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アジウソン・ディアス・バティスタ - Wikipedia

アジウソン・ディアス・バティスタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

アジウソン
名前
本名 アジウソン・ディアス・バティスタ
カタカナ アジウソン
ラテン文字 ADILSON Dias Batista
基本情報
国籍 ブラジル
生年月日 1968年3月16日
出身地 パラナ州クリチバ
身長 183cm
体重 78kg
選手情報
ポジション DF


代表歴
出場 4
得点 0

■Templateノート 解説)サッカー選手pj

アジウソン・ディアス・バティスタ(Adilson Dias Batista、1968年3月16日-)は、ブラジル出身のサッカー選手、指導者である。現役時代のポジションはディフェンダーブラジル代表にも選出された経歴を持つ。

目次

[編集] プレースタイル

現役時代は高いキャプテンシーを持ち、チームをまとめる意識の高い選手。スピードはないが判断力と空中戦に優れ、フリーキックも得意とした。

[編集] 来歴

1990年代のグレミオなどで、守備の中心として活躍した名ディフェンダー。代表にはあまり縁がなかったものの(アジウソン本人によれば、サンパウロリオ・デ・ジャネイロなどの都会のクラブに所属していない選手にはありがちなことだという)、1994年にはコパ・リベルタドーレスに優勝してトヨタカップにも来日するなど活躍。代表に選ばれないことを惜しむファンからは「アメリカ代表のキャプテン」とも呼ばれた。

1997年にグレミオからJリーグ・ジュビロ磐田の監督に就任したルイス・フェリペ・スコラーリの誘いを受けて来日。ここでも守備の要として活躍した。同年のチャンピオンシップでは数的不利となった第2戦でゴールキーパーの大神友明と共に鹿島アントラーズの前に立ちはだかり、劣勢を跳ね返しての優勝に貢献する。しかし1998年秋に膝を痛め、翌1999年はその手術などの影響で試合出場が減り、同年退団した。帰国後はコリンチャンスでプレーし、第1回世界クラブ選手権に優勝。しかし磐田時代に痛めた膝は完治せず、程なくして現役を引退。フェリペの元で指導者の道に進む。

その後はモジ・ミリンブラジル全国選手権セリエCからセリエBに昇格させるなど実績を積み、2003年9月から2004年6月まではグレミオの監督も務めた。規律を重視するスタイルで選手との対立を起こしてしまうことも度々あったが、経験を積むことで払拭。フィゲイレンセ監督時代には問題児エジムンドをうまくコントロールし、彼ら主力が抜けた後は若手と移籍選手でうまく穴埋めし、ブラジル全国選手権でもなかなかの健闘を見せていた。特に守備陣を構築する手腕は評価されている。

そうした手腕に古巣の磐田が目をつけ、2006年6月22日に磐田監督に就任。当時Jリーグ最年少の監督であり、磐田で最年長の選手である中山雅史よりも年下であった。

その2006年は、犬塚友輔上田康太らの若手選手を積極的に起用し、11位に低迷していたチームを5位にまで躍進。一定の評価を得た。一方、戦術面での頑固さはベテラン選手との軋轢を生み、シーズン中に名波浩セレッソ大阪へとレンタル移籍。シーズン終了後には名波が東京ヴェルディ1969へ再びレンタル移籍、服部年宏も同じく東京Vへ移籍、そしてチームの大黒柱だった福西崇史FC東京へ移籍と、クラブを支えてきた選手たちが次々と磐田を去ることになった。

2007年も引き続き磐田を指揮。しかし、磐田では守備が安定せずに大量失点での敗戦が目立ち、また勝利しても内容に乏しい試合が多く、徐々にサポーターや選手の信頼を失っていく。本人もまた迷い、守備を安定させるために3人の外国人選手をすべてボランチに置くなどの荒療治も行ったが、逆に意思疎通が上手くいかずさらにチームは迷走した。9月1日清水エスパルス戦にロスタイムの失点で敗戦の翌日、まだ9位ではあったが自らの申し出により辞任した。

