日) 風見慎吾、宇沙美ゆかり
- 殺人よ、こんにちは(1985年11月28日) 工藤夕貴、中村晃子
- 赤いこうもり傘(1985年12月5日) 松本伊代、ケント・ギルバート
- 花嫁の父(1985年12月12日) 田村高廣、岡田奈々
- 殺人はそよ風のように(1985年12月19日) 伊藤麻衣子、国広富之、大西結花
- 熱血女先生(1986年1月16日) 美空ひばり、岡本健一
- 一日だけの殺し屋(1986年1月23日) 風間杜夫、萬田久子
- 家族八景(1986年1月30日) 堀ちえみ
- 殺し屋にラブソングを(1986年2月6日) 古尾谷雅人、手塚理美
- 恐怖のドライブ (1986年2月13日) 篠ひろ子、篠田三郎
- 三姉妹探偵団(1986年2月20日) 和由布子、河合美智子、遠藤由美子
- 桃尻娘(1986年2月27日) 相築彰子、松田洋治、金子美香、黒沢ひろみ、三好圭一
- 独身看護婦 禁じられた結婚遊戯(1986年3月13日) 榊原郁恵、石田純一
- 春一番が吹くまで(1986年3月20日) 布川敏和、今井美樹
- 放課後(1986年3月27日) 山下真司、志村香、遠藤由美子
- 若い人(1986年4月17日) 石川秀美、田中健
- 女教師「伊豆の踊り子」殺人事件(1986年5月8日) 沢田亜矢子、早乙女愛
- あいつと私(1986年5月15日) 中山美穂、松村雄基
- ぼくらの時代(1986年5月29日) 柳沢慎吾、山咲千里
- 寝台特急・出雲3号グルメ殺人旅行(1986年6月5日) 小野寺昭、鈴木ヒロミツ
- あぶない課外授業(1986年6月26日) 福永恵規、鶴見辰吾
- 花嫁の賭け(1986年7月17日) 石野真子、柳葉敏郎
- 展望車殺人事件(1986年7月31日) 堤大二郎、三原順子
- 陽のあたる坂道(1986年8月7日) 沢口靖子、柳葉敏郎、仙道敦子
- 帰って来た桃尻娘(1986年8月28日) 相築彰子、松田洋治、金子美香、黒沢ひろみ
- セーラー服三銃士(1986年9月4日) 宮崎ますみ、松下幸枝、富田靖子
- 心はロンリー気持ちは「…」IV(1986年9月25日) 明石家さんま、森下愛子、今井美樹、柳葉敏郎
[編集] テーマ曲
- オフコース「ENDLESS NIGHTS」 (1985年10月~1986年3月)
- 安部恭弘「テネシー・ワルツ」 (1986年4月~1986年9月)
[編集] エピソード
- 放映開始初期の『明日を殺さないで』、この赤川次郎の原作はテレビ情報誌「ザテレビジョン」に前年の1984年から掲載されていた連載小説(放映時は単行本化)。当時、同誌の出版元の角川書店からこの作品を含めて赤川次郎作品を多数刊行していたため、1985年秋から冬の放映開始前後の番組紹介の入れ込み方は他誌と比べて群を抜いていた。
- 「月曜ドラマランド」では原作とはかけ離れていたり、出版元の許諾のみで原作者にほとんど断り無く製作された作品が多々あった一方で、「木曜ドラマストリート」はなるべく原作の世界観や原作者の意向を尊重した作りを目指していた。赤川次郎は自身の原作のものへは作品毎に撮影開始前に脚本に目を通すことが出来ていたとのこと。
- 1986年1月30日放映の堀ちえみ主演『家族八景』の最初の放映予定日は1985年12月26日であった。しかし、当日は「木曜ドラマストリート」の枠名を外し、「年末特別企画映画」と銘打って『刑事物語3・潮騒の詩』(1984年 東宝)を放映。この沢口靖子のデビュー作品を裏番組のNHKでやっている沢口靖子主演『澪つくし 総集編』にわざとぶつけたものと憶測が流れた。
- 「月曜ドラマランド」では同時期におニャン子クラブ出演作が多数作られたが、「木曜ドラマストリート」では福永恵規主演の『あぶない課外授業』のみ。「月曜ドラマランド」のおニャン子クラブ出演作がほぼ恋愛コメディーであったのに対し、この作品はおニャン子らしいタイトルとは裏腹に父親の突然の失踪とその謎をめぐるサスペンスといったシリアスな内容であった。
- 『セーラー服三銃士』の主演、宮崎ますみ(宮崎真純)、松下幸枝(松下由樹)、富田靖子の三人はともに1983年の映画「アイコ十六歳」のオーディションで選ばれてデビューした仲。双方の作品ともに製作元はアミューズで、三人ともに当時の所属事務所もアミューズ。同窓会的なキャスティングが施された。
- 1986年4月からナイター中継が雨天中止した場合の代替の雨傘番組用に『シンデレラの階段』(出演:松尾嘉代、竜雷太、高樹沙耶)が用意されていたが、結局「木曜ドラマストリート」の枠内で放映がなされることはなかった。
- 「木曜ドラマストリート」枠用に『マイ・フェア・レディース』(出演:柴田恭兵、田中美佐子)という作品が作られるも、放映ラインナップに載ることさえなかった。いわゆるお蔵入りをしかけたが、番組枠の放映終了から3ヶ月後の1986年12月30日 23:20~25:20に「年末ドラマスペシャル」と銘打って日の目を見る。なお、監督は一般映画に進出前の金子修介(それまでロマンポルノのみだった)。この作品と同時期に制作された「月曜ドラマランド」枠放映の『サムライ』から2004年の「スカイハイ2」までテレビドラマは17年間撮っていなかったという逸話がある。
[編集] 番組提供スポンサー
[編集] ソフト化&放映情報
- 石坂洋次郎原作・中山美穂主演の『あいつと私』が放映直後にビデオソフト化がなされた。これがしばらくの間は唯一のものであったが、2005年に明石家さんま主演の『心はロンリー気持ちは「…」IV』が他の同ドラマシリーズ作とともにDVDソフト化がなされている。
- スカイパーフェクTV!や一部のケーブルテレビ局で観られる、関西テレビ☆京都チャンネルのレギュラープログラム「京都チャンネルサスペンス」枠に於いて、『殺し屋にラブソングを』、『若い人』、『花嫁の賭け』、『陽のあたる坂道』など幾つかの作品がラインナップされていて、定期的にリピートされているので放映機会があれば視聴可能である。また、地上波ではテレビ愛知の平日12:55~14:55までのローカル放送枠「午後の傑作選」でも時折放映される機会がある(近年は『家族八景』、『あぶない課外授業』、『桃尻娘』、『帰って来た桃尻娘』など)。
[編集] 番組の移り変わり
フジテレビ系 木曜20:02~21:48 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
木曜ドラマストリート
|