出口番号
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出口番号(でぐちばんごう)とは、主として地下駅や地下街において、出口別に付与されている固有の番号・記号である。
出口は入口でもあることが多いため、「出入口番号」「出入り口番号」とも称される[1]。
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[編集] 概説
出口が複数ある場合には、「東口」・「西口」などの方位、「八重洲口」・「丸の内口」など出口を出た先の地名などを用いて出口を特定する例が見られるが、出口の数が多い場合や、地下駅や地下街の場合のように出口の位置関係を把握しにくい場合などには、出口番号を用いることで端的に特定の出口を指定することができる。
日本では東京の地下鉄、帝都高速度交通営団(現・東京地下鉄)と都営地下鉄が同時に実施したのを皮切りに[要出典]、他の都市の地下鉄や、地下区間を比較的多く持つ新規開業鉄道においても設定されており、ラインカラー制や駅ナンバリングなどと共に、利用客が混乱することなく鉄道を利用できる目印の一つとして機能している。
[編集] 基本的な慣例
- 改札等ではなく、一般に出口そのものに対して番号が振られることから、同一方面に出口が複数あれば、出口の数だけ出口番号が設定される。
- 一般に、近隣する出口は、隣り合っている出口と連番になるが、新しい出口が新設されると数字が飛ぶこともある。
- 新規路線の開業で出口が増えた場合の対応方法は、例えば従来の出口番号が1~4の場合、「新しい出口は5から始まる」か、「新しい出口は離れた数字や記号(当稿では便宜上「路線別記号」と称する)を冠して11,12…またはA1,A2…」のいずれかが多い。どの方法を採用するかは鉄道事業者毎に完全統一されている訳ではなく、駅によってバラバラなケースも存在する。
- 地方都市の地下鉄では路線数が1本か2本(東西と南北二方向で十字型の路線を形成していたり、湾に平行して弓状の路線一本だけ持っている)のため、路線別記号を設定しない、または出口番号自体を設定しない事業者も多い。
- 路線別記号を設定する順序について、導入時に複数路線が乗り入れていた時は、鉄道事業者が定める路線順序となる(殆どが新規開業順か、路線番号の1号線、2号線…の順)。導入後に新しい路線が乗り入れた時は、新しい路線がその駅で一番大きな路線別記号を設定する。
- 異なる駅名でも地下通路が通じており、乗換駅として認められている場合、両駅で重複しない出口番号を設定する。
- 既に出口番号が決まっている後、地下から地上にかけて新しい建物や店がオープンしたことにより、さらに出口が又分かれした場合は、出口番号の末尾に符号を設定し区別する場合がある。当稿ではこれを便宜上「末尾符号」と称する。
- 鉄道事業者との出口とは別に、地下商店街や自治体により出口番号を設定している場合がある。これが地下鉄の駅と地下通路で繋がっている場合、出口番号に同じまたは類似した番号(例えば地下鉄がA1番で自治体が1番など)が混在し、かえって混乱することもある。
- エレベーターを設置する際、通常の階段やエスカレータに対し、地上出口の位置が大きく離れることがある。この場合エレベーター用出口には出口番号を設定しないことが多い。
- 他の鉄道事業者と直通運転しており、境界駅が相手の鉄道事業者の管轄である場合、出口番号は設定していないことが多い(直通運転の殆どはこのケースである)。
[編集] 地下鉄事業者毎の出口番号設定
[編集] 札幌市営地下鉄
札幌市交通局(札幌市営地下鉄)では数字のみ設定している。地下鉄路線同士の接続駅はさっぽろ駅と大通駅のみで、大通駅では南北線と東西線の開業後、東豊線開業時に新設された出口は番号を少し離し、30番台から設定している。
[編集] 仙台市営地下鉄
仙台市交通局(仙台市営地下鉄)では方角により東西南北の後、数字で北1,北2…などと設定している。
[編集] 東京メトロ・都営地下鉄
両事業体は利便さを考慮し、ラインカラーや乗車制度など足並みを揃えて導入される制度が多い。出口番号も同じ付番法則で同時に設定されたため、同時に解説する。
なお上記はすべての駅で統一されているものでなく、以下のようなケースも存在する。
- 都営地下鉄は、乗換路線がなくてもすべての出口番号にAを設定している駅が多い。
- 新宿駅・新宿三丁目駅 - 丸ノ内線の出口が多いため、両駅を結ぶ地下コンコースから見て南側をA、北側をBで設定。なお前述した後付け開業の法則により、都営新宿線新宿三丁目駅はC、都営大江戸線新宿西口駅はDで設定。さらに同じ新宿駅でも都営大江戸線はA、京王新線と都営新宿線の新線新宿駅は路線別記号なしで設定している。
