日本のいちばん長い日
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日本のいちばん長い日 | |
監督 | 岡本喜八 |
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製作 | 藤本真澄 田中友幸 |
脚本 | 橋本忍 |
出演者 | 三船敏郎 黒沢年男 笠智衆 |
音楽 | 佐藤勝 |
撮影 | 村井博 |
編集 | 黒岩義民 |
配給 | 東宝 |
公開 | 1967年8月3日 |
上映時間 | 157分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
allcinema | |
Variety Japan | |
『日本のいちばん長い日』(にほんのいちばんながいひ)は、1967年に公開された日本映画。製作及び配給は東宝。1965年に発表された大宅壮一のノンフィクション『日本のいちばん長い日』(出版:文藝春秋)を東宝の35周年記念作品として映像化した。白黒映画。
目次 |
[編集] 概要
タイトルの「日本のいちばん長い日」とは、閣僚等が御前会議において太平洋戦争(大東亜戦争)終結を決定した昭和20年(1945年)8月14日の正午(12:00)から、国民に対してラジオ(日本放送協会)の玉音放送を通じポツダム宣言受諾を知らせる8月15日正午(12:00)までの24時間を指す。
陸軍将校の暴発(「8・15宮城事件」)や厚木飛行場の小園安名大佐の反乱(悩乱)、政府首脳等の苦衷を通して大日本帝国最後の1日を中心に描く。テーマとは別に異常なまでのカットバックとナレーションの多さも映画ファンの間に議論を沸騰させた。今日でも脚本家「橋本忍」論の重要なテーマである。
作者は「一億総白痴」「駅弁大学」などの名言を残した批評家の大宅壮一とクレジットされているが、当時文藝春秋社員だった作家の半藤一利の作品である。俳優陣も三船敏郎以下豪華な顔ぶれとなり、いわゆるオールスター映画とされる。
ラストの青年将校たちが疾走する砂利が敷かれた広場は本物の皇居二重橋前であり手持ちのカメラも含めて撮影許可は下りない場所である。監督の岡本喜八は逮捕を覚悟の上でゲリラ的にロケを敢行したとされる。
[編集] スタッフ
[編集] 配役
- 三船敏郎 : 阿南惟幾(陸相)
- 山村聡 : 米内光政(海相)
- 笠智衆 : 鈴木貫太郎(首相)
- 宮口精二 : 東郷茂徳(外相)
- 小杉義男 : 岡田忠彦(厚相)
- 香川良介 : 石黒忠篤(農商相)
- 竜岡晋 : 石渡荘太郎(宮内相)
- 北沢彪 : 広瀬豊作(蔵相)
- 村上冬樹 : 松阪広政(司法相)
- 志村喬 : 下村宏(情報局総裁)
- 飯田覚三 : 豊田貞次郎(軍需大臣)
- 山田圭介 : 大臣
- 田中志幸 : 大臣
- 戸浦六宏 : 松本俊一(外務次官)
- 小瀬格 : 若松只一(陸軍次官)
- 中村伸郎 : 木戸幸一(内大臣)
- 北竜二 : 蓮沼蕃中将(侍従武官長)
- 野村明司 : 中村中将(侍従武官)
- 藤木悠 : 清家武夫中佐(侍従武官)
- 青野平義 : 藤田尚徳(侍従長)
- 児玉清 : 戸田康英(侍従)
- 浜田寅彦 : 三井安弥(侍従)
- 袋正 : 入江相政(侍従)
- 小林桂樹 : 徳川義寛(侍従)
- 関口銀三 : 岡部長章(侍従)
- 加藤武 : 迫水久常(内閣書記官長)
- 北村和夫 : 佐藤総務課長(内閣官房)
- 玉川伊佐男 : 荒尾興攻(陸軍省軍事課長)
- 高橋悦史 : 井田正孝中佐(陸軍省軍務課員)
- 中丸忠雄 : 椎崎二郎中佐(陸軍省軍事課員)
- 井上孝雄 : 竹下正彦中佐(陸軍省軍事課員)
