三菱ふそう・ローザ
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ローザ(Rosa)は、三菱ふそうトラック・バスが製造するマイクロバスである。
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[編集] 概要
特定バス、小型バス、ロケバス、キャンピングカーのベース車として使われており、マイクロバスでは唯一1987年にグッドデザイン賞を受賞した車両である。また、トヨタ・コースターに短期間だけ設定されていた高機動仕様や日産・シビリアンに設定されていたエルフの4WDシャーシを流用した仕様を除けば、世界で唯一四輪駆動モデルがラインアップされているマイクロバスである。
[編集] 歴史
[編集] 初代(1960-1973年)
- 新三菱重工業(現在の三菱重工業及び三菱自動車工業)製の「三菱ローザ」(1960年発売)と三菱日本重工業(現在の三菱重工業及び三菱ふそうトラック・バス)製の「ふそうライトバス」(1963年発売)が、三菱三重工合併(1964年)後に統合されて「三菱ふそうローザ」となった。(当時のブランド名は、新三菱重工業が「三菱」、三菱日本重工業が「ふそう」であった。)
[編集] 2代目(1973-1986年)
- 1973年4月 フルモデルチェンジして登場。エンジンは2.7Lディーゼル・80馬力と2.3Lガソリン・100馬力の2種類。
- 1973年9月 4.0Lの6気筒ディーゼル・105馬力を搭載したロング仕様を追加。ローザでは最初で最後の6気筒ディーゼルを搭載したモデルでもある。
- 1979年3月 初のマイナーチェンジを実施フロントグリル変更と後ろのテールランプが丸型から角型になる。2.7Lディーゼルは54年排出ガス規制と同時にクーラー搭載車のコンプレッサの負荷を考慮し3.3L・95馬力に変更。また全車フロアシフト化。
- 1983年6月 3.2Lに120馬力のターボ付追加に伴い4.0L6気筒ディーゼル車は廃止。
[編集] 3代目(1986-1997年)BE4系
- 1986年6月 13年ぶりの全面変更で先にデビューしたエアロバスのデザインを組む流麗なラインになる。拡大されたフロントガラスと左下のセーフティウインド、インパネも人間工学的にレイアウトしたことにより運転環境も大幅に向上。このスタイリングが評価され通商産業省グッドデザイン賞を1987年に日本のマイクロバスで初めて獲得できたモデルでもある。
- 1987年9月 最上級グレードとしてシートピッチをグリーン車と同様に拡大し、更にはテレビとビデオ・冷蔵庫を装備したロイヤルを追加。
- 1988年5月 フロントにFUSOマークが付く。
- 1990年1月 マイナーチェンジで全車角目ライトへ(それまではSTDと幼稚車が丸目4灯式)。最先端フォルムとは裏腹に性能で一歩遅れをとっていたこともありコースターに対抗するため商品力を強化。ターボ車は3.9Lに排気量アップと同時に155馬力に。4.2Lの新型ディーゼル搭載車(4D33)・ローザ初のAT車と4WDを追加。同時に上級グレードにエアサス&フロント独立懸架サスを採用。
- 1995年5月 再度のマイナーチェンジ。フロント周りや内装を変更し、平成6年排出ガス規制(KC-)適合。前照灯にMS8系エアロバスに準じたプロジェクターランプ(但し一部グレードは角目4灯ライト)を採用する。
[編集] 4代目(1997年-)BE6系
- 1997年10月登場。全車丸目4灯ヘッドライトを採用する。一部に新開発であり、クラス初の直噴DOHC16バルブディーゼルエンジン(4M50)を搭載する。マイクロバスでは初めて運転席エアバッグが設定された。パーキングブレーキレバーは、最近では、珍しくステッキ式を採用している。
- 1998年9月スーパーロングボディ追加。乗車定員30人以上の場合はマイクロバス扱いではなくなり、非常口が設けられる。
- 1999年5月一部改良。平成10年排出ガス規制(KK-)適合。
- 2001年5月一部改良。平成12年騒音規制適合。
- 2002年6月CNG車追加。
- 2005年10月マイナーチェンジ。新短期規制、灯火器規制適合。車名ロゴがROSAからRosaに変更され、ロゴの位置もフロントから側面に変更された。最上級グレード「スーパーロイヤル」が消滅した。
- 2007年4月27日マイナーチェンジ(発売は7月3日)。フロントバンパーとフロントグリルの変更により、外観が大きく異なっている。また、平成17年排出ガス規制(PDG-)に適合するなど、環境面に配慮した設計となっている。エンジンは、4M50T4(110kW / 150PS)と4M50T5(132kW / 180PS)の2種類が設定され、幼児用には4WD車の設定も行われた。
行先表示器取付改造仕様(下北交通) |
[編集] ボンネットバス
4代目ローザではフロントエンジンの構造を利用して運転席の位置を後退させ、レトロ調のエンジンフードをかぶせたボンネットバスをCXベースの改造車扱いで設定している。クラシックなデザインを採用することが多く、主に観光地や古い街並みを走る路線バスに使用されている。
[編集] リコール騒動
なお、三菱ふそうリコール隠しによる国土交通省の制裁措置により、2004年9月1日から発売が中止されていた。2004年9月28日に型式審査が完了し、国土交通省から販売を許可されたため、同年10月下旬に販売を再開した。
[編集] 競合車種
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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