興和
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種類 | 株式会社 |
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略称 | コーワ、Kowa |
本社所在地 | 〒460-8625 愛知県名古屋市中区錦3-6-29 |
電話番号 | 052-963-3030 |
設立 | 1939年 |
業種 | 医薬品 |
事業内容 | 繊維、機械、建材、木材、化成品、生活関連物資などの輸出入、三国間貿易および国内販売 一般用・医療用医薬品の研究開発・製造・医療用医薬品の販売および医用・放送・レーザー応用など各種電機光学製品の研究開発・製造販売、輸出入 |
代表者 | 代表取締役社長 三輪芳弘 |
資本金 | 38億4000万円 |
売上高 | 単体:1,601億円 連結:2,131億円(2007年3月期) |
総資産 | 単体:1,866億円 連結:2,411億円(2007年3月期) |
従業員数 | 単体:1,613名 連結:3,917名(2007年3月期) |
決算期 | 3月 |
主要株主 | 興和紡績15.43% |
主要子会社 | 名古屋観光ホテル |
外部リンク | http://www.kowa.co.jp/ |
興和株式会社(こうわ、Kowa Co., Ltd.)は、日本の商社。本店は愛知県名古屋市に所在する。繊維、医薬品などのヘルスケア商品、光学関連の商品を製造・販売している。兄弟会社として、興和紡績株式会社(名古屋証券取引所株式第一部上場、大阪証券取引所株式第一部上場)、直結子会社として、興和新薬株式会社、興和創薬株式会社がある。
前身の服部兼三郎商店時代に豊田佐吉の自動織機開発を支援していた名門企業。
医薬事業では、「コルゲンコーワ」や「キャベジンコーワ」などの商品を製造・販売しており、医薬品のテレビCMは、全国の民放テレビ局で「フリースポット」扱いで大量に放映されている(一部の局除く)。このため興和は一般的には医薬品製造会社として認識され、本来の総合商社というイメージは低い。
スポンサーの少ない早朝・深夜は、ハウス食品と並んで、興和のテレビCMが特に多く流れる。番組提供に関しては、かつてはまれ(年末年始の特番で、番組提供を行う程度)だったが、近年は徐々にスポンサー契約を行うテレビ・ラジオ番組が増えている。
また、興和は放送・映像機器の製造・販売も行っており、全国のNHK・民放テレビ・ラジオ局で使われている。
目次 |
[編集] 沿革
- 1894年 繊維問屋である服部兼三郎商店として名古屋市に創業する。
- 1912年 株式会社服部商店に改組される。
- 1919年 紡績業を開始
- 1920年 服部兼三郎、相場での破綻がもとで自決。
- 1939年 紡績部門を分離(現 興和紡績株式会社)。株式会社カネカ服部商店(商事部門)となる。
- 1940年 商号を株式会社服部商店に変更する。
- 1943年 商号を興服産業株式会社に変更する。
- 1945年 非繊維分野に進出
- 1946年 光学機器分野に進出
- 1947年 医薬品分野に進出
- 1954年 興和新薬(株)設立
- 1960年 商号を興和株式会社に変更する。
- 2003年 日研化学株式会社(現.興和創薬株式会社)を子会社化する。
- 2005年6月 大日本製薬(現在の大日本住友製薬)から一般用医薬品(大衆薬)・ヘルスケア事業を譲受。
- 2006年10月 医療用医薬品の営業部門を日研化学株式会社へ移管(事業統合)。同時に、日研化学株式会社は興和創薬株式会社と社名変更。
- 2006年12月5日 眼内レンズの営業をメニコンから譲受。眼内レンズの開発・製造を行う株式会社アイコンをメニコンと合弁で設立。
- 2007年7月1日 興和創薬株式会社の医薬品の製造販売業に係わる事業、製造業及び研究開発事業を興和株式会社が承継。
[編集] カエルのマスコット
