メインフレーム
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メインフレーム (mainframe) は、企業の基幹業務などに利用される大規模なコンピュータを指す用語である。汎用コンピュータ(general purpose computer、all purpose -)、汎用機(general purpose machine)、汎用大型コンピュータ、大型汎用コンピュータ(large -)などとも呼ばれる。
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[編集] 概要
「メインフレーム」は、企業の基幹業務などに利用される大規模なコンピュータを指す用語であり、該当する各コンピュータやそのシリーズ、更にはアーキテクチャ群の総称である。
ほとんどの場合、「汎用コンピュータ」「汎用機」「汎用大型コンピュータ」「大型汎用コンピュータ」などと同義語である。また現場では「ホスト」「ホストコンピュータ」と呼ばれる事も多い。
メインフレームは1951年のUNIVAC I(初の商用コンピュータ)が最初とされ、企業など大規模組織の基幹業務での使用に耐えるように、次第に以下の特徴を持った。
- 大量のデータ処理能力(CPU性能だけでなく、特に入出力性能)
- 1台で多数の業務処理を平行して処理するワークロード管理
- 徹底した冗長化などによる、高度な信頼性と可用性
- 大組織に必要な、厳格な運用管理機能とセキュリティ機能
- メーカー側の長期計画や保守体制
特に1964年のIBM System/360は、商用コンピュータとしては従来の常識に反して以下の特徴を持ち、大ヒットとなった。
- 汎用コンピュータ(従来の専用コンピュータに対し、商用計算(10進数演算)と科学技術計算(浮動小数点数演算)を1台で兼ねた)
- コンピュータ・アーキテクチャ(プログラムの互換性に関する基本仕様を明確化し、マニュアルで公開した)
- コンピュータ・ファミリー(ファームウェア技術を応用して、アプリケーションから見てコンピュータを仮想化し、シリーズ内のモデル間や後継シリーズ間で、ユーザープログラムや周辺機器の上位互換性を確保)
- オペレーティングシステム(従来は各ユーザーが開発していたが、OS/360として標準搭載した)
System/360は初めての汎用コンピュータであり、以後のメインフレームの主流ともなった(初めてのメインフレームと呼ばれる事も多い)ため、「メインフレーム」と「汎用コンピュータ」は、ほぼ同じ意味で使われる事になる。
ただし正確には、10進数演算と浮動小数点数演算の搭載(商用初の汎用機)や、ファームウェアによる互換性の確保(商用初の仮想機械)は、1958年のIBM 709が先である。
メインフレームのアーキテクチャは各メーカーにより異なり、中には操作性がUNIXに近いものも存在し、正確な定義は難しい。しかし各メーカーとユーザーの、長年の技術と経験を蓄積しており、より小型と言えるミニコンピュータ・オフィスコンピュータや、主に汎用部品で構成されるオープンシステム(UNIX、Linux、Windows)や、特定用途のスーパーコンピュータ・組み込みコンピュータなどとは区別される。
オペレーティングシステム、マルチタスク、仮想記憶、仮想機械、キャッシュメモリ、ハードディスク、フロッピーディスク、データベース、オンラインシステムなどの技術はメインフレームから生まれた。
1980年代には各社メインフレームの全盛期を迎えるが、1990年代にはWindowsやUNIXなどのオープンシステムの台頭によるダウンサイジングの波により「レガシー(過去の負の遺産)」「滅びゆく恐竜」とも呼ばれた。しかし長年の設計・運用を含めた信頼性と、2000年代のインターネットに代表されるサーバ集中の潮流もあり、現在でも基幹業務用に使用され、またオープン系とは競争しながらも組み合わせされているのが現状と言える。
なおメインフレームが「レガシー」「クローズド」とされる背景には、日本では国産メーカー各社がメインフレーム(特に専用OS)の新規機能拡張を控えている事実もある。現在のメインフレームは、各種のオープン要素(TCP/IP、RDBMS、WWW、Java、SOA、UNIX、Linuxなど)も取り入れている。
現在もメインフレームを製造・販売しているメーカーは、IBM、富士通、日立、NEC、Bull、ユニシスである(→ 種類を参照)。
メインフレームは上述のようにメーカーおよび歴史的経緯により、複数のアーキテクチャがあり、更に現在はWindowsやLinuxを同時稼動できるものも多く、どこまでを「メインフレーム」または「汎用機」と呼ぶかは立場・目的によって異なるので注意が必要である。
[編集] 呼称
[編集] 「メインフレーム」
メインフレーム(M/Fと略記される場合もある)という名前の由来は諸説ある。通常は、周辺機器や端末などを含めたシステム全体の中核をなすことが多いためと言われる。なお、メインフレームが計算処理を全ておこなうメインコンピュータと表示だけを担当するフレームコンピュータとで構成されていたという説もあるが、System/360も現在のメインフレームも、このような構成では無い。
当初は単に「コンピュータ」と呼ばれる事が多かったが、特に「メインフレーム」と呼んで区別する必要が生じたのは、PDP-8などに始まるミニコンピュータの登場からである。(本来、技術用語ではなく、各社の各種コンピュータを世代的に分類した用語であり、立場・目的により定義・範囲が異なる一因ともいえる。)
