三井弘次
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三井 弘次（みつい こうじ、本名：三井日子秀【みつい ひこひで】1910年3月6日 - 1979年7月20日）は日本の俳優。神奈川県横浜市出身。戦前は人気お笑いトリオ・与太郎トリオの一人として、戦後は黒澤明監督や小津安二郎監督作品などで名バイプレーヤーとして活躍した。旧芸名は三井秀男。
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[編集] 人物
横浜市西戸部町生まれ。父親が松竹の特約映画館を経営していたことから、小さい頃から映画に親しんでいた。西戸部小学校から1922年に慶應義塾大学商工学校に入学するも、学校の行き帰りに通る松竹蒲田撮影所へ見学として出入りする内に、映画俳優になることを決意。
1924年、慶應義塾大学学生時代に松竹蒲田に俳優として入社し、1925年に三井秀男の芸名で「懐かしの蒲田」でデビュー。その後は脇役として出演を続けるが、1932年に脚本部の柳井隆雄のアイデアから磯野秋雄、阿部正三郎と共に与太郎トリオを結成し、野村浩将監督のドタバタ喜劇「初恋の与太郎」に出演。これがシリーズが10本も続くほどの好評を博し、一躍、人気者となった。
1934年にトリオ揃って準幹部待遇となり、1935年には正式に準幹部となる。また喜劇俳優としては別に小津安二郎監督の「非常線の女」（1932年）、「浮草物語」「母は恋はずや」（1934年）に立て続けに起用される。1935年、松竹の監督だった重宗務の東京発声映画研究所の創立に参加、そして1938年、阿部豊監督の北海道を舞台とした少年院物「太陽の子」の名演技が絶賛され、その名を決定的なものとした。
東京発声の解散から松竹に戻り、次々と名作や話題作に出演、小津監督の「風の中の牝鶏」（1948年）で芸名を三井弘次に改名する。遊び人の喜三郎役を演じた黒澤明監督の「どん底」（1957年）では毎日映画コンクールとブルー･リボンの助演男優賞を受賞し、名バイプレイヤーとしてその地位を決定付ける。1960年にフリーとなってからは映画のみならずテレビ、舞台と活躍するが、1971年に胃潰瘍の手術してからは体調を崩し、俳優活動を縮小した。
1979年7月20日午後8時45分、心不全のため、鎌倉市内の病院で死去。享年70（満69歳没）
[編集] 出演作品
[編集] 映画
- 親父とその子（五所平之助監督・1929年）
- 豚の花ざかり（斉藤寅次郎監督・1932年）
- 楽しき我が家（大庭秀雄監督・1940年）
- 父ありき（小津安二郎監督・1940年）
- 野戦軍楽隊（マキノ正博監督・1944年）
- 待ちぼうけの女（マキノ正博監督・1946年）
- 醜聞（スキャンダル）（黒澤明監督・1950年）
- 長崎の鐘（大庭秀雄監督・1950年）
- カルメン故郷に帰る（木下惠介監督・1951年）
- 正義派（渋谷実監督・1957年）
- どん底（黒澤明監督・1957年）
- 隠し砦の三悪人（黒澤明監督・1958年）
- いろはにほへと（中村登監督・1960年）
- 悪い奴ほどよく眠る（黒澤明監督・1960年）
- 天国と地獄（黒澤明監督・1963年）
- 飢餓海峡（内田吐夢監督・1964年）
- 赤ひげ（黒澤明監督・1965年）
- どですかでん（黒澤明監督・1970年）