薬局の店頭に置いてある興和のマスコットの「カエル」(ケロちゃん・コロちゃん)は「コルゲンコーワ」のマスコットキャラクターでお馴染みだが、1947年に発売された蕁麻疹の薬「レスタミンコーワ」の新聞広告(1949年5月掲載)で登場したのが最初で(当時は今のものより直線的なイラストだった)、その後1964年の保積ぺぺ出演の「コルゲンコーワ」のテレビCM「おめえ、へそねえじゃねえか」で大ヒットする。1949年に薬の新聞広告の中で初登場したカエルだが、マスコット人形としての誕生は昭和33年(1958年)からである。薬局の軒先に設置されている「店頭カエル」は、昭和38年(1963年)10月に誕生した。その後昭和52年(1977年)10月にモデルチェンジし、新しいマスコット人形が登場する。店頭のカエルもこれにあわせて昭和53年(1978年)8月よりモデルチェンジした。薬局の店頭、病院や医院から消費者や患者へ手渡された分身であるマスコットはすでに1億匹を超えている 。
ちなみに興和のカエルのマスコットには「ケロちゃん(女の子)」「コロちゃん(男の子)」という愛称がついている(大きめのマスコットでは、ケロちゃんには女の子らしいまつ毛があるのが確認できる)。なお、名前については「ケロヨン」「ケロリン」と呼ばれることもあるが、「ケロヨン」は日本テレビ系列で放映された『木馬座アワー』のコーナー『カエルのぼうけん』に登場したカエルの着ぐるみの名前であり、「ケロリン」は内外薬品が発売している解熱鎮痛剤の名前である(ちなみに薬局で店頭に置かれる他のマスコットとして佐藤製薬の象、エスエス製薬の兎がある)。
[編集] 主な商品
[編集] 繊維・ファッション
- PGA(ライセンスブランド)
- PENTY'S(オリジナルブランド)
- SNIP SNAP(オリジナルブランド)ほか
[編集] 医薬品・ヘルスケア
☆:医薬部外品
★:化粧品
◇:大日本製薬(現・大日本住友製薬)より譲受けた製品
- 胃腸薬
- キャベジンコーワ
- キャベツから抽出した成分(メチル メニオニン スルホニウム クロライド)を主原料とした胃腸薬。
- キャベ2コーワ
- 液キャベコーワ
- のみすぎ・食べ過ぎによく効く液体タイプの胃腸薬。(液キャベコーワU「ソフト」、液キャベコーワA「ソフト」は☆)
- ザ・ガードコーワ整腸錠
- 便通の乱れを改善し、腸内環境を正常に近づける整腸薬。
- アルタットA
- ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩を配合したH2ブロッカー胃腸薬。服用は1日1回1カプセル。
- イイラック漢方胃腸薬細粒◇
- 神経性胃炎や胃アトニーに。
- ビタミン含有保健薬など
- キューピーコーワ
- 肉体疲労時の栄養補給・滋養強壮に効果を発揮する「キューピーコーワゴールドα」や眼精疲労・肩こりに効果がある「キューピーコーワi」が有名。(キューピーコーワゴールドA、キューピーコーワドリンクソフトは☆)
- パニオンコーワ錠
- ATP(アデノシン三リン酸二ナトリウム)を配合したエネルギー代謝改善薬。
- ミオDコーワ
- 肉体疲労時などに効果的なドリンク剤。(新ミオDコーワ100は☆)
- ビタックスGO◇
- 発熱性消耗性疾患などによる栄養補給に。生薬配合。
- かぜ薬関連
- コルゲンコーワ
- かぜ関連の総合ブランド。「コルゲンコーワIB」や「コルゲンコーワ鼻炎」などが有名。(新コルゲンコーワうがいぐすり、新コルゲンコーワうがいぐすり「ワンプッシュ」、新コルゲンコーワトローチAは☆)
- フィニッシュコーワ
- 咽喉の不快な症状にサッとスプレーできる咽喉の薬(フィニッシュコーワソフトは☆)
- マピロン◇
- 譲受当初は「コルゲンコーワ」と併用でかぜ薬、咳止め薬などを扱ってきたが、ほとんどが「コルゲンコーワ」と重複する為、現在は咳止め薬の「マピロンせき止め錠」のみ発売。
- 解熱鎮痛薬
- シペラEV◇
- イブプロフェン配合。以前は当社から「コルゲンコーワ熱と痛み」が発売されていたが、現在は発売されていない為、この商品が事実上の代替商品となっている。
- 外用鎮痛消炎薬
- バンテリンコーワ
- 筋肉・関節の痛みをとるインドメタシン製剤。「バンテリンコーワ1%」や「バンテリンコーワパップS」などが有名。2008年6月にはラミネートチューブを採用した「バンテリンコーワ1%LT」シリーズを発売した。
- 外皮用薬
- ウナコーワ
- 鎮痒消炎薬・虫よけブランド。「新ウナコーワクール「もろこしヘッド」」が有名。2008年4月には、携帯に優れた「プチウナコーワ」を発売している。(「ウナコーワ虫よけ」、「ウナコーワ虫よけスプレーS」は☆)