なおメインフレームを製造・販売しているメーカーをメインフレーマーとも呼ぶ。
[編集] 「汎用コンピュータ、汎用機」
汎用コンピュータ登場以前の各メーカーの「専用コンピュータ、専用機」と区別した総称。厳密にはメインフレームのうち、汎用コンピュータと言えるSystem/360以降を指すが、ほとんどの場合は「メインフレーム」と同義語とされている。
一般用語では、現在のパーソナルコンピュータやUNIXなどのサーバも「汎用のコンピュータ」だが、通常はこれらオープン系のコンピューターは含まない。そのためか「大型汎用コンピュータ」「汎用大型コンピュータ」と表記される場合も多い。
なお、ネット上などで汎用機を「文字表示以上のグラフィックを扱う仕組みを標準で内部的に有しないなど、パーソナルコンピュータと比較しても汎用性が無い」ことを揶揄または自嘲して凡用(凡庸?)機(ぼんようき)と呼ぶ場合もある。
[編集] 「大型コンピュータ、大型機」
実際のサイズまたは金額から「大型(Large)、中型(Midrange)、小型(Small)」と分類し、「大型」がメインフレームを指す場合も多い。市場分析などで多く見られる。
アーキテクチャを区別した用語では無いので、どのシリーズがごこに分類させているかは、その記事ごとに注意が必要である。また、同一のメーカーの資料でも、どのシリーズ・モデルを大型・中型・小型に分類するかは時代や部門によっても変わっており、あくまで便宜上の用語である。
類似の呼称に「エンタープライズサーバ」がある。1990年代に「汎用コンピュータ」のネガティブなイメージを避けて一部メーカーで使われたが、アーキテクチャを区別した用語ではなく、ハイエンドUNIXサーバを含んでいる場合も多い。
[編集] 「ホストコンピュータ、ホスト」
現場では「ホスト」と呼ぶ場合が多い。本来はメインフレーム用の「端末(ターミナル)」に対する用語であり、更には「分散システム」(ミニコン、オフコン、UNIX、Windowsなど)に対する用語でもある。
「中央に置かれたコンピュータ」という意味では「メインフレーム」と共通するが、「ホスト」は役割分担的なニュアンスが強い。公式な分類で使われる事は少ない。また、個々のシステムや業務で、実際に機能的に中心(ホスト)かどうかは別問題である。
[編集] 使用状況
日本では長年、メーカー・マスコミ・通商産業省(現・経済産業省)やJISの文献などでも「汎用コンピュータ」が多かったが、現在は「メインフレーム」も増えて来ている。
現在、IBM・富士通・NECは「メインフレーム」、日立・ユニシス・Bullは「エンタープライズサーバ」と称している。
[編集] 歴史
[編集] 誕生(1950年台~)
1950年に世界最初の商用コンピュータ UNIVAC I が登場した。
いくつものメーカーが1950年代から1970年代にかけて大型コンピュータ(メインフレーム)を製造していた。その「栄光の日々」には、彼らを「IBMと7人の小人たち」と呼んだ。その7人とは、バロース、CDC、GE、ハネウェル、NCR、RCA、UNIVACである。
IBMはコンピュータでは後発だったが、1964年に「System/360」シリーズを発売して大成功を収めた。System/360は当時の常識を覆してアーキテクチャ(CPU命令セット、I/Oチャネル制御言語など)を公開してシリーズ化したが(オープン路線)、その結果としてIBM互換の周辺機器メーカー、更には本体の互換メーカー(RCA、日立など)の台頭も招いた。
System/360の基本アーキテクチャはその後も維持/成長し、現在のSystem zシリーズに受け継がれている。実際、24ビットのSystem/360のコード(実行モジュール)をそのまま動作させることが出来る(バイナリ互換)が、System zは昔のシステムと物理的には全く共通点は無い。これは、アセンブリ言語や機械語を含むアプリケーションとの境界を、アーキテクチャとして定義し、ファームウェア機能も使用して上位互換を続けた結果といえる(仮想化)。
[編集] 全盛期(~1980年台)
IBMの競合会社は次々とコンピュータ事業の撤退・縮小に追い込まれたため、IBMは司法省と独占禁止法訴訟を続ける事になる。IBMは当初「顧客に製品ではなくソリューション(サービス)を提供する」ためにレンタルのみでの提供を行っていたが、独占禁止法の訴訟を緩和するため、OS(MVSなど)の有料化、更にはリース・買取政策を進めていく。
またSystem/360後継のSystem/370、更には 1981年のSystem/370-XA(eXtended Architecture)では、主要機能を著作権で保護したため、IBMへの独占批判は強まった。
「7人の小人」からGEとRCAが脱落すると、"The BUNCH"(束)と呼ばれるようになった(Burroughs、UNIVAC、NCR、CDC、Honeywell)。また、System/360を開発したアムダールは、IBMを退職して富士通の援助も受け、IBM互換機(System/370 プラグコンパチブル)を開発するようになる(IBMのOSを動かすため、ハードウェア互換と呼ばれる)。
アメリカ合衆国以外で特筆すべき製造業者としては、ドイツのシーメンスとテレフンケン、イギリスのICL(現: Fujitsu Services Holdings PLC)、ソビエト連邦などのIBM互換機がある。
