K DUB SHINE
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
K DUB SHINE | |
---|---|
基本情報 | |
出生名 | 各務貢太 |
出生日 | 1968年5月8日(40歳) |
出身地 | 東京都渋谷区富ケ谷 |
ジャンル | ヒップホップ |
職業 | ヒップホップMC |
活動期間 | 1997年~ |
レーベル | アトミックボム・レコーズ |
事務所 | アトミックボム・プロダクションズ |
共同作業者 | DJ OASIS |
影響 | Run-D.M.C.、KRS-One、ラキム、パブリック・エナミー |
公式サイト | THE KING OF TOKYO |
K DUB SHINE(ケーダブシャイン、本名:各務 貢太(かがみ こうた)、1968年5月8日 - )は、東京都渋谷区富ケ谷出身のヒップホップMC。ヒップホップグループ、キングギドラのMC及びリーダー、Radio Aktive ProjectのMCを担当。名前のK DUBは本名のイニシャルK.K(KのDouble→Dub)から来ている。この名前に定着する以前は、「MC SHINE」や「サムライマー」と名乗っていた。
目次 |
[編集] 来歴
小学校時代には、中学受験のために「四谷大塚」へも通塾していたが、地元の渋谷区立松涛中学校に進んだ。高校は町田市にある私立高校へ入学。すぐに中退して、産経新聞社の主催する交換留学制度を利用して、アメリカ・フロリダ州の高校へ留学。帰国後はテンプル大学に通ったが、後に中退した。(当時同大学にはEAST ENDのGAKU-MCも通っており、この時点で知り合いになる)
愛称は「コッタ」「コッチャン」。別名は「ビッグコッタ」「渋谷のドン」「最後の皇帝」「K二乗」「Mr.Atomic Bomb」等多数。また、「日本のチャックD」との呼び声もある。
所属レーベルはアトミックボム・レコーズ。所属事務所はアトミックボム・プロダクションズ。1997年、アルバム「現在時刻」でソロデビュー。
[編集] 概要
日本語の歌詞と韻(ライム)にこだわったラップスタイルが特徴。それまで文としての正しさに拘るあまりに1~3文字程度しか韻が踏めなかった日本語ラップにおいて倒置や熟語を使い、ある程度文としての正しさを崩して押韻を重視するスタイルで単語単位で韻を踏む手法を確立し、現在の日本語ラップにおける韻の踏み方の基礎を作ったMCの一人。日本及び日本人としての誇りを訴えかける歌が多く、歌詞やインタビューなどで日本語・英語交じりのラップスタイルのラッパーを度々批判している。低音の脱力的なフロウ(歌いかた)が特徴でそのファンも多いが、リズム感に乏しいとしてフロウが未熟とされることもある。児童虐待、シングルマザー、麻薬、国家などの話題を積極的にとりあげる社会派ラッパーとして知られている。歌詞に個人の主観が強いこともあり、賛否両論である。
[編集] 人物
幼少の頃は病弱で入退院を繰り返しており小学生になるまで生きられないかもしれないと言われていたという。このような体験から命の大切さを人一倍感じているようである。家庭の貧しさゆえ、小学校高学年の頃からグレ始め、渋谷の裏通りをうろつくようになった。現在も渋谷センター街の奥に存在する「Rビル」に溜まっていた事から「アールズ」というチームを結成し、チーマーだったという話もある。しかしヒップホップに出会い前向きに生きる事に目覚める。高校生の頃から8年間アメリカに留学していた。ちなみに母子家庭出身で、六畳一間のアパートで共に暮らしてきた母親への感謝を人一倍感じているようで、「今なら」という曲は母親への感謝を歌ったものである(彼の曲を聴いたみうらじゅん氏が「親孝行ラップ」と評したことがある)。ちなみに彼は批判するラッパーの曲も一度は聴いている。
RHYMESTERの宇多丸からはよく「天然」と言われている。宇多丸と共演している「第三会議室」では下ネタに過敏に反応するなど、普段のイメージからは考えられない姿を垣間見る事ができる。
第三会議室ではサーヤのファンと発言している。食玩やフィギュアを収集するなどオタク方面にも造詣が深い。宇多丸に「コッチャンはエヴァとか好きなんですか?」と訊かれ、「綾波レイだけ」と答え、「ホンモノじゃねーか!」とつっこまれる一幕があった。
日本語での歌詞にこだわり、英語交じりのラップスタイルに批判的であるが、本人は高校時代にアメリカに留学しており、英語も流暢に話すことができる。RHYMESTERの宇多丸が知人のアメリカ人から聞いた話によると、「日本人のラッパーにも英語が話せる人はいるが、K DUB SHINEが一番ちゃんとした英語を話す」とのこと。
また、本人は家系をたどると清和天皇の末裔である発言しているが、苗字のみで調べたため実際に家系がつながっているかどうかは定かではない。しかしながら、清和天皇の子孫は現在200万人いるといわれていることから彼もそのうちの一人である可能性を完全に否定することも出来ない。
