ジム・スナイパー
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この項ではジムスナイパーと呼ばれる、日本のアニメ及びその関連作品「ガンダムシリーズ」のうち、宇宙世紀を取り扱ったアニメ作品や商品企画に登場する架空の兵器の一群について述べる。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] ジム・スナイパー
ジム・スナイパー (GM SNIPER) は、OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場する、架空の兵器。地球連邦軍の先行試作量産型モビルスーツである(型式番号:RGM-79[G]あるいはRGM-79(G))。
[編集] 機体解説
陸戦型ジム | |
型式番号 | RGM-79[G] |
所属 | 地球連邦軍 |
建造 | 地球連邦陸軍 |
生産形態 | 先行試作量産機 |
頭頂高 | 18.0m |
全高 | 18.0m |
本体重量 | 53.8t |
全備重量 | 66.0t |
ジェネレーター出力 | 1,150kW |
スラスター総推力 | 49,000kg |
センサー有効半径 | 6,000m |
装甲材質 | ルナチタニウム合金 |
主な搭乗者 | 地球連邦兵 |
武装 | ビームサーベル×2 100mmマシンガン ロケット・ランチャー ミサイル・ランチャー ビームライフル ショート・シールド 大型ロングレンジ・ビームライフル 他 |
大型のロングレンジ・ビームライフルを装備したRGM-79[G] 陸戦型ジムに対して便宜上つけられた通称であり、機体全体が緑色に塗装されている以外、外観および本体性能は通常の陸戦型ジムと同等である。詳細は陸戦型ジムの項にて述べる。
[編集] 劇中での活躍
『機動戦士ガンダム第08MS小隊』ではジオン軍の病院船を狙撃し撃墜した他、アプサラスIIIにもジャブロー攻撃を断念させる程の打撃を与えた。
[編集] 商品展開
プラモデルは1/144HG(ハイグレード)と1/100MG(マスターグレード)が発売された。
HGでは陸戦型ジムのキットのカラーをグリーンに変更し、大型ビームライフル、ライフル用手首、約1/1200アプサラスIIIのパーツを追加して販売されている。
MGでは陸戦型ジムのキットに大型ビームライフルが追加されている形(キットに付属する豊富な武器類の1つという形が取られている)だったが、2006年11月に陸戦型ジムのキットカラーをグリーンに変更し、外付けジェネレーターと冷却タンクのパーツを新たに追加という形で正式にMGジム・スナイパーとして発売されることになった。
[編集] ジム・スナイパーカスタム
ジム・スナイパーカスタム (GM SNIPER CUSTOM) は、アニメ『機動戦士ガンダム』に端を発したMSVシリーズに登場する架空の兵器。地球連邦軍の開発したモビルスーツ(型式番号:RGM-79SCもしくはRGM-79)。TVアニメ『機動戦士Ζガンダム』にも登場する。ジム重装型スナイパーカスタムと呼称されることもある。
[編集] 機体解説
ジム・スナイパーカスタム | |
型式番号 | RGM-79SC |
所属 | 地球連邦軍 |
建造 | 地球連邦軍 |
生産形態 | 量産型改修機 |
頭頂高 | 18.0m |
装甲材質 | チタン系合金 |
主な搭乗者 | 地球連邦軍一般兵 フランシス・バックマイヤー |
武装 | R-4型ビームライフル×1 狙撃用ビームライフル ボックスタイプビームサーベルユニット×1 60mmバルカン砲×2 折りたたみ式ハンドビームガン×1 2連装ビームガン×1 ハイパーバズーカ×1 ビームスプレーガン |
一年戦争末期において、RGM-79ジムの性能に不満を抱いた一部の熟練パイロットの要請に応じて、前期量産型ジムにRX-78ガンダムと比肩する程の改修を施した機種である。
背部ランドセルを大推力のものに改め、腰部に増加冷却ユニット、脚部に補助推進装置を増設したことで、重戦・高機動戦用とした。コスト面から改修された機体は50機に満たなかった。
高機動戦部隊では中距離射程のR-4型ビームライフル(型式番号BR-M79-L3であり、ビームスプレーガンとフレーム構造が共通)が使われ「スナイパー」と呼称された他、「インターセプター」または「ガード」と呼ばれたタイプが主力艦隊の護衛を務めた。
最も重武装だったフランシス・バックマイヤー中尉機はR-4ビームライフルの他、頭部に格闘戦用の開閉式バイザーを増設し、前腕部にボックスタイプビームサーベルユニットと折りたたみ式ハンドビームガン、脚部側面に2連装ビームガン、後腰部にはハイパーバズーカを装備しており、約半数がこの仕様に倣った。
