ドラえもん のび太と緑の巨人伝
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『ドラえもん のび太と緑の巨人伝』(ドラえもんのびたとみどりのきょじんでん)は、2008年3月8日公開の『映画ドラえもん』シリーズ通算第28作(新シリーズ第3作)であり、水田わさびら声優陣による、原作のリメイクでない初のオリジナル作品である[1]。
目次 |
[編集] 概要
てんとう虫コミックス26巻収録の短編『森は生きている』と、33巻収録の短編『さらばキー坊』を原案とした作品。ちなみに、「キー坊」は、『ドラえもん のび太と雲の王国』にゲスト出演している。映画を漫画化した作品『ドラえもん映画ストーリー のび太と緑の巨人伝』が岡田康則によって執筆され、月刊コロコロコミック2008年2月号から2008年3月号まで連載された。また、本作をもととしたゲームも発売された。こちらは前作のようなカードゲームではなく、完全新システムのアクションゲームである。
[編集] 舞台
『さらばキー坊』『のび太と雲の王国』の会話や描写で登場した植物星(本作は「緑の星」と呼称、漫画版では「グリン」)であり、予告編や雑誌に掲載したイメージボードなどで描かれている巨大な大樹を中心とした町並みは水上都市「グリンピア」という。
[編集] ゲストキャラクター
- キー坊(声:吉越拓矢)
- 裏山にあった苗木をドラえもんの「植物自動化液」で動けるようにしてもらった木。
- リーレ(声:堀北真希・幼少時の声:渡辺菜生子)
- 緑の星の王女。小さい頃は御転婆で無断でお城を抜け出すこともあった。
- 長老ジィ(声:三宅裕司)
- 緑の星を旅して、生命の営みを見守る長老。
- シラー(声:大塚周夫)
- リーレの配下で実質シラーが政治を動かしている。地球の植物を緑の星に移住させる計画を企んでいる。
- パルナ(声:有田哲平)
- シラーの配下。いつもシラーの命令に従う。おっちょこちょいな所がある。
[編集] テレビスペシャル
2008年3月28日に放送された「ドラえもん春休みスペシャル もうひとつの“緑の巨人伝”」に登場したキャラクター。
- ドラぼてん(水田わさび)&のびテン(大原めぐみ)
- 「もうひとつの“緑の巨人伝”」に登場。サボテン型植物星人の二人でドラえもんとのび太にそっくりである。吟遊詩人で各地を旅しており、主に「サボサボサボサボサボサボサボサボサボテンブルース~」という歌詞が特徴の歌を歌う。しかし肝心の歌は下手である。のびテンは自分のトゲをぬいてつくった「トゲソード」、ドラぼてんは頭から無数のトゲを飛ばせる。
- 旅をしていたときに偶然幼い頃のリーレと出会う(その時リーレは城から逃げ出して兵士に追われているのを「悪い人達に追われている」と嘘を言ってごまかした)。そのためリーレと共にグリンピアを脱出、禁断の森で緑の巨人を探すこととなる。緑の巨人を見つけた後、迎えに来たシラーのおかげで禁断の森から脱出し、リーレから勲章を授かる。再びさすらいの旅にでるが荷物の中にリーレが隠れていて「私も連れて行け。」と言われてしまう。
- リーレの父(声:宇垣秀成)&リーレの母(声:まるたまり)
- 「もうひとつの“緑の巨人伝”」に登場。リーレの父と母。映画でも写真でしか登場せず、すでに亡くなっていたらしい。
- 神成さんの家のバラ
- 「キー坊が恋をした」に登場。神成さんの家にあるバラ。キー坊が恋をしたのだが実は…。
[編集] 声の出演
- ドラえもん:水田わさび
- のび太:大原めぐみ
- ジャイアン:木村昴
- スネ夫:関智一
- しずか:かかずゆみ
- のび太のママ:三石琴乃
- のび太のパパ:松本保典
- 出木杉:萩野志保子
- ドラミ:千秋
- キー坊:吉越拓矢
- リーレ:堀北真希
- 長老ジィ:三宅裕司
- パルナ:有田哲平(くりぃむしちゅー)
- シラー:大塚周夫
- モヤ:渡辺甚平
- ロク:土屋蓉子
- ナエ:上野一舞
- ヤマ:石田ことみ
- ジョーロの女の子:松元環季
- 議員:千葉常晟、大嶋大晴、松崎将也、野寺美希、小林優太郎、山口華奈、渡部雅史
- 歴史を語る子どもたち:水口雄喜、丸山ゆま、並木瑠花、大川奨、上野裕太、中村奈央
[編集] スタッフ
- 原作:藤子・F・不二雄
- 総監督:楠葉宏三
- 監督:渡辺歩
- 絵コンテ:渡辺歩、宮下新平
- 演出:宮下新平
- 脚本:大野木寛
- 作画監督:金子志津枝
