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フィンガー5 - Wikipedia

フィンガー5

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

フィンガー5
基本情報
ジャンル J-POP
活動期間 1972年 - 1978年(実質的)
レーベル フィリップスレコード
1973年 - 1975年
ポリドール
1976年 - 1978年)
メンバー
玉元 一夫(コーラス)
玉元 光男(コーラス)
玉元 正男(ボーカル)
玉元 晃(メインボーカル)
玉元 妙子(ボーカル)
  

フィンガー5(フィンガーファイブ、Finger 5)は、1970年代を中心に活躍した歌謡アイドルグループ・男女混合アイドルグループ。メンバーは沖縄県出身の5人の兄弟(男4女1)であり、ダンスをこなしながら歌うスタイルと、メインボーカルであった四男・アキラ変声期前のハイトーンボイスとその歌唱力やルックス、独特の演出、良質な楽曲などで爆発的な人気となり、ミリオンセラーを飛ばした。

バンドという名目ではあったが、全盛期に楽器演奏を披露する場面はほとんどなかった。解散後も時折音楽活動を行ったり、テレビ出演等をしている。

目次

[編集] 略歴

[編集] 生い立ち

米国の占領下の沖縄で、在日米軍の許可を受けた飲食店(通称、Aサインバー)を父親が経営していた。このバーは他の経営者に渡ったが、少なくとも21世紀初頭までは存在し、店の写真がテレビや書籍に登場している。

小学生であった長男・一夫、次男・光男、三男・正男は、こうした環境でアメリカンソングに感化され、「オールブラザーズ」という名で活動を始める。晃と妙子は、晃いわく「後から嫌々参加させられた(笑)」との事。英語の歌詞は聞こえた音をカタカナでメモし、キーボードは紙に書いた鍵盤で練習した。

[編集] オールブラザーズからフィンガー5へ

だが「オールブラザーズ」は必ずしも順風満帆だった訳ではなく、妙子は着た事も無い沖縄の民族衣装を着せられ、出した曲についても、晃はタイトルさえもう覚えていない曲があると言う。沖縄のテレビ番組で優勝したのを契機にプロデューサーに薦められ、一夫が14歳の時に、パスポートを手に東京へ進出。上京した一家は「歩くのがはやい、喋るのもはやい、お札の色が緑(米ドル)でない」事に驚いたと言う。当初は売れずに苦しい時代をすごし、学校では「売れない歌手」と悪口も言われた。そんな彼らが歌うアメリカンソングも米軍基地では大歓迎であり、母が車を運転し、日本中の米軍基地で慰問コンサートを行った。

その頃、子供向けに子供を使った歌手をデビューさせたいという企画が起こった。担当者はたまたま彼らの存在を知り、「少し出来るだけのガキだろう」と思いながらデモテープを聴いた途端、これは本物だと眼の色を変えた。そして沖縄に戻る準備をしていた一家を説得、1972年に「フィンガー5」で再デビュー。米国で当時大ヒットを飛ばしていた、5人兄弟で結成された同じ形態のグループ「ジャクソン・ファイブ」を意識したものであった。ちなみに名付け親は兄妹の実母である。

[編集] 黄金時代

初めてのオンエアは、子供の視聴が多い土曜の夕方を狙って放映され、放映直後のテレビ局には質問の電話が殺到した。翌1973年にリリースした世志凡太プロデュースによる『個人授業』がミリオンセラーとなり、一気に知名度が上がる。その後『恋のダイヤル6700』『学園天国』などをリリース、いずれもミリオンセラーとなり、後世に残る楽曲となった。テレビ・映画にも多く出演した。楽曲は所謂学園歌謡ともいうべき、学校における恋愛が一貫してテーマであった。

5人の中でも特に、年少の晃と妙子に注目が集まった。デビュー当時は11歳と10歳であり、まだあどけない姿で大人顔負けのステージをこなす姿が人気であった。また晃は特大のサングラス姿がトレードマークとなっており、それが流行にもなった。

また芸能人は一般にマネージャーを随行するものだが、彼らは基本的に自らの意思で始めたとあって、一夫が兼マネージャーとして、仕事の交渉やスケジュール管理までこなしていた(後述の『驚きももの木20世紀』で高田文夫が証言)。

だが大人気によって、過労という問題が大きくのしかかる後述の「売れなきゃよかった…金曜日の告白SP!大壮絶人生」によると、全盛期の晃は過労で病院にかつぎこまれた際(週刊誌に入院写真も掲載された事がある)、医者が関係者に「あなたたちは、この子を殺すつもりか」と言ったという。また晃の変声期が来た際は、「声変わり」を防ぐためにスタッフが「女性ホルモン」の注射を強く勧めたが、晃が断ったという。

[編集] その後

そのため休養も兼ねて、1975年~76年に米国に滞在、レッスンをつむ。これまで芸能活動で得た収入は、この時の費用で全て使い切ってしまったが、これは芸能活動に一切口を出さなかった父の「芸能界で稼いだ金など、あぶく銭だ」という考えも反映されていた。

