副大臣
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副大臣(ふくだいじん、英:Senior Vice-Minister)とは、日本においては、内閣府および各省に置かれる官職である。認証官の一つで、定数は各府省ごとに異なる(1人から3人)。中央省庁再編に伴い新設された。日本以外の国の政府の相当する役職の訳語としても用いられる。
中央省庁再編時(副大臣制度発足時)には、副大臣と同様の職として、法律で国務大臣をもってその長に充てることと定められている各庁(いわゆる大臣庁。具体的には当時の防衛庁)に副長官が置かれたが、こちらの規定は2007年1月9日の防衛庁の防衛省への改称(昇格)により大臣庁が消滅したことに伴い廃止された。
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[編集] 概要
副大臣(副長官)は、「国会審議の活性化及び政治主導の政策決定システムの確立に関する法律(平成11年法律第116号)」により、従来の政務次官を廃止して大臣政務官(長官政務官)とともに設けられた。従来の政治任用ポストであった政務次官は、権限も小さく役割も不明確であったため、「省庁の盲腸」と揶揄され軽んじられてきた。この点を反省し、国会審議の活性化と政治主導の政策決定システムを確立するため、国会における政府委員制度を廃止し、副大臣として適材適所の実力者を登用して国会答弁に当たらせるなどの改革が行われた。また、法律上の根拠がなかった政務次官会議に代えて、明確な法律上の根拠(同法第9条)を持つ副大臣会議を創設、権威付けと実質的な省庁間の政策調整が行われることも期した。
個別的には内閣府設置法(平成11年法律第89号)第13条、国家行政組織法(昭和23年法律第120号)第16条に基づき設置される。大臣、内閣官房長官または特命担当大臣の命を受け、政策および企画を司り、政務を処理する。副大臣(内閣府副大臣を除く)は、大臣不在の場合、その職務を代行する。副大臣の任免は、その府省の長である大臣の申出により内閣が行い、天皇により認証される(認証官)。副大臣は、国家公務員法(昭和22年法律第120号)上の特別職であり、通常、国会議員が充てられる。
[編集] 備考
内閣官房副長官は、名称中に「副長官」を含み、内閣官房だけでなく内閣府の事務の特定事項も一部担当し副大臣会議にも参加し、俸給等の待遇の面でも同等である等、職位としてはほぼ副大臣に相当するが、設置根拠・内閣総辞職時の連帯失職の有無等が異なるため法的・学問的には副大臣に含まれない。
内閣官房副長官のほか、俸給等の待遇の面が副大臣に相当する職には、内閣法制局長官、国家公務員倫理審査会の常勤の会長、公正取引委員会委員長、宮内庁長官、大使の一部がある。国会においては、各議院の事務総長・法制局長、国立国会図書館長が、裁判所においては、東京高等裁判所長官がこれらに相当する。
[編集] 現内閣の副大臣
福田康夫内閣を参照。