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玉田誠 - Wikipedia

玉田誠

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

玉田 誠たまだ まこと1976年11月4日 - )は、愛媛県松山市出身のオートバイロードレースライダー。

愛称は「たまやん」または「玉やん」。

目次

[編集] 来歴

[編集] 九州選手権以前

小学4年生のとき松山オートランドでレースを始める。兄とともに父親のスパルタ的特訓に励む。その様子は「ヘルメットを地面にこすっている兄弟がいる」と言われたとか。チームドーベルマン時代。

中学校卒業後、宇川徹柳川明を輩出した九州の名門、チーム高武RSCに所属する。同時期に所属していた同い年の加藤大治郎とはこの頃に知り合う。1994年、九州選手権でチャンピオンを獲得。

[編集] 全日本ロードレース

1995年全日本ロードレース選手権GP250にチーム高武からデビュー。チームメイトの加藤が天才ぶりを発揮し優勝を重ねるのに対し、玉田はしばらく結果が出ず苦しんだが、1998年雨の鈴鹿サーキットで全日本初優勝。

1999年はスーパーバイククラスに転向。大柄なスーパーバイクが玉田のライディングに合っていたのか、高い順応ぶりを発揮、最終戦ツインリンクもてぎでスポット参戦のGPライダーを押さえスーパーバイク初優勝。また、この年の鈴鹿8時間耐久ロードレースには加藤大治郎とのペアで参戦、優勝したアレックス・バロスと堂々とトップ争いを繰り広げる。結局ペアの加藤が転倒し、8位に終わったものの玉田がトップライダーとして認知されたレースであった。

2000年サテライトながらワークスを上回る活躍を見せた玉田は2001年ホンダワークスであるチーム・キャビン・ホンダ入り。春に行われたスーパーバイク世界選手権SUGO大会では世界選手権レギュラーライダーを押しのけ第1・第2レース優勝の完全制覇。世界に玉田誠の名を知らしめた。レギュラー参戦の全日本でも3勝を上げチャンピオンを争うが、最終戦鈴鹿で転倒リタイア、惜しくもランキング2位に終わる。

2002年は全日本でこの年のみ開設された「エクスペリメンタルクラス」にMotoGPマシンRC211Vで、スーパーバイククラスに鈴鹿8耐へのマシン開発としてVTR1000SPWで半々の割合で参戦する予定だった。だが実際はエクスペリメンタルへの出場は行われず、前半戦でテスト参戦したスーパーバイクで玉田が優勝を重ねたことや、開発の目的であった鈴鹿8耐が終了したことからチームが方針を転換、スーパーバイククラス制覇に向けて残り全戦にエントリーすることになった。しかし後半戦になって思うような成績が上げられず後退、前年と同じく最終戦鈴鹿で転倒を喫しタイトルを逃す。しかし、前半戦2戦を欠場していることを考慮すると立派な成績である。

[編集] MotoGP参戦~現在

2003年、ホンダからロードレース世界選手権GP250クラス参戦の噂もあったが、本人がMotoGPクラス参戦にこだわったことからブリヂストンと契約。同社が支援するプラマック・ホンダから念願のMotoGPクラス参戦を果たす。初めてのマシン・コースへの不慣れに加え、ブリヂストンタイヤの開発を兼任するなど、GPルーキーにとっては苦労が多いシーズンとなったが、そんな中でもスペインGPイタリアGPでは印象的な走りを披露。リオGPブラジル)では初の3位表彰台を獲得。これは結果として、この年の最高峰クラスにおける日本人唯一の表彰台獲得となった。続く日本GPでも3位でゴールしたが、最終ラップでのセテ・ジベルナウとの接触が危険行為とされ失格となる(ちなみこの時、玉田は表彰台には登っており、その後から失格を言い渡されたが、大勢のファンの前で表彰台に乗れたので、それはそれで良かったと、後日テレビ番組に出演した際語っている)。最終的にランキング11位でシーズンを終えた。

2004年、チーム体制はそのままながらキャメル・ホンダから参戦。イタリアGPではバレンティーノ・ロッシ、ジベルナウ、マックス・ビアッジとの4人で激しいトップ争いを展開。タイヤトラブルからリタイアしたが、強烈な印象を放った。その後、リオGPで日本人として二人目となるMotoGP初優勝。病状が悪化していた母親は初優勝を見とどけた3日後に息を引き取った。決勝日の7月4日は親友の故加藤大治郎の誕生日でもあった。さらにポルトガルGPでは自身初のポールポジションを獲得。決勝では王者ロッシに破れるも2位に入る。そして続く日本GPではロッシを下してポールtoウィン。また、最終戦バレンシアGPでもポールポジションを獲得するなど、世界のトップライダーの仲間入りを果たし、ランキングでも6位に入る活躍を見せた。