[編集] 他のラッパーとの関係
[編集] DEV LARGEとのビーフ
2004年、BUDDHA BRANDのDEV LARGEがK DUB SHINEをdis(disrespectの略で批判する、侮辱する、貶すの意)した曲、「ULTIMATE LOVE SONG」がとあるサイトにアップされ、一気にビーフ(揉め事、喧嘩、曲やメディアを使った貶し合い)に発展した。
内容は、K DUB SHINEの新作「理由」の収録曲である「来たぜ」の中でBUDDHA BRANDのMCを挑発する歌詞や、以前からK DUB SHINE達が英語を多用する、所謂、バイリンガル・ラップを批判していた(DEV LARGE達は英語を多用するバイリンガル・ラッパーである)ことへの反発などであった。そして何者かがこのサイトの事を2ちゃんねるに書き込み、ネット上で大きな話題を呼ぶ。
当初は、「本当にDEV LARGEが作った曲か?」「偽者だ!」などの声があったが後にDEV LARGEがラジオでこの曲をかけ、本人によるものである事が発覚した。曲中に、アンサーソングを作れといった内容の歌詞があったことや、ネット上でアンサーを期待する声が多かったこともあってか、10日後にK DUB SHINEがアンサーソング「1 THREE SOME」を同じくネット上で発表。リリックの内容はDEV LARGEがソロアルバムを出していないことへの皮肉などである。すかさず、DEV LARGEが「前略ケイダブ様」を発表し、ビーフは終了した。しかし、第三会議室などを見る限り両人の仲は未だ険悪なようである。尚、DEV LARGEは2006年にソロアルバムをリリースしている。
なお、各曲は、K DUB SHINEの「1 THREE SOME」がDJ MASAKI「BEST OF K DUB SHINE(Blendz Version)」に、DEV LARGEの「ULTIMATE LOVE SONG」と「前略ケイダブ様」が刃頭のミックステープ「現場デ炸裂」に収録(「前略ケイダブ様」は「前略、ケイダブ様お元気ですか?pt.2」として)されている。また「ULTIMATE LOVE SONG」はI-DeAの「self-expression」に「Ultimate Love Song(Letter) feat. MONEV MILS & 漢」としても収録されている。
[編集] ZEEBRAとのスタイルの違い
キングギドラのメンバーであるZEEBRAとは、アングラ志向寄りのK DUBとオープンなZEEBRAというヒップホップに対する価値観の違いから不仲とされている(ヒップホップ雑誌のインタビューでも両者共に価値観は違うと認めている)。現在、キングギドラは活動停止状態で解散はしていないが、2006年にRadio Aktive ProjectをDJ OASISと結成した。第三会議室で会話の弾みからではあるが、ZEEBRAを「元相棒」と発言したり、「(俺が死んだとして)ZEEBRAは(葬式に)来ない」と話したこともある。
しかし、Radio Aktive ProjectがZEEBRAが司会をしていた番組「シュガーヒルストリート」に出演し、2007年1月11日(12日)に放送された。このときに撮られた写真がDJ OASISのブログに掲載されており、K DUB SHINEがDJ OASISとZEEBRAと肩を組んでいる写真や話をしている写真が掲載されている。さらに1月の「DANGEROUS」ではZEEBRA、K DUB SHINE、DJ OASISそしてRHYMESTERの宇多丸四人で写っている写真も公開された。後日の第三会議室の公開収録の際に、この事に話が及んだが「お芝居」とK DUBは語っており、実際の所は不明である。 2006年12月30日に撮られたもの2007年1月12日に撮られたもの
何はともあれ、2007年3月31日、RHYMESTERのライブ、King of Stage vol.7 at 日本武道館で、キングギドラとして一時再結成しRHYMESTERと共に「口から出まかせ」を披露した。K DUB SHINEがこの武道館ライブに出演するように宇多丸が掛け合ってる様子が第三会議室のアーカイブで垣間見ることが出来る。
[編集] 売れ線ラッパー、ポップなラッパーに対して
所謂セルアウトラッパーを極端に嫌う。キングギドラ「公開処刑」にはKICK THE CAN CREW、RIP SLYMEをdisするリリックが存在する(その後、この2グループとは和解したようである)。また、『理由』収録の「なんでそんなに」ではSOUL'd OUTやこの頃頻出していたR&B気取りの女性歌手ら(特にSUITE CHICではないかとの見解が強い)を批判している。
