ネモ (機動戦士Ζガンダム)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ネモ(NEMO)は、アニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場する架空の兵器。エゥーゴの量産型モビルスーツ(型式番号:MSA-003)。
目次 |
[編集] ネモ
ネモ | |
型式番号 | MSA-003 |
所属 | エゥーゴ |
建造 | アナハイム・エレクトロニクス社 |
生産形態 | 量産機 |
頭頂高 | 18.5m |
本体重量 | 36.2t |
全備重量 | 55.6t |
ジェネレーター出力 | 1,620kW |
スラスター総推力 | 72,800kg |
センサー有効半径 | 10,020m |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
武装 | 60mmバルカン砲×2 ビームサーベル×2 ビームライフル シールド バズーカ |
主な搭乗者 | エゥーゴ一般兵 カラバ一般兵 カツ・コバヤシ ファ・ユイリイ ロザミア・バダム |
エゥーゴ独自に開発したモビルスーツ(以降MSと表記)リック・ディアスは新技術を数多く導入した高性能モビルスーツであったが、高コストかつ、量産には不向きであった。そして、連邦軍から継続し量産機として使用していたMSジムIIも時代遅れの旧型機種となっていた。エゥーゴはこのジムIIに代わる次期量産MSの開発をアナハイム・エレクトロニクス社に依頼した。
開発に際してジム系の機体の開発経験のなかったアナハイム社は、完全な新規設計によるコスト増や保守部品調達上のリスク、制御系の不具合を回避するため、一年戦争末期の連邦軍エースパイロットに対し配備されたジム・スナイパーIIなどの傑作機の設計および装備構成を取り入れることで対処した。メインバーニア及び脚部増速用ブースター、ビームサーベルのマウントポジションなどにその影響が確認できる。
結果、ジム系の外観とは裏腹にリック・ディアスや百式に連なる公国系の技術を中心に纏め上げられている。その証明として劇中では拾得した旧公国軍のMSゲルググをネモ1機分解したパーツを用い、アーガマ内で現地改修したエピソードがある。登録番号はリック・ディアス、百式に続く3番目にあたるMSA-003となる。装甲や基本フレームはジムIIから大幅に改良されており、特に装甲に関してはジム系MSとしては異例のガンダリウム系装甲が採用されている。当初はガンダリウムγ系が採用されるはずだったが、開発途中に情報がティターンズに漏洩したため、その技術はザクをベースとしたマラサイに投入され、ネモは急遽ガンダリウムαに変更された。
当初、エゥーゴではスペックがワンランク上のマラサイを主力MSとして前線に、本機はその支援用としての運用を行う予定であった。しかしながら、マラサイが政治的取引によってティターンズに採用されてしまったため、エゥーゴは急遽ネモを主力機として運用せざるを得なかった。
同機のために新規製造された装備はシールド(連邦系量産機では初となるスライド式シールド)のみで、ビームライフルはジムIIの物を、ビームサーベルはリックディアス・百式と同型の物が流用された(初期ではGM系シールドを装備して出撃している機体も見られた)。なお、ビームライフルは劇中で威力不足を指摘されている(ロザミア・バダム)が、その外観はGMIIIの装備しているものと同一であり、昨今のビームライフルの設定(MS本体からのエネルギー供給に頼らない)に従うならば、GMIII登場以降は、ネモのビームライフル性能も向上していると考えることも出来る。
エゥーゴ初の地球侵攻作戦であるジャブロー攻略戦において主力機として投入されるが十分な機数が揃えられなかった為か、一部のジムIIをネモの色に似せた塗装を施し機数を水増しすると言う苦肉の策が計られる(テレビ放送当時はジムの色パカとされていたが、模型雑誌の作例などで”エゥーゴカラー”として取り上げられるようになったこともあり、塗装バリエーションの1つとして半ば公認された感もある)。同作戦で生き残った機体は、ロベルト中尉らによって、地上戦への仕様変更と宇宙におけるエゥーゴの拠点データの消去を行いエゥーゴの地球上における協力組織カラバに譲渡され、MSK-003として同組織の主力機として活躍した。キリマンジェロ基地攻略ではドダイ改に乗って、アムロのディジェやジムⅡと共にアウドムラを母艦として戦った。
[編集] 劇中での活躍
TV版『機動戦士Ζガンダム』ではジムIIに代わるエゥーゴの主力MSとして登場。ジャブロー攻略戦において、ガンキャノン重装型に踏みつけられ撃破されるも、パイロットが無事脱出するシーンがあり旧来のモビルスーツに対しての生存性の高さが実証されている。
カツ・コバヤシの操縦するネモ以外は、MSを撃墜するシーンはほとんどなく、ビームサーベルで戦う姿も見られない。やられ役として爆発するシーンのほうが多い。 また、カツが暴走してガンダムMk-IIで出撃した際、アムロ・レイがネモに駆け寄り乗り込もうとしたが、ハヤト・コバヤシに止められる。
