ランメルスベルク鉱山およびゴスラーの歴史都市
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ランメルスベルク鉱山およびゴスラーの歴史都市 |
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ゴスラーの町並み | |
(英名) | Mines of Rammelsberg and Historic Town of Goslar |
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(仏名) | Mines de Rammelsberg et la ville historique de Goslar |
登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | 文化遺産(1), (4) |
登録年 | 1992年 |
拡張年 | |
備考 | |
公式サイト | ユネスコ本部(英語) |
ランメルスベルク鉱山およびゴスラーの歴史都市はドイツにある世界遺産である。
ランメルスベルク鉱山はザクセン州南部のハルツ山地の海抜635mの鉱山で、1000年以上前から採掘が行われていた。 ゴスラーはハルツ地方の中心的な都市で、ランメルスベルク鉱山の麓にあり、鉱山の町として栄えた。 ゴスラーの町には歴代の皇帝・王の居留地が置かれ、美しい街並みが形成された。 ヨーロッパ屈指の歴史を持つランメルスベルク鉱山とゴスラーの旧市街は、1992年、ユネスコ世界遺産に登録された。
目次 |
[編集] 歴史
ランメルスベルク鉱山の歴史は銀の採掘から始まった。その後、銅、鉛が採掘され1980年代に鉱脈が枯渇し、1988年閉鎖された。 最近の考古学的な調査によると本格的に採掘が始まったのは13-14世紀頃のようである。 しかし、40kmほどはなれた3,4世紀の遺跡から見つかった金属器にランメルスベルクの鉱山産出の金属が含まれていることが確認され、採掘が始まったのはローマ時代、1000年以上前であると考えられている。 1000年以上の歴史を持つランメルスベルクの鉱山は2700万トンの資源を産出したと考えられている。 鉱山が廃業したあと、鉱山と産業の歴史を示すために博物館が設立された。
ランメルスベルク鉱山のふもとにあるゴスラーは、すでにローマ時代からハルツ地方の主要都市であったと思われる。ロンドンの駐車場の地下で見つかったローマ時代の剣からもランメルスベルク鉱山の金属が含まれていることが確認されており、既にこの頃ゴスラーはヨーロッパ各地と交流があったと思われる。
ゴスラー市は西暦922年、皇帝ハインリッヒ1世により設立された。 11世紀には皇帝色である薄紫色に飾られた皇帝居城がハインリッヒ2世により建設された。 ゴスラーは銀を産出したため、皇帝直轄領だったのである。 その後ゴスラーは神聖ローマ帝国の主要都市となり、皇帝や王が居留した。 オランダから来たウィルヘルム王を最後に、1253年からゴスラーは自由都市となった。ハンザ同盟に加わる。
1530年から1657年の間に魔女狩りで28人が犠牲になった。今では魔女がハルツ地方のマスコットキャラクターとなっている。 19世紀までスウェーデンやフランスに占領されたりするが、20世紀にはドイツの一部となる。第二次世界大戦のあとはイギリスの管理地となった。1960年代、1970年代には民間企業により盛んに採掘が進み町が発展した。 しかし、1988年資源が枯渇し鉱山が閉山すると町は衰退するが、美しい旧市街を訪れる観光客が絶えなかった。
1992年、ゴスラーとランメルスベルク鉱山はユネスコ世界遺産に登録される。
[編集] 観光
もっとも近い空港はハノーファーとなる。ハノーファーからは車で1時間半ほど。またハノーファー中央駅から2時間ごとに直通の快速電車が出ている。乗車時間は1時間半ほど。駅から西に歩いていくと数分で旧市街に入る。観光案内所はマルクト広場のラッツハウス(旧市庁舎)の向いにある。
旧市街はかなり広く、水路が通っていて変化がある。ドイツの伝統的な木筋レンガ構造の民家が建ち並び、ドイツ北部の田舎町としてもっとも楽しめる観光地である。 町のあちこちに美術館・博物館があり、全てを回ったら一日では足りない。
ドイツ北部はアジアからの観光客が少ないので静かに旧市街の散策を楽しめる。
[編集] 登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
- (1) 人類の創造的才能を表現する傑作。
- (4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
[編集] 注記
en:Mines of Rammelsbergを一部参考。著者en:user:217.187.137.236ほか。de:Goslarを一部参考。著者de:user:Nephelinほか。