また、テネス・A・ユング少佐はこのSC型とGS型を愛機とし、MS149機、艦船3隻を撃沈した。このスコアは、かのアムロ・レイ少尉(当時)を凌ぎ、一年戦争当時の地球連邦軍パイロットのトップスコアとして記録されている。
以上のように、「スナイパー」とは銘打たれているが全機が狙撃用に特化されているわけではない。
グリプス戦役時には、コクピット内部や武装などを最新のものに換装した機体がジャブロー基地に配備されていた。
[編集] 劇中での活躍
もともとMSVシリーズの一機として設定が作られたが、後のアニメ『機動戦士Ζガンダム』第12話「ジャブローの風」において、連邦軍基地ジャブローを襲撃するエゥーゴのモビルスーツ部隊に対して応戦している姿が描かれている。このときは、R-4型とは異なるデザインのビームライフル(ジムIIのBR-S85系ビームライフルとフレーム共通と思われる)を装備していた。
[編集] 商品展開
バンダイより1983年12月に、1/144スケールのインジェクションプラモデルキットとして発売された。商品名は「MSV No.22 RGM-79ジム・スナイパーカスタム」であり、上記「機体解説」はこの商品に付属する解説書による。その後アニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場した関係でΖガンダムのプラモデルシリーズとしてもラインナップされている。こちらの成形色は緑。また、2006年9月に「GUNDAM FIX FIGURATION #0032」としてカトキハジメの手でリファインされたものが商品化され、こちらは「リアルタイプガンダム」とのコンパチ商品として発売されている。このリファインデザインは元々は超劇場版ケロロ軍曹で登場するガンプラの為だけにデザインリファインされたものであり、GUNDAM FIX FIGURATION用デザイン画はそれを流用したものである。
[編集] ジム・スナイパーII
ジム・スナイパーII (GM SNIPER II) は、OVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場する、架空の兵器。地球連邦軍の量産型モビルスーツである(型式番号:RGM-79SP)。資料によっては、ジム・スナイパーカスタムIIとされる場合もある。
[編集] 機体解説
ジム・スナイパーII | |
型式番号 | RGM-79SP |
所属 | 地球連邦軍 |
建造 | 地球連邦軍 |
生産形態 | 量産型改修機 |
頭頂高 | 18.0m |
本体重量 | 45.0t |
ジェネレーター出力 | 1,390kW |
スラスター総推力 | 102,000kg |
装甲材質 | チタン系合金(装甲の一部にルナチタニウム合金を使用) |
主な搭乗者 | 地球連邦軍一般兵 マスター・ピース・レイヤー リド・ウォルフ |
武装 | R-4型ビームライフル×1 狙撃用ビームライフル ビームサーベル×2 60mmバルカン砲×2 ハイパーバズーカ×1 |
一年戦争末期にジム・スナイパーカスタムの「エース・熟練パイロット+量産型の高性能版」というコンセプトの成功を踏まえ、RGM-79Dを始めとする後期量産型ジム系統をベースに開発された機種である。頭部のバイザーには精密射撃用センサーと高倍率カメラを備えており、専用の狙撃ライフルによって遠距離の敵を撃滅する。その他の性能も一年戦争時の連邦の量産型MSとしては最高級を誇り、通常戦闘においても高い戦闘能力を示した。カタログスペックはガンダムを上回り、ジオン軍のMSゲルググに単体で対抗できる数少ない機体である。その基本設計や機構の多くは、後発のMSA-003ネモに多大な影響を与えたといわれている。
しかし、生産開始が戦争末期だったことと高コストのため少数しか生産されておらず、一年戦争に間に合った機体は更にごく少数に限られる。オーストラリア戦線、サイド6における特務作戦やジャブロー攻防戦などの重要局面において数機の活躍が確認されているのみである。また、連邦軍のエース「踊る黒い死神」ことリド・ウォルフ少佐が最後に使用した機体としても有名である。
専用狙撃ライフルについては、実体弾であるともビームを発射するとも言われている 事実、それほど多くはない本機の実戦参加記録とは裏腹に、各局面で複数の外観の異なるモデルが確認されている。いくつかの試作型のライフルをテストする役目を本機が担っていたとも考えられる。PS2用ゲームソフト『機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙』では実体弾が使用されている。なお、ホワイト・ディンゴ所属機の使用しているものは、ジムスナイパーのロングレンジ・ビームライフルである。一説には後のMSN-00100百式と同系統のライフルを使用したとする資料もあるが、時代背景などを考慮した上で否定的な意見も多く、詳細は不明である。このように未だ武装については不明な点も多くある。
