田原市
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気候は黒潮の影響により温暖である。
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[編集] 地理
渥美半島の付け根部分を除くほとんどの部分を占め、北は三河湾、南は太平洋に面している。また、伊良湖水道を挟んで志摩半島と対峙している。伊良湖岬の沖には三島由紀夫の小説「潮騒」で有名な三重県鳥羽市の神島があり、伊良湖港より船が出ている。神島までは鳥羽港からよりも伊良湖港からの方が若干近い。
全体的に洪積台地である太平洋側が高く、三河湾側に低くなる地形であるが、赤石山系の南端が張り出し、市の北部から西部にかけて蔵王山や大山などの200~300m程度の山々を形成している。
太平洋側は東の市境から赤羽根港まで海食崖を形成しており、日出の石門から静岡県の潮見坂までは片浜十三里と呼ばれる砂浜となっている。また、半島の先端から三河湾側には西山砂丘があり、その先の福江湾には砂州が発達している。さらに、市の北東部には汐川干潟があり、渡り鳥の飛来地となっている。汐川干潟の先は埋め立て地であり、トヨタ自動車等が操業する工業用地となっている。
[編集] 隣接している自治体
[編集] 歴史
田原市域には縄文時代には人々が住んでいたことが知られ、縄文晩期の遺跡吉胡貝塚・伊川津貝塚からは多数の人骨が出土している。11~13世紀には窯業が栄えた。後世渥美焼と呼ばれることとなった陶器は、現在平泉など各所で発掘されている。渥美焼の窯跡であった大アラコ古窯跡や百々陶器窯跡などは国指定史跡になっている。また、12世紀末の東大寺再建の際には、建築物の屋根瓦の調達元となった(伊良湖町に窯跡が残る)。ただし渥美半島の陶器生産は14世紀ににわかに途絶えてしまっており、その原因も諸説あるものの不明である。
田原市の神戸地区は、伊勢神宮荘園であった。(飽海本神戸・新神戸・大津神戸・伊良湖御厨)
市の中心部である田原は、戦国時代には戸田氏、江戸時代には三宅氏の城下町として栄えた。三宅氏の田原藩は1万2000石の小藩ながら譜代大名・城持の家格であり、最高裁判所のある東京の三宅坂は三宅氏の田原藩邸があったことから名付けられた。ただし、半島ということもあり慢性的に水不足に苦しみ、さらに強風と地味の悪いこともあって農業は振るわず、田原藩は経済的には困窮し続けることとなった。
田原藩から出た人物としては、江戸時代後期の代表的画家で、文人でもある渡辺崋山が有名である。田原藩の家老として政務をとった渡辺崋山は優れた政治家でもあり、農学者大蔵永常を招いて農政改革を行い、天保の大飢饉の際には藩内から1人も餓死者を出さないなど優れた行政手腕を発揮し、田原の人々に今もなお慕われている。
明治以降は養蚕業が盛んとなり、戦前には小さいながら芸者街が出来るほどであった。戦後は、唯一の産業であった農業が振るわず経済的に衰えた。この時期の田原を支えたのは市北部で産出する石灰岩の採掘であった。しかし1968年に豊川用水が開通、同時に土地改良と耕地整理を実施し、さらに商品作物や花卉園芸を集中的に行うことにより、全国有数の大規模近郊農業地帯として発展を遂げた。
また、1979年にトヨタ自動車の田原工場が稼働を始めてからは、第二次産業従事者の流入とともに人口も増え、町の財政も豊かになった。そのおかげで、公共施設の建て替えや区画整理などの大型事業の実施が可能となった。旧田原町は普通交付税不交付団体であったが、渥美町編入後の田原市となった2006年現在の財政力指数は1.20で、普通交付税不交付団体になっている。2005年度までは東三河で唯一の不交付団体であった。
渥美郡の、旧田原町、野田村、神戸村、杉山村の一部の1町3村が合併し1955年に形成された田原町が、1958年に町制を施行した赤羽根町を、合併(編入合併)し、2003年8月20日成立。愛知県32番目の市である。2005年10月1日には、渥美町を編入した。
[編集] 行政
[編集] 市長
- 鈴木克幸(2007年から)
[編集] 支所
- 赤羽根支所
- 渥美支所
[編集] 警察
- 田原警察署
[編集] 経済
[編集] 産業
- 主な産業