競争の激化に伴って1980年代初頭から市場の再編成が始まった。RCAはUNIVACに売却され、GEは撤退、ハネウェルはフランスのBullに売却された。1986年、UNIVACはバロースと合併してUnisys Corporationとなった。1991年、AT&TはNCRを実質的に所有することとなった。
1981年にはレーガン政権のもと、米国司法省がIBM独禁法裁判を断念し起訴を取り下げた。
[編集] 日本上陸(~1980年台)
通産省(当時)を中心に、外資を規制して、行政指導で国産に誘導し、多額の補助金を投入して国策としてメインフレームを作っていた日本だけが、最後までIBMがメインフレームを独占できなかった国である。日本以外では IBM(および UNISYS、Bull)以外のメインフレームは存在しないと言っても過言ではない。
日本では1973年に米国からの圧力などでコンピュータの輸入自由化が決定された。通商産業省は、当時の国内コンピュータメーカーの体力ではIBMを初めとする海外メーカーに日本市場を席巻され打撃を受けるとして、当時6社あったコンピュータ業界の再編に乗り出した。
富士通と日立製作所、東芝と日本電気、三菱電機と沖電気工業の3グループにまとめ、技術研究組合を作らせて5年間にわたって補助金を支給し、各社に「IBM対抗機」の開発に当たらせた。富士通と日立製作所はIBMのSystem/370系の互換機を担当し、2000年までMVS系OSの動作を保証していた。東芝とNECは、GEおよびハネウェルと提携し、GCOS系のOSを採用した。その後、東芝と沖電気は撤退した。
- → IBM互換機、三大コンピューターグループも参照
1981年にIBMが発表した3081-K(System/370-XA)の技術情報をめぐり、1982年にIBM産業スパイ事件が発生し、日立製作所と三菱電機の社員が逮捕され、更に富士通も交渉の当事者となった。当訴訟は和解となった。
その後、日立製作所はIBMとの提携路線に転じてIBM互換路線を継続、三菱電機は一時はIBMよりOEM供給を受けた後に撤退、富士通はIBM互換を徐々に弱め、また沖電気、東芝は撤退した。
[編集] ダウンサイジングの波(1990年台)
1990年代になると、WindowsやUNIXなどのオープン系の価格性能比が向上し、クライアントサーバモデル (C/S) というシステム構成や、GUIに代表されるユーザーインターフェース、NetBIOSやTCP/IPなどの通信プロトコルの普及と相まって、ダウンサイジングが世界的に発生する。
メインフレームは「レガシー(過去の負の遺産)」「滅び行く恐竜」と称され、IBMなどの殿様商売的な経営手法(顧客実情を無視した箱売り、市場に会わない契約書など)もあり、各社メインフレームの収益は急速に悪化した。
この時期に各社は以下の対応を行った(→ オープン対応も参照)。
- IBMは、メインフレームを「オープン・メインフレーム・サーバ」と称し、CPUのCMOS化、64ビット化、オープン要素の取り込み、更にLinuxサポートを行った。
- 富士通は、メインフレームを既存業務用とし、CPUのCMOS化や性能向上は行う半面、64bit化やLinux対応など大幅な拡張は停止した。
- 日立は、IBMと技術提携を続け、CPUのCMOS化、64bit化を行った。一時はLinux対応も公開していた。
- 日本電気は、メインフレームを既存業務用とし、小規模用のACOS-4はItanium2に、ACOS-2はXeonに移行し、Windows Server等も同時稼働可能にした。
- ユニシスは、ユニバック系とバローズ系の2系統のメインフレームを継続しながらも、WindowsやLinuxを同時稼動可能にした。
[編集] メインフレームの再評価(2000年台)
2007年現在、メインフレームは多数の大規模な企業・組織で使われ続けているが、理由としては以下が考えられる。
- オープン系との対比
- オープン系が普及すると、メインフレームを含めたバックエンドのデータベーストランザクション処理も多くなること
- オープン系は、導入後の保守運用(TCO)も考慮すると、部門内ボランティアなど隠れた費用が意外とかかること
- メインフレーム側の価格性能比も向上したこと(CPUのCMOS化、並列処理の採用、インターネット標準の採用など)
- 基幹業務での安定性・信頼性は、現在でも依然としてメインフレームに優位があること
- 処理やデータを分散させると、一般にセキュリティやデータ整合性の問題は拡大すること (情報漏えい防止、SOX対応など)
- インターネットの波 - 更に2000年台以降は、以下が大きいと考えられる。
- 主要な処理がクライアント(PCなど)からブラウザの先(サーバ)に移動し、大規模で安定した巨大サーバが再び重視された
- 大規模な企業・組織では、1990年代に乱立された多数のサーバの反省で、サーバ統合が進められている
- 関連するが、仮想化はメインフレームが元祖のため、関連会社までを含めた統合化が進められている
ただし、「メインフレームの復権」を潮流と見るか一時的現象と見るかは、立場により多数の見解があるが、以下のメインフレーム関連の指標の解釈も絡んでいると考えられる。
- 台数ベースで減少した場合、仮想化を含むサーバ統合の影響かどうか
