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カルナータカ州 - Wikipedia

カルナータカ州

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

カルナータカ州
Karnataka
ಕನಾ೯ಟಕ
インド国内の位置
(インド国内の位置)
基礎情報
 インド
行政区 カルナータカ州
州都 バンガルール(Bangalore)
面積 192,000 km²
人口 2001年
 - 合計 55,868,200 人
 - 人口密度 290.98 人/km²
時間帯 インド標準時(IST)UTC+5:30
公用語 カンナダ語
創立 1956年11月1日
知事 T. N. チャットールヴェディ(T. N. Chaturvedi)
首相 H. D. クマラスワミー(H. D. Kumaraswamy)
立法機関(議席数) 二院制(224+75)
略称ISO IN-KA
州公式ウェブサイト http://www.karnataka.gov.in

カルナータカ州カンナダ語:ಕನಾ೯ಟಕ、英語:Karnataka)は、インドの南西部にあるの一つ。

1956年11月1日に国家再編法によってこの地域の州が統合され、カルナータカ州が成立。当時はマイソール州であったが、1973年にカルナータカ州に改称された。

カルナータカ州は西をアラビア海に面し、北西をゴア州と接し、北をマハラシュトラ州と接し、南東をタミル・ナードゥ州と接し、東をアーンドラ・プラデーシュ州と接し、南西をケーララ州と接している。面積は191,791平方キロで、全インドの5.83%を占める。カンナダ語公用語で、最も話されている言語である。

カルナータカの語源としては、カンナダ語のカル(karu)とナードゥ(nādu)で「高地」を指すという説、カル・ナドゥ(黒い地域)が黒い綿土を指すという説、かつてのイギリス系藩王クリシュナ川以南のインド亜大陸の両側を指す語として「カーナティック(CarnaticまたはKarnatak)」を使用したとの説など、いくつかの説がある。[1]

旧石器時代までさかのぼると、カルナータカは古代インドの有力な帝国の地でもあった。これらの帝国によって支持された哲学者や音楽的詩人などが、社会宗教的で文学的な文化活動を生み、現在まで伝えられている。カルナータカではカルナタカ音楽とヒンドゥースターニー音楽の両方のインド古典音楽の豊かな伝統も生まれた。カンナダ語文学の作家はインドの文学賞を最も多く受賞している。

州都バンガルールは、インドにおける急成長を見せる経済と技術進歩の最前線である。

目次

[編集] 歴史

べルールのチェナケシェヴァ寺院聖堂入り口のホイサラ朝様式のレリーフ
べルールのチェナケシェヴァ寺院聖堂入り口のホイサラ朝様式のレリーフ

カルナータカの歴史は、この地域で手斧(ハンド=アックス)などが発見され旧石器時代にまでさかのぼる。新石器時代巨石文化の遺跡もこの州で見つかっている。ハラッパー遺跡で発見されたもカルナータカより持ち込まれたものであり、一般に、紀元前3000年には古代カルナータカはインダス文明との接触があったという仮説が成り立っている。[2][3]

紀元前3世紀以前のアショーカ王マウリヤ朝成立前は、カルナータカはナンダ朝の一部であった。その後、サータヴァーハナ朝支配の400年が続き、カルナータカの大部分が支配下に置かれた。サータヴァーハナ朝が没落し、カダンバ朝と西ガンガス朝という初期の地元の独立王朝が成立した。マユラシャルマに成立したカダンバ朝はバナヴァシに都を置いた。

これらは政事でカンナダ語を使用する初めての王朝であり、バナヴァシで発見された5世紀の銅貨に刻まれたハルミディ刻印で証明された。[4][5]

その後、さらに前期チャールキヤ朝ラーシュトラクータ朝後期チャールキヤ朝のようなカンナダ語の王朝が現在のカルナータカの地で歓迎され、デカン高原の大部分の支配を続け、カルナータカに首都をおいた。後期チャールキヤ朝は独特の西チャールキヤ様式建築や、カンナダ文学を生み、12世紀のホイサラ芸術の礎となった。

