AIX
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公式サイト: | IBM AIX 5L |
開発者: | IBM |
OSの系統: | UNIX System V |
ソースコード: | クローズドソース |
最新リリース: | 6.1 / 2007年11月 |
カーネル種別: | モノリシックカーネル |
ユーザ インタフェース: |
Common Desktop Environment |
ライセンス: | プロプライエタリ・ソフトウェア |
開発状況: | 現在進行 |
AIX(Advanced Interactive eXecutive)は、IBM独自のUNIXオペレーティングシステムのブランド名である。
目次 |
[編集] 特徴
AIXはSVR3のBSD機能強化版からの脱却がスムーズに進まず、一部コマンド体系が他商用UNIX及びSVR4系UNIX/Linuxなどと大きく異なっており、特異である。また、LM(Loatable Module)のオブジェクトフォーマット形式は、Powerチップ間の非互換部分の吸収幅を残すため、現用UNIX群/Linuxの中で唯一、非ELF形式のExpandCOFF形式をサポートしている。
なお、設定情報をODMという/etc配下のデータベースに登録して対応するため、運用上、多くの留意が必要となっている。
比較的早くLVM(logical volume management)を採用し、信頼性の高いUNIXとして認知されている。ただし、多くのフリーUNIXOSに採用されたLVMは導入元のVERITAS Softwareの仕様を全面採用したHP-UX側に傾いている。 また、OS/2で培ったジャーナルファイルシステムJFSもいち早く実装している。
[編集] 経緯
当初、Advanced IBM Unixの略とされていたが、おそらく法的な問題があって現在の頭字語の説明に変更したものと思われる。 (訳注:X/Openが「UNIX」を商標登録して、XPGと呼ばれる互換動作テストにパスしないと(仕様が合っていないと)UNIXを名乗れない時期があったので、そのとき変更したと思われる。ただし、AIXはXPG3には準拠している。)
いくつかの異なるバージョンのAIXがかつて存在していたが、不人気なものは消えていった。 1986年に登場した AIX V1 は IBM RT-PC で動作した。このバージョンは UNIX System V Release 3 をベースにしていた。
1989年、AIXはRS/6000シリーズのワークステーションとサーバ用OSとなった。AIXは開発の過程で 4.2BSDや4.3BSDの機能をIBMと INTERACTIVE Systems Corporation がマージした。
この頃まで、IBMはSMPによる性能向上の必要性を認めず、R6000SPに代表されるような、単体CPUサーバによる並列処理性能の拡充を目指していた。しかし、2001年、AIX 5Lの登場と共に、Power4による大規模SMP構成のサーバを発表し、真の意味でエンタープライズ領域での必要な可用性と、Linuxとの先端的な親和性などを加え、基幹系UNIXベンダーとして疾走を始めた。
この2001年の5Lの登場以降、可用性の圧倒的な向上とスケーラビリティの向上、CPU性能の強化による性能の大幅向上を武器にIBM社による強力なセールスによりライセンス数を伸ばし、基幹系システムにおける商用UNIXとしてはHP-UXと並んで主流であり、基幹系適用への必須である高信頼性・高可用性には定評がある。
さらにIBMのUNIX/Linuxの基幹系への圧倒的な傾注と、やっと基幹系向けとして認知されたItanium系への不人気もあり、現状、基幹系ではTopの伸び率を誇る。
AIX 5L 5.3 でのスケーラビリティは以下の通りである。
[編集] サポートするアーキテクチャ
- AIX v1 - IBM PS/2 Micro Channel Architecture PC と IBM RT
- AIX v2 - 6150-シリーズ IBM RT
- AIX v3 - POWER アーキテクチャサポート開始
- AIX v4 - PowerPC アーキテクチャと PCI バスサポート開始
- AIX v5 - IA64 アーキテクチャサポート(ただし、β版のまま商用化されていない)[1]
- AIX v5.1 - POWER4 での論理パーティショニングサポート。Micro Channel Architecture サポートはこのバージョンまで。
- AIX v5.2 - PowerPC 970 ベースのブレードサーバサポート
- AIX v5.3 - POWER5 でのマイクロパーティショニングサポート
