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『LOST+BRAIN』(ロストブレイン)は、原作:藪野続久・作画:大谷アキラによる日本の漫画作品。「週刊少年サンデー」(小学館)にて2008年2・3合併号より連載中。 話数カウントは「Sign.○」。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] 物語
高校1年生の天才・氷山漣はくだらない世の中にうんざりしていた。ある事件がきっかけで世界を創りかえたいと思うようになる。そんなある日、氷山は催眠術を知り、催眠術なら世界を変えられるかもしれないと考える。1年後、生徒を使った術の実験も終了し、本格的に計画が始動する。
[編集] 登場人物
[編集] 主要人物
- 氷山漣(ひやま れん)
- 本作の主人公。聖森(せいしん)高校二年生。テストの成績は常に満点でスポーツも万能、美術や音楽の才能も突出しているという絵に描いたような天才。しかしそれゆえに世の中をくだらないと考えており、回りの人間を「クズ」と見下していた。このため、氷山をねたんでいた生徒に暴行の罪を着せられたことで化けの皮がはがれ、一時期孤立していた。高校1年時の文化祭で九遠寺の催眠術に出会い、自分ならこの術を世界を変えるために生かせると考え、独学で催眠術を会得した。その後1年間、計画の事前準備として多くの部活のマネージャーを兼任し、周囲の人間と協調するふりをしながら信頼を得ていった。それと並行して同じ学校の生徒たちを自分の催眠体として陰で実験していた。実験を完成させた後、本格的に計画を開始する。周囲の人間に慕われる人気者となっているが、それは表面上の演技でしかなく、自分の計画のためならクラスメイトでも殺せる非情な性格。その目的は、嫉妬や憎悪などの人間の弱さ・本質を催眠術で強い自己を植え付け克服させること。そして最終的には全人類をレベルアップへ導く「究極の支配国家」を生み出すことである。
- 高木由香(たかぎ ゆか)
- 氷山の同級生。氷山に好意を寄せている。九遠寺の姪であり、九遠寺の勤める催眠センターの手伝いをすることもある。情報を聞き出すために氷山に催眠をかけられ、第三の人間との接触を疑った九遠寺に詳しく調べられていた。その後、久遠寺の逮捕により学校に戻る。逃亡した九遠寺から頼まれて神原を調べるが、素人ゆえの不手際から氷山や園山にバレてしまう。
- 九遠寺の忠告を無視して神原の番組を視聴し記憶喪失になってしまい、氷山の催眠動画も視聴を寸での所で止められたため記憶が不明瞭な状態となっている。
- 九遠寺一樹(くおんじ いつき)
- 由香の叔父。世界的催眠術師兼カウンセラーだが、同時に警察庁から能力を買われ、しばしば捜査に協力している程の探偵でもある。大沢のテロをきっかけに大沢を操った「第三の人間」(真犯人)を探していたが、その能力ゆえ警戒した氷山により真犯人の疑いをかけられ、催眠術を使い逃亡する。
- 恩師である拝嶋と共に匿って貰った後、由香の不手際から警察に所在がバレてしまうも、氷山の催眠による神原の大々的な健忘催眠が行われた際に警察と和解し氷山が第三の人間であると断定する。その後、氷山が国会を乗っ取った際に氷山と対決することを決めた。
- 愛車はランボルギーニ・ムルシエラゴ。
- 設楽晴秀(したら はるひで)
- 氷山の同級生。成績は常に氷山に次ぐ二位の秀才で、一度も自分に負けたことのない氷山をライバル視していた。氷山同様に周りの人間を見下していた。その頭脳を氷山に買われ、現在は協力者になる(といっても氷山はあくまで設楽のことは“凡人”と認識している)。作中で彼の秀才ぶりが発揮されることは少なく、当初は氷山の行動に驚いていることのほうが多かった。現在は氷山の大規模な行為にも平然としており協力的になった。また、通っている予備校でいじめに口を出した事から、氷山と関わってから少なからず自分の性格や考えが変わったことを実感した。
- 園山瑞希(そのやま みずき)
- 設楽と同じ予備校に通う女子高生。予備校で苛められていたが設楽に声を掛けられた事がきっかけで、催眠術に興味を持ち氷山に協力する。登場当初は眼鏡をかけていたが、氷山に協力するようになってからはコンタクトレンズに変えた。
[編集] 警察
