Il-114 (航空機)
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Il-114 | ||
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要目一覧 | ||
運航乗員 | 2 | |
乗客 | 52-64 | |
初飛行日 | 1990年3月29日 | |
初就航日 | 1998年8月27日 | |
全長 | 26.87m | |
全幅 | 30.00m | |
高さ | 9.18m | |
翼面積 | 81.9 m² | |
エンジン | クリーモフ TV7-117S 双発 |
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推進力 | 2,500 shp | |
最大離陸重量 | 23,500 kg | |
機体重量 | 15,000kg | |
巡航速度 | 450 km/h | |
航続距離 | 1,000 km(初期生産型) | |
航続距離 | 2,100 km(Il-114-300) |
Il-114(イリューシン114;ロシア語:Ил-114イール・ストー・チトィールナッツァチ)は、ロシアのイリューシン設計局が開発した60席クラスの地域路線用のターボプロップ双発旅客機である。
[編集] 概要
Il-114は、ソ連時代に開発されたAn-24やIl-14といった機体の後継機として位置けられている。機体形状は、プロペラ機としては一般的なものであり、低翼配置の主翼を持ち、通常形式の尾翼がある。一部に複合材を使用し軽量化が図られ、二重隙間フラップの高揚力装置を有する。
1980年代から開発が始められたが、ソ連邦末期の経済混乱の影響により、試作機の初飛行は1990年3月29日まで遅延した。1992年8月7日には量産型の飛行にも成功し、また西側のパリ航空ショーにも1991年に出品されていた。しかし、その後の開発スピードは経済混乱のため緩慢になり、型式証明を交付を受けたのは1997年4月のことであり、営業路線に就航したのは1998年8月27日にウズベキスタン航空によってであった。
Il-114は国際的分業体制で製造されており、設計と営業はロシア、主翼はルーマニア、尾部はブルガリア、そのほかの機体各部がポーランドなどである。また最終組み立てはウズベキスタンのタシケントで行われている。なお、操縦系統については、西側のものと同様にCRT使用のグラス・コクピックなどを採用している。
[編集] 派生型(計画案も含む)
- Il-114 - 初期生産型・64席・航続距離:1000km
- Il-114-100 - Pratt and Whitney, Canada PW-127装着型・
64席・航続距離:1400km - Il-114-120 - Pratt and Whitney, Canada PW-127H装着型・64席
- Il-114-300 - 航続距離延長型・52席・航続距離:2100km
- Il-114T - 貨物型・2001年春に2機製造
- Il-114P - 海上パトロール型
- Il-114MP - 海上パトロール型/ストライク
- Il-114FK - 軍事用偵察機・地図作成用
- Il-114PR - 情報収集型
- Il-140 - AWACS
- Il-140M - 海難救助用