魔王 JUVENILE REMIX
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魔王 JUVENILE REMIX | |
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ジャンル | 少年漫画・学園漫画 |
漫画 | |
原作・原案など | 伊坂幸太郎 |
作画 | 大須賀めぐみ |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 週刊少年サンデー |
レーベル | 少年サンデーコミックス |
発表期間 | 2007年27号 - 連載中 |
巻数 | 4巻(2008年5月現在) |
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『魔王 JUVENILE REMIX』(まおう - ジュブナイル リミックス)は、2007年27号から週刊少年サンデーで連載されている漫画。原作は伊坂幸太郎、作画は大須賀めぐみ。
伊坂幸太郎の小説『魔王』を少年漫画向けに大幅にアレンジし、さらに同氏の小説『グラスホッパー』の登場人物を絡めつつ物語が進行する。また作中には他の伊坂作品を連想させるイメージやキーワードも頻繁に登場し、伊坂作品のファンにはニヤリとさせられる演出が少なくない。
小学館の雑誌で連載されてるにもかかわらず、原作が他社の小説(『魔王』は講談社、『グラスホッパー』は角川書店)という珍しい作品でもある。
目次 |
[編集] あらすじ
高校生の安藤は、幼いころ自分にあると信じていた「他人に自分の思っていることを話させる力」が、単に偶然ではないことに気付く。 同時に都心開発計画に揺れる街で、自警団グラスホッパーを率いるカリスマ犬養には裏の顔があることに知り、犬養は正義の味方ではなく魔王なのかもしれないという懸念をたった一人抱くことになる。 「腐敗した街を5年で再生する」と誓い、民衆の心を惹き付け扇動しようとする犬養。安藤はその大きな力に自身の小さな能力「腹話術」で対決をせまられる。
[編集] 登場人物
[編集] 高校生
- 安藤(あんどう)
- 主人公。高校2年生。下の名前は不明。自分の考えている事を他人に話させる力・「腹話術」を持つ。幼い頃に事故で両親を失っており、弟の潤也と二人暮らし。周囲の出来事を感じなくなるほど物事を深く考え込む考察癖があり一人言が多い。小学生の頃は「超能力が使える」と言ったことと、一人言が多いせいでクラスから疎外され暗黒時代をおくっていた。その辛い経験のため高校生になった現在は、周囲に合わせ自分を偽りながらも平穏に暮らすことを選ぶ。しかし犬養の裏の顔を知り、蝉に殺されかけたことをきっかけに考察と対決の意思を持ち始め、迷い続けるが、漫然と生きているだけの老人に遭遇し、その老人や考えることをやめた市民たちのようになりたくないという思いを痛感し、平穏や今までの自分を全部捨て前へ進むことを決意する。
- 口癖は「考えろ」。この口癖の始まりは幼い頃にあこがれていたマクガイバーというヒーローの口癖から来ている。
- 原作では会社員である。
- 安藤 潤也(あんどう じゅんや)
- 安藤の弟。高校1年生。兄とは対照的で楽観的な性格だが、曲がった事が嫌いな行動派でもあり、どんな場面でも周りに流されることはない。詩織という彼女がいる。安藤(兄)曰く、昔からくじ運がいい。唯一の家族である兄をとても大切に思っている。自分を置いて自分の知らないどこかへ行ってしまうのではないかと心配しており、英会話教室が放火された事件の際に兄が危険なことに関わっていることを確信し、その日の帰り道に、お互いどこにも行かないことを約束する。
- 原作では兄と詩織と同棲している。
- アンダーソン
- 安藤のクラスに転入してきた留学生。Mr.アンダーソンの息子。母親は日本人。寅さんが大好きで、同じく寅さんに詳しい安藤と親しくなる。夢は日本で英会話教室を開くこと。父親の仕事をさほど快く思ってはおらず、グループの社長を継ぎたがっていない。グラスホッパーとアンダーソングループの争いが原因で、学校で私刑を受けた。