2005年、ロッシと同じ条件で勝負したい意向からタイヤをミシュランに変更、前年の活躍からスポンサーにも日本企業であるコニカミノルタがつき、期待されたシーズンだったが大きな不振に陥る。タイヤ特性の違いに悩み、シーズン序盤に骨折・欠場を強いられるなどもあって苦戦、日本GPで3位に入るのがやっとという状態であった。

2006年も前年と同じ体制でMotoGPに参戦中。序盤は苦しんだもののドイツGPでは3位争いを展開するなど徐々に復調の兆しを見せていたが、得意のもてぎでの日本GPも10位に終わり解雇に至る。

2007年からはテック3・ヤマハからの参戦。タイヤも全日本時代以来となるダンロップとなり、新天地での巻き返しを誓うも、ダンロップタイヤの熟成不足に悩まされることになる。 予選では、ポルトガルGPの4位やバレンシアGPでの5位など上位グリットを獲得するものの、決勝ではタイヤがもたない、グリップしないなどの症状に見舞われ、ランキング18位と過去最低の成績でシーズンを終えることになり、また5年間参戦してきたMotoGPを離れることになった。

2008年からはカワサキの契約ライダーとなり、カワサキからの出向という形でカワサキのサテライトチームのPSG-1カワサキから、スーパーバイク世界選手権に参戦。

[編集] ライディングスタイル

玉田のライディングスタイルは非常に豪快である。上体を大きくイン側に放り出し、目線はさらに内側を向く。マシン全体の重心を少しでもイン側に持っていく姿勢はある意味ハングオフの究極とも言える。反面、フロントタイヤに荷重がかかりにくく、スリップダウンによる転倒が多い(特に全日本時代)。MotoGP参戦以後は上体の移動量は減ったが、それでもMotoGPライダーの中でも目立つスタイルである。

[編集] 主な戦績

レース開始
九州選手権GP250 チャンピオン
九州選手権SP250 チャンピオン
全日本ロードレース選手権GP250 ランキング11位
  • 1996年 - チーム高武/ホンダRS250R
全日本ロードレース選手権GP250 ランキング14位
  • 1997年 - チーム高武/ホンダRS250R
全日本ロードレース選手権GP250 ランキング6位
  • 1998年 - チーム高武/ホンダRS250R
全日本ロードレース選手権GP250 ランキング4位(1勝)
鈴鹿8時間耐久ロードレース10位(中冨伸一)(ウルトラマンRT桜井ホンダ/ホンダRVF/RC45
  • 1999年 - チーム高武/ホンダRVF/RC45
全日本ロードレース選手権スーパーバイク ランキング5位(1勝)
鈴鹿8時間耐久ロードレース8位(加藤大治郎)(チーム高武と桜井ホンダ/ホンダRVF/RC45)
  • 2000年 - チーム高武/ホンダRVF/RC45
全日本ロードレース選手権スーパーバイク ランキング3位(2勝)
鈴鹿8時間耐久ロードレース43位(アレックス・バロス)(チーム高武と桜井ホンダ/ホンダRVF/RC45)
全日本ロードレース選手権スーパーバイク ランキング2位(3勝)
鈴鹿8時間耐久ロードレース4位(宇川徹・加藤大治郎)(チーム・キャビン・ホンダ/ホンダVTR1000SPW)
スーパーバイク世界選手権SUGO大会・第1、第2レース優勝(チーム・キャビン・ホンダ/ホンダVTR1000SPW)
  • 2002年 - チーム・キャビン・ホンダ/ホンダVTR1000SPW
全日本ロードレース選手権スーパーバイク ランキング4位(4勝)
鈴鹿8時間耐久ロードレース2位(岡田忠之)(チーム・キャビン・ホンダ/ホンダVTR1000SPW)
スーパーバイク世界選手権SUGO大会・第2レース優勝(チーム・キャビン・ホンダ/ホンダVTR1000SPW)
ロードレース世界選手権MotoGP ランキング11位
  • 2004年 - キャメル・ホンダ/ホンダRC211V
ロードレース世界選手権MotoGP ランキング6位(2勝)
ロードレース世界選手権MotoGP ランキング11位
  • 2006年 - コニカミノルタ・ホンダ/ホンダRC211V
ロードレース世界選手権MotoGP ランキング12位
鈴鹿8時間耐久ロードレース 5位(清成龍一)(セブンスター・ホンダ7/ホンダCBR1000RRW
  • 2007年 - ロードレース世界選手権MotoGPランキング18位(ダンロップ ヤマハ・MotoGP)

[編集] 外部リンク


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