近江鉄道モハ51形電車
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近江鉄道モハ51形電車(おうみてつどうモハ51がたでんしゃ)は、かつて近江鉄道で使用されていた通勤形電車。1978年に銚子電気鉄道に譲渡されてからは、同社デハ700形電車として使用されている。
[編集] 概要
1928年に川崎造船所で製造された木造両運転台の電動貨車(実態としては荷物車・郵便車の合造車)デユワ101・102を1941年に日本鉄道自動車で鋼体化・旅客車化した際にモハ51・52と改番したもの。近江鉄道では初の半鋼製車両となった。
鋼体化当初は両運転台で、後に同社に導入され、また銚子でも共に運用されたクハ21形に通じる、日本鉄道自動車製の特徴である中央の窓が狭い非貫通形3枚窓の前面であった。窓配置はC3-d2D7D2d(Cは丸妻の前面、dは乗務員室扉、Dは客用扉、数字は窓の数)、全長は15.3mである。
その後は1961年に非パンタグラフ側前面の運転台撤去と乗務員室扉の小窓化、連結面の貫通化がされ、片運転台となった。その際に前面は現在の2枚窓・Hゴム支持となっている。
1978年に廃車となり、銚子電気鉄道に譲渡された。
[編集] 銚子電気鉄道譲渡後
銚子電気鉄道では、老朽化したデハ201と二軸客車を淘汰するため、1978年1月24日付けで2両とも譲受し、番号順にデハ701・702とした。銚子入線に際して西武所沢工場で再両運転台化が行なわれたが、外川寄りにあたる元連結面の増設運転台側は3枚窓・非貫通形だが、窓枠はHゴム支持で、また片運転台化改造前と逆に中央の窓が広いものとなった。
営業運転開始後は主力車両となり、デハ1000形入線までは唯一総括制御が可能だった事から、ラッシュ時の2両編成にも使用されていた。デハ1000形入線後は1994年12月の列車ワンマン化もあって運用は減少しているが、701はワンマン改造されている。このため、701は単行運用で使用されることがあるが、702は多客時の増結用となっている。また、「澪つくし号」の牽引には用いられていない。
1994年に701はテレビ番組『おまかせ!山田商会』の企画で塗色が黄色一色にイラストを配したものに変更されていたが、1995年6月24日に笠上黒生駅付近で発生した衝突事故で破損し、復旧時に元の塗装に戻された。この事故の影響で701は台枠が変形し、車体が水平ではない。また701はこの事故からの復旧に際し尾灯が引掛式(いわゆる「ガイコツテール」。画像参照)から埋込式に変更されている。
702は2007年11月の全般検査出場時に車体塗色が1960年代に使用されていた水色と空色のツートンに変更された。
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