雨傘番組
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
雨傘番組(あまがさばんぐみ)は、主にテレビ・ラジオのプロ野球中継などにおいて、悪天候のため試合が中止になった場合などにそれの代わりに放送される番組の事である。別な意味では代替番組とも呼ばれ、業界用語ではレインコートともいう。
通常、番組表には「【中止】(番組名)」と表記される。
目次 |
[編集] テレビの場合
- 試合中に悪天候のため競技が途中中断した場合や、放送時間枠よりも大幅に早く試合が成立した場合などは、プロ野球の珍プレー集や名場面集などを放送する事が多い。
- 試合開始前に悪天候で競技中止となった場合は、主にその時間で放送されている番組を流す事が多い。本来その時間枠が単発特別番組枠の場合は、雨傘番組用として通常の放送とは別に専用の番組をあらかじめ収録しておくのが一般的である。
- この場合、番組のテーマとしては季節や時事ネタなどにあまり影響されないものが選ばれる事が多い。試合の中止回数が予想より少なかった場合には、これらの特番は放送されずにお蔵入りとなる事もある(日本テレビのラーメン特番やフジテレビの『世にも奇妙な物語 雨の特別編』などが代表的な例である)。
- これ以外に、夜7時40分頃までに試合が終了もしくは中止になった場合は、中止時に放送予定だった夜8時台の番組を放送したりする事もあるが、元々雨傘として用意されていた通常番組の総集編が放送される場合が多い。
- その他、通常の生放送番組を野球中継で休止させた場合、雨天中止時には通常番組の放送が難しくなるため、この場合はその番組とは違う単発の雨傘番組が用意される(テレビ朝日の『ミュージックステーション』など)。
[編集] 特異な事例
- 2001年9月に東京ドームで実施予定だった巨人戦の試合が台風の影響で中止となり、当時その時間で放送されていた『速報!歌の大辞テン』が急遽司会者とゲストタレントを集めて生放送で行われた。なお、同番組は放送当時、雨傘番組として通常放送以外の回が何本かが制作されており、放送されなかった場合は日本テレビのみ別枠で放送されていた。
- また、試合が予定より早く終了した際に読売ジャイアンツ長嶋茂雄終身名誉監督の現役引退セレモニーや、北京オリンピックに向け野球日本代表のドキュメンタリーが放送されたこともある。
[編集] ラジオの場合
ラジオの場合は、テレビと異なり、悪天候で本来中継対象の試合が中止になった場合は他球場の試合中継に切り替える事が多く、ドーム球場が増えてからは野球中継そのものが中止になることは少ない。
しかし、放送権の関係で切替が困難な場合、その日の全試合が中止になった場合やナイター試合がない場合は雨傘番組を放送する事になる。
番組内容はスタジオからアナウンサーと解説者がシーズンのそれまでの戦いを振り返ったり、リスナーからのメールやFAXを募集してそれを紹介するといった内容、さらに録音準備しておいた音楽プログラムを流すことが多い。
[編集] ラジオナイターの雨傘プログラム
- ジャパンラジオネットワーク:「プロ野球ネットワーク」(月・金曜は「プロ野球東西南北」。これは大阪のネット局が月・金曜は毎日放送、他は朝日放送=ABCラジオと曜日毎に異なる事を配慮してタイトルを変えている。)
- 全国ラジオネットワーク:月~金曜(ニッポン放送発)は「サウンドコレクション」、土・日曜(文化放送発)は「ビッグサウンズスペシャル」
- ラジオ日本:「ギャオス内藤のずばり!!ジャイアンツプライド」など