中華一番!
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『中華一番!』(ちゅうかいちばん!)とは、1997年から1999年まで週刊少年マガジンに掲載された小川悦司原作の漫画作品。及び漫画を原作としたテレビアニメ・実写ドラマ作品である。漫画は途中でタイトルが『真・中華一番!』に変更された。
目次 |
[編集] 概要
週刊少年マガジンで連載を開始したが、途中でマガジンSPECIALに移動、「真・中華一番!」とタイトルを変更して再び週刊少年マガジンに移動した。現在は「中華一番!」が全5巻、「真・中華一番!」が全12巻の単行本にまとめられている。後に文庫版も出ており、こちらは「中華一番!」が全3巻、「真・中華一番!」が全8巻である。
この漫画で注目すべきなのは、ミスター味っ子を凌ぐほどのリアクションである。水牛を一瞬で解体したり、鶏の羽毛を爪で器用に剥いだり、河を丸ごと燃やしたりと常識では不可能な調理方法が登場する。また審査員によるリアクションにも定評がある。
[編集] 世界観
中華料理の料理人たちが、料理を通じて争い、友情を深め、人々を幸せに導く。
- 料理人の社会的地位
- 作品において、料理人は尊敬と羨望の対象となり、特に特級厨師や宮廷料理関係者は、全ての人が一目置く絶大な存在である。料理文化が、作品世界の隅々まで浸透している。
- 特級厨師
- 作品世界における「最高位の料理人資格」で、合格者には料理界で最も日の当たる道が用意される。
- 4年ごとに行われる試験に合格すると称号を得られ、龍の絵に「特」の字をあしらった衣装を身につける。
- 試験では「食材」「テーマ」が提示され、指定された食材を用いて、テーマに沿った料理を作る。
- 「予備試験」が行われ、試験官が試食し、受験者にテーマと作品の整合性を説明させた上で合否を判断する。合格者は、本試験(人数制限あり)に挑むことが出来る。
- 本試験でも「食材」「テーマ」が提示され、予備試験と同じ要領で作品について説明する。作品の「相互評価」で他者の料理を正当に評価できるかを判断、最後に「自己評価」で自分の料理への自信を確認され、試験官から最終結果が宣告される。
- 特級面点師
- 作品世界における、中華点心の最高位資格である。シェルが有資格者だが、この資格に対する詳細は述べられていない。
- 裏料理界
- かつては梁山泊に法を犯して逃げ込んできたお尋ね者の料理人たちが細々と共同生活をする小さな生活共同体だったが、カイユの手によって料理界の一大勢力となる。
- 料理における裏の世界に暗躍し、伝説の厨具を狙っている。マオたちの旅は、彼らに伝説の厨具を奪われないようにするためのものでもある。
[編集] 物語
- 中華一番!
- 舞台は中国。時代は清朝末期の動乱の最中にある19世紀。四川省の少年、劉昴星(リュウ・マオシン)が特級厨師(中国料理界の最高位)になるために広東省の広州にある陽泉酒家へ修行に赴き、それから様々な料理人と出逢い、成長していく中華料理メインの料理冒険漫画。
- 真・中華一番!
