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ラーメン発見伝 - Wikipedia

ラーメン発見伝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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ラーメン発見伝は、ビッグコミックスペリオール誌で連載中の、ラーメンを題材としたグルメ漫画である。原作:久部緑郎、作画:河合単。

目次

[編集] 概要

ラーメン王でフードライターの石神秀幸が原作協力している。基本的に単発ストーリーで、ラーメンレシピの改良、ラーメン店経営の問題点とその解決、創作ラーメンの開発や対決などがテーマとなっている。単行本はこれまでに21巻(2008年2月)まで発売されている。また、テレビドラマ化もされた。 単なる“おいしいラーメン”を製作する事を目的とする趣旨ではなく、「コスト」「立地条件」「サービス」等“騙し無しでビジネス的に成功するラーメン店”を目指す事に物語の重点を置くあたりが、他のグルメ漫画と一線を置いているが、香味油への過度の依存、ラーメン屋は料理人としての技量(経験や他の料理ジャンルでの修行経験等)よりもセンスや斬新な発想が大事など、偏った描写もあるため疑問を呈する読者も多い。これらは、ラーメンに関する部分は全体的に、良くも悪くも、原作協力の石神秀幸の考え方が強く作品に反映されているためと思われる(主人公、藤本浩平にはラーメンマニアとしての石神秀幸、ライバル、芹沢達也にはフードコンサルタントとしての石神秀幸の考え方がそれぞれ象徴的に語られているとも言える)。

[編集] あらすじ

昼は落ちこぼれ商社マンの藤本浩平は、夜はこっそり副業でラーメン屋台を引きながら、自分独自のラーメンを開発していずれ店を開くという夢を持っている。社内でただ一人藤本の秘密を知る同僚OLの佐倉祥子は、そんな藤本を応援していた。あるとき、大阪支社より転任してきた新しい上司の四谷課長が、社内でラーメン関連の事業を推進し始めたことにより、ラーメンへの造詣が深い藤本と佐倉が抜擢され、中心メンバーとして事業開発を任されるようになった。そんな中、ラーメン評論家の有栖涼や、繁盛ラーメン店主の芹沢達也などと知り合うことになり、藤本のラーメン追及の道は大きく広がっていった・・・。

[編集] 登場人物

[編集] ダイユウ商事

藤本浩平(27歳)
本作の主人公。営業一課に勤務。会社ではやる気のないダメ社員で通っている。ラーメンへの造詣が深く、作品途中で出演したテレビ番組でラーメンマニアキングの称号を獲た。
狭いテーマを与えられてのラーメン創作、既存のラーメンの問題点の解決などには強いが、漠然としたテーマの下では無難なラーメンを作ることが多い。またオペレーションや原価管理、安定した材料の確保など、経営面での考えはまだまだ甘い。
夜は屋台を引いてラーメン修行、自分の味を探している。以前は有名になる度に屋台を出す場所を変えていたが現在は万福寺公園に定着している。
ラーメンマニアキングの賞金を得て以降、キャバクラ通いにはまっている。
佐倉祥子(23歳)
藤本の同僚で、本作のヒロイン的存在。非常に優秀なOLで、社内でもラーメンマニアとして知られている。藤本の屋台の副業のことも知る理解者であり協力者。藤本にそことなく惹かれている。
インターネットや情報誌などから情報を集めて有名店に関しては詳しいが、青森(津軽ラーメン)や和歌山のご当地ラーメンについて知らなかったり、他のキャラクターは気付いた味の差異等(藤本の屋台での麺の違いなど)に気付かなかったりと、ラーメンに関して有能な面を見せるシーンはあまり無い。
四谷匡史(40歳)
藤本の上司、営業一課の課長。大阪支社から赴任してくる。一見ボンヤリしている風で、実は切れ者。藤本の実力(正体)を見抜いているらしい。
自然食レストランチェーンやラーメン博物館などのプロジェクトを立ち上げる。
博多の出身で、博多ラーメンには並々ならぬ強い拘りを持つ。
葉月玲(32歳)
藤本の上司の主任。歯に衣着せぬクセのある性格の女性で、藤本とは何かと対立しやすい。ラーメンの知識は少ないが、飲食店事業についてのノウハウは藤本より経験豊富。
辻井信一(34歳)
営業一課の係長。グータラ社員の藤本に対しては常に厳しく当たるが、残業で居残る部下達に夜食を奢るなど他の社員に対しては普通の上司のようだ。
口が軽くしばしば舌禍事件を起こす。また知り合いが抱えるトラブルを安請け合いし藤本に解決を丸投げすることも多く、ここから物語が始まるパターンも多い。
第一六九話で仙台にある東北支社の営業課長として赴任して行った。
米原信一(22歳)
営業一課に配属されてきた新入社員。山形出身。巨漢でそれに見合う筋力にも恵まれている反面、気は小さく頼み事を断れない性格。その巨体のせいで市販品では気に入る服が無いことから自分で編んで着ている。コーヒーやワインには拘りを持っている。
内藤義剛(40歳)
自然食レストランチェーン「大地」1号店の総支配人。
大島敏彦(45歳)
営業一課の元課長。第一話で福島支社に次長として赴任して行った。
中村
藤本の同僚。塩の仕入れを担当している。
柿原静夫(52歳)
経理部部長。知り合いのラーメン店の相談を藤本と佐倉に持ち掛ける。
赤堀孝二(32歳)
経理部。新入社員の頃の藤本の教育係だった。兄が始めたラーメン屋の相談を藤本に持ち掛ける。