- 奥田(おくだ)
- 警察庁捜査一課刑事。捜査一課のトップで、九遠寺とは以前から面識がある。九遠寺の事を信頼しており彼に協力しているが、次々と久遠寺にかかわった人間が死んでいる事や、周囲にも隠し切れなくなった事から九遠寺の取調べを始めるが、部下が取調べ中に催眠をかけられ逃亡を許してしまう。
- 園山の匿名通報により久遠寺の隠れていたホテルに駆けつけ再び拘束するが、氷山による神原の大々的な健忘催眠により九遠寺は無実と断定し再び協力する。神原の健忘催眠後は警視総監に捜査を中止させられるが、自らの手で記憶喪失者への捜査を続けた。
- 威ノ瀬(いのせ)
- 奥田の部下。厳しい口調で九遠寺を取調べしていたが、彼の催眠にかかり彼の逃亡を許してしまう。
- 白崎(しろさき)
- 鑑識課心理分析官。他の警察関係者と比べると催眠には詳しく、九遠寺の催眠の力に脅威を感じていた。
- 警視総監
- 政府要人に配慮して九遠寺逃走を外部に知らせず隠密に調査するよう奥田に指示した。その後、記憶喪失者や警察の威信を考え、神原の健忘催眠に関する捜査を中止させた。
[編集] 計画の犠牲者
- 大沢(おおさわ)
- 聖森高校新聞部員。氷山を妬んでいた先輩の命令で氷山に暴行されたとの嘘を教員に訴える。その事を後悔し氷山に謝ろうとした際に、氷山から久遠寺の催眠術を確かめるため実験台を命じられ、催眠により音楽に目覚め軽音部を兼部する。氷山の最初の実験体で、氷山の催眠の指示で冴木官房長官とともに自爆。
- 冴木(さえき)
- 民自党内閣官房長官。裏金などの汚職に手を染めていた事から、氷山による「悪の粛清」のターゲットにされ、大沢を使って引き起こしたテロの犠牲になる。
- 堀田健治(ほった けんじ)
- 聖森高校新聞部部長。二年生。氷山の催眠により「第三の人間は九遠寺一樹」という趣旨の遺書を握った状態で飛び降り自殺を遂げる。
- 藤川勇気(ふじかわ ゆうき)
- 聖森高校軽音楽部部長。二年生。堀田同様に氷山の催眠で飛び降り自殺を遂げる。
- 河至場敬悟(かわしば けいご)
- 作家。52歳。九遠寺の催眠カウンセリングセンターに通っていた。氷山の催眠により、飛び込み自殺で死亡。彼以外にもセンターに通っていた人間が自殺させられている(後述)。
- 神原隼人(かんばら はやと)
- タレント。元々は心理療法士でTV番組でアイドルに催眠術をかけるやらせ企画に出演し知名度を上げるが、番組内容のリニューアルにより降板させられる。今後の生活に悩んでいた所を氷山に目をつけられ、設楽の誘いから氷山の計画に加担する。
- 氷山の催眠で失踪した生徒を解催眠で帰宅させ英雄となるが、聖森高校で感謝状を授与された際に氷山に催眠をかけられ、TVで大々的な健忘催眠をやらされた末に服毒自殺し死亡。
[編集] その他
- 拝嶋(はいじま)
- 心理療養師。かつては米国臨床心理研究所の催眠心理学の教授だった。教授時代に研究所で九遠寺に出会い、彼の才能に驚愕し、彼に催眠を教える。九遠寺の事を信頼しており、彼が警察から追われていたときは匿っていた。
- 小野田(おのだ)
- 聖森高校の新任教師。こき使われてばかりの現状に嫌気が差している。氷山に催眠をかけられ、聖森高校の生徒を全員集めて催眠をかける下準備をさせられる。
- 安河内(やすこうち)
- 厚生労働省の事務次官で神原による健忘催眠被害の対策本部長。策がなく困惑している状況で氷山と接触し部下と共に催眠をかけられ、氷山による催眠の動画を収録したメモリーを全国に流す。
- 美樹(みき)
- 神原の健忘催眠にかかった女性。氷山の催眠によって証である傷をつけ国会乗っ取りに参加するが、交際中の男性と九遠寺によって阻まれ九遠寺のカウンセリングセンターに保護される。
[編集] 単行本
- 第一巻(2008年5月16日発売) ISBN 978-4091213952
[編集] 備考
- 作中では「催眠では命の危険に関わる行為は直接実行させる事は出来ない」[1]と語られており、殺人行為を直接行う描写はないが、自殺についてはどのように行わせたのかが描かれていない時もあり不透明な部分がある。
- 単行本1巻ではオマケとして催眠のかかり易さが調べられる「被暗示性テスト」が収録された。
[編集] 脚注
- ^ 単行本1巻、Sign003より
[編集] 外部リンク