山岳警備隊
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山岳警備隊(さんがくけいびたい)とは、 山岳における遭難者の救助、登山者の遭難防止等に関する活動に当たる日本の警察部隊である。世界各国に同様の目的で山岳救助隊(山岳救難隊、山岳レスキュー隊)が存在する。
山岳遭難に際して出動する組織としては、他に全国の消防署・消防団に置かれている山岳救助隊、地元山岳会、航空自衛隊の航空救難団等が存在し、遭難が発生すれば合同で対処するが、本項では、警察の山岳警備隊について記述する。
山岳警備隊は、日本全国の都道府県警察に組織されているが、特に、3,000m級の名山揃いの飛騨山脈を抱える富山県警察・長野県警察・岐阜県警察の体制が充実している。とりわけ富山県警山岳警備隊が有名である。
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[編集] 組織
山岳警備隊は、多くの場合、各都道府県警察本部生活安全部内に置かれている。普段は、関係警察署に指定された警察署や機動隊で勤務しており、登山者の入山に際し入山届の提出を受け付けているとともに、常に救助トレーニングを行い、実際に登山道をパトロールして危険がないかをチェックし、登山情報を提供している。また、環境省や農林水産省外局の林野庁(地方支分部局として森林管理局7、分局7、森林管理事務所3、さらに森林管理局の下に森林管理署98、支署14、事務所34があり、事務所の一部には、現代風に森林センター/森林管理センターと呼ばれている所もある。これらは特別司法警察職員としての権限を持っている)と協力して、高山植物の無断採集の取締りを行うなど、環境保全のための活動も行う。多くの登山者が入山する岐阜・長野・富山県警では、山岳警備隊員が交代で、山中の山荘に作られた派出所に詰める。そして、いったん救助要請があれば、徒歩または県警ヘリコプターにより上空から降下して救助活動に当たる。
長野県警察では、機動隊山岳救助部隊が地域課山岳遭難救助隊の中核の隊員になっている。機動隊山岳救助隊員が地域部や生活安全部の山岳救助隊の主力隊員になっている県警は多い。(青森県警や愛媛県警等)
[編集] 長野県警山岳遭難救助隊
- 結成: 1954年(昭和29年)
- 隊員数: 27人(救助隊員の主力は機動隊員)
- 編成:
- 関係警察署: 茅野警察署、駒ヶ根警察署、安曇野警察署、大町警察署
- 常駐拠点: 涸沢山岳総合相談所、白馬村営白馬岳頂上宿舎、常念山脈の山荘、唐松岳頂上山荘、宝剣山荘、赤岳鉱泉
山岳救助隊志願者は、警察署地域課の実務経験後に機動隊に配属される。機動隊の中で山岳救助隊員に指名され、ロッククライミング等の山岳救助訓練を実施しながら、数年の山岳救助経験を経た後に航空隊や各警察署に配属される。
[編集] 富山県警山岳警備隊
- 結成: 1965年(昭和40年)、山岳救助隊を強化する形で誕生
- 隊員数: 27人
- 関係警察署: 上市警察署、富山南警察署(旧大沢野署)、入善警察署、黒部警察署、魚津警察署
- 常駐拠点: 室堂派出所、剱沢派出所、馬場島派出所(登山指導センター)
- 延べ救助者数: 3,000名
- 殉職者数: 2名
- 使用機材: アグスタ A109K2「つるぎ」(二代目)1機
柔道、剣道経験者が機動隊に入るのと同じように、山岳経験者が一般の警察試験を受け山岳警備隊を希望し入隊するのが一般的である。
[編集] 岐阜県警山岳警備隊
- 結成: 1970年(昭和45年)
- 関係警察署: 高山警察署、飛騨警察署、下呂警察署、北方警察署、揖斐警察署、中津川警察署
- 岐阜県警察山岳警備指導センター(飛騨署神岡交番(旧神岡警察署)内)
- 常駐拠点: 新穂高登山指導センター(新穂高温泉)、穂高岳山荘
[編集] 他に山岳警備隊がある主な都道府県警
長野県警、富山県警、岐阜県警以外は、基本的に山中の派出所への常駐などはしておらず、山岳遭難に際して出動する。
[編集] 関連項目
- 山岳救助レンジャー部隊
- 山岳救助隊 (消防)
- ヘリコプター救急
- 夏山診療所(山岳警備隊と同じ拠点に設置されることが多い)
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