犠牲フライ

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犠牲フライ（ぎせいふらい、略記犠飛）は、野球における打撃記録の一種。犠打とは別にカウントされる。

目次 1 概要 2 犠牲フライに関する記録 2.1 日本プロ野球 2.1.1 通算記録 2.1.2 シーズン記録 2.1.3 その他の記録 2.2 アメリカメジャーリーグ 2.2.1 通算記録 3 注釈

[編集] 概要

無死または一死で走者がいるとき、打者が外野に飛球を打ち、外野手（もしくは外野まで回り込んだ内野手）がこれを捕球後、走者がタッチアップして野手からの返球より早く本塁に達したとする。このときの打席結果を「犠飛」と呼ぶ。走者は三塁走者のことが多いが、二塁や一塁走者のこともありうる。

内野手が外野まで後退して捕球した飛球で走者が生還した場合も犠飛になるが、内野飛球を捕球後に走者がタッチアップして生還した場合は犠飛にならず、打点もつかないことになっている。また外野へ放ったファウル飛球も犠飛になりうるが、普通「ファウル犠飛」という呼称は用いず、「犠邪飛」又は「邪犠飛」として犠飛と区別することが多い。

犠飛は犠打と異なり得点を挙げた場合にのみ記録されるので、たとえば打者がライトフライを打ち、二塁走者がタッチアップして三塁に進んだだけの場合などは犠飛にならない。犠牲フライが成功した場合、打者には犠飛と打点が記録される。通常、打点は1であることが多いが、1本の犠飛で2人の走者が生還した場合は打点2が記録されることもある。ただし、実例はほとんどない。野手が失策によりその飛球を取り損ねて走者が生還した場合で、仮に失策がなくても走者は生還できたと記録員が判断したときには、犠飛が記録される。犠牲フライは打数には含まれない^[1]。出塁率の計算上は凡退として扱われるため、連続安打や連続本塁打などの連続記録の中断要素もなる。

守備側がタッチアップによる走者の生還を阻止するには、飛球を捕球後、本塁にすばやく返球する必要がある。そのため一旦落下点より後方に下がり、勢いを付けて送球することが多い。一般に、落下点が外野手の定位置より後ろの場合は、ほぼ確実にタッチアップを許すといわれている。
試合展開等にもよるが、犠飛になる可能性のある外野ファウル飛球は故意に捕球しない場合がある。内野ファウル飛球の場合は内野手が返球しにくい体勢で取ることも多く、空いた本塁へのタッチアップを避けるために投手や捕手が本塁カバーをすることが必要となる。

捕手が返球を受ける際は、ライトよりもレフトからの送球の方が、三塁から本塁を狙う走者に触球しやすいといわれる。そのため一般に犠牲フライを打つにはライト方向へ打球を打ち上げたほうが良いとされるが、プロチームでは多くの場合、右翼手にチームでも一、二を争う強肩の選手を置く場合が多く、外野手の肩の強さ次第ではむしろレフトに打ち上げたほうが犠牲フライになりやすい場合もある。

犠打と犠飛の合計を「犠打飛」ということがあるがあまり定着しておらず、犠打と犠飛をひとまとめにして「犠打」と呼ぶ場合もある。

[編集] 犠牲フライに関する記録

[編集] 日本プロ野球

[編集] 通算記録

記録は2007年シーズン終了時点

順位	名前	犠飛	順位	名前	犠飛
1	野村克也	113	11	土井正博	78
2	加藤英司	105	12	大島康徳	74
3	王貞治	100	13	松原誠	70
4	門田博光	95		原辰徳
5	長嶋茂雄	90	15	長池徳士	68
	張本勲		16	榎本喜八	67
7	山内一弘	88		江藤愼一
	落合博満			新井宏昌
9	大杉勝男	86		*立浪和義
10	山本浩二	79	20	*清原和博	66

*は現役選手

[編集] シーズン記録

順位	名前	所属	犠飛	達成年
1	大杉勝男	東映フライヤーズ	15	1970年
2	佐々木恭介	近鉄バファローズ	12	1975年
	原辰徳	読売ジャイアンツ		1991年
	江藤智	広島東洋カープ		1995年
	ロバート・ローズ	横浜ベイスターズ		1996年
6	王貞治	読売ジャイアンツ	11	1978年
	金村義明	近鉄バファローズ		1987年
	石嶺和彦	オリックス・ブルーウェーブ		1991年
	清原和博	読売ジャイアンツ		1998年

[編集] その他の記録

1試合最多犠飛

• セントラル・リーグ 3犠飛
  • 野村謙二郎（1996年6月30日、対読売ジャイアンツ）
• パシフィック・リーグ 3犠飛
  • 豊田泰光（1960年9月17日、対阪急ブレーブス）

[編集] アメリカメジャーリーグ

[編集] 通算記録

※2007年シーズン終了時点

順位	名前	犠飛数
1	エディー・マレー	128
2	カル・リプケン	127
3	ロビン・ヨーント	123
4	ハンク・アーロン	121
5	ジョージ・ブレット	120
	ルーベン・シエラ	120
	*フランク・トーマス	120
8	ラファエル・パルメイロ	119
	ラスティ・スタウブ	119
10	アンドレ・ドーソン	118

*は現役選手

[編集] 注釈