[編集] ラーメン業界の人びと

芹沢達也(42歳)
繁盛ラーメン店「らあめん清流房」の店主で、フード・コーディネーター。冷徹で皮肉屋だがリアリストでもある。スキンヘッドの異貌。高層マンションで優雅な暮らしをしている。
色々な場面で藤本と創作ラーメン対決をすることが多い。藤本をラーメンマニアとして馬鹿にしてからかいつつも内心では実力を評価しライバル視し、その対決の中で自分を磨いている。
開業当初は理想のラーメンを出しながらも客に理解されず、不渡りを出して店を潰し掛ける。舌バカな客でも分るコッテリ味の“濃口”を編み出してからは繁盛店に。それ以降は一握りの味の分るお客に理想の味を提供する為に、味の分らない客に情報を食わせて金を稼ぐというスタンスを貫いている。
岩下大輔(30歳)
「らあめん清流房」の新支店の店長。芹沢によると、努力家で教えた仕事は完璧にこなすが、柔軟な発想力や斬新な創造力にはやや欠ける。藤本と“画期性に溢れた麺”対決し、トウガラシとトマトを練り込んだ麺を作った。
小池さん(40歳)
藤本や佐倉と懇意の「ラーメンこいけ」店主。脱サラ組であり、藤本のよき協力者。独身。モデルは『オバケのQ太郎』他の小池さん
藤本がラーメンを作れることを会社に内緒にしている都合上、創作ラーメン対決などの時は実際の調理は小池さんが行っていることになっている。
松永鳴人
あだ名はナルト。「ラーメンこいけ」のアルバイト店員。大卒で就職浪人し紆余曲折の末にこいけで働くことに。喧嘩っ早い性格。
津田良太(28歳)
「どんたく亭」東京支店の店主。気弱な性格。東京の嗜好に合わせて本店の味を改良したトンコツ醤油ラーメンを作り出す。
津田大造(58歳)
「どんたく亭」博多本店の店主。良太の父親。頑固な九州男児。四谷課長は学生時代からの顔なじみ。
片山晋二(28歳)
「東京ラーメン花輪亭」店主。市役所勤めから独学でラーメン屋に転身。気弱で流されやすい性格。他人の意見・発言に影響されて突拍子も無い行動をとる事が多く、それによって起こった問題の解決を藤本に頼みに来る。
過去の奇行
テレビ出演を切っ掛けに営業と称して店を放り出して業界の人間と飲み歩くようになり、ラーメン作りは素人の瞳に押し付けていた為に客離れを起こす。
片山瞳〔旧姓:冴木〕(24歳)
「東京ラーメン花輪亭」のアルバイト。後に店主の片山と結婚。祐介の初恋の相手。片山の起こす騒動にいつも泣かされている。
武田剛三(43歳)
「らーめん厨房どきゅん」の店主。サラリーマンからの転進。学生時代はラグビー部で典型的な体育会系。トラブルが起こったときの解決策はまず腕力。
性格の設定(物語の役割的に)は店名にもあるように2ちゃんねる用語厨房DQN(どきゅん)からきている。
自分と同じ様に腹を空かせた学生たちに腹一杯食べさせてやりたくて母校の近くに大盛りの店を開いた。大盛りが仇になって麺がすぐに伸びてしまう問題が起こったが、藤本のアドバイスで加水率を高めて伸びにくくした。
荒削りながら藤本も認める様な旨いラーメンを作るが、他店のラーメンの味は全く分からないと言い切り、自分が食べる時には胡椒とラー油と酢をタップリ入れないと気が済まない。
大野静夫(34歳)
「大野屋」店主。押しの弱い性格で、ネットバッシングや長居する迷惑な常連客にも何も言えなかった。
天宮研司(21歳)
東大を中退してラーメンの世界に飛び込んで来た。自己顕示欲旺盛。
ワゴン車を改造した屋台で有名店の近所に店を出し、その店の“売り”を見抜いてそこを強化して“明日うまいラーメン”を作るやり方で客を引き付け、あらかた客を奪ったら去って行く。そのやり方が自分に付いた客を蔑ろにする行為だと藤本に喝破され、以後は新しく屋台を置く場所を告知してから去るようになった。
藤本も小池も一度は敗れている。
坂巻慎二
「いわし屋」の店主。オープン直前に急死した兄の遺志を継いで店を開いた。季節のよって変わる食材の扱い方に気付かず、兄の残したレシピ通りの味が出せずに悩んでいたが、ナルトと殴り合いの喧嘩した事が切っ掛けとなり藤本のアドバイスを受ける。その後はナルトとは張り合いながらも良い付き合いをしていて、急用で店に出られない時に代理を任せている。
千葉周児
東京・池袋にある「神麺亭」の店主。妥協なきカリスマ職人。「オレは、経営者である前にラーメン職人だ!!」というほど、ラーメンにこだわりを持っている。ラーメンに関する知識・味覚・経験はどれもハイレベル。
本名は佐々木、「神麺亭」を始めるたを機に千葉周児と名乗るようになった。ラーメン好きが高じて「らーめん佐々屋」を始めたが、ラーメンマニアとトラブルを起こし、ネット上で誹謗中傷を書き込まれ店は潰れた。そのためラーメンマニアを嫌っている。