- 金額ベースで減少した場合、価格性能比の向上の影響かどうか
このためIBMでは最近は出荷MIPS数比での発表が多い。
[編集] 特徴
メインフレームは長い歴史と複数のアーキテクチャを持ち、また専用のハードウェアと専用のソフトウェアが一体として設計・拡張されているため単純な特徴の説明は難しいが、主にIBM系(IBM、富士通、日立)を中心に説明する。
[編集] CPU
独自仕様のCISC CPUを複数(最大64個など)搭載するものが多い。
従来は上位機種は高速・高価・高発熱のバイポーラを使用した水冷方式が主流だったが、1990年代にIBM、富士通、日立、日本電気はCMOSを使用した空冷方式に移行して低価格・小型化に成功し、処理性能はクラスタリングで補う方向に転換した。
IBM系では、System/360は24ビット、System/370-XA 以後は32ビット(論理31ビット。1ビットは互換性のために使用)だが、z/Architecture 以後は64ビットである。
メインフレーム用CPUの64ビット化の必要性は議論がある。消極論は、メインフレームには新規業務の需要は無いと考え、既存顧客用に性能向上は続けるが新規機能は最低限とし、新規業務は(別筐体または同一筐体内の別CPUで同時稼動させる)オープン系と連携するというもの(富士通、日本電気など)。積極論は、メインフレーム独自OSでも新規業務や他プラットフォームからのソフトウェア移植、更にはLinuxなど他OSの移植も進めるというもの(IBMなど)である。
GE・ハネウェル系である日本電気のACOS-6系はワードマシンであり、独自CPUである。しかし日本電気のACOS-4やBullのGCOS 8は、バイトマシンであり、仮想化技術を使用してItanium2に移行した。またACOS-2はXeonに移行した。
ユニシスは独自のCMOS ASICおよびXeonを搭載できる。
各社に共通して、メインフレームではCPU性能は全体性能に比例するとは限らない。汎用CPUをほぼそのまま使用するx86サーバや各社UNIXサーバと異なり、チャネルなどの専用プロセッサを多数搭載し、ファームウェアが性能に大きな比重を占める(使用頻度の高い命令群のファームウェア化、使用頻度の低下したファームウェア機能の削除など)ためである。
IBM System zでは、チャネル以外の専用プロセッサには、Linux専用プロセッサー(IFL: Integrated Facility for Linux)、Java専用プロセッサー(zAAP:System z Application Assist Processor)、DB 専用プロセッサー(zIIP: System z Integrated Information Processor)などがある。
[編集] I/O
チャネルと呼ばれるI/O専用プロセッサを多数(モデルにより最大1024個など)搭載できる。チャネルはI/Oに伴うCPUの負荷を軽減する。オープン系で一般的なインテリジェントな外部バスと異なり、接続経路が高負荷(ビジー)な場合には別経路を選択して使用する、I/Oの飛び越し(優先度の高いI/O要求が来た場合、既に実行中の他のI/Oに優先して結果を返す)などができる。
一般に「メインフレームのCPUは高速と思えないのに、高負荷時にも安定稼動して一定の応答時間も得られる」、「オープン系のCPUは高速なのに、負荷がある時点に達すると急速にスループットが低下する」などはI/Oの基本設計の違いによる場合が多い。
周辺機器との物理接続は、昔は同軸が主流だったが、現在はファイバー(FICON、ファイバーチャネル、FIBARCなど)が主流である。
[編集] クラスタリング
メインフレームでは複数のOSが同一の磁気ディスク装置を共有(シェアー)する事は一般的であり、整合性を保つためのキャッシュやロックなどの排他制御は、OSおよびDBMSレベルで実現している(IBM IRLM、後の並列シスプレックスなど)。
更にミドルウェアのクラスタリング機能(IBM XRFなど)を組み合わせた場合は、障害発生時にディスクやプロセスの引継ぎをする事なく、待機系(アクティブスタンバイ)が瞬時に処理を引き継ぎ、ユーザーには瞬間的な業務停止も見せない、更には障害機で処理中であったトランザクションも、TPモニタのログから可能な限り復元し引き継ぐ事ができる。
これらの機能は1980年代には一般的で、多数の金融機関などで採用されている。
[編集] OS
メインフレームでは各社の複数の独自OSに加え、一部はオープン系のOSも同時稼働できる。
- →種類も参照。
IBM系(IBM、富士通、日立)の主流OSは、歴史的にはバッチ処理主体で始まり、複数アドレス空間、I/O割込ベースのマルチタスク、ジョブ制御言語によるプログラマーとオペレータの分離などを持つ。更にオンライン・リアルタイム処理のためのタイムシェアリング、トランザクション処理を構築した。各社OSとも大規模用と中小規模用の流れがあり、コマンドやジョブ制御言語の構文などが異なる。「メインフレームのOS」と言うとこれらを指す場合が多い。
IBM系では以上の主流OSの他、仮想化用、特殊用途用、UNIXやLinuxなどのオープン系のOSもある。
日本電気のACOSとBullのGCOSは、歴史的にMulticsの流れを汲み、最初からオンライン(タイムシェアリング)とバッチ処理を行い、UNIXのような階層化ファイルシステムを持つ。
