天理市
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天理市(てんりし)は、奈良県北中部に位置する市。日本で唯一宗教団体の名称が市名となっており、市の中心部には天理教関連の施設が集中する等、宗教都市として知られている。
目次 |
[編集] 市名の由来
名称は当時既に一帯に普及していた天理教に由来し、日本で唯一宗教団体の名称が市名となっている(ただし、後述の通り天理教側は別の市名案を出していた)[1]。天理市当局も自ら“宗教都市”と明言している。また、病院などの施設にも独特の建築様式が見て取れる(市HP“天理タウンと天理教”参照)。日本の市で、明確に私的団体に由来する市名を持つのは、この天理市と愛知県豊田市のみである。そのため、以前、一宗教団体の名称が市名になることによって精神的苦痛があったとして訴訟があったが、原告が京都府民であるため請求権がないとして却下された。
[編集] 地理
奈良県北中部に位置する。市域を東西に西名阪自動車道、名阪国道が貫き、南北軸と交わる交通の要所となっている。 東部は大和高原等が広がる山間地であり、西部は奈良盆地に含まれる平坦地となっている。 市の中心部には石上神宮、大和神社や天理教関連の施設が集中しており、宗教都市としての性格を持ち合わせる。西部は、近鉄や西日本旅客鉄道の沿線であり、住宅地として開発が行われ、大阪へのベッドタウンとしての性格を持ち合わせる。都市としては、複数の顔を持ち、同市内でありながら、街の雰囲気、住民の指向は違いを見せる。
[編集] 気候
奈良県を参照。
[編集] 人口
- データ出典 奈良県統計課の調査による各年10月1日の人口。
- 2007年10月1日現在 : 70,759人
- 人口増加率(2002年→2007年) : -2.1%
1990年代後半~2000年代前半に掛けては増減が激しい時期があったが、近年は微減傾向である。
[編集] 歴史
- 昭和29年(1954年)4月1日、山辺郡丹波市町・二階堂村・朝和村・福住村・添上郡櫟本町・磯城郡柳本町の合併により誕生。天理教の本部が丹波市町にあったことにちなんで新市名が選ばれたが、教団側は「山辺市」を推薦していた。
- 昭和33年(1958年)10月15日、磯城郡田原本町のうち、桧垣・遠田・海知・武蔵の4大字を編入。
[編集] 行政
[編集] 歴代市長
- 中島賢蔵 (1954年4月-)
- 北沢善之 (1957年-)
- 堀内俊夫 (1966年5月-)
- 尾崎喜代房 (1976年9月-)
- 前川尭 (1988年8月-)
- 市原文雄 (1992年5月-)
- 南佳策 (2001年10月-)
[編集] 経済
[編集] 産業
市の中心部には天理教関連の施設が多く、宗教都市の様相を呈しているが、市全体的には農業地帯である。 特にいちごの栽培が盛んである。
大阪から電車、車で1時間程度の距離であることから、ベッドタウンとしての役割を担っており、特に近鉄天理線沿いを中心に新興住宅地が現在も拡大し続けている。人口増に対応した商業活動も活発であり、大型ショッピングセンターも設置された。
また、トンコツ、鶏ガラをベースにニンニク、豆板醤で味付けされ、具には炒めた白菜、豚肉を使用した彩華ラーメンが有名である。同じく、「天理ラーメン」の愛称で知られる天理スタミナラーメンも有名であるが、この二つはよく混同されるので注意したい。
市北部にはシャープの総合開発センターがあり、研究所およびLSI・液晶ディスプレイの工場が置かれている。
[編集] 企業
- 天理興業
- 三笠コカ・コーラボトリング
- センタン天理工場
- 天理スタミナラーメン
- 彩華ラーメン
- 長寿飯店
- 大和軒
[編集] 姉妹都市・提携都市
[編集] 国内
- なし
[編集] 海外
[編集] 地域
[編集] 学校教育
小学校
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中学校
- 市立北中学校
- 市立南中学校
- 市立福住中学校
- 市立西中学校
- 私立天理中学校
高等学校
- 奈良県立添上高等学校
- 奈良県立二階堂高等学校
- 私立天理教校学園高等学校
- 私立天理高等学校
大学・短期大学
- 私立天理大学
[編集] 社会教育
ホール・集会場
- 天理市文化センター
- 天理市福祉センター
公民館
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図書館
- 天理市立図書館
- 天理大学附属天理図書館
体育施設
- 長柄総合運動公園
- 天理市立三島体育館
- 天理市立二階堂体育館
- 天理市立二階堂運動場
- 天理市立白川ダム運動場
- 天理市立福住運動場
- 天理市立天理ダム運動場
- 温水プール(コナミスポーツ天理)
[編集] 隣接する自治体
[編集] 奈良県
[編集] 交通
[編集] 鉄道
[編集] 道路
- 五ヶ谷IC・高峰SAは奈良市に存在
名称は「郡山」と付いているが、天理市二階堂上菅田町に存在
[編集] 名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
[編集] 名所・旧跡
[編集] 天理教関連の施設
- 「詰所」と呼ばれる、天理教信者がおぢばがえりの際に宿泊するための施設が、市内中心の至る所に独特の様式(和風コンクリート)をもって林立している。これをよく知らずに、建物群を初めて目にする人の中には「なぜこんな多くの旅館が?」と疑問に思う人もいる。また、教団は「天理よろづ相談所病院」という総合病院も持っているが、相当な高水準医療を行っている病院として県内はおろか近隣の他府県でも有名なわりに、建物が前述の詰所と同じような建築様式なのが独特である。なお、最近になって外来専用の建物が新築されたが外観は無国籍的な建物となっている。
[編集] 祭り
[編集] 天理市と天理教
- 天理教の二代真柱・中山正善が、1960年(昭和35年)、名誉市民となっている。
- 毎年、天理教から行政当局に対して多額の寄付金がなされているが[2]、教団側は特に使用目的を指図していない。寄付金は、毎年の当該年度の一般会計予算の中に組み入れられており、寄付金がどのように反映されているのかは不明である[3]。
[編集] 天理市出身の有名人
- 在原業平(平安時代の歌人)
- 道上龍(レーシングドライバー)
- 山村聰(俳優)
- アップルみゆき(プロレスラー)
- 佐々木六華(テレビ宮崎アナウンサー)
- 海原かなた(漫才師海原はるか・かなた)
- 中山みき(天理教教祖)
- 村上和雄(遺伝子解読 筑波大学名誉教授 農学博士)
- 岡田宗一(「なら骨髄バンクの会」会長)
[編集] 脚注
[編集] 外部リンク
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