2008年より、クルゼイロ監督としてブラジルサッカーに復帰。

[編集] 監督としての特徴

キャリアを比較的早くスタートしたものの、まだ若いためかブラジル時代でも指揮したクラブによって戦術は大きく違っている。ここでは磐田で見せた采配について述べる。

「采配はカウンター頼み」とも言われたが、本人は自身の理想として、ボールを大事に繋いでサイドから攻めるサッカーだとむしろ反対のことを繰り返し語っていた。またフィゲイレンセを指揮していた時期からの特徴として、前線の選手達を攻撃セットとして考え、彼らが皆ストライカー・チャンスメーカー・パサーと様々な役割を果たす「マルチロールサッカー」を標榜していた。そのため、彼が磐田で行った采配には以下に挙げるような特徴が存在した。

  1. 4バックを基本としたが、両サイドバックはサイド攻撃の起点と考えるため、ここにディフェンダーやサイドアタッカーよりもむしろボランチとしての能力を持つ選手を好んで起用し、ポジションも高く保つよう要求した。実質的に2バックになってしまう守りにはボランチの1名が戻って穴を埋めるやり方を多用した。ただし相手がセンターバックにプレッシャーをかけた場合、中盤との連携面がうまくいかない場合などで守備が安定しなかった(アジウソン自身も意識していたようで、相手や時間帯によっては3バックを採用したり、右サイドに守備の強い人間を入れるなどの処置も施していたが、オプション的な使用に留まった)。
  2. 前線には様々なプレーをこなせる選手を優先的に起用する。磐田では前田遼一を1トップに置いた布陣を最も使用した。うまくいっているときは、1トップと後の3人がぐるぐるとポジションを変える多彩な攻撃を見せることもあったが、反面前田頼みになっている面も拭い去れなかった。

また、相手を研究してその弱点をついたり、キーマンを潰して自分達のサッカーを実現することや、守備の基本はマンマーク的であるのも基本方針であり、それまで常に組織的なサッカーや「相手に関わらず常に自分達のサッカーをする」ことを標榜する思想の磐田には新たな戦略を持ち込んでいた。

これらの采配で満足な補強がない状況での戦力低下を補い、また若手の育成も先述の上田らの台頭など一定の結果は出した。その反面相手に自らの特徴を抑えられたときに、跳ね返すだけの力をクラブに身につけさせることは出来なかった。そしてまだ発展途上の選手たちの個の力を結集した組織は脆弱であったことは否めず、安定した成績に繋げることは出来なかった。

[編集] 逸話

  • 真面目な一面、明るく陽気な性格で、インタビューでもウィットに飛んだ受け答えをしている。またブラジルではCDまで出していたこともある。
  • 鈴木秀人田中誠は、ずるがしこいプレーの使い方や空中戦でのポジショニングについては彼から学ぶ事が多かった、と語っている。
  • 自身では影響を受けた監督について、フェリペとヴェルディ川崎名古屋で指揮を執り、Jリーグでもその手腕が知られているネルシーニョを挙げている。

[編集] 所属クラブ

[編集] 個人成績

国内大会個人成績
年度 クラブ 背番号 リーグ リーグ戦 リーグ杯 オープン杯 期間通算
出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点
ブラジル リーグ戦 ブラジル杯 オープン杯 期間通算
1988年 アトレチコ-PR 20 1
1989年 クルゼイロ 8 1
1990年 クルゼイロ 15 1
1991年 クルゼイロ 16 2
1992年 クルゼイロ 9 0
1993年 クルゼイロ
1993年 インテルナシオナル 11 2
1994年 アトレチコ-MG 19 2
1995年 グレミオ 5 0
1996年 グレミオ 25 2
日本 リーグ戦 ナビスコ杯 天皇杯 期間通算
1997年 磐田 4 J 22 5 11 3 0 0 33 8
1998年 磐田 4 J 23 5 4 1 0 0 27 6
1999年 磐田 4 J1 7 0 2 0 0 0 9 0
ブラジル リーグ戦 ブラジル杯 オープン杯 期間通算
2000年 コリンチャンス 5 0
通算 ブラジル
日本 J1 52 10 17 4 0 0 69 14
総通算

[編集] 指導歴

先代:
山本昌邦
ジュビロ磐田監督
2006.6-2007.9
次代:
内山篤


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