なおオープン系OSの稼働方法には以下があり、サーバ統合のレベルや、サポートされるアプリケーションに相違がある。
- オープン系OSをメインフレーム専用CPUに移植する(IBM Linux on System zなど)
- 専用OS用の専用CPUとは別に、オープン系OS用のCPUを搭載する(ユニシス ClearPathなど)
- オープン系OS用のCPUに、専用OSを移植する(日本電気 ACOS-4、ACOS-2、Bull GCOS 8など)
[編集] 仮想化
IBM系(IBM、富士通、日立)では、以下の組み合わせでOSを同時稼動させる事ができる。
- 物理分割(物理パーティション(PPAR)ごとに、OSを稼動できる)
- 論理分割(論理パーティション(LPAR)ごとに、OSを稼動でき、割当資源を動的に変更できる)
- ソフトウェア分割(専用の仮想化用OSを使用し、仮想機械上でOSを稼動でき、割当資源を動的に変更できる)
IBMの場合は、いずれの場合でも専用OS(z/OS、z/VSE、z/TPF)およびLinux for System z が同時稼動できる。(Linux だけを多数稼動させても良い)。
ユニシス(ClearPath Plus Server シリーズ)では、最大8パーティションに分割できる(IBM系の物理分割に相当すると思われる)。
[編集] オープン対応
1990年代に各社ともイーサネット、TCP/IP、各種の連携機能などは対応しているが、オープン系のOS(UNIX、Linux、Windows)そのものを稼動させる方法は、各社で相違がある。大別して外資系(IBM、Bull、ユニシス)は積極的で、国産各社は消極的と言える。
IBMはOS/390以後は専用OSでもUNIX互換環境(USS)を標準とし、更にLinuxはネイティブ(専用OSを全く使用しない)でも稼動できる。
富士通は上位シリーズのGS21ではオープン系のOSは稼動しないが、下位シリーズのPRIMEFORCEは同一筐体にIA/UNIXサーバ(Solaris、Windows Server等)を搭載できる。
日立は上位シリーズ(VOS3系)、下位シリーズ(VOS1、VOSK系)ともに、オープン系のOSは稼動しない。
日本電気は各シリーズ(ACOS-6、ACOS-4、ACOS-2系)ともオープン系のOSは稼動しないが、仮想化技術を使用してACOS-4はItanium2に、ACOS-2はXeonに移行した。
Bullは NovaScale 9000 (Itanium2)で、独自OS(GCOS 8)の他、Linux、Windows Serverも稼動できる。
ユニシスは ClearPath Plus Server(独自CPUおよびXeon)で、独自OS(OS2200またはMCP)と、Linux、Windows Serverも稼動できる。
なお、同一筐体であってもオープン系OSをネイティブで稼動する場合は、メインフレームの利点はハードウェア面の信頼性や仮想化などになり、ソフトウェア面(専用OS)の利点・特徴は無くなる。
[編集] セキュリティ
メインフレーム(ハードウェアおよび専用OS)のセキュリティは、最初から企業などの大規模組織での使用を考慮した、基本設計によるものが大きい。
- ユーザーやプログラムは、自分以外のアドレス空間は原則アクセス不可能(ハードウェアでフラグを持っている。他に起動しているアドレス空間(プロセス)を知る事も不可能。アドレス空間同士の連携はCSAなどメモリ上のデータ域か、SSIなど極めて特殊な権限事前登録後の特定アドレス間のみ。)
- ユーザーやプログラムは、自分用に指定された磁気ディスク装置以外は、原則アクセス不可能(ジョブ制御言語(JCL)で指定されたデータセット以外は存在を知る事も不可能。動的割当(ダイナミック・アロケーション)も基本的には同様。)
- システムの権限が分散されている(OS管理ユーザー、データ管理ユーザーなどが別々に設定できる。オープン系のようなスーパーユーザーは存在しない。いわゆるセキュアOS。)
- 運用上もプログラマーとオペレーターは分離されている場合が多い(プログラマーはOSのコマンドは使わない、オペレーターはプログラムを書くことはない)
- ソフトウェアからマイクロコードにアクセスする事はできない
- 論理パーティション(LPAR)間のTCP/IP通信を仮想化した場合、メモリ間となり筐体外に出ない
オープン系では通常、ネットワーク経由で進入後、脆弱性を攻撃しスーパーユーザーに昇格さえできれば、そのコンピュータは完全に支配下に置ける。メインフレームの場合は、仮に同様の攻撃に成功しても、1アドレス空間しか支配できず、他のアドレス空間や他のデータセットへの読み書きもできず、システム全体の管理ユーザーにもなれない。
なお、過去には以下も要因であったが、メインフレーム固有とは言えない。
- 施錠されたマシンルームに保管され入室が厳しくチェックされていた
- ネットワーク回線は専用線を基本とした(公衆回線は避けられた)
- ネットワークプロトコルが独自で、各セッション単位で集中管理でき、常時監視(ポーリング)されていた
また「メインフレームのセキュリティが高いのは、数が少なく標的とした攻撃やウィルスが少ないため」という説明が広くされているが、メインフレームには世界中の銀行・政府・軍事情報が格納されていることを考えると妥当ではない。
ただし、上記は全て専用OSの場合であり、UNIXやLinuxをネイティブで稼働した場合は、OSレベルのセキュリティは、そのOSのレベルとなる。
