官職
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官職(かんしょく、Government post)とは官吏の職のことをいう。具体的には以下の通りに分類される。特に律令制においては位階と合わせて官位という。また、官職の名称のことを官名という。
- 官と職。官とは職務の一般的種類のことを指し、職は担当すべき職務の具体的範囲を示す呼び方のこと。
- 国家公務員に割り当てられる一定の職務、責任をもって占める地位のこと。日本では主に行政府、司法府の常勤職員及び非常勤職員に対して用いられ、立法府ではあまり用いられない。ちなみにアメリカの立法府は下院議員補佐官などの例がある。
- 官吏の担当する職務の一般的な分類である官と、その下の具体的な類別である職のこと。
- 官制上の地位のこと。
[編集] 概要
官職に任ぜられることを任官、官職から退くことを退官(辞官とも)という。免ぜられることを免官ともいう。また、特に封建社会において見られた傾向として、官職を欲し贈収賄が行われることを売官、猟官ともいった。
官職制度・システムのことを職制(しょくせい)とも呼ぶ。戦前において、小中村清矩が、天皇が定めた役職を「官職」、幕府など臣下がみだりに定めた役職を「職制」と呼んで、大義名分に基づいて峻別したと唱えたが、戦後に瀧川政次郎らから批判された。
ちなみに、今日では非常勤の国家公務員を採用する際、任命される職名及び処遇を採用予定官職として掲示されることが多い。