第16代総選挙 (大韓民国)

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第16代総選挙（だいじゅうろくだいそうせんきょ）は、金大中政権時代の大韓民国国会を構成する国会議員を選出するために2000年4月13日に行なわれた選挙である。

目次 1 概要 2 選挙データ 3 選挙結果 3.1 党派別議席数と地域区得票率 3.2 解説 3.3 地域別議席数 3.4 解説 4 386世代と女性の進出 5 脚注 6 出典資料 7 関連項目 8 外部リンク

[編集] 概要

1997年の大統領選挙で当選し、翌年大統領に就任した金大中大統領の｢国民の政府｣への中間評価として位置付けられ、新政治国民会議から党名を改めた与党・新千年民主党と野党・ハンナラ党との第一党の座をめぐって激しく争われた。また韓国の選挙史上初めて、候補者の前科記録や納税実績及び財産、そして兵役と言った記録の公開が中央選挙管理委員会によって行なわれ、市民団体による落選運動が広く展開されたことも注目された。他にも386世代(30代で、80年代に学生運動を経験した、60年代生まれの世代)がどの程度台頭するかにも注目が集まった。

[編集] 選挙データ

• 大統領：金大中〈新千年民主党〉

• 改選議席数：273議席〈地方区227議席／全国区46議席〉今回の総選挙より、定数が26議席削減された。

• 選挙制度：小選挙区比例代表並立制。全国区の議席は地域区の得票に応じて議席配分〈詳細な仕組みは第15代総選挙を参照のこと)、重複立候補は認められていない。

• 投票日：2000年4月13日

• 投票率：57.2％

^[1]

[編集] 選挙結果

[編集] 党派別議席数と地域区得票率

党派	合計	地域区	得票率	全国区
ハンナラ党	133	112	39.0％	21
新千年民主党	115	96	35.9％	19
自由民主連合	17	12	9.8％	5
民主国民党	2	1	3.7％	1
韓国新党	1	1	0.41％
無所属	5	5	10.9％	-

^[2]

[編集] 解説

与党の新千年民主党(民主党)は115議席(地域区96議席/全国区19議席)を獲得し選挙前の98議席よりは議席は増やしたが、第1党の座をハンナラ党から取り返すことは出来なかった。ハンナラ党は133議席(地域区112議席/全国区21議席)を獲得して第1党の座を死守し、過半数の137議席に後4議席にまで迫った。選挙前に50議席を有していた自由民主連合は議席を大幅に減らして院内交渉団体の資格を確保するために必要な20議席をも下回る17議席(地域区12議席/全国区5議席)と惨敗した。これ以外ではハンナラ党から公認されなかった議員が中心となって結成した民主国民党は2議席(地域区1議席/全国区1議席)と選挙前の10議席から議席を減らす結果となった。この結果、民主化移行後の韓国国会において初めて選挙を通じての2大政党の構図が出現することになった。

[編集] 地域別議席数

ハンナラ党＝ハンナラ、新千年民主党=民主、自由民主連合=自民連
民主国民党＝民国、韓国新党＝韓国新、無所属＝無所

市・道	選挙区	ハンナラ	民主	自民連	民国	韓国新	無所
ソウル特別市	45	17	36	0	0	0	0
釜山広域市	17	17	0	0	0	0	0
大邱広域市	11	11	0	0	0	0	0
仁川広域市	11	5	6	0	0	0	0
光州広域市	6	0	5	0	0	0	1
大田広域市	6	1	2	3	0	0	0
蔚山広域市	5	4	0	0	0	0	1
京畿道	41	18	22	1	0	0	0
江原道	9	3	5	0	1	0	0
忠清北道	7	3	2	2	0	0	0
忠清南道	11	0	4	6	0	1	0
全羅北道	10	0	9	0	0	0	1
全羅南道	13	0	11	0	0	0	2
慶尚北道	16	16	0	0	0	0	0
慶尚南道	16	16	0	0	0	0	0
済州道	3	1	2	0	0	0	0

太字の数字は当該地域で当選議席数が第一党になった党派 ^[3]

[編集] 解説

今回の選挙でも嶺南地方(慶尚北道・慶尚南道)と湖南地方(全羅北道･全羅南道)の地域主義に由来する政治構図がはっきりと出る結果となった。ハンナラ党は嶺南地方に割り当てられた65議席中64議席を獲得、民主党は湖南地方の29議席中25議席を獲得、残る無所属の4議席も民主党系なので、両党ともそれぞれ地盤としている地域で議席をほぼ独占した。一方自民連の地盤であった忠清道と大田では、自民連が議席を減らし、ハンナラ党と民主党で議席を取り合う結果となった。ソウルを含む首都圏では民主党がハンナラ党を制した。

[編集] 386世代と女性の進出

• 党派別女性当選者^[4]

党派	地域区	全国区	合計
ハンナラ党	1	5	6
新千年民主党	4	5	9
民主国民党	0	1	1
合計	5	11	16

前回の第15代総選挙で、30代の当選者は7人が当選しただけだったが、今回は13人が当選した。また、女性当選者についても、全国区候補者の30％以上を女性候補とすることを政党に課したクォーター制が導入されたこともあり、地域区と全国区、合わせて16人が当選した。議席全体の割合で見た場合では6％弱でわずかであるが、1973年の第9代総選挙の12人・5.9％を上回った。尚、地域区での女性当選者の内、ハンナラ党の朴槿恵(大邱市)と民主党の秋美愛(ソウル市広津区)は再選であるが、地方区における女性議員が再選を果たしたのは、88年4月の総選挙以来12年ぶりのことである^[5]。前回の選挙での女性当選者が9人だったので、健闘したといえる。

[編集] 脚注

1. ^ 自治体国際化協会海外事務所特集　ソウル事務所　主任調査員　特集２:韓国の第16代国会議員総選挙
2. ^ 自治体国際化協会海外事務所特集　ソウル事務所　主任調査員　特集２:韓国の第16代国会議員総選挙
3. ^ 自治体国際化協会海外事務所特集　ソウル事務所　主任調査員　特集２:韓国の第16代国会議員総選挙
4. ^ 東亜日報縮刷版。2000年4月号「16代総選当選者候補得票状況」(638～640頁)と「16代総選全国区議員名簿」(641頁)を参考にして作成した。
5. ^ 新幹社『現代韓国と女性』春木育美。第5章「韓国女性の政治参画」177頁

[編集] 出典資料

• 自治体国際化協会海外事務所特集　ソウル事務所　主任調査員　特集２:韓国の第16代国会議員総選挙

• 『各国の選挙－変遷と現状』(木鐸社)西平重喜著

[編集] 関連項目

• 韓国の政党一覧
• 韓国の政党
• 韓国の選挙
• 落選運動

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[編集] 外部リンク

• 韓国中央選挙管理委員会の歴代選挙情報システム(韓国語)、過去に韓国で行われた国政及び地方選挙の有権者数や候補者、投開票結果を閲覧することが可能(ただし比例代表(全国区)については、第17代以外は未掲載)。