[編集] その他
上述とも重複するが、一般的な特徴と傾向は、以下が挙げられる。
- 各メーカー独自のハードウェア、OSなどを備える場合が多い(ただし上述の通りオープン対応も進められている)
- 複数業務の平行稼動性に優れている(I/Oを含めた平行稼働、ワークロード管理)
- 特に大規模バッチ、大規模帳票出力業務などに強い(安定したスループット)
- 各種の信頼性(徹底した冗長化、問題判別用の各種トレース、細かい単体FIXの迅速な提供など)
- 販売価格、保守費用とも非常に高価(個別見積もり、リース利用が大半)
- 筐体が大きい(過去には複数フロアー占有、CMOS空冷化以降はUNIXハイエンドと同規模)
- 良くも悪くもベンダーへの依存度が高まりやすい(他社との単純比較は困難、詳細な運用情報のガイド等)
[編集] 用途
現在の主な用途としては、以下が挙げられる。
[編集] メインフレームの使用例
- → 勘定系システム#大手行の勘定系システム を参照
- コンビニエンスストアなどのオンライン業務のDBサーバ
- 交通機関の座席予約システム(JRのマルス)のような、大量のトランザクションの高速処理)
- 大手自動車メーカーの世界規模の部品表管理システム (メインフレームにLinuxを搭載)
- 航空路管制システム(特に高い信頼性・性能が必要なため、TPFなど特殊なOSを使用している)
[編集] メインフレームからオープン系への移行例
- → 勘定系システム#勘定系パッケージ/システム共同化 を参照
[編集] メインフレームとオープン系の間のデータ交換(変換)
メインフレーム(正確にはメインフレーム用の専用OS)とオープン系(Windows、UNIX、Linuxなど)、あるいはメインフレーム同士(別ベンダー)の間のデータ交換は、考慮点が多い。
- 主な文字コード
- 主な漢字コード
- オープン系(特にDOS/Windows)はシフトJISによるSBCS/DBCS混在が主流。
- メインフレームは、JIS漢字コードが基本だが、IBMはIBM漢字コード、富士通はJEF、NECはJIPSなど細部(ベンダー拡張部分)が異なり、更に年度や外字などの相違もある。またJIS漢字コードの特徴である、SBCS/DBCS混在を可能とする制御コード(SO/SI = Shift-Out/Shift-In)が必要なため、この付加・削除、更にはそれにより発生しうる桁数の変動(画面/帳票レイアウトへの影響)までも考慮する必要がある。
- ただし、JIS第一水準・第二水準などの基本的な日本語(DBCS)は、上記の制御コードさえ考慮すれば、ツールで容易に変換できる(FTPのオプション、iconvコマンド、FederationなどのDBMSの機能など)。
- またUNICODEや、UNICODEを内部使用するJava、一部メインフレームOSのUNIX互換環境、メインフレーム上のLinuxなどによっても敷居は下がっている。
- 主なファイルシステム
- 主なファイルの構造(簡単なテキストのみの場合)
- 通常のオープン系は、OSレベルでレコード属性が標準化されていないため、改行コードによりレコードを区別するデザインが一般的。更にCSVも多用する。
- メインフレームは、OSレベルでファイル(データセット)ごとに「固定レコード長」属性を持って改行コードは使わないデザインが一般的。
- このためレコードごとに改行コードを追加/削除する、末尾のブランクを削除/追加する、場合によっては複数レコードをまとめる、などの考慮が必要になる。
- 主なテープ
[編集] メインフレームとオープン系の間の相違点(レガシーマイグレーションの考慮点)
メインフレーム(正確にはメインフレーム用の専用OS)で稼動しているシステム(業務、プログラム、運用)をオープン系(Windows、UNIX、Linux等)に移行する場合は、特に以下に考慮する必要がある。単純にコンバージョンできるシステムもあるが、多少とも複雑なのものは、システム構築(設計)時の背景にある、「文化の違い」を把握し、ユーザーに十分説明し、場合によっては割り切りや、マイグレーション断念(メインフレーム継続使用の方が望ましい)などの場合もある。
ただし、以下の考慮点はあくまで商用における一般的な傾向であり、個々のシステムでは限らない。
- 主な言語の相違
- データ格納文化の相違
- バッチ文化の相違
- オープン系は伝統的に、オンラインを中心とし、大規模なバッチは組まない傾向が強い。
- メインフレームは伝統的に、オンラインシステムであっても夜間などの大規模なバッチが多く、先行関係も複雑な傾向が強い。
- 多重度の相違
- オープン系は伝統的に、応答速度重視のため、ある処理(業務、バッチ、プログラム)の負荷が高くなると、その処理に全力(CPUなどのリソース)をかけてしまう。このため負荷分散・安定稼動のため「サーバ乱立」に陥る傾向がある。ワークロード分散などのツールもあるが、広く使われているとは言いがたく、またジョブまたはトランザクション投入単位でしかない場合が多い。
- メインフレームは伝統的に、1台にて多数の処理(業務、バッチ、プログラム)を平行稼動させるよう設計されている。常駐プログラム間やバッチ間で細かいリソース優先順位設定ができ、I/Oも並行稼動性が高い(大量データ転送の際のCPU負荷が少ない)。このため平行稼動・安定稼動・スループットの実績が高いが、逆に1処理当たりの応答速度は遅い場合が多い。