[編集] 劇中での活躍
『ポケットの中の戦争』第4巻「河を渡って木立を抜けて」において、連邦軍の強襲揚陸艦グレイファントム所属「スカーレット隊」に配備されており、サイド6のリボーコロニー内に現れたジオン軍サイクロプス隊のMS-18Eケンプファーの迎撃に出撃するが、コロニー内での戦闘なのでジムコマンドと同じ低威力のマシンガンを装備したため、性能を活かせずあえなく撃墜されている。劇中ではアップに映るブルーグレーの機体の他に、後方にもRGM-79G(コロニー内仕様)と同パターンのカラーリングの機体も確認できる。
バンダイのDC用ゲーム『機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…』では、プレイヤーが最後に操縦する機体として登場する。ジオン軍のシャトル発進を阻止する緊急特別任務に際して、ジャブロー基地でロールアウトして間もない当機が急遽、ホワイト・ディンゴ隊へ届けられたという設定。なお、通常機と異なり白く塗装されている。
漫画『機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles』では、MS特殊部隊第3小隊に1機配備され、射撃戦を得意とするラリー・ラドリー少尉が搭乗している。ジャブロー防衛戦の際にはロングレンジ・ビームライフルによる狙撃任務に携わっていたが、隊長であるマット・ヒーリィ中尉の判断ミスにより、敵機の攻撃を受け撃墜されている。
[編集] 商品展開
通常のインジェクションキットの発売はされていないが、バンダイのレジンキット専門ブランドであるBクラブから、過去に1/220のレジンキットが発売されていた他、1/144ジム・コマンド、MGジム・カスタムをベースに改造する為のパーツセットが販売されている。
[編集] ジム・スナイパーIII
ジム・スナイパーIII (GM SNIPER III) は、アニメ『機動戦士Ζガンダム』に端を発した模型雑誌企画『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』に登場する、架空の兵器。地球連邦軍のモビルスーツである(型式番号:RGM-79SR)。
[編集] 機体解説
ジム・スナイパーIII | |
型式番号 | RGM-79SR |
所属 | 地球連邦軍 |
生産形態 | 量産機 |
頭頂高 | 18.0m |
本体重量 | ?t |
ジェネレーター出力 | ?kW |
スラスター推力 | ?kg |
装甲材質 | チタン・セラミック複合材 |
主な搭乗者 | カール・マツバラ |
武装 | ブルパップ・マシンガン バズーカ ビームサーベル 60mmバルカン砲 強化ビームスナイパーライフル キャノン付きバックパック 腰部ミサイルポッド 大型ランドセル付きビームランチャー |
ジム改をベースにジムIIのスラスターなどを試験するために作られたジム改高機動型を狙撃仕様にカスタマイズしたもの。主な変更点は増設バイザー(ジム・スナイパーIIのものに近い)、強化ライフル(ベースはガンダムTR-1 ヘイズルのビームライフル)。後に中距離試験型(ジム・キャノンと同型のキャノンパック、ハイザック用の腰部ミサイルポッドを装備。バイザーは外されている)、高機動型(ハイザック・カスタムの装備となる大型ランドセル、及びビームランチャー、後のジムIIIの足の追加スラスターを装備)などに改修される。バックパック部や武装などにおいて、ハイザックタイプMSとの互換性が図られている。
[編集] その他
[編集] ジム・スナイパー,EX
ジム・スナイパー,EX (GM SNIPER EX) は、長谷川裕一の漫画作品『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』に登場する架空の兵器。地球連邦軍のモビルスーツである。時代を考慮するとジムIIIをベースに開発されたと思われるが詳しいスペック等は不明。背中に装備されている大型のバーニアが特徴的である。
超大型モビルスーツ調査のために木星空域へ派遣された機体。連邦軍屈指のニュータイプであるシマ・八丈と鉄面皮が搭乗し、アムロ・レイとジュドー・アーシタが乗るメガゼータの援護や巨神のデータ分析を行った。
[編集] 関連項目
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