- 創設800年の歴史を持ち、中国料理界に暗躍する裏料理界と、千年前に隕鉄から作られたと伝わる伝説の厨具をめぐってマオと仲間たちが冒険を繰り広げる。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] 登場人物
※ キャラクター名横の(声:)はアニメ版の声優。(『真・~』でも同様)
- リュウ・マオシン(劉昴星)(声:田中真弓)
- 主人公。通称マオ。四川省にある「菊下楼」の料理長パイの子。両親の才能を受け継ぎ、齢十三の最年少で最難関広州の特級厨師試験に合格。予備試験では「麺で国士無双を表現」、本試験では「麺にして麺にあらず」という各課題をクリアした。
- 常人離れした味覚と桁外れの発想力を持つ。
- メイリィ(声:雪乃五月)
- ヒロイン。チョウユの一人娘。マオに好意を持つ。亡き母メイカ(声:木村佳乃)に面影が似ている。
- チョウユ(声:大塚明夫)
- 陽泉酒家副料理長でメイリィの父親。特級厨師。特級厨師試験では、「粥で青春を表現する」というテーマに挑んだ。
- マオがリー提督からの推薦で陽泉酒家に入門する際、その推薦状で鼻をかみ、さらにマオに課した最初の課題でマオが作った「青梗菜炒め」に一切手をつけない(陽泉酒家の通過儀礼)など冷徹な一面を見せるが、マオの成長を願っており、マオの師匠として刀工と火工を叩き込む。強面の大食漢。
- リー提督(声:小杉十郎太)
- 宮廷料理の司膳太監を長年務めた中国料理界の重鎮。一兵卒だった若き日にパイに救われ、マオたちにその日に出された麻婆豆腐を課題に出す。その後マオの資質を見出し、後見人に近い役を買う。マオが餃子兄弟に勝利したときに再会し、特級厨師試験への受験を勧める。(但し、既に彼により出願手続がされていた。)
- カリン(声:引田有美)
- マオの姉。マオのことを非常に可愛がり、マオが修行中のため「菊下楼」を守っている。しっかりした性格だが実は味オンチ(とはいっても、基本的な料理の能力に支障をきたすレベルではないが)。
- パイ(声:吉田理保子)
- マオ、カリンの母。特級厨師にして四川省随一の国営菜館「菊下楼」の料理長を勤め、四川料理の仙女と称された偉大なる料理人。過労で他界。亡き夫も菊下楼の料理長であった。
- 実はかつて、世界を裏から牛耳ろうとした裏料理界と壮絶な死闘を繰り広げたという過去を持つ。
- ショウアン(声:塩屋翼)
- パイが心血を注いで四川省特級厨師にまで育てあげた弟子であったが腕利きの料理人と財産を持ち菊下楼を出て行く。これが原因でパイは過労死してしまう。マオとは昔から犬猿の仲だった。菊下楼の総料理長資格を賭けたマオとの勝負に敗れ厨師の資格を剥奪され四川を追われ裏料理界へと入り異例の大出世を遂げる。上海にて再びマオと対峙し、その卓越した技量を見せるも料理が今は亡き師パイのものであった為に再び敗れ東シナ海にその身を沈めた。
- ちなみに再び現れた時は左目に眼帯を付けていたが、これはアニメから逆輸入したものと作者が述べている。
- アニメは、パイに認められることのなかったショウアンがヤケになり暴れだした時に火傷を負い、その後菊下楼を出て行き、苦悩とともに中国各地を放浪し、やがて上級厨師になって菊下楼に戻ってきたという設定である。
- ルオウ大師(声:石森達幸)
- 陽泉酒家の総料理長。特級厨師。飄々としているが、その技量は今もって健在。広東厨師連合(広厨連)次席でもある。
- タン・サンチェ(唐三傑)(声:阪口大助→岩永哲哉)