[編集] その他の人びと

有栖涼
売れっ子のラーメン評論家。藤本や芹沢とは懇意で、二人の対決ではよく審査役を引き受けている。美味いラーメンを食べると「大仏顔」と呼ばれる満面の笑顔をしながら独特な言い回しで味を表現し、美味くないラーメンを食べると「大魔神」と呼ばれる怒髪天を突くような形相をする。
祐介
藤本の屋台を始め「こいけ」や「花輪」などの常連の小学生。両親が共働きの為、夕食は一人でラーメンを食べていることが多い。
かなりのラーメンマニアで、その味覚は並みの大人以上に鋭い。ラーメンに点数をつける。
山下次郎
「めんめんネット」というホームページを主宰している。藤本や佐倉も常連メンバー。
G麺
「日本のラーメン屋さん」というホームページの常連。レアなラーメンの情報を収集し、それを自慢することだけを目的にしていて、人気になった「ラーメンこいけ」をバッシングで潰そうとした。
白木雪山
北海道在住の直樹賞作家。料理関係の本も出していて食通として知られる。
岡田勉(36歳)
「ダルマさん岡田勉のラーメン天国」という人気サイトの主催者。芹沢に心酔していてサイトは「清流房」の宣伝ページの様になってしまっている。ラーメン通として持て囃されることだけが生き甲斐の落ちこぼれ銀行員。
陳明亮(チェン メンリャン、58歳)
中華料理店「陳龍亭」店主。台湾人。カッとなると口より先に手が出るタイプ。中華料理の腕は確か。
陳凱祥(チェン カイシャン)
台湾人。日本の大学に留学中にラーメンにはまり、台湾で日本のラーメンの店を出す夢の為に家出し「こいけ」でアルバイトを始める。
父親は台湾で有名な牛肉麺(ニュウロウメン)の店主。陳明亮の甥。
日本で暮らすうちに日本人の味覚に慣れ、台湾人の好む味とのギャップに悩む。
陳晩鐘(チェン ワンジョン、63歳)
「牛肉麺 陳龍」店主。一代で小さな屋台から幾つも支店を構えるまで成長させた。カッとなると無茶をする気質。
葛西大吾(52歳)
「日式拉麺KASAI」店主。元ダイユウ商事の社員で四谷の先輩。台湾に惚れ込んでダイユウ商事を退社して移住した。
日式拉麺のブームに乗って、ダイユウ商事との共同出資でのチェーン展開を提案してくる。
高品定雄
食通としても有名な人気作家。「大地」で配布する小冊子に載せるエッセイの執筆をする。形式的なレンゲ不要論者だったが改めた。
貴島隆一郎(58歳)
日本でも一、二を争う有名な料理評論家。ラーメンを低俗なものと見下している。とくに有栖涼を嫌っている。大して美味しくない店から顧問料を取って雑誌やテレビで紹介するなどしている。
斉木博(24歳)
「清流房」のメインバンク・中里信用金庫の担当者。ラーメンマニアで、チラシ配りなどを手伝うほどに芹沢のラーメンの理解者であったが…
黄家輝(ウォン カーフェイ)
香港で中華食材の貿易商を営む。ダイユウ商事と取引を始める。

