怒羅権
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怒羅権(どらごん)は、東京都江東区を拠点とする暴走族。中国残留孤児の2、3世を中心としたグループであり、成人すると東北系チャイニーズマフィアとして裏社会にも進出している。
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[編集] 概要
中国残留孤児帰国者は、日本語が不自由なため、授業に付いていけず、また学校で差別を受け、イジメられていた[1]。彼らは、自分が日本人なのか中国人なのか分からなくなり、同じ境遇であった中国残留孤児の2、3世で自然と集合化していった[1]。そうした中で1988年、中国残留孤児帰国者の一時入所施設「常盤寮」があった東京都江戸川区葛西で怒羅権は結成された[2]。「怒羅権」とは「日本人に対する怒り、団結、権利」を意味する[2]。
[編集] 暴走族
東京都の江東区、江戸川区をなわばりとし、北区、世田谷区、府中市、神奈川県横浜市にも組織がある。構成員は包丁、ナイフ、青龍刀を携帯し、人を刺すことも臆しない刺殺上等チームであった[3][4]。
構成員が離脱しようとすると集団リンチで殺したり[5]、仲間が逮捕されると警察署、交番、パトカーを襲撃[6]するなど凶悪的な側面から、東京都内最強最悪の暴走族といわれている[1]。
[編集] マフィア
暴走族グループは成人となるとマフィア的性格を帯びる。1994年8月10日、対立グループを中国料理店前にて青龍刀で殺傷し、歌舞伎町に進出する[7]。2002年9月には歌舞伎町の喫茶店で住吉会幹部を射殺するなど実力行使も厭わない[7]。
[編集] 脚注
- ^ a b c 「警察大学校警察政策研究センター」四方 光[1]
- ^ a b 「中国残留孤児2世中心の暴走族グループ「怒羅権(ドラゴン)」摘発」毎日新聞1990年12月20日夕刊
- ^ 「実話マッドマックス」 2004年11月号
- ^ 「暴走族、暴力団組員を襲う」産経新聞1999年4月22日朝刊
- ^ 「リンチ殺人の主犯格逮捕」産経新聞1999年9月9日夕刊
- ^ 「パトカー襲い仲間を奪還、暴走族30人」産経新聞1998年11月27日
- ^ a b 「歌舞伎町中国マフィア肥大化」東京新聞2003年12月10日朝刊
[編集] 参考文献
- 警察政策研究センター編『警察政策研究 第九号(2005年)』(第4章 来日外国人犯罪対策)
- 『平成15年版 警察白書』(特集・組織犯罪との闘い)
- 張荊著『来日外国人犯罪―文化衝突からみた来日中国人犯罪』(2003年12月、明石書店)ISBN 4750318299
- 吾妻博勝著『新・マフィアの棲む街―新宿歌舞伎町』(2006年12月10日、文藝春秋)ISBN 9784167609023
- 李文彦著『警察通訳が明かす中国人犯罪驚愕の手口』(2005年、双葉社)ISBN 4575298107
- 溝口敦著『中国「黒社会」の掟 チャイナマフィア 』(2006年4月21日、講談社)ISBN 4062810166
- 溝口敦、森田靖郎共著『ヤクザという生き方 中国人マフィア来襲』(2000年6月、宝島社)ISBN 4796618732
[編集] 関連事項
- 瓜田純士
- 藤岡剛