ルノー・スポール
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ルノー・スポール(Renault Sport)は、フランスの自動車会社、ルノーのモータースポーツ部門。
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[編集] 設立の経緯
会社発足以降、1900年代から技術の向上を目的にモータースポーツへの参加を積極的に行っており、第二次世界大戦後もアルピーヌやゴルディーニなどのチューナーを通じてル・マン24時間レースやラリーなどに積極的に参戦していた。
しかし、独立したモータースポーツ専門部署を持たなかったルノーが、1973年に、それまで準ワークスチーム的存在であった名門チューナー・アルピーヌを買収し、アルピーヌの本社および工場があったディエップを本拠地としたモータースポーツ関連子会社として設立された(なお、それに先立つ1969年にゴルディーニもルノーに買収されている)。
また、モータースポーツで培った技術を市販車にフィードバックさせ、エンジンやサスペンション、トランスミッションなどを独自にチューンした「ルノー・スポール」バージョンを製作している。
[編集] 活動
以来、F1やル・マン24時間レースなどの耐久レース、ラリーなど様々なカテゴリーで常にトップクラスの活躍を繰り広げ、2005年と2006年には2年連続でF1のコンストラクターズタイトルを獲得するなど、様々なカテゴリーで数々のタイトルを獲得している(2005年と2006年にF1のタイトルを獲得したルノーF1チームは旧ベネトン・フォーミュラ1を買収して社名変更した法人であり、ルノー・スポールとは同じルノー・グループ内であるが別法人である)。
[編集] ルノーF1チーム
→ルノーF1を参照
[編集] フォーミュラカーレース
フォーミュラカーについてはF1以外にも、初級フォーミュラの「フォーミュラ・ルノー」や、中級フォーミュラの「ワールドシリーズ・バイ・ルノー」(2005年にフォーミュラ・ルノー・V6ユーロカップとワールドシリーズ・バイ・ニッサンが統合され発足)を各国で展開している。古くからF3へのエンジン供給による参戦も続けている他、F1の次に位置するカテゴリーであるGP2にもエンジン供給を行っているなど、ヨーロッパのモータースポーツにとって欠かせない存在となっている。
[編集] 耐久レース
1950年代からアルピーヌやゴルディーニなどのチューナーを通じ、4CV、A110やA210、A441などでル・マン24時間レースに参戦し、数回クラス優勝していたが、1978年にターボエンジンを採用したアルピーヌ・ルノーA442B(ディディエ・ピローニ/ジャン-ピエール・ジョッソー組)でポルシェ935や936などの並み居るライバルを破り、念願の総合優勝を飾った。
その後もル・マン24時間レースなどの耐久レースには、エンジンの供給やプライベートチームの参戦のサポートなどを通じ参戦を続けている。
[編集] ラリー
1950年のモンテカルロ・ラリーでの4CVのクラス優勝以降、1960年代後半から1970年代前半にかけて、ルノー8をベースにアルピーヌが製作したアルピーヌ・ルノーA110や、ゴルディーニが手を加えたルノー8・ゴルディーニが世界中のラリーで大活躍した。特に1971年のモンテカルロ・ラリーでは、前人未到の1-2-3フィニッシュを達成した。その後も1970年代後半から1980年代中盤にかけて、「フランスの英雄」とまで言われた伝説的ドライバー・ジャン・ラニョッティがドライブする5ターボが数回優勝を飾るなど大活躍した。現在は、WRCジュニア世界選手権(JWRC)にクリオで参戦している。
また、ルノーのエンジンを搭載した「シュレッサー・バギー」がパリ・ダカールラリーで1999年、2000年に連覇を達成している他、トラック(カミオン)部門でも上位入賞の常連となっているなど、耐久ラリーでも存在感を見せている。
[編集] ワンメイクレース
5ターボやクリオ、メガーヌなどの市販モデルをベースにしたレーシングマシンによるワンメイクレースを古くから行っており、ルノー・スポールの主催で、ヨーロッパ各地で1990年代後半にはスパイダー(レーシング仕様)による「スパイダートロフィー」を、2005年からはメガーヌをベースにしたミッドシップマシンによるワンメイクレース「メガーヌトロフィー」を開催している。
[編集] 若手ドライバー育成
古くから若手レーシングドライバーの育成に力を入れており、ルノーの後援を得てその後F1にキャリアアップしていったドライバーは、元F1ワールドチャンピオンのアラン・プロストやルネ・アルヌーなど数多い。
また2002年には、新たに「RDD(ルノー・ドライバーズ・ディベロップメント)」という育成プログラムを発足させ、フォーミュラ・ルノーやF3などへの参戦支援などを通じて、より充実した体制で若手レーシングドライバーの発掘と育成を行っており高い評価を得ている。
[編集] 市販車
[編集] 「ルノー・スポール」バージョン
モータースポーツで培った高い技術を市販車にフィードバックさせ、エンジンやサスペンション、トランスミッションなどを独自にチューンした「ルノー・スポール」バージョンを、本社所在地のディエップ工場で製作している。現在はメガーヌ・ルノー・スポールが生産・販売されており、モータースポーツで培った高い技術を市販車にフィードバックさせることにより、ルノー車全体のイメージ向上に寄与している。
[編集] 販売中の車種
[編集] 過去に販売された車種(一部)
- ルノー・スポール・スパイダー
- ルノー・クリオ・ルノー・スポールV6
- アルピーヌA610
[編集] ルノー・クリオ(II)「プレイステーション2バージョン」
ルノー・クリオ・ルノー・スポールの「プレイステーション2バージョン」が2004年にヨーロッパで限定発売された。シートに「PS2」のロゴが刺繍で入るほか、フロントサイド部分にもロゴが入る。なお、ルノー・クリオ・ルノー・スポールは、プレイステーション2のソフト「グランツーリスモ4」内でドライブ(プレイ)することが出来る。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
[編集] ルノー
- ルノージャポン
- Renault(フランス語/英語)
- ルノーF1チームワールドチャンピオン記念サイト(日本語/フランス語/英語など)
- L`atelier renault(フランス語/英語)