- 原作では安藤の近所に住んでいて英会話教室を開いている。
- 島(しま)
- 安藤の友人。雑誌の袋とじの開け方がうまいと評判。下ネタが大好き。
- 満智子(まちこ)
- 新聞部副部長で安藤と潤也の先輩。美人でスタイルがよく、学校のアイドル的存在。軽そうな性格に見えるが、人を見抜く力は持っている。人使いは荒い。スズメバチによる傷で現在学校を休んでいる。
- 平田(ひらた)
- 新聞部部長。満智子の尻に敷かれている状態。部長である筈だが、満智子より権限が無い。
- 詩織(しおり)
- 潤也の彼女。高校1年生。安藤兄弟と同じ高校。少々抜けており、制服のボタンを凄まじくかけ違ったり、左右別々の柄の靴下を履いてしまったりする。何かの委員会に所属している模様。
- 唐墨(からすみ)
- 不良グループのリーダー。いじめの相手・要に粛正された。
[編集] グラスホッパー
- 犬養(いぬかい)
- 自警団「グラスホッパー」の代表取締役。ユニセックスな容姿をしており民衆からはカリスマ的人気を持つが、裏では自身の望む街の改革に邪魔な存在を暴力で排除するという一面も。自分は世界を変える役目をもっていると言う。安藤を運命の試験紙と例え、自分を止めるのが安藤の役割なのだと思っている。
- 犬養が現れてから猫田市の失踪及び殺人件数は前年の2倍に増えたらしい。
- ドゥーチェのマスター
- 喫茶店・ドゥーチェのマスター。喫茶店に似合わぬ人相の悪い男。岩西や鯨といった裏世界のプロともつながりがある謎の人物で、自らも強力なサイコキネシスとテレパシー能力を持つ。犬養の理想とする世界に希望を見出し、彼に協力している。安藤の能力を危険視しており、抹殺を進言している。寡黙な印象とは裏腹にかなり激情家な一面があり、安藤に殺し屋として蝉を差し向けた(結果的にこの事が、安藤に犬養と対決する意思を持たせることになった)。
- サイコキネシスで暴漢が犬養に発射した銃弾を防いだり、犬養に襲いかかろうとしたスズメバチを押さえつけた。
- 中村太郎(なかむら たろう)
- 「グラスホッパー」のメンバーの一人。もとはキャットという名のギャング団の2代目リーダーで、ギャングもろとも犬養に叩き潰されるが、犬養の思想に感化されグラスホッパーに入団した模様。
- 要(かなめ)
- 安藤のクラスメイト。両親は酒屋を営んでいたが、現在は廃業。絵に描いたようなオタクで、メイドのメイドリーナというキャラクターをこよなく愛する。いつもヘッドホンをつけている。学校ではいじめられ、家では経営不振に悩む両親の不仲に嫌気が差し、自殺を試みるが犬養に止められる。その犬養の思想に深い感銘を受け、グラスホッパーに入団し、自分たちをいじめてきた学校の不良たちを粛清している。犬養を自分の神とまで言い切り、安藤の言葉にも全く耳を貸さなかった。グラスホッパーに入団してから性格が以前に比べて遥かに傲慢になり、無抵抗のアンダーソンに対して一方的にリンチを加えるなど非道な行いをしていた。しかし、最終的にはその行為が仇となり、アンダーソングランドホテルの料理人の息子を粛清しようとして、返り討ちにあい死亡する。
[編集] 殺し屋
- 蝉(せみ)
- ナイフ使いの殺し屋。今時の若者だが殺人の腕は確か。ベラベラとうるさくしゃべる様子が本当に「蝉」のようだと言われている。岩西の下で殺しをしており、自分が岩西の操り人形なのではないかという強迫観念にも近い不安を持っている。安藤の殺しを請け負ったが、依頼がキャンセルされ未遂と終わった。安藤に対し、操り人形になりたくなければ殺しを依頼した人物を突き止めて対決するよう促す。現在は猫田市の市長に雇われて護衛していたが、市長を殺そうとする殺し屋を相手にしていて市長から目を離していた隙に市長が鯨によって自殺させられてしまう。市長を殺した鯨と対峙するが、鯨の両目を見せられて自殺させられかけそうになり、なんとか逃げ出したものの岩西からの携帯が鳴り止まなくなるという幻聴が聞こえるようになってしまったが、安藤に説得[1]されて、最強の殺し屋になると岩西に誓い、幻聴が止まる。