- マオの陽泉酒家での兄弟子。怠け者でマオに刀工の仕事を押し付けるが、それは刀工恐怖症で包丁が握れなかったため。自分は料理人にはなれないと諦めていたが、実は夜中に火工の猛特訓をして料理への想いをぶつけていた。陽泉酒家に残留するためマオと協力して青椒肉絲の課題に合格するが、料理人として再出発を図るため上海にある実家の「龍鎮酒家」に戻る。その後刀工恐怖症を見事克服し、上海にて若手料理人のホープと目されるまでに成長。その刀工技術も、刀工超人の異名を持つレオンすら驚愕させる程になる。
- やがて裏料理界の暗躍に巻き込まれる。
- ジャン・バジャール
- フランス料理の名シェフで、フランス領事ブランのお抱え料理人。領事らを前に炒飯とピラフの米料理勝負でマオに敗れ、解雇されてしまった為にマオを逆恨みするようになった挙句陽泉酒家に放火する。アニメでは登場しない。
- 実写ドラマ版では最終的に中華料理の素晴らしさを認めて過去の無礼を謝罪(もちろん陽泉酒家への放火はしていない)、その後マオに加勢したこともあるなど、扱いはかなり異なる。
- ブラン
- フランス領事。バジャールが提案した米料理勝負にてマオの料理を絶賛したが、同時に敗れたバジャールを解雇。これによって陽泉酒家放火事件を間接的に引き起こしてしまうことに…。アニメでは登場しない。
- クァン(声:佐藤正治)
- 広東料理界の絶対権威である広東厨師連合(広厨連)総帥。高級食材や高級料理ばかりしか目を向けず、さらには自分の家族すら料理の味見の実験台としか考えていなかった。それに対し反感を抱いたシュウランに対して料理人の命さえ顧みずに料理を食させようとして結果、多くの料理人を死に至らしめてさえいる。マオの作った粥によって孫娘シュウランが救われ、料理に対する姿勢を改める。驚いてばかりの無能な引き立て役。なお、シュウランの一件はアニメ化されていないので、アニメでは普通の驚くだけの人になっている。
- シュウラン
- クァンの孫娘。祖父をはじめとした広厨連の味の実験台にされて病気がちとなったのを怨み酒以外飲まなくなり、それに対して料理人の命さえ天秤にかけて強引に料理を食べさせようと言う行為にさえ拒絶し、多くの料理人を死に至らしめた。あまりにもの理不尽極まりないストーリーゆえかアニメには登場しない。
- 餃子兄弟:兄カラオ(声:森川智之)、弟アル(声:江川央生)
- 餃子を得意とする湖南省特級厨師で流浪の賞金稼ぎ厨師兄弟。卑劣な手で営業妨害を行うが、料理の腕前は確か(カラオの包丁裁きはチョウユに引けをとらないと評された)で餃子自体はローウェンにも評価されていた。広州餃子大会でマオに敗れ、料理に対する姿勢を改める。広州へは広州餃子大会に出るためにやってきたらしい。『真・~』では最後の方に再登場し、マオに手を貸した。
- 実写ドラマ版では闇料理界の一員で、徹底的に悪役となっている。
- ローウェン大師(声:緒方賢一)
- リー提督より遥か以前に宮廷料理を取り仕切っていたという中国料理界の伝説的権威。現在は中国各地を放浪し優れた料理・料理人を探している。チョウユすらその正体を知り汗を垂らすほどの人物。
- レイカ(声:一城みゆ希)
- 四川の仙女パイと双璧をなす、広東の伝説の女性特級厨師。パイとともに並び称され「四川に仙女パイあり、広東に女虎レイカあり」とうたわれた伝説の女料理人。広東省特級厨師試験の試験官。料理に対して厳しいあまり弟子は一人もいない。なお、タンは漫画ではレイカのことを仙女に対して「女虎」と言っているが、アニメでは「女豹」と言っている。
- ショウチェ
- 「蛇香館」の跡取り。炎の魔術師の異名を取り、火工技術に関しては比類ない実力。しかし2~3コマしか出ず、予選で失格。
- ハン(声:中田譲治)
- 「東江館」の荒武者の異名をとる料理人。ヌンチャクのような包丁と鍛え抜かれた肉体を駆使して作る明快かつ豪快な料理はマオやフェイをも唸らせるが、器量の狭さが仇となる。