- エフェクト作画監督:桝田浩史
- 作画監督補佐:夏目真悟、加来哲郎、大杉宜弘、佐々木美和
- 動画検査:小杉菜穂子
- 美術:西田稔、河合伸治
- 色彩設計:松谷早苗
- 仕上担当:野中幸子
- 3DCGスーパーバイザー:木船徳光(IKIF+)
- 3DCG監督:奥村優子(IKIF+)
- 撮影監督:岸克芳(アニメフィルム)
- 特殊効果:千場豊
- 編集:小島俊彦(岡安プロモーション)
- 録音監督:田中章喜
- 音響制作:AUDIO PLANNING U
- 録音スタジオ:APU MEGURO STUDIO
- 効果:糸川幸良(グループ・アンド・アイ)
- 音楽:沢田完
- おまけ映像:腰繁男、杉浦聡、増泉路子
- 制作デスク:外崎真
- プロデューサー:小倉久美、吉川大祐、藤森匠、島哲雄、山崎立士
- チーフプロデューサー:増子相二郎、杉山登
- アニメーション協力:ベガエンタテイメント
- 制作:藤子プロ、小学館、テレビ朝日、シンエイ動画、ADK、小学館プロダクション
[編集] 原画
- 伊東伸高、井上香織、馬越嘉彦、大城勝、大塚正実
- 大谷敦子、小川完、押山清高、川畑えるきん、桑名郁朗
- 佐々木政勝、そ〜とめこういちろう、竹松一生、西位輝実
- 馬場充子、原田大基、林静香、牧原亮太郎、松本憲生
- 宮沢康紀 他
[編集] 主題歌
- 作詞・作曲:黒須克彦、編曲:大久保薫
- 歌:mao、コーラス:ひまわりキッズ(コロムビアミュージックエンタテインメント)
- ※今作のオープニングでは、歌詞もアニメーションの一部として組み込まれている。
- 『手をつなごう』
- 作曲:西野芳彦・絢香、編曲:L.O.E
- 作詞・歌:絢香(ワーナーミュージック・ジャパン)
[編集] その他
- 予告編に登場した「スカイリーフ」という乗り物は実際に作品中では登場しない。また、予告編の後半に登場した都市がジャングル化したカットも微妙に違ったイメージとなっている。過去に予告編で出てきたものが、本編に登場しなかった例は『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』『鉄人兵団』など。
- 物語の前編部分にはキー坊と仲良くなるじょうろを持った女の子が登場するが、これは渡辺監督が街で見かけた植物に水をあげる少女がモデルになっているという。また、今作には子供が声優として参加しているが、それも渡辺監督の要望によるものである。
- 物語の後編には東京が緑に覆われてしまった風景が登場する。この風景の元になったのは藤子・F・不二雄がかつてSF短篇作品として1976年に発表した『みどりの守り神』に登場した東京がジャングルと化したものである。渡辺監督は緑に覆われる街のイメージは新宿だと語っている。
- 今作ののび太の街はテレビシリーズやこれまでの映画作品と違い、住宅地と裏山を含んだ自然が混在しており、かつて存在した昭和の町並みとなっている。また、のび太の部屋も『ドラえもん のび太の恐竜2006』とほぼ同じような設定で描かれており、ピー助と遊んだボールも前作『ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』から引き続き登場している。
- 映画のエンドロールが終わった後には前作と同じくおまけ映像があり、その中で2009年にも映画が公開されることがドラえもんによって発表されている。そして、一瞬だけドラえもんと共に『のび太の宇宙開拓史』に登場したチャミーが出ている。その後、宇宙空間を漂う映像になる。
[編集] キャッチコピー
- 僕らの希望が未来を動かす。
- DORAEMON THE FUTURE 2008
[編集] 公式サイトについて
- 2007年と同様、ポイントを貯めれば、マジカルレベルがアップするのと同様に、各ページを閲覧すると1ポイント貰え、ポイントに応じてランクアップする。
- また、動画を見たり、ゲームで遊んだりすると、ポイントが貰えたりする。
[編集] 関連項目
- キー坊
- みどりの守り神(藤子・F・不二雄の短編作品。本作と類似点がある)
- ドラえもん のび太と緑の巨人伝DS
[編集] 脚注
- ^ ただし、概要で詳述しているように『ドラえもん のび太と雲の王国』との類似点が多い。
[編集] 外部リンク
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