あくまでも個人的価値観に依拠する志向であるため、賛否両論の評価を受けている。
Radio Aktive Projectの「そりゃあないよ」では、PVにおいてそれらしきグループをパロディーして殴ったり縄で縛ったりしていた上、OASISのリリックの内容から、ファンの間でm-floに対するDisではないかとする見方が強まった。その後m-flo loves Crystal Kayの楽曲であるLove Don't Cryがリリースされると、「誰がリアルとか言い合ってる、グチなら書き込め2ちゃんねる」などの歌詞や、この曲のPVでの色の使い方が「そりゃあないよ」のPVのそれと似通っていたため、これがアンサーであると解釈した一部のファンにより双方のBlogが炎上する事態にまで発展。さらにDJ Oasisの名を騙りVERBALのブログに書き込みをした人物がいた。この二つの要因があってOASISがブログで激怒。VERBALは自身のBlogにてアンサー説を否定した。因みにDJ OASIS自身も、「特定のグループを批判したわけではない」と話している。
[編集] 交友関係
派閥的な対立は殆どせず、上記の対立関係にあるラッパーと友好的なミュージシャン(RIP SLYMEやKICK THE CAN CREWの兄貴分であり、DEV LARGEとも親交を持つ宇多丸など)でも交流を持つ事が多い。盟友・DJ OASISの他、第三会議室で共演している宇多丸が在籍するRHYMESTER、DABO、童子-T、DJ MASTERKEYらと俳優では窪塚洋介とも親交を持っている。
[編集] 作品
[編集] CDシングル
- 禁じられた遊び(カッティング・エッジ/エイベックス) 廃盤
- 天国と地獄(アトミック・プロダクションズ) 2000年6月25日発売。
- オレはオレ(アトミックボム・レコーズ/ソニー・ミュージックレコーズ) 2003年11月27日発売。 *レーベルゲートCD2
- 今なら(アトミックボム・レコーズ/ソニー・ミュージックレコーズ) 2004年2月4日発売。 *レーベルゲートCD2
- 正真正銘(アトミックボム・レコーズ/ソニー・ミュージックレコーズ) 2004年4月28日発売。 *レーベルゲートCD2
[編集] CDミニアルバム
- 説明不要(カッティング・エッジ/エイベックス) 1998年12月23日発売。
- SAVE THE CHILDREN(カッティング・エッジ/エイベックス) 2001年9月19日発売。
- 自己表現(アトミックボムレコーズ/BBMC)2006年10月25日発売。
[編集] CDアルバム
- 現在時刻(カッティング・エッジ/エイベックス) 1997年12月10日発売。2003年12月3日再発。
- 生きる(カッティング・エッジ/エイベックス) 2000年12月13日発売。2003年12月3日再発。
- 世界遺産 -THE BEST OF K DUB SHINE- 1996→2002(アトミックボム/avex trax) 2003年1月29日発売。 *CCCD
- 理由(アトミックボム・レコーズ/ソニー・ミュージックレコーズ) 2004年7月14日発売 *レーベルゲートCD2
- 理由 SPECIAL EDITION(アトミックボム・レコーズ/ソニー・ミュージックレコーズ)2005年11月2日発売
[編集] iTunes Store
- いつもの(SINGLE)(アトミックボムレコーズ) 2006年3月9日配信開始(先行リリース) ¥200
- 自己表現(MINI ALBUM)(アトミックボムレコーズ)2006年8月30日配信開始(先行リリース) ¥800
- ソンはしないから聞いときな(ワーナージャパン) )2007年6月13日配信限定
[編集] ミックスCD
1. 『世界遺産 THE BEST OF K DUB SHINE MIX CD+DVD』
2. 『WOTC:CM44.8 #20 BASEMENT BLEND 2004 -K DUB SHINE-』
-
- Mixed by FLOURISH O.T.C.(?/?)2004年発売。
3. 『THE KING OF TOKYO』
-
- Mixed by DJ HIGH-D(?/?)2004年・ライヴ会場限定発売。
4. 『BEST OF K DUB SHINE(Blendz Version)』
5. 『BEST OF K DUB SHINE Pt.2 BIG KOTTA RETURNS』
[編集] 外部リンク
- THE KING OF TOKYO - 公式サイト
- Sony Music Online Japan : K DUB SHINE - ソニー・ミュージックによる紹介ページ
- + Brain Storm Ver 2.0 + - ファンサイト
- DEV LARGE VS K-DUB SHINE まとめサイト - DEV LARGEとのビーフについて