JR北海道キハ160形気動車
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キハ160形気動車(キハ160がたきどうしゃ)は、北海道旅客鉄道(JR北海道)の一般形気動車である。
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[編集] 概要(製造時)
1996年(平成8年)1月に発生した踏切事故により廃車されたキハ130形(キハ130-5)の代替として、1997年(平成9年)に新潟鐵工所(現・新潟トランシス)で キハ160-1の1両のみ製造された。その経緯により、新製気動車としては珍しい1形式(1系列・1グループ)で1両製造・在籍という特殊な存在であった。
キハ130形の代替車であるため、同様にワンマン運転に対応した設計のセミクロスシート・トイレ付両運転台車となっているが、キハ130形の弱点であった耐寒構造は大幅に強化され、北海道での運用に適応した仕様となった。外観の特徴としては、踏切事故に備えた強化によって、運転席窓の下部が前に張り出した造りとなっている点が挙げられる。内装は先行して製造された大型車のキハ150形をモデルとしている。オイルポンプによる発電機の間接駆動など、同時期に開発された特急形気動車と共通した試行的要素を盛り込んでいることも特徴である。 運用区間の気候条件から、冷房装置は搭載されていない。
[編集] 塗装
当初キハ130形と同様の黄緑をベースに青とされていたが、キハ40形350番台(日高本線仕様車)と同様のカラー(青をベースにピンク帯)に変更され、後述のITT化でピンクの帯が、若草色になり側面に大きく「ITT」とレタリングされた。
[編集] ITT
2007年、モータ・アシスト式ハイブリッド(MAハイブリッド)を搭載した試験車両「ITT(Innovative Technology Train)」に改造された。10月23日に札幌市内の苗穂工場で報道公開した。ディーゼルエンジンと発電機兼用の電気モーターを組み合わせて走行するのが特徴で、時速45km未満は電気モーターで走行し45km以上をディーゼル使用となっている。この方式のハイブリッド車両は世界初でJR東日本が開発した別方式のハイブリッド車両に比べて、エンジンやモーターの大きさ、費用が約半分という。さらに、既存車輌への改造取り付けも可能となっている。2008年1月頃まで試験が行われ、この試験結果は、ハイブリッド傾斜システムと軽量車体システムとを組み合わせた次世代車両への開発に活かされる予定である。
(→ プレスリリース)
[編集] 運用区間
雑誌などで保留車として現在までかなりの期間記載されているため鉄道趣味者からは珍重されるようになったが、日常的にキハ40形350番台とともに日高本線全線(まれに室蘭本線苫小牧~岩見沢間)で運用されており、名目上の保留車となっている珍しい例であった。