だが帰国後は長く留守にしていたこと、彼らがやりたい音楽をやってもヒットしないこと(彼らの希望とファンのニーズが剥離)、メインボーカルの晃が変声期で従来のようなハイトーンが出せなくなったことなどから人気が急落、晃に代わり妙子をメインボーカルに据えるなどの対応策もあったが人気は回復せず、1978年に実質的に解散した。その後、兄弟の中でバンドを再度結成したりするが、期間は限定的であった。

2003年の「The 30th Anniversary!!」では、兄弟5人揃ってのフィンガー5が再結成し、全国から大勢のファンが集まった。

[編集] メンバー

全員、沖縄県具志川市(現・うるま市)出身の実の兄妹。

  • 玉元 一夫(たまもと かずお、1955年4月4日 - ) 長男。リードギター担当。コーラス。
芸能活動休止後不動産会社を経営していたが、脳内出血で倒れ後遺症が残り、車椅子や杖つきでの生活となる。障害者となった経験を生かし、バリアフリー社会の実現を訴え、自由連合から2001年参院選に出馬したが落選。
  • 玉元 光男(たまもと みつお、1957年2月3日 - ) 次男。ドラム担当。コーラス。
芸能活動休止後美容師の免許を取得。東京都田無市(今の西東京市)の理髪店で修行したため、顔を見た客が首をひねるなど、市内ではちょっとした話題となった。その後はアメリカで活躍。次第に美容師の業務が忙しくなっていった為、近年はテレビ出演を控えている(5人に揃ってもらう企画で、光男だけ都合がつかず欠席した事もあった)。
  • 玉元 正男(たまもと まさお、1959年2月2日 - ) 三男。ベース担当。ボーカル。
都内某市の建築会社で大工として活躍。その後沖縄料理店を経営(NHK BS2『日めくりタイムトラベル 昭和48年』より)。
正男と同じ建築会社で、大工の後は営業職に転属。T.AKIRAとして現在もライブ活動などの音楽活動を続けている。
  • 玉元 妙子(たまもと たえこ、1962年6月7日 - ) 次女。キーボード担当。ボーカル。
夫や娘をかかえる、専業主婦となっている。ちなみに現在は『二見』姓。

末期には若干のメンバーの入れ替えがあるが、基本は上記の五人。末期には、下記の二人がメンバーになる。

  • 具志堅 実(ぐしけん みのる、1967年1月23日 - )上記兄弟の甥っ子。1975年、マネージャーに専念した長男に変わってメンバー入り。
  • 安 広司(やす ひろし、1960年4月29日 - )上記兄弟のいとこ。最後のシングル『悩ませないで』のみ参加。

[編集] 代表曲

公称145万枚のセールス。シングルレコードのジャケットは水島新司によるメンバーのイラスト。ベルファーレ ダンス ウィズ ユーにて Folderがカヴァー、2006年にはmisonoにもカヴァーされた。なおmisonoは、シングル個人授業に加え、アルバムnever+landには「個人授業」シングルヴァージョンは収録せず、「フィンガー5メドレー」として、「個人→恋のダイヤル→学園天国→恋の大予言→個人」の順で四曲カヴァーした。
公称158万枚のセールス。1997年西田ひかる三菱電機エア・コンディショナー「霧が峰FX」CMで歌詞を変えて歌う。「ダンダン娘」というタイトルでシングルCDとしても発売された。2006年にはMINI☆BOXがカヴァー。
公称105万枚のセールス。1988年小泉今日子によってカヴァーされた。また、2001年には香取慎吾扮する慎吾ママによって「慎吾ママの学園天国」という歌詞を変えた曲も大ヒット。更に、2006年4月1日から放送のテレビアニメふしぎ星の☆ふたご姫Gyu!」のエンディングで、ワンダー☆5が同曲をカヴァーしている。
ザ・ドリフターズ主演の映画「超能力だよ!全員集合」挿入歌。2004年1月声優ユニットDROPS」がカヴァー。
元は「上級生」のB面曲だったが、ボーカル晃の変声期と重なり、A面とB面が差し替えられた。「恋の大予言」は2005年、テレビ神奈川の子供向け番組「YO!キッズ」の歌のコーナーで、トーバンズ&ジュニアがカヴァー。
フィンガー5のシングルA面では初めて妙子がメインボーカルを務めた楽曲。チャールストン風の軽快なナンバー。19世紀を思わせるステージ衣装で、特に妙子のロングドレス姿は話題になった。
1975年にフジテレビ系列で月曜19:00-19:30に放映されたアメリカのテレビドラマ「新・名犬ラッシー」の主題歌。しかし、番組のスポンサーが明治製菓であったにもかかわらずフィンガー5はロッテのコマーシャルに出演していたことから、番組では別人が歌っていたという。

[編集] テレビ

[編集] 当時の出演番組

[編集] 現在からふりかえる過去の特集

[編集] 映画

[編集] CM

[編集] CD・DVD

[編集] 外部リンク

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