- タン(声:古田信幸)
- 「判林酒家」の鉄皿副料理長。その実力はチョウユにも匹敵すると言われるが、発想力が乏しく技術に追いつかなかった。特級厨師試験の常連で今回の試験は3回目だったらしい。親指一本で逆立ちできる。
- タンの所属する「判林酒家」に酷似した名の「伴林酒家」という店が広州餃子大会に登場。またタンが特級厨師試験の際に出した料理の味付けの際に出した秘伝のタレを説明する際に「伴林酒家」となっている(誤植か?)。
- チェリン(声:深水由美)
- 広州料理界の魔女の異名をとる女料理人。奇抜な料理を作るが人間性に問題があり、フェイによってマオに対する妨害と重大な違反行為(ケシの使用等)が暴かれ広州より永久追放。料理人資格をも剥奪された。
- ラン・フェイフォン(蘭飛鴻)(声:置鮎龍太郎)
- フェイ。マオの最大の好敵手。パイに命を救われた過去を持ち、「大同館」に勤めていた。マオとお互いを最大の好敵手と認め合い広州料理界の龍虎と称される。特級厨師試験・菊下楼でのジュチとの対決等でマオにたびたび助言をしている。宮廷料理人である龍厨師、さらには宮廷厨房の副料理長まで登りつめるが、料理人の「位」よりも自らの夢を選んだ。伝説の厨具「迦楼羅刀」を勝手に谷底に投げ捨てるも、後でちゃっかり持って来て使用している。アニメでは設定が異なる。
- シロウ(声:坂本千夏)
- 日本人の母親を持つ混血児。お調子者でトラブルメーカー。料理修行の旅に出ていたマオに出会い、一番弟子として付いて行く。
- シェル(声:家中宏)
- 焼売にかけては大陸一を自負し、ルオウをして「点心作りの若き天才」と称される山西省出身の特級面点師。通称「鋼棍のシェル」。常に鋼棍を携え大陸全土を旅して料理修行し、調理道具でもある鋼棍には料理勝負で倒した一流料理人の数だけ撃墜マークを刻んでいる。さっぱりとした気性の、マオの良き好敵手にして良き理解者。マオ、メイリィ、シロウ、レオンと伝説の厨具を探す旅に出る。
- レオン(声:神奈延年/野田順子(幼少期))
- 元裏料理界の麟厨師。マオよりも前に陽泉酒家で修行し料理修行に出たが、学ぶべきものを見出せずその向上心にかられ裏料理界の門をたたく。ルオウが期待する程の天才。悲劇の七星刀を用い、裏料理界で鍛えた刀工は水牛をも瞬時に解体することから「刀工超人」、「七星刀のレオン」の異名を持つ。使用した食材には成仏を願って霊符を貼る。七星刀にまつわる過去のことを悔やんでいる。マオたちと共に伝説の厨具を探す旅に出る。
- リエン(声:速水奨)
- 仮面料理人。かつてはチョウユと同門の好敵手であったが、ある事件を機にチョウユを憎む事になり、その復讐の為に裏料理界へと入門。やがて裏料理界を抜け出してまでチョウユへの私怨を晴らそうと画策する。
- メイカ(声:木村佳乃)
- チョウユの亡き妻でメイリィの母。リエンが思いを寄せていた人だったが、彼女はチョウユと恋仲にあった。そしてそれが悲劇を招く事に…。
- ウォン・セイヨ(声:龍田直樹)
- 漫画では3回登場する準レギュラー。初登場では三級厨師を福建省の特級厨師と偽り、フカヒレ魔人としてフカヒレの権利を独占し横暴を振るい、2回目の登場では九華山でアワビ魔神と称して、伝説の厨具「魔青銅器」を使用して乾貨のアワビを一瞬にしてもどし、そのスープを高額で農民たちに与えていた。そして3回目にはついに…
[編集] 裏料理界
[編集] 麟厨師
- シャン(声:岡本麻弥)
- "一丈青"の異名を持つ裏料理界の女麟厨師。黄浦江楼麟艦宴席料理決戦を開き、上海料理界に侵攻してきた急先鋒。レオンと同じく血塗られた過去を持つ七星刀を使う。マオたちに上海で敗れた後もいたるところに出没しマオたちの邪魔をし続けるが結果がついてこなかった。なかなか憎めないキャラクターでもある。