11世紀になり、ホイサラ朝がこの地域の実権を握り、ホイサラ文学が栄える。カンナダ拍子やホイサラ様式建築が栄えた。ホイサラ朝の拡大は、現在のアーンドラ・プラデーシュ州タミル・ナードゥ州まで及んだ。14世紀初頭には、ハリハラとブッカの兄弟がヴィジャヤナガル朝をカルナータカ州南部、トゥンガバドラー川南岸に建国した。この王朝は進出するイスラム王朝に対する砦として、この地域を2世紀にわたり支配した。

1565年、カルナータカと他の南インド地域は、ヴィジャヤナガル朝が没落しタリコタの戦いでイスラム王朝が興隆することで、大きな社会地理的な変化が起こった。[6]ビダールのバフマニー朝の後興ったビジャープル朝がデカン高原を支配した。その後ビジャープル朝はムガル帝国によって17世紀末に滅ぼされた。[7][8]バフマニー朝とビジャープル朝はともに、ウルドゥー語ペルシャ語文学や、インド・サラセン洋式建築を推奨し、その中でもゴール・グンバス廟はその様式の極みとなっている。[9]

マイソール戦争でイギリスの侵略に抵抗したティプー・スルタン。植民地にとなる前のインドで最も聡明で強い支配者の一人。
マイソール戦争イギリスの侵略に抵抗したティプー・スルタン。植民地にとなる前のインドで最も聡明で強い支配者の一人。

この時代の後、北部カルナータカはイギリスといち早く友好関係を結び、その隷下となったハイダラーバードニザーム藩王国の支配下となる。南部では、ヴィジャヤナガル朝の元属国であったマイソール藩王国が独立しつつあった。[10]マイソール軍の将軍であったハイダル・アーリーは、君主クリシュナ・ウォデヤール2世の死後、この地域を支配下に置いた。アーリーの死後、マイソール藩王国は彼の息子ティプー・スルタンに引き継がれた。[11] 南インドのヨーロッパ勢力拡大を止めるため、またイギリスのインド植民地化政策に反対し、アーリーとティプーはマイソール戦争として徹底的に戦った。結果としてティプーも白兵戦で戦死し敗れ、この地域は1799年にイギリスの植民地と化した。[12]マイソール藩王国イギリス領インド帝国のもと、藩王国としてウォディヤールの管理下に戻され、残された。

その後、当時のインド総督であったジェームズ・ラムゼイ伯爵による「失権の原理」がインド国中で藩王国の異議と反抗を呼び、1857年インド大反乱の約30年前の1830年に、カルナータカでチェンナンマ王妃とサンゴリ・ラヤンナなどが反旗を上げた。また、スパ、バガルコット、ショラプール、ナルグンド、ダンデリなどでも同様の蜂起が起こった。1857年インド大反乱とあわせて、いくつかの蜂起が起こった。19世紀末までには、インド解放運動には勢いがつき、20世紀に突入していくこととなった。[13]

インド独立後は、ウォディヤール藩王家はインドへの編入に同意し、1950年にはマイスール藩王国は同名のとなった。元藩王は1975年までラジプラムークの称号で州知事を勤めた。その後、悲願であったカルナータカ再統合運動を受け、1956年の国家再編法により、マドラスハイデラバードボンベイのコダグ語、カンナダ語を話す地域をマイスール州に編入し、17年後の1973年に州名をカルナータカ州と改称した。[14]