- AIX v6.1 (beta) - POWER6 での partition mobility サポート(2007年5月22日発表)
[編集] メインフレームでのAIX
1988年、IBM は AIX/370 を発表した。System/370で UNIX 風の機能を提供するものである。AIX/370 は 1990年にリリースされ、System V Release 2 と 4.3BSD の機能にIBM独自の機能拡張がされたものとなっていた。System/390のアーキテクチャ(ESA/390)が登場すると、1991年には AIX/370 を AIX/ESA とし、OSF/1のコードをベースとしたカーネルで System/390 上で動作させた。AIX/ESA はネイティブOSとしても VM 上のゲストOSとしても動作する。しかし、商業的には成功とは言い難い。
[編集] アップル製ハードでのAIX
アップルコンピュータは、PowerPCベースの Apple Network Server を最上位機種として開発し、他の機種にはない様々な拡張を施した。このシステムでは AIX が標準OSとして動作した。しかし、アップルではこの機種以外に AIX を採用した例はない。
[編集] バージョン
- AIX v1, 1986年
- AIX v2
- AIX v3, 1990年
- AIX v3.1
- Journaled File System (JFS)サポート
- AIX 4.2.1, 1997年4月
- NFS Version 3 サポート
- AIX 4.3, 1997年10月
- 64ビットCPUサポート
- UNIX98 認証
- IPv6
- AIX 4.3.3, 1999年9月
- オンラインバックアップ機能追加
- ワークロード管理( WLM )
- AIX 5L 5.1, 2001年5月("5L"の L はLinuxとの相互運用性を高めたことを示す。)
- カーネルの64ビット化
- POWER4 サポート
- ロジカルパーティション(LPAR。マルチプロセッサシステムを論理的に複数に分割して、CPU・メモリー・I/Oなどのリソースを割当できる。物理分割(PPAR)と異なり、CPUは1プロセッサを0.1単位で、I/OならばPCIスロット単位で、配分できる。)
- JFS2
- AIX 5L 5.2, 2002年10月
- AIX 5L 5.3, 2004年8月
- POWER5 サポート
- マイクロパーティション サポート(LPAR・D-LPARより更に細かいリソース配分が可能。CPUは1プロセッサを100分の1単位で配分できる。)
- 仮想I/Oサーバ(VIOS。仮想SCSI、仮想イーサネットなど。)
- NFS Version 4 サポート
- 拡張アカウンティング
- 同時マルチスレッディング (SMT) サポート
- JFS2 クォータサポート
- JFS2 ファイルシステム縮小 サポート
- AIX 6 open beta, 2007年7月
- Workload Partitions (WPAR)
- Role Based Access Control
- AIX Security Expert enhancements
- Name Resolver Caching Daemon
- probevue dynamic tracing
- System Director Console for AIX
[編集] ユーザーインターフェイス
[編集] グラフィカル
AIXデフォルトのGUI(グラフィカル・ユーザインターフェイス)は CDE(Common Desktop Environment)であるが、CDEは常駐プロセスがセキュリティ・ホールになりやすいため、AIXの導入直後にCDEを無効化するのが半ば常識になっている。また、5Lからは、Linuxの影響もあり、KDEとGNOMEも使用可能となっている。
[編集] テキストベース
SMITあるいはsmittyはテキストベースのシステム管理ツールであり、 表示された一覧の中から目的の項目を選択してゆく事で、 詳細のコマンド・パラメータを知らなくても効率的に管理を行うことができるものである。
経験豊富なシステム管理者は、 SMITを使用せず、SMIT内部で生成・実行されているコマンドを直接使用する。
[編集] 外部リンク
- AIX並列環境のヒッチハイクガイド(Parallel Environment for AIX5LV4.1.1 Hitchhiker's Guide)。IBM自身の手によるパロディ・ページ。ディープ・ブルーにはAIXが使われており、ディープ・ブルーの名前は銀河ヒッチハイクガイドの「生命、宇宙、そして万物の答え」をパロディしたものなので。
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