- ロウコ(声:天田益男)
- "錦毛虎"の異名をとる麟厨師。裏料理界きっての湯皇帝(スープエンペラー)。煮立ったスープを素手で味見し、豚骨を歯で噛み砕き、豪快かつ繊細に羽毛を捌く巨漢。シャンを「姐さん」と呼び、行動を共にしている。なかなかいいコンビのようだ。だが肝心のスープ対決では、刀工恐怖症克服後初めて対決が描かれたサンチェ相手に、終始圧倒的優位に進めたかに見えたが、課題の真の意図に気づけず敗北。
- ラコン(声:緒方賢一)
- 白羅家最後の末裔にして面点王の異名を持ち、百歳を越える生きた化石。シャンも彼には敬語を使う。白羅家は三国時代、諸葛孔明に仕えて饅頭を考案し、点心の始祖となった一族とされ、梁の昭明太子もその血を引くと言われる(という設定)。シェルとの戦いの後、10年後の再戦の約束を交わし更なる修行の旅に出る。口癖は「ヒョヒョ」。
- リコ
- アルカンに従う女麟厨師、"瓊矢鏃"の異名を持つ。彼とのコンビネーションは抜群である。「神の舌」と呼ばれるほど厳しい舌を持っている。明るい性格でマオ達に対しても馴れ馴れしく接する。アルカンと運命を共にする。
[編集] 五虎星
裏料理界中において最強の五大猛厨師。
- "豹子頭"アルカン
- 五虎星の一人。別名「爆炎厨師」。マオをも凌ぐスケールで炎を扱う火工の達人で裏料理界の精神的支柱。体温が常人の数倍と異常に高いため、大量の竹の水筒を体中に引っ提げ常に水を飲んでいる。その熱気は触れたものが燃える程である。最大の武器は超触覚。衣服が燃えてしまうためか鎧姿。一度目の勝負では、マオと引き分け二度目では自ら敗北を宣言。用済みとしてリコと共にカイユに処分される。パイと対決して引き分けた過去を持つ。
- "飛天大聖"ジュチ
- 五虎星の一人。蒙古族の出であり、銀の長箸を用いての派手な調理法を得意とし菊下楼の臨時総料理長としてマオの前に現れる。何故か関西弁を話す(一人称はワイ)。マオとメイリィを巡る対決をした。過去に高熱に襲われ、その後味覚を失い、裏料理界で生き延びる為に超嗅覚を会得。しかし自分で味わうことの出来ないジレンマからか料理そのものを憎んでいる。
- 実写ドラマ版では大きく設定が異なる。なんとカイユの息子'である上に、ウォン・セイヨの如き役回りで何度か登場している。
- "青眼虎"ミラ
- 五虎星の紅一点。人呼んで「鏡のミラ」。その瞳に映る対戦相手の一挙手一投足を完璧に捉え、寸分違わぬ料理を作り出す。インド人の血を引くスパイスの達人でもある。ゆえに今ひとつの異名は「香辛料女王(スパイスクィーン)」。無表情だったがシェルと勝負し、穏やかな心を持つようになる。ジュチとは仲が良い。
- "浪子"エンセイ
- 五虎星の一人。常に酒を飲んではいるが、山東省の泰山に眠る伝説の厨具「貪狼壺」を一人で手に入れて来るほどの実力者でアルカンは「真の実力は五虎星随一」と評しカイユもまた「底の知れん男」と評す。カイユすら彼の真意を掴んではいない。最大の武器は超聴覚。煮込み・揚げ物が得意らしい。カイユと共に決戦に挑むも仮面女性厨師に敵わぬと察し辞退した。
- "入雲龍"カイユ
- 五虎星の一人。実質的に裏料理界を統括する男。料理で人、国を支配しようと目論み、そのためには手段を選ばない冷酷な男。膨大な知識、優れた五感を備えた彼は入雲龍の異名を持つ。万里の長城において西太后を前に気を用いて究極の毒膳料理「破魔八陣」を完成させるが、マオの母なる太陽球(マザーソーラーボール)に敗北。西太后の周りにある厨具を奪おうとして矢を体中に浴び壮絶な最期を遂げる。子供の頃は周囲からいじめられており、これに対して料理で報復していた過去がある。
[編集] アニメ