[編集] 地方行政区分

カルナータカ州は、27 の県(ジッラガル ಜಿಲ್ಲೆಗಳು)に分けられている。
【バンガルール地方】
1. バンガルール県 (ಬೆ೦ಗಳೂರು ; Bangalore)
2. バンガルール・グラーミーナ県 (ಬೆ೦ಗಳೂರು ಗ್ರಾಮೀಣ ; Bangalore Rural)
3. チトラドゥルガ県 (ಚಿತ್ರದುರ್ಗ ; Chitradurga)
4. ダーヴァナゲレ県 (ದಾವಣಗೆರೆ ; Davanagere)
5. コーラーラ県 (ಕೋಲಾರ ; Kolar)
6. シヴァモーッガ県 (ಶಿವಮೊಗ್ಗ ; Shimoga)
7. トゥマコル県 (ತುಮಕೂರು ; Tumkur)
【ベラガーヴィ地方】
8. バーガラコーテ県 (ಬಾಗಲಕೋಟೆ ; Bagalkot)
9. ベラガーヴィ県 (ಬೆಳಗಾವಿ ; Belgaum)
10. ビジャープラ県 (ಬಿಜಾಪುರ ; Bijapur)
11. ダーラヴァーダ県 (ಧಾರವಾಡ ; Dharwad)
12. ハーヴェーリ県 (ಹಾವೇರಿ ; Haveri)
13. ガダグ県 (ಗದಗ್ ; Gadag)
14. ウッタラ・カンナダ県 (ಉತ್ತರ ಕನ್ನಡ ; Uttara Kannada)
【グルバルガ地方】
15. バッラーリ県 (ಬಳ್ಳಾರಿ ; Bellary)
16. ビーダル県 (ಬೀದರ್ ; Bidar)
17. グルバルガ県 (ಗುಲ್ಬರ್ಗ ; Gulbarga)
18. コッパラ県 (ಕೊಪ್ಪಳ ; Koppal)
19. ラーヤチュール県 (ರಾಯಚೂರು ; Raichur)
【マイスール地方】
20. チャームラージャナガラ県 (ಚಾಮರಾಜನಗರ ; Chamrajnagar)
21. チッカマガルール県 (ಚಿಕ್ಕಮಗಳೂರು ; Chikmagalur)
22. ダクシナ・カンナダ県 (ದಕ್ಷಿಣ ಕನ್ನಡ ; Dakshina Kannada)
23. ハーサナ県 (ಹಾಸನ ; Hassan)
24. コダグ県 (ಕೊಡಗು ; Kodagu)
25. マンドヤ県 (ಮ೦ಡ್ಯ ; Mandya)
26. マイスール県 (ಮೈಸೂರು ; Mysore)
27. ウドゥピ県 (ಉಡುಪಿ ; Udupi)

[編集] 経済

カルナータカ州の州内純生産は226億ドルで、インド内5位である。また、1992-2002年の外資の直接投資額は、インド内4位を記録している。

人口の80%が農業を営む。州の収入の49%が農業収入である。ウッタラ・カンナダ県とダクシナ・カンナダ県を含む海岸平原地方は、サトウキビを栽培する。またコダグ県を中心とした西ガーツ山脈の山麓では、珈琲紅茶が栽培されている。特にカルナータカ州の珈琲の生産量は全インドの生産量の70%を占め、生産されたうちの50%は輸出される。州北西部の黒土地帯は農業に適しており、綿花玉葱・穀類・向日葵落花生が栽培されている。

マレナードゥ地方の森林からは、木材・材・白檀が産出される。特に白檀の生産は世界有数であり、インド内ではこの地域のみから輸出され、世界で精製される白檀油の原料のほとんどはカルナータカ州産である。

インドで産出されるは、すべてカルナータカ州のコーラーラ県からのものである。またカルナータカ州はその他の鉱産資源にも富んでおり、バドラヴァティーなどで作られる鉄鋼の原料の大部分が産出されている。

カルナータカ州には、合わせて18の発電所がある。このうち、シヴァナーサムドラーの水力発電所は、1902年に建設されたアジア初の水力発電所である。しかし、これらの発電所のみでは州内の電力需要を満たすことができず、州外から電力を買い付けている。

州都のバンガルールは、航空宇宙産業、情報技術産業、ビジネス・プロセス・アウトソーシング業が盛んである。特に情報技術産業については「インドのシリコンバレー」の異名を持ち、カルナータカ州電子技術振興公社により多くの情報技術産業団地が設置されている。また、インド科学研究所(IISc)・インド経営研究所(IIM)などの高等教育機関も置かれている。

この他、マイスール、マンガルール、フブリにも、情報技術産業振興のため産業団地が建設されている。


[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

[編集] 公式

ウィキメディア・コモンズ



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