- 原作者・伊坂幸太郎の別の小説、グラスホッパーの登場人物で原作との設定の変更はほとんどない。
- 岩西(いわにし)
- 蝉の上司。主に蝉の携帯に掛かってくる声でしか登場せず、本編より先に二巻のカバー裏にて初めて容姿が描かれる。ジャック・クリスピン(架空のミュージシャン。伊坂作品にその名が度々登場する。)の熱狂的ファンで、いつもその詞を引用する。
- 原作者・伊坂幸太郎の別の小説、グラスホッパーの登場人物で原作との設定の変更はほとんどない。
- 鯨(くじら)
- 山本を自殺させたと思われる「眼帯」をしている大男。他人を自殺に追い込む術に長け、「自殺屋」と呼ばれている。愛読書は「罪と罰」で、それ以外の小説は読んだことがないらしい。両目を見せるとその人物は自分の中に抱えている罪悪感が増長し、生きること苦痛に感じてしまう、という自殺を強要する「能力」を持っている。自殺させようとするときにのみ眼帯をはずす。その「能力」を使い市長や山本みゆきを自殺させ、蝉の精神を崩壊寸前にまで追い込んだ。
- 原作者・伊坂幸太郎の別の小説、グラスホッパーの登場人物。
- スズメバチ
- グラスホッパー狩りをしている女。足技と毒を駆使する殺し屋。太腿の内側に蜂のタトゥーをしている。安藤曰く、目や身に纏う空気が蝉に似ている。グラスホッパーらを狩っており、現場を目撃した安藤と満智子を始末しようとして逆にグラスホッパーの罠にはまり捕まってしまう。
- 原作者・伊坂幸太郎の別の小説、グラスホッパーにスズメバチという名の殺し屋が登場するが男女の二人組であり毒は使うものの格闘は行っていない。
- 押し屋
- 猫田市に現れているらしい殺し屋。名前のみの登場の為、詳細は不明。
- 原作者・伊坂幸太郎の別の小説、グラスホッパーの登場人物。
[編集] 猫田市の権力者
- 猫田市長
- 猫田市の市長。新都心計画完成のため、アンダーソングループを参入させた。鯨と接触した後自殺している。
- Mr.アンダーソン
- 大企業アンダーソングループの社長。現在は猫田市の開発に着手し、そのためには強引な手段も厭わない。
- 使えないと判断した猫田市長の殺害を依頼。
- 山本みゆき(やまもと - )
- 市議会議員の男。猫田市の新都心計画推進派。犬養を快く思っていなかった。鯨と接触した後自殺している。
[編集] 用語解説
- 腹話術
- 口に手を当てることによって「自分の考えた事を他人に話させる」力。安藤は幼い頃からこの力を使うことができる。安藤が最初にこの力に気付いたのは、考え事をしていた時に口についたコーラを拭うために口に手を当てて、すれ違ったサラリーマン風の男性が、安藤の思ったことを喋ったから。
- 使いすぎると呼吸が辛くなるという副作用がある。
- グラスホッパー
- 犬養率いる「正義の使者」と称される自警団。取り締まられる側からは「バッタ」とも呼ばれる。中村太郎のような表で活躍するジャケットを着た部隊と、要のような裏で活動するパーカーに覆面を被った部隊が存在する。
- アンダーソングループ
- 猫田市(安藤たちの住む町)の新都心化計画を進める大企業
- 劇団
- 多くの役者を揃えており、依頼されればその役を演じるサクラの集団のような団体。団員の中には年端も行かない子供もいる。グラスホッパーの依頼を受け、Mr.アンダーソンの信頼を落とすよう画策する。原作者・伊坂幸太郎の別の小説、グラスホッパーに登場する団体。
[編集] 脚注
- ^ 蝉が言われたままに行動していたので、安藤が「死んでるみたいに生きたくなけりゃ、どうすれば良いか考えろ」という言葉があり、それを再び蝉にぶつけた。
[編集] 単行本
- 2007年11月16日発売 ISBN 9784091212245
- 2007年11月16日発売 ISBN 9784091212542
- 2008年02月18日発売 ISBN 9784091212856
[編集] 外部リンク
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