- 赤坂見附駅 - 数字を使わずA,B,C…と英字のみ設定。地下通路が繋がっており、異名乗換駅になっている永田町駅は数字のみで設定。
- 市ケ谷駅・春日駅など - 前述したケースだが、自治体が鉄道事業者と類似した出口番号を設定したため、例えば地下鉄のA1番と自治体の1番が混在している。
[編集] 横浜市営地下鉄
横浜市交通局(横浜市営地下鉄)では数字で設定され、末尾符号はハイフンで1-1,1-2などと設定されている。なおグリーンラインが開業すると、センター北駅とセンター南駅が市営地下鉄同士の乗換駅となるため、新たに路線別記号が追加される可能性がある。
[編集] 名古屋市営地下鉄
名古屋市交通局(名古屋市営地下鉄)では数字のみ設定している。
[編集] 京都市営地下鉄
京都市交通局(京都市営地下鉄)では数字で設定、末尾符号はハイフンで1-1,1-2などと設定している。
[編集] 大阪市営地下鉄
大阪市交通局(大阪市交通局)では路線別記号は数字で0,10,20番ごとに、末尾符号は英字で1A,1Bなどと設定している。
[編集] 神戸市営地下鉄
神戸市交通局(神戸市営地下鉄)では、西神・山手線の場合は方角により東西南北の後、数字で東1,東2などと設定されている。 海岸線では数字のみの設定となっている。
[編集] 神戸高速鉄道
[編集] 福岡市地下鉄
福岡市交通局(福岡市地下鉄)の場合、2005年(平成17年)に開業した七隈線では数字で設定している。
[編集] 地下路線を持つ鉄道事業者毎の出口番号設定
この節では路線の殆どが地下区間のため、地下駅には出口番号を設定している路線について説明する。
[編集] 東葉高速鉄道
東葉高速鉄道東葉高速線では、東葉勝田台駅・北習志野駅・東海神駅の出入口に設定されている。いずれもアルファベット( T / Toyo )と番号の形式でT1,T2…となっている(但し、東海神駅ではT2とT3が欠番になっている)。船橋日大前駅は地下駅であるが番号は設定されていない。同駅は地下駅でありながらその構造は地上駅に似ており、2つある改札口はそれぞれ「西口」(開業時から存在)と「東口」(後に開設)に対応している。
[編集] 首都圏新都市鉄道
首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)では、乗換路線がなくてもすべての出口番号に記号と数字を使用しており、A1,A2…などと設定している。これは前述した都営地下鉄に類似している。現在は他の地下路線との接続駅が少ないこともあり、AのみでB以降は使用していない。
[編集] JR東日本
東日本旅客鉄道(JR東日本)では京葉線と総武快速線の地下区間では数字で設定している。特に八丁堀駅は東京地下鉄日比谷線と接続していることから、路線別記号として日比谷線にA、京葉線にBを設定しており、東京メトロ式と同じと言える。ただし総武快速線の東京駅や横須賀線の新橋駅など、設定していない駅も一部に存在する。これはこれらの駅の出口が、既存の地上路線を基本として作られたためである。
[編集] 埼玉高速鉄道
埼玉高速鉄道では数字で設定、末尾符号は英数小文字で1a,1bなどと設定している。
[編集] 西武鉄道
西武鉄道では西武有楽町線の新桜台駅と小竹向原駅(管理は東京メトロ)が地下駅となっており、どちらも数字のみ設定している。
[編集] 東京急行電鉄
東京急行電鉄では田園都市線の元新玉川線区間の殆ど(渋谷駅~用賀駅)が地下区間である。出口の区別は数字でなく、東口、西口や施設名を冠した○○大学口といった、地上の鉄道で一般に使われている方式で設定している(路線が東西に走っていると、出口が地上の鉄道は南北に、地下鉄は東西の端に作られ易い)。なお、渋谷駅はメトロとの直通運転境界駅であり東急管理駅であるが、2007年12月1日まで東京メトロの管轄であったため、出口番号も東京メトロ式になっている。
[編集] 東京臨海高速鉄道
東京臨海高速鉄道ではりんかい線天王洲アイル駅の出口番号にAとBを設定している。
[編集] 横浜高速鉄道
横浜高速鉄道の場合、みなとみらい線では数字を、エレベーターには英字大文字を、末尾符号は英数小文字で1a,1bなどと設定している。ただし横浜駅は他の鉄道の出口と一体化しているため、こどもの国線は全区間が地上駅であるため、設定していない。
[編集] JR西日本
西日本旅客鉄道(JR西日本)では、JR東西線の殆ど(加島駅~大阪城北詰駅)が地下区間である。
[編集] 日本以外の鉄道事業者の出口番号設定
[編集] 大韓民国ソウル特別市、仁川広域市、京畿道、忠清南道の鉄道
- ソウルメトロ、ソウル特別市都市鉄道公社、仁川広域市地下鉄公社、韓国鉄道公社 (KORAIL)
すべての駅で数字のみ設定している。
[編集] 脚注
- ^ 例えば東京地下鉄(東京メトロ)の公式サイトでは「出口番号」の用語が用いられている『定期券うりばのご案内』東京メトロ(公式)