[編集] 作中に登場する店・会社

[編集] ラーメン店

高津家
最初に開業した時は最高級の材料を惜し気もなく使い、寝る間も惜しんで24時間煮込んだ妥協無いスープを作っていたが潰れてしまう。
10年経って復活したが、その時には材料のランクを落とし、煮込み時間は8時間に短縮し、更に業務用スープで倍に水増ししていた。それでも雑誌にも紹介され、一日600食を売る店として大繁盛するようになった。
藤本にスープ勝負を挑まれ水増し無しのスープで臨んだが、10年前のレシピを再現した藤本に敗れる。
ラーメンこいけ
東京醤油ラーメンの店。自家製麺。周りの人のアドバイスに左右され続けた結果、個性の無い味になってしまい有栖涼の「大魔神」顔を受けてしまう。藤本のアドバイスで、元の個性、煮干しを強調した味に戻す。
藤本が創作ラーメンの試作を行うときはここの厨房を借りることが多い。
人気を取り戻してからは行列が絶えず、一時「行列が邪魔でうちの店に客が来なくなる」などの理由で近隣の商店との間のトラブルに発展したため、現在は客を店の前に並ばせず、順番が来たら携帯電話で呼び出す方式を採っている。
ラーメンかやま
細麺にアッサリ醤油スープのラーメン店で、藤本は大学の頃によく通っていた。
かつては丁寧な仕事がされたスープや具で行列の出来る店だったが、店主の加齢と共に麺茹で技術が衰え閑古鳥が鳴くようになってしまった。
藤本のアドバイスで自動麺茹で機を導入し昔の味を取り戻す。
らあめん清流房
芹沢が店主を務める行列店。ダイユウ商事の近所など何店も支店を出している。
高知の水産加工会社に特注して作らせた鮎の煮干しが売り。鮎の清涼な風味の活きた“淡口”とニンニクを揚げた牛脂(ヘット)を加えた“濃口”がレギュラーメニューで、その他にも創作メニューを定期的に出している。藤本の考案した”ネギ油らあめん”もメニューに加えている。
秋来軒
15年前に先代店主の急死によって閉店していたが、息子の矢沢伸一が復活させる。
ショウガの香りが効いたオーソドックスな東京醤油ラーメン。先代の頃は時代に合わせてスープが弱かったが、二代目によって現代に合った強さに改良された。
まんぷく屋
佐倉の友人の夫が始めた店。安さが売りでチャーシューメンでも500円と安価。
塩漬けにした豚肉をスープで煮る技法を藤本に教えて貰う。
どんたく亭
博多に本店を構えるトンコツラーメンの老舗。東京に支店を出す。
本店では典型的なトンコツラーメンを、東京支店では更に鶏ガラや煮干しも加えたトンコツ醤油ラーメンを出している。
旭川ラーメン莫水
典型的な旭川醤油ラーメンの繁盛店。マスコミを巧く(汚く)利用して宣伝している。
札幌ラーメン味噌太郎
味噌ラーメンの構造的欠陥の為、旭川ラーメンに押されて閑古鳥が鳴いていた。
莫水に乗せられてテレビで対決をすることになるが、藤本のアイデアで味噌だまりを使って改良したラーメンで勝利する。
勝福亭
ウドン張りの極太麺を使った老舗店。店主が高齢で引退することになり、二人の従業員を競わせて後継者を選ぶことに。辻井係長が学生時代から通っていた。
東京ラーメン花輪亭
カツオブシを強調した魚介系ラーメンの店。テレビで紹介される程度には有名店だが、店主の突拍子も無い行動で客の入りの変動が激しい。
支店は1軒。3号店も出すが従業員とトラブルを起こして譲渡する。
らーめん かもめ軒
自家製の白菜漬けが隠れた名物。塩ラーメンのタレはその白菜漬けの汁を使って仕込み、不思議な酸味と甘味が加わっている。
小池のサラリーマン時代の同僚だった鴨下由江が、亡くなった旦那の跡を継いで切り盛りしている。
らーめん厨房どきゅん