またネモの機動性能の高さを垣間見られるエピソードとしては、強化人間であるロザミア・バダムがネモに乗り込みカミーユ・ビダンのΖガンダムを追いかけるシーンがある。 この時,追従するクワトロ・バジーナの百式が放つビームライフルをかわし、またハイザック1機を数発で撃破している。
劇場版『機動戦士Ζガンダム』においては、ガンダムMk-IIが奪取された時点でネモはエゥーゴに配備されていた為、ガンダムMk-IIのムーバブルフレームの技術が取り入れられたという説との矛盾が起きている。そのため、現在ではリック・ディアスで試作されたムーバブルフレームを転用しているとの説がある。
漫画『機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル』では、主人公アスナが複座型のネモに乗り込み、ティターンズから奪取したガンダムMk-IIと模擬戦闘をおこなっている。
[編集] バリエーション
[編集] ネモII
ネモの発展型。百式改のラフ画の中に描き込まれている。そこではネモ改の名称である。左肩にビームガンとビームランチャーがバックパックから伸びており、右腕に通常のネモのビームライフルよりも大型のビームライフルを所持している。
[編集] ネモIII
ネモIIの砲撃戦仕様。
[編集] ネモキャノン
新MS大全集改訂版に登場する。
[編集] ネモ(ビームカノン装備タイプ)
『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』に登場するネモにビームカノンを装備したバリエーション。
ネモ | |
型式番号 | MSA-003 |
所属 | エゥーゴ |
建造 | アナハイム・エレクトロニクス社 |
生産形態 | 量産機 |
頭頂高 | 18.5m |
本体重量 | 36.2t |
全備重量 | 55.6t |
ジェネレーター出力 | 1,620kW |
スラスター総推力 | 72,800kg |
センサー有効半径 | 10,020m |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
武装 | 60mmバルカン砲×2 ビームサーベル×2 ビームライフル シールド ビームカノン |
主な搭乗者 | エゥーゴ一般兵 |
ネモの汎用性を活かすため、ビームカノンにはカメラや固定用ピックと言った様々なオプションを装備できる。 この機体の開発経緯は、正規軍であるティターンズに対抗するために、ゲリラ的な活動を行う事の多かったエゥーゴにとって、奇襲のための長距離武装は必要不可欠だった。そこで、百式のメガ・バズーカ・ランチャーが開発されたのだが、膨大な電力を消費する割には運用効率が悪かった。そこで、MS単体で使用できるビームカノンとしてネモ用のビームカノンが開発された。このビームカノンの運用データはΖガンダムのハイパーメガランチャーなどエゥーゴの長距離武装に活かされている。 作中ではカールの乗るガンダムTR-1[アドバンスド・ヘイズル]を撃墜した。 因みに、ビームカノンはΖガンダム劇中においてプチモビが使用したものがベースとなっている。
[編集] ネモ・カノン
『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』に登場するネモにロングシールドブースターを装備したバリエーション。
ネモ・カノン | |
型式番号 | MSA-003 |
所属 | エゥーゴ |
建造 | アナハイム・エレクトロニクス社 |
生産形態 | 量産機 |
頭頂高 | 18.5m |
本体重量 | 36.2t |
全備重量 | 55.6t |
ジェネレーター出力 | 1,620kW |
スラスター総推力 | 72,800kg |
センサー有効半径 | 10,020m |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
武装 | 60mmバルカン砲×2 ビームサーベル×2 ビームライフル シールド ロング・シールド・ブースター(最大4基) |
主な搭乗者 | マキシム・グナー エゥーゴ一般兵 |
ネモの汎用性を活かすため、ロング・シールド・ブースターにはメガ粒子砲やブースターと言った様々な機能が付いている。またバックパックも新型バックパックに改良されている。頭部センサー保護用のフェイス・カバーを装備しているため、デュアルアイを持つネモ系の機体では珍しい機体である。
RX-121ガンダムTR-1「ヘイズル」が使用した「シールド・ブースター」を参考にエゥーゴで独自に開発されたが、単なる固体燃料ロケットとしての機能しかなかったヘイズルのシールド・ブースターとは違い、シールド自体にメガ粒子砲とジェネレーターを内蔵し、MS本体のジェネレーターに依存することなくシールド先端部のメガ粒子砲を使用することが可能になっている。
ロングシールドブースターをバックパックに2基装備が出来る。また両腕シールドラッチに各1基合計2基装備できるため、最大4基まで装備できる。ロングシールドブースター4基を装備したネモ・カノンは宇宙世紀0086年代において量産MSの中ではかなりの機動力を持つことになる。
[編集] 関連項目
|
||||||
---|---|---|---|---|---|---|
|
||||||
ガンダムシリーズの映像作品 | ||||||
|
||||||
ガンダムシリーズの劇中項目 | ||||||
|