- 多数の処理が平行稼動しているメインフレームを単純に1台の高速サーバに移行する場合は、特に注意する必要がある。逆に、処理ごとにサーバを分けて回避すると、月次処理など特定処理のピーク時に全サーバのリソースを集約できずにボトルネックとなる場合もある。
- 運用文化の相違
- オープン系は伝統的に、起動したまま、あるいは定期的な単純な保守(FIX・バックアップ・リブート)の場合が多い。
- メインフレームは伝統的に、定型化された運用手順書による専任オペレーターによる工場的な運用(プログラマーやシステムエンジニアは操作が禁止されている)が多い。
- セキュアOS
- ベンダー側のOS保守文化の相違
- オープン系(特にWindows)は伝統的に、製品障害(不具合)にはFixPackや次回バージョンアップで対応する場合が多い。
- メインフレームは伝統的に、製品障害(不具合)には単体FIXで対応する場合が多く、大量のFIXの前提(先行関係)を把握するために大規模システム(ユーザー)には専任の技術者を置いている場合もある。
- 従って、メインフレームではレベル管理が非常に大変な反面、製品障害(不具合)が単体FIX(最低限の修正)で修正できる場合も多いので、重点的な確認テスト(および副作用発生時の単体でのFIX戻し)が可能となり、業務確認を含めた保守工数が最小で済む場合がある。(同様の事はオープン系でも可能な筈だが、ベンダーの対応レベルには差があるのも事実。)
[編集] 開発言語
メインフレーム上で使われているプログラミング言語は以下のとおりである(統計年度不明)。
Javaは急速に増加している。メインフレーム向けCOBOLは最近ではXMLの構文解析などのWeb用機能を取り入れている。
[編集] メインフレームのスピードと性能
メインフレームの性能は従来MIPS (million instructions per second) で計測されてきた。MIPSはメインフレームの性能を簡単に比較する尺度として使われてきた。IBMのメインフレームzSeriesの性能は約26MIPS (z890 Model 110) から20000MIPS以上 (z9-109 Model S54) とされている。
しかし、MIPSは誤解を与える指標である。プロセッサのアーキテクチャの変遷に伴って、MIPSが本来持っていた実行命令数という意味は失われている(命令そのものの粒度が異なるため)。MIPSは技術的には意味はなく、単に昔のマシンとの性能比較の目安となっているにすぎない。このためIBMはメインフレームに数種類の負荷をかけて計測するLSPR (Large System Performance Reference) レシオを公表している。
同様のことがUNIXサーバでも見受けられる。顧客は用途に合ったタイプのベンチマークで性能を比較するようになってきた。例えばSPECintやTPC-Cなどである。もっとも、それらのベンチマークも全く問題がないわけではない。困ったことに、顧客が自分のシステムにどういったタイプの負荷がかかるのかを分析することは非常に難しく、結果として単にLSPRの値などを使ってしまうのである。そういった意味でMIPSの使い道は残り、IBMや他のコンサルタントはMIPSを公表し続けるのである。
[編集] 種類
[編集] 現存するもの
現存する各社の主なメインフレームとその系譜は以下の通りである。
メーカー | 製品名 | OS | 備考 |
---|---|---|---|
IBM | S/360 → S/370 → 30x0/4300/9370 → ES9000 → zSeries → System z | OS/360 → MVS → MVS/XA → MVS/ESA → OS/390 → z/OS | MVS系。大規模用。主流。OS/390よりUNIX互換環境標準。z/OSより論理64ビット。 |
DOS/360 → DOS/VSE → VSE/ESA → z/VSE | VSE系。中規模用。z/VSEでも論理31ビット(仮想記憶域2GB)。 | ||
CP-67/CMS → VM/370 → VM/XA → VM/ESA → z/VM | VM系。仮想化用。 | ||
TPF → z/TPF | 航空用 | ||
(AIX/370) → Linux on System z(z/Linux) | UNIX系 | ||
富士通 | FACOM Mシリーズ(IBM S/370互換、日立と共同開発) → GS → GS21/PRIMEFORCE | OSIV/F4 → OSIV/MSP(MSP-EX) | 大規模用。ベースはIBM MVS系と互換。MSPより論理31ビット。 |
OSIV/X8 → OSIV/FSP → OSIV/XSP | 中規模用。FACOM 230のOSII/VSと互換。 | ||
AVM | 仮想化用 | ||
UTS/M → UXP/M | UNIX系 | ||
日立 | HITAC Mシリーズ(IBM S/370互換、富士通と共同開発) → AP8000/AP7000 | VOS2 → VOS3 | 大型用。ベースはIBM MVS系と互換。VOS3/LSより論理64ビット。 |
VOS1 | 中小型用 | ||
VOSK | 中小型用 | ||
VMS → VMS/AS | 仮想化用 | ||
HI-UX/M | UNIX系 | ||