- ケラチナミンコーワ
- 乾燥性皮ふのケアに。「新ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム」が有名。(「ケラチナミンコーワソフト」は☆)
- リビメックスコーワ
- 患部でよく働き、体内では低活性になるアンテドラッグステロイド製剤。
- レスタミンコーワ
- 外皮用薬・内服抗アレルギー薬・薬用石けんを扱う。(「薬用レスタミン石鹸」は☆)
- 新デスパコーワ
- 口内炎や歯ぐきのハレに効果を発揮する塗り薬。
- その他の医薬品
- 小粒タウロミン◇
- マイトラベル◇
- 乗り物酔い止め薬
- コーン◇
- うおのめ・たこ・イボに。液体タイプの「コーンソルベント」と絆創膏タイプの「コーンプラスターワンタッチ」がある。
- スキンケア
- アノンコーワ☆
- アデルマ★
医薬品・医薬部外品などはアルタットAや旧・大日本製薬より譲受けた製品を除き、すべての商品名に「コーワ」がつく。キューピーコーワだけは一連の商品名となる。また、2005年6月に旧・大日本製薬より製品を譲受けたが、以下の製品は譲受後に生産を終了している。
- 譲受後に販売を終了した大日本製薬の製品
- マピロンシリーズ(かぜ薬)
- マピロンEV、マピロン顆粒、マピロンせき止め顆粒
- アイロウシリーズ(目薬)
- 親アイロウ目薬、アイロウAL、アイロウAG、抗菌アイロウS
- 新マルピー水虫薬
- 新マルピー水虫薬(ジェット噴射)、新マルピー水虫薬C(クリーム)、新マルピー水虫薬G(ゲル)、新マルピー水虫薬S(液)
- ビタフルシリーズ(ビタミン主薬製剤)
- ビタフルBX、ビタフルEC、ビタフルEアルファ
[編集] 光学機器
- コーワ「プロミナー」
- 現行製品で「プロミナー」ブランドが使われているのはいわゆるスポッティングスコープで、バードウォッチングの世界では人気のブランドだが、以前はカメラ用レンズ、映画上映用レンズなどにも使われており、これらも高性能レンズの代名詞として高い評価を得ていた。
- カメラ
- かつては一般向けのカメラも製造しておりカロワイド、カロテレ、コーワSW、コーワSET-R、コーワシックスなどカメラ愛好家からは今日でも評価の高いカメラを製造していた。詳しくは興和のカメラ製品一覧参照。
- てれぼーくん(観光用テレビ望遠鏡)ほか
- 眼底カメラ、眼圧計など、眼科・メガネ店用光学機器
[編集] 放送機器・映像・IT関連
- 放送機器
- 時刻スーパー発生機(通称『興和フォント』)
- CM・番組バンク
- 静止画発生機
- オーディオビデオファイリング装置
- 音声送出装置
- ネットワーク型オーディオファイル
- 電子キューシート
- CDライブラリー
- 放送同録装置
- 自動番組送出装置
- ビデオマーカー
- ほか
- 業務用映像機器
- マトリックススイッチャー
- 分配器
- IT・ソリューション
- 電子透かし
- VoIPアナライザー
[編集] テレビCM
テレビCMは全国の地上波民放局などでスポットCMとして大量に流れる。一般用医薬品のCMでは2007年頃からナレーションで『OTC医薬品』と説明している。
- 主な出演者(2008年6月現在)
- 足立梨花(新ウナコーワクール「もろこしヘッド」、プチウナコーワ)
- 内藤剛志(パニオンコーワ錠)
- 米倉涼子(キューピーコーワゴールドα、バンテリンコーワパップS)
- 岡田薫(キューピーコーワi)
- 床嶋佳子(ザ・ガードコーワ整腸錠)
- 須藤雅宏(ザ・ガードコーワ整腸錠)
- 伊原剛志(コルゲンコーワIB透明カプセル、コルゲンコーワ鼻炎ソフトミニカプセル)
- 櫻井淳子(新ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム)
- 過去の出演者
- 現在はコーワ医薬品のCMナレーション(一部除く)を担当。ラジオCMのナレーションも担当。
- 多岐川華子(新ウナコーワクール「もろこしヘッド」) - 夏期のみ
- 北乃きい(新ウナコーワクール「もろこしヘッド」) - 夏期のみ
- 柳生博(キューピーコーワゴールド) - 1980年代
- 岸本加世子(新キューピーコーワゴールド、コルゲンコーワ鼻炎ソフトカプセル)