1997年4月27日から1998年9月13日まで日曜日夜7時30分~8時にフジテレビ系で放送された。全52話。日本アニメーション製作。
本放送時の時間枠は直前まで世界名作劇場を放送していた事でも知られている。また、日本アニメーションが引き続き製作を担当した。その為、この作品を世界名作劇場の中に入ると思い込む方が多かったが世界名作劇場の中には含まれていない(演出の過剰さから『ミスター味っ子』のオマージュに近い)。
内容は原作「中華一番!」と「真・中華一番!」の両方に準じているが、「ミスター味っ子」のようにあらゆる演出が漫画よりも過剰になっている(例・料理を食べた瞬間背景で津波が発生する、突然「美味」の文字が現れる、宇宙に放りだされる、トリコロールカラーの波でサーフィンをする等)。また、ラストは原作である漫画に追いついてしまったため五虎星とは戦わず、かなり異なる。
プロ野球ヤクルト(まれに横浜・中日=TBS・CBCが中継できない場合)対巨人戦の中継とFNSの日の特番等放送中止や延期で全52話を1年半かけて放送された。最も全52話は1年間放送する数量であり、当時のフジテレビ系列がヤクルト対巨人戦、特番優先の編成を取っていたかが分かる。
なおポケモンショックの影響により、地上波(再放送を含む)ではOPが一部修正された(アニマックスなどのCS放送では修正されずそのまま)。
[編集] スタッフ
- 製作:本橋浩一
- 製作管理:本橋寿一
- 企画:金田耕司
- 監督:案納正美
- 脚本:菅良幸、戸田博史
- キャラクターデザイン:岸義之、二宮常雄
- 音楽:太田美知彦
- 作画監督:谷口守泰、丸山宏一、宮崎なぎさ
- 美術設定:伊藤主計
- 美術監督:森元茂
- 音響監督:藤野貞義
- プロデューサー:小竿俊一
- アニメーション制作協力:スタジオぴえろ
- 制作:フジテレビ・日本アニメーション
- 著作:(C)小川悦司 / 講談社・フジテレビ・日本アニメーション 1997
[編集] 放映リスト
括弧内は放送日。
- 「天才料理少年マオ」(1997年4月27日)
- 「幻の麻婆豆腐対決」(1997年5月4日)
- 「めざせ!特級厨師」(1997年5月11日)
- 「非情!陽泉酒家の掟!!」(1997年5月18日)
- 「伝統を打ち破れ!打倒・陽泉酒家」(1997年5月25日)
- 「火炎料理人・餃子兄弟」(1997年6月1日)
- 「卑劣な罠!追いつめられたマオ」(1997年6月8日)
- 「対決!ドラゴン餃子!!」(1997年6月15日)
- 「夢への挑戦!特級厨師試験」(1997年6月22日)
- 「究極の技!国士無双の麺」(1997年7月6日)
- 「最終決戦!伝説の闘味場」(1997年7月13日)
- 「宿命の天才・美少年料理人フェイ」(1997年8月3日)
- 「完成ナマズ麺!運命の判定」(1997年8月10日)
- 「勝者の証・栄光の紋章」(1997年8月17日)
- 「天才料理少年!?シロウ?」(1997年8月24日)
- 「超ボイン!美人に注意甘い罠」(1997年8月31日)
- 「甦れ!幻のおこげ料理!」(1997年9月14日)
- 「赤の恐怖・幽霊屋敷の秘密」(1997年9月21日)
- 「愛のかけ橋・銀河麺(ギャラクシーメン)」(1997年10月26日)
- 「不幸をよぶ黒い鶏」(1997年11月2日)
- 「大陸一の男!陽泉酒家への挑戦」(1997年11月16日)
- 「撃墜王!標的にされたマオ」(1997年11月30日)
- 「輝け!大宇宙焼売(ビッグバンしゅうまい)」(1997年12月7日)
- 「謎の招待状・仮面料理人の罠」(1997年12月14日)
- 「引き継がれた魂(スピリッツ)・異人館の血戦!!」(1997年12月21日)