日本電気 | ACOS 600/700/800/900 → 1000/2000 → PX7900 | ACOS-6 | 大規模用。GE → 東芝 → 日本電気。Multicsの流れを汲むワードマシン(9ビット = 1バイト、36ビット = 1ワード)。現在のCPUはCMOS独自仕様。 |
ACOS 300/400/500 → 1500 → i-PX9000 | ACOS-4 | 中規模用。ハネウェル → 日本電気。バイトマシン(8ビット = 1バイト、4バイト = 1ワード)。現在のCPUはItanium2。 | |
ACOS 200 → i-PX7300 | ACOS-2 | 小規模用。ハネウェル → 日本電気。ACOS-4のサブセット。現在のCPUはXeon。 | |
Bull | (GE-635) → (6000-64) → NovaScale 9000シリーズ | GECOS → GCOS 8 | GE → ハネウェル → Bull。NECのACOSの派生元。現在のCPUはItanium2。同一筐体内でLinux、Windows Serverを同時稼働できる。 |
ユニシス | ClearPath Plus Server (2000/IX系) | EXEC8 → OS1100 → OS2200 | 大規模用。スペリー → ユニバック → ユニシス。現在のCPUはCMOS独自仕様。ワードマシン(36ビット = 1ワード)。同一筐体内のXeon上でWindows Serverを同時稼働できる。 |
ClearPath Plus Server (A/NX/LX系) | MCP | 中規模用。バローズ → ユニシス。現在のCPUはXeon。同一筐体内のXeon上でWindows Serverを同時稼働できる。 |
[編集] 過去に存在したもの
過去に存在した主なメインフレームには以下がある(観点によってはメインフレームと呼ばれないものも一部含む)。
メーカー | 製品名 | OS | 備考 |
---|---|---|---|
IBM | 701、702、704、709、7030、7090 | S/360以前のメインフレーム | |
富士通 | FACOM 230シリーズ | Mシリーズ(日立と共同開発)以前のメインフレーム | |
日立 | HITAC 3000/4000/5000 → 8000 | Mシリーズ(富士通と共同開発)以前のメインフレーム。RCAと技術提携。8000はRCA系のIBM S/360互換機。 | |
日本電気 | NEAC 2200 | ハネウェルと技術提携 | |
東芝 | TOSBAC 2000/4000/5000 | GEと技術提携 | |
三菱電機 | MELCOM 1530 → 3100 → 7000 → COSMO → EX800 | UTS、他 | TRWと技術提携。COSMOは沖電気との共同開発。 |
沖電気 | COSMO | UTS、他 | 三菱電機との共同開発 |
電電公社 | DIPS | 101 → 106 | 電電公社仕様にて富士通・日立・NECが製造。1992年に開発終了。 |
RCA | 601 → Spectra 70シリーズ | TSOS | IBM S/360互換機。日立と技術提携 |
スペリー | UNIVAC 90/60 → 9200/9300/9400 | TSOS、VS/9 | RCA系のIBM S/360互換機。 |
(旧ソビエト連邦) | ES EVM | OS ES → OS EC | 1960年代~1998年。冷戦時代に東側諸国で使用されたIBM S/360互換機。 |
アムダール | Amdahl 470、58x0 | IBM MVS 等 | 1975年発売のIBM S/370互換機(プラグコンパチブル、IBMのOSを稼動させる)。富士通経由でも販売。現在は開発終了。 |
アイテル (Itel) | AS-4、AS-5、AS-6、AS-6000/7000/9000 | IBM MVS等 | IBM S/370互換機(プラグコンパチブル)。1977年に日立と提携。AS-6は日立 M-180ベース、AS-6000/7000/9000は日立製造。 |
マグナソン、ツーパイ、ナノデータ、シーアイテル | IBM MVS等 | 1978年~ IBM S/370互換機(プラグコンパチブル)。 | |
BASF、伊 Olivitti | IBM MVS等 | IBM S/370互換機(プラグコンパチブル)。日立製造。 | |
Siemens | IBM MVS等 | IBM S/370互換機(プラグコンパチブル)。富士通製造。 | |
英 ICL(International Computers Ltd.) |
[編集] 関連項目
- レガシーマイグレーション
- 端末(利用者端末、コンソール)
[編集] 外部リンク
- 各メーカー
- 情報処理学会・コンピュータ博物館
- ZDNET・メインフレームの進化論(2006年2月~3月、日立製作所との連携企画)
- CIO COLUMN
- Gartner Column・メインフレームのすごさについて技術的に解説しよう(IBMメインフレームを中心とした解説)
- Computer History Museum (Time Line / Computers)(メインフレームを含む記載あり)
- JEITA・平成18年度出荷実績 (メインフレームを含めた出荷台数・金額の統計あり)