- 鈴木亜久里(バンテリンコーワ1.0%エアロゲル)
- 松本幸四郎(バンテリンコーワ1.0%クリーミィゲル)
- 森繁久彌(キャベジンコーワ)- 1970年代
- 船戸順(キャベジンコーワ)
- 岩井友見(キャベジンコーワS)
- 入江雅人(キャベジンコーワS)
- 上川隆也(キャベジンコーワS)
- 今井陽子(キャベジンコーワS)
- 朝岡聡(アルタットA)
- 保積ぺぺ(コルゲンコーワ)- 子役時代に出演。「おめえ、ヘソねえじゃねえか」のCMで有名。
- 浅田美代子(コルゲンコーワトローチ、ウナコーワ、モココーワ)
- 柏原芳恵(コルゲンコーワトローチ、ウナコーワ)
- ともさかりえ(コルゲンコーワ鼻炎ソフトカプセル、コルゲンコーワIB透明カプセル)
- 小金沢昇司(フィニッシュコーワ)- 「歌手の小金沢君が…」のCMで有名。
- つのだ☆ひろ(フィニッシュコーワ)
- 宮崎美子(ケラチナミンコーワ 20%尿素配合クリーム)
[編集] 興和がスポンサーになっている(いた)番組
- 愛のエプロン (テレビ朝日系 毎週水曜19:00~19:54)※終了
- LIVE BANG! (テレビ東京系 毎週日曜22:54~23:24)※終了
- NNN Newsリアルタイム (日本テレビ系 毎週月~木曜16:53~19:00・金曜17:00~19:00)
- NEWS ZERO (日本テレビ系 毎週金曜23:30~24:55)
- ご存じですか(日本テレビ系 毎週水曜・木曜11:25~11:30)
- 史上最強の弟子ケンイチ (テレビ東京系 毎週土曜24:55~25:25)※終了
- BUZZER BEATER (日本テレビ系 毎週火曜日24:56~25:26)※終了
[編集] 興和のスポットCMを流しているBS・CSチャンネル
ハウス食品など、他のフリースポット契約の企業とは異なり、地上波民放以外に、衛星放送(BS・CS)チャンネルでもスポットCMが流れることがある。
- BS放送
- CS放送
など ※2007年1月現在
[編集] 興和のスポットCMを流していない放送局
※2008年1月現在
- 北海道放送 (但し「毎日甲子園ボウル」などスポーツ中継放送の際に流れることがある)
- 秋田テレビ
- 福島テレビ
- テレビ埼玉(但しテレビ神奈川製作「ハマランチョ」の番組内CMで流れることがある。千葉テレビも同様)
- 千葉テレビ放送
- 三重テレビ放送
- 岐阜放送
- 奈良テレビ放送
[編集] 興和フォントを使用している放送局
- とちぎテレビ
- 静岡朝日テレビ(アナログのみ)
- 岐阜放送(アナログのみ)
- 三重テレビ放送(アナログのみ)
- 関西テレビ放送(アナログのみ)
- テレビ大阪(アナログのみ)
- 京都放送
- びわ湖放送
- テレビ和歌山
- サンテレビジョン(アナログのみ)
- グリーンチャンネル(CS)
[編集] 事業所
- 本店
- 名古屋市中区錦3-6-29
- 東京支社(医薬事業部本部。医薬品に記載されているのはこの住所)
- 東京都中央区日本橋本町3-4-14
[編集] 関連会社
- 興和紡績 - 同根企業。興和株式会社から分離し発足。
- 興和新薬 - 一般用医薬品(大衆薬・OTC医薬品)の販売。
- 興和創薬 - 医療用医薬品の販売。
- 株式会社アイコン - メニコンと合弁で設立した眼内レンズの製造会社
- 愛知国際放送(RADIO-i) - 日本で4番目に開局した外国語FMラジオ局。MegaNetに加盟。
- 丸栄 - 松坂屋と並ぶ戦前からの名古屋の老舗百貨店。前身の一つ・十一屋が服部家の分家筋・後藤家による創業であり、現在も筆頭株主。
- 名古屋観光ホテル - 松坂屋・伊藤家の呼びかけで創設された名古屋最古の名門ホテル。ヒルトン進出などによる経営悪化を受け、興和が90%以上の株式を買収し支援。
- 東和オプティカル - 観光用双眼鏡、テレビ望遠鏡の販売&リース。東京タワー、お台場、六本木ヒルズに設置。テレビ望遠鏡てれぼーくん。ホームページへ
[編集] 関連項目
- 時刻出し
- ファイル配信 - TOKYO FMをキー局とするJFNの関連会社・JFNCが製作した番組を全国のJFN各局に配信するシステム。但しfm osakaとFMYは興和製ではない。
- 興和のカメラ製品一覧