- 黒沢年男 : 畑中健二少佐(陸軍省軍事課員)
- 田中浩 : 小林少佐(陸相副官)
- 吉頂寺晃 : 梅津美治郎(陸軍参謀総長)
- 大友伸 : 吉積正雄(陸軍軍務局長) *ノンクレジット、一部の映画資料には記載
- 岩谷壮 : 杉山元(陸軍元帥) *ノンクレジット、パンフレットには記載
- 今福正雄 : 畑俊六(陸軍元帥)
- 山田晴生 : 豊田副武(海軍軍令部総長)
- 二本柳寛 : 大西瀧治郎(海軍軍令部次長)
- 高田稔 : 保科善四郎(海軍軍務局長)
- 明石潮 : 平沼騏一郎(枢密院議長)
- 島田正吾 : 森赳(近衛師団長)
- 藤田進 : 芳賀豊次郎大佐(近衛師団第二連隊長)
- 佐藤允 : 古賀秀正少佐(近衛師団参謀)
- 久保明 : 石原貞吉少佐(近衛師団参謀)
- 若宮忠三郎:水谷一生大佐(近衛師団参謀長)
- 田島義文 : 渡辺多粮大佐(近衛師団第一連隊長)
- 石山健二郎 : 田中静壱(東部軍司令官)
- 土屋嘉男 : 不破博大佐(東部軍高級参謀)
- 滝恵一 : 塚本少佐(東部軍副官)
- 森幹太 : 高嶋辰彦少将(東部軍参謀長)
- 伊吹徹 : 板垣徹中将(東部軍参謀)
- 宮部昭夫 : 稲留大佐(東部軍参謀)
- 勝部演之 : 白石通教中佐(第二総軍参謀)
- 関田裕 : 神野敏夫少佐(東部軍参謀)
- 森野五郎 : 大橋八郎会長(NHK)
- 加東大介 : 矢部国内局長(NHK)
- 石田茂樹 : 荒川技術局長(NHK)
- 草川直也 : 長友技師(NHK)
- 須田準之助 : 高橋武治(NHK報道部長) *ノンクレジット、パンフレットには記載
- 加山雄三 : 館野守男(NHK放送員)
- 小泉博 : 和田信賢(NHK放送員)
- 新珠三千代 : 原百合子(鈴木首相私邸女中)
- 川辺久造 : 木原通雄(内閣嘱託)
- 江原達怡 : 川本信正秘書官(情報局総裁秘書)
- 神山繁 : 加藤総務局長(宮内省)
- 浜村純 : 筧庶務課長(宮内省)
- 佐田豊 : 佐野恵作(宮内省総務課員)
- 上田忠好 : 佐野小門太(内閣理事官)
- 堤康久 : 大江電信課長(外務省)
- 武内亨 : 小林海軍軍医(海軍省)
- 天本英世 : 佐々木武雄大尉(横浜警備隊長)
- 中谷一郎 : 黒田大尉(航空士官学校)[1]
- 伊藤雄之助 : 野中俊雄大佐(児玉基地司令)
- 長谷川弘 : 児玉基地副長
- 田崎潤 : 小園安名大佐(厚木基地司令)
- 平田昭彦 : 菅原中佐(厚木基地副長)
- 堺左千夫 : 厚木基地飛行整備科長
- 山本廉 : 伍長(宮城衛兵司令所)
- 小川安三 : 巡査(首相官邸警護)
- 井川比佐志 : 憲兵中尉
- 久野征四郎 : 近衛師団大隊長
- 荒木保夫 : 近衛師団兵
- 桐野洋雄 : 近衛師団兵
- 中山豊 : 近衛師団兵
- 三井弘次 : 政治部記者
- 阿知波信介 : 少年兵(横浜警備隊) *ノンクレジット
- 夏木順平 : 街の男 *ノンクレジット
- 頭師佳孝 : 街の浮浪児 *ノンクレジット
- 雷門ケン坊 : 街の浮浪児 *ノンクレジット
- 起田志郎 :
- 秋月正夫 :
- 野村清一郎 :
- 松本幸四郎 : 昭和天皇
- 仲代達矢 : ナレーター
[編集] 注釈
- ^ この人物はフィクションである。航空士官学校上原大尉と、通信学校窪田少佐をミックスさせた人物である。諸氏の証言では上原大尉が殺害犯とされるものが大勢だが、窪田氏は戦後も生き残っており、自身こそが森師団長を殺害した、と雑誌等に証言していた。
[編集] 関連項目
[編集] 著書
半藤一利:日本のいちばん長い日―運命の八月十五日(文藝春秋)ISBN 4163503609