普通の2倍ほどの麺に山盛りの野菜炒めと超大盛り。食べるのに時間が掛かっても麺が伸びにくいように加水率は高め。近年のデカ盛りブームにも乗って人気が上昇中で、店内でしばしば「どきゅん as No.1!」のコールが起きる。
大野屋
魚介系、動物系の旨みが双方強烈な準コッテリ系の味。同じ業者に依頼したため店の雰囲気がらあめん清流房に似ている。
創作らあめん百彩
ラーメン専門店風な見た目だが、業務用スープを使うなど味はイマイチ。開店記念の半額セールで客を集める。
日式拉麺KASAI
台湾で繁盛している日式拉麺の店。台湾人の味覚に合わせてスープにはコクが無く、麺は柔らか過ぎる。
桂楽
ダイユウ商事の近くにあるラーメンと定食の店。店主は坂井滋吉(58歳)。オフィス街にあるすすぼけた店で出前が生命線だが、出前の宿命で伸びてしまう麺とぬるくなってしまうスープの為、本来の旨さが消えてしまって注文も減る一方だった。藤本にスープと麺を別々にして運ぶ方法を教えてもらう。
らーめん堤
イタリアンレストラン「ロマーニャ」の副料理長を務めていた堤孝哉が開いた店。トマトを煮詰めたものをタレに入れた東京醤油ラーメン。
ラーメン龍水
超高級懐石「八蝶」の料理長が直にお客の反応が見たくて始めた店。昆布をパウダー状にして直接醤油ダレに入れたトンコツ醤油ラーメン。
らあめん大政
つけ麺で評判の店。
らーめん緑風
テレビや雑誌でよく紹介されるアッサリ醤油ラーメンの有名店。スープ切れで定時よりも1時間以上早く閉店することが多い。
ラーメンまゆみ
アッサリ醤油ラーメンの店。肉じゃがやヒジキの煮物などのお惣菜を並べ、お腹一杯食べたい地元客を掴んでいる。一時はネット上でも評判になったが、常連のラーメンマニアの意見に振り回されてお惣菜を止めたり味もおかしくなって客足が減っていた。
麺砦
金華ハムやマグロ節を使った限定ラーメンで行列を作る店。店主は鮫島貴史(48歳)。マスコミに煽てられ天狗になり店員共々横柄な接客態度になったことがある。藤本と祐介にネギの使い方に指摘を受ける。
さがら亭
サバ節とカツオ節を使ったダブルスープ方式の魚介系ラーメンの店。店主は相良直也(34歳)。天宮に勝負を仕掛けられたことがある。
たなか亭
鎌倉にあるアッサリ醤油ラーメンの老舗。暖簾分けした支店が東京にオープンした。
ポーク軒
いわゆる“背脂チャッチャ系”の店。かつては繁盛していたが時代の流れと共に薄っぺらいスープにクドい脂だけのラーメンとなって流行らなくなっていた。新潟の取材の中で燕三条流・豚脂ラーメンを手本に改良された。ナルトの友人の実家。
八吉屋
新潟市内の創業44年の老舗。店主は景浦徳二(79歳)。28番の切り歯(素麺で30番)を使った超極細麺に鶏脂(チーユ)を浮かせたアッサリ醤油ラーメン。
ひよどり
新潟県西蒲原郡巻町、郊外らしく広い店内。店主は島山寿明(61歳)。塩辛い位に濃厚な味噌ラーメンを、カツオ節で取った割りスープで好みの濃度に調整して食べるスタイル。
赤島食堂
新潟県長岡市。店主は赤島平太(58歳)。思い切りショウガを効かせた長岡流・ショウガ醤油ラーメン。
剛州飯店
新潟県燕市。店主は城源治(56歳)。真っ黒な醤油スープに超極太平打ち麺、背脂・腹脂を中心に豚の様々な部位の脂を乗せた燕三条流・豚脂ラーメン。
「大地」で行う日本海フェアに協力した。
らあめん大河
ダイユウ商事が手掛けるラーメンチェーン店。「大地」の為に考案した醤油・味噌・塩ラーメンを改良して出している。新東京駅の地下街にサテライト店をオープンさせる。オープン当初は厨房の作業能力と客席数のアンバランスさのせいで、客を待たせ過ぎて客足を遠のかせる羽目に陥っていた。
サイドメニューとして「大地」で作った無農薬野菜のヘルシーギョーザとベトナム風の味付けのエスニックシューマイを出している。