トヨタ自動車の田原工場があることなどから工業製品出荷額は2兆円を超えている。田原工場の主な生産品目は、LS、GS、ランドクルーザープラド、RAV4である。
農業は温暖な気候を生かして、野菜、果物・花などの近郊園芸農業が盛んで、農業生産額は日本でもトップクラスである(渥美町編入により日本一となった)。野菜はキャベツ・ハクサイなどを作るが、ブロッコリーの生産高は日本一を誇る。又、電照菊、バラ、カーネーション、鉢物の栽培が盛んである。豊橋市と合わせて、渥美半島は日本を代表する農業地域となっている。
- 産業人口
[編集] 姉妹都市・提携都市
[編集] 国内
[編集] 海外
- ジョージタウン市(アメリカ合衆国 ケンタッキー州) - 1990年4月20日姉妹都市提携
- ギブソン郡及びプリンストン市(アメリカ合衆国 インディアナ州) - 2002年8月8日姉妹都市提携
- 昆山市(中華人民共和国) - 1993年5月14日姉妹都市提携(旧赤羽根町よりの関係を引き継ぐ)
- 銅雀区(大韓民国ソウル特別市) - 2006年12月姉妹都市提携
[編集] 地域
[編集] 健康
- 平均年齢
- 総合病院
- 愛知厚生連 渥美病院
[編集] 教育
[編集] 小学校
※全て市立
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[編集] 中学校
※全て市立
- 田原中学校
- 東部中学校
- 野田中学校
- 赤羽根中学校
- 福江中学校
- 伊良湖岬中学校
- 泉中学校
[編集] 高等学校
※全て県立
[編集] 専門学校
- 田原福祉専門学校 - 市立の専門学校。
[編集] 図書館
[編集] 交通
[編集] 鉄道路線
- 隣接市町村への連絡:豊橋鉄道渥美線を利用。
- 都道府県庁への連絡:前述の方法で豊橋駅(豊鉄は新豊橋駅)へ出た後、JR(東海道新幹線・東海道本線)または名鉄名古屋本線を利用。途中の名古屋駅または金山駅で地下鉄に乗り換え。
- 広範囲な連絡:前述の方法で豊橋駅へ出た後、静岡県へは新幹線または東海道線で、岐阜県へはJRまたは名鉄で、長野県へは飯田線で行くことが出来る。また、三重県へは名古屋駅を経由することで行くことが出来る。
[編集] 道路
- 市内を走る一般国道(沿線の道の駅)
- 市内を走る県道
- 主要地方道愛知県道2号豊橋渥美線、愛知県道28号田原赤羽根線など
太平洋側に国道42号、三河湾側に国道259号が走っており、両者は伊良湖岬で合流している。
[編集] バス
[編集] 高速バス
[編集] 路線バス
- 豊鉄バス 豊橋駅~ホテル日航豊橋~国道259号経由~渥美病院~三河田原駅~国道259号江比間経由~保美~伊良湖岬
(豊橋駅~渥美病院、保美~伊良湖岬の本数は少ない) - 豊鉄バス 三河田原駅~国道42号赤羽根経由~堀切海岸~保美 (国道259号経由よりは本数が少ない)
[編集] コミュニティバス
1980年代後半までは、三河田原駅から田原市内の各集落を連結するバスもあったものの不採算から廃止されて、交通空白地帯となった地区の交通確保のため、2002年からは市の委託運営によるコミュニティバス「ぐるりんバス」が走っている。
運賃は全路線100円(小学生以下は無料)、赤字部分は市が補填する。主に各集落と市の中心部をつなぐ役割を担い、高齢者やトヨタ自動車で働く労働者などに多く利用されている。
[編集] 港湾
- 伊良湖港:旅客ターミナルが道の駅の「伊良湖クリスタルポルト」となっている
[編集] 名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
5月には凧まつり、9月には田原まつりが開催される。
[編集] 出身有名人
- 渡辺崋山(江戸藩邸にて生誕) - 江戸後期の画家・田原藩家老
- 村上範致 - 江戸時代末期の砲術家・田原藩家老
- 杉浦明平 - 歴史家、ルネサンス研究家、翻訳家
- 光浦靖子 - タレント
- 大久保佳代子 - タレント
- 千駄あずさ - FM AICHIパーソナリティ
- 原光隆 - 東海ラジオアナウンサー
- 鈴木信二 - 俳優
- 尾川智子 - ボルダラー(フリークライマー)
- 小笠原嵩裕 - プロMTBライダー
[編集] 外部リンク
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