- 「最強の切札!あざ笑う悪魔(ジョーカー)」(1998年1月18日)
- 「復讐の最終楽章(グランドフィナーレ)」(1998年1月25日)
- 「友情の野外(アウトドア)料理」(1998年2月1日)
- 「裏からの刺客(ヒットマン)・冷血の天才レオン」(1998年2月15日)
- 「魔性の切れ味!妖刀七星刀!」(1998年2月22日)
- 「四大中華を閉じ込めろ!真鯛大陸封」(1998年3月1日)
- 「氷と炎!激突!!料理人魂」(1998年3月8日)
- 「伝説の厨具!永霊刀の秘密!!」(1998年3月15日)
- 「魔都上海!裏からの宣戦布告!!」(1998年3月22日)
- 「水上大闘味場!鉄腕スープの魔力」(1998年4月19日)
- 「サンチェ特製!冷製煮こごりスープ」(1998年4月26日)
- 「面点王(キング)ラコン!千六百年の鎮魂饅頭」(1998年5月3日)
- 「スーパー点心大激突!究極の裁定!!」(1998年5月10日)
- 「もうひとつの七星刀!謎の美女シャン」(1998年5月24日)
- 「目覚めよレオン!料理人の宿命」(1998年5月31日)
- 「邪剣を砕け!魂の七星刀!!」(1998年6月7日)
- 「復讐鬼ショウアン!!因縁の結末」(1998年6月14日)
- 「マオの実力!大魔術熊猫(マジカルパンダ)豆腐」(1998年6月21日)
- 「衝撃の判定!仙女の手のひら」(1998年6月28日)
- 「長江炎上!ショウアン大海に死す」(1998年7月26日)
- 「シェルを救え!麺のあらし」(1998年8月2日)
- 「魔神降臨!奇跡の魔聖銅器」(1998年8月9日)
- 「天かける星!特製彗星(コメット)炒飯」(1998年8月16日)
- 「闇の迷宮!心をつなぐ一杯の粥」(1998年8月23日)
- 「帝都北京!牙をむく裏料理界」(1998年8月30日)
- 「天才フェイの秘策!ネオ万漢全席」(1998年9月6日)
- 「大逆転!栄光の勇厨師たち」(1998年9月13日)(最終話)
[編集] 主題歌
- オープニング曲
- エンディング曲
[編集] 実写ドラマ
2005年、台湾にて全31話の実写ドラマ(原題:中華小当家[1])が製作され、翌2006年秋には日本でもビデオ化された。
[編集] キャスト
- 阿昴: 蕭正楠(エドウィン・シウ)
- 嘟嘟: 曹議文(ツォウ・イーウン)
- 阿飛: 何潤東(ピーター・ホー)
- 四郎: 沈建宏(ジョン・シェン)
- 蜜糖: 何美鈿(ホー・メイティン)
- 丁油: 岳躍利(ユエ・ユエリー)
- 恩雅: 羅海瓊(ルオ・ハイチォン)
- 狼哥: 関智斌(ケニー・クワン)
- 鉢飯: 妻夫木聡
- 解七: 押尾学
- 紹安: 張羽(チャン・ユィ)
- 蜜蜂:李力持(リー・リクチー)
- 貝仙女: 蓋麗麗(グー・リリ)
- 皇帝: 羅家英(ロー・ガーイン)
- 凱由: 劉建栄(リュー・ジェンルン)
- 蜜拉: 陳怡蓉(タミー・チェン)
[編集] スタッフ
- 監督:李力持(リー・リクチー)
- 脚本:ヤン・ガン
[編集] 外部リンク
- アニメ版
- 作品紹介 中華一番! - 日本アニメーション内のページ
- 実写ドラマ版
- プライムウェーブ(日本における作品販売会社) - 商品情報
- ^ 新浪網特集頁 南方衛視登場人物紹介頁 (中国語)
[編集] 番組の移り変わり
フジテレビ 日曜19:30の枠(当番組まで日本アニメーション制作のアニメ枠) | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
中華一番!
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