麺 朱雀
「大河」のすぐ近くにあったラーメン店。店主は猿田秀吉(45歳)。芹沢がリニューアルをした。出しているラーメンは「大地」の為に考案した醤油ラーメン。
「大河」との競争に苦戦し芹沢に再プロデュースを依頼、7種類の香味油を使った7種の味のラーメンを出す。行列も作り「大河」とは互角であったが、店主の暴走で醤油・味噌・塩・トンコツの4種類のラーメンを業務用のスープを使って出してしまい、それまでの常連客さえ失い潰れてしまう。
りんりん
八王子ラーメンの店。甘味の強い醤油スープに辛い玉ネギを乗せている。
松の家
千葉県富津市木更津市周辺の地ラーメン、竹岡式の店。乾麺を小鍋で茹で、茹で湯ごと醤油ダレの入ったドンブリに注ぐスタイル。
いわし屋
煮干しとゲンコツの旨みが重なったアッサリしつつもコクのある醤油ラーメン。季節によって変わる食材の扱い方に気付かずレシピ通りの味が出せずにいたが、藤本のアドバイスを受けて立ち直る。
水麺房
「大地」の支配人・内藤の友人、水上吾郎が脱サラして始めた店。魚介系食材を中心としたアッサリながら奥深いスープを、淡口のこうじ味噌を使った味噌ダレで上品にまとめ上げた味噌ラーメンが看板メニュー。
麺屋 鬼龍
新東京駅の地上部分、「大河」のすぐ近くにオープンした店。製麺所の出来合いの麺、業務用のスープに具、ニンニク油でごまかしたラーメンブームに便乗しただけの店。
きぐち
カツオ節の風味が強く立った醤油ラーメンの店。今ではスープのボディが弱く、オールドタイプの店になってしまっている。
ちくま亭
複雑で奥深い味わいの魚介ダシ系ラーメンの行列店。店主の三木はかつて「きぐち」の常連で、「きぐち」のそれを進化させたようなラーメンを出している。
こってり亭
「清流房」の開店当初、近くにオープンし大繁盛していた店。トンコツの血抜きもアク抜きもせず、化学調味料とラードを多用したトゲトゲしくクドい味。
喜久信
先代・喜久田信三(68歳)が始めた大衆食堂を、2代目・茂(38歳)に代替わりした際にラーメン専門店として再スタートした。様々な旨みが重なった複雑な味わいだが、ごはん物目当てだった客をラーメンだけでは補い切れず売り上げ不振に悩んでいた。藤本のアドバイス(表向きは佐倉のアイデア)でサイドメニューを充実させた。
麺屋すくらむ
武田のラグビー部の後輩二人、高垣と篠田が共同経営で始めた店。藤本の指導の元、甲殻類を活かした味噌ラーメンを完成させた。
七瀬
鶏ガラと煮干しが主体のオールドウェーブなアッサリ醤油ラーメンで古くからの有名店。店の人間とお客が協力的な雰囲気を作り上げている。
みうら亭
清湯(チンタン)スープを謳っただけの、コクも旨みもない薄っぺらい味の店。
赤心亭
店主は赤堀恒一(39歳)。高級料亭「桔梗庵」で20年修行し、和食の店を出す資金稼ぎとの手段としてラーメン屋を始める。コース料理の癖が抜けず、一味抑えた味付けだったためにはやらなかったが、藤本のアドバイスで煮干し油を浮かせたコッテリ醤油ラーメンに改良した。
中華そば 万代軒
しっかりしたボディの醤油ラーメンの店。最近、塩ラーメンも始めた。
白雲亭
和風ダシを主体としたサッパリ味の醤油ラーメンの店。店主は沢渡和也(34歳)。慣習的に置き続けていたコショウのせいで繊細細密な味わいがケシ飛んでしまっていたが、藤本が“料理の味を引き立てる”オリジナルスパイスを考案した。
ドームラン軒
元・読買グレイツのドラフト1位の投手、太田昭彦が引退後に始めた店。トンコツを長時間しっかり煮込んだオーソドックスタイプの博多トンコツラーメン。
博多ばってんラーメン
昔からある博多ラーメンの繁盛店。濃厚スープでインパクト抜群のトンコツラーメン。

[編集] その他の料理店

大地
ダイユウ商事が立ち上げた自然食レストランチェーン。無農薬有機栽培の野菜など、安全面やヘルシーさを売りにした家族向けのレストラン。モットーは「毎日でも食べられる外食」
藤本が考案したトンコツラーメンと味噌ラーメン、芹沢の考案した醤油ラーメン、塩ラーメンがメニューに並び、その他季節ごと、フェアーごとに期間限定ラーメンも並ぶ。
陳龍亭
住宅街の中にある中華料理屋。立地条件から麺類やご飯物を頼む客が多く、近くにオープンした「百彩」に客を取られて苦境に立っていた。
中華料理店に共通した「ラーメンのスープが弱い」という弱点を抱えていたが、藤本のアドバイスで魚介系スープとのダブルスープ方式に改良し、最新の和風ダシ系ラーメンになって評判に。
牛肉麺 陳龍
台湾では有名な牛肉麺(ニュウロンメン)の店。
CC
小池の大学時代の後輩、橋立が始めたカクテルバー。

[編集] 会社

ダイユウ商事
主人公の藤本たちが勤める会社。おそらくは食品関係の商社。自然食レストランのチェーン展開、ラーメン店のチェーン展開、ラーメン博物館などを仕掛ける。
確認できる範囲では、大阪、仙台、福島、青森、札幌に支社を持っている。
赤倉醤油
千葉の醤油会社。有機栽培の国産丸大豆と国産小麦のみを使用した本物の醤油を作り続けている。
自然食レストランチェーン用の醤油を仕入れる。
アサマイ製粉
千葉県M市の製粉会社。赤倉醤油の赤倉社長の勧めで自然食レストランチェーン用の小麦粉を仕入れる。
カムイ味噌本舗
北海道の味噌醸造元。藤本はここで味噌だまりを発見する。
Omachi
新潟のタウン情報誌。藤本の新潟取材を助ける。ラーメンに関する記事は酒井ゆかり(24歳)がほとんど一人でやっている。
中乃島製麺
札幌の製麺所。加水率高めの極太ちぢれ麺を得意とし、濃厚な味噌ラーメンに適した麺として古くから定評があり、この製麺所と取引があることが店の宣伝になる程のブランド麺。
深川製麺
水麺房のすぐ裏手にある零細製麺所。50食から特注麺を受けるフットワークの軽さから多くの名店が取引している。
湘学出版
有栖がラーメンコラムを連載している「週刊EVERYDAY」や「週刊ポット」などを発行している出版社。

[編集] ドラマ

日本テレビにより、2004年10月12日に2時間スペシャルドラマとして単発ドラマ化された。漫画とは登場人物の設定が若干異なる。

[編集] キャスト

[編集] スタッフ

  • 原作:久部緑郎
  • ストーリーサポーター:石神秀幸
  • 漫画:河合単
  • 脚本:羽原大介
  • 原案協力:野村敦司、松田勝洋、林祐一(小学館「隔週刊ビッグコミックスペリオール」編集部)
  • プロデューサー:伊藤響、三瓶慶介、北島和久、大塚泰之
  • 演出:梅沢利之
  • 製作著作:日本テレビ

[編集] カップ麺

2007年5月には日清食品より、本作とタイアップしたカップ麺が発売された。醤油豚骨味と塩味の2種類で、いずれも11巻掲載の「銚子港フェア」で紹介されたラーメンを再現したものとなっている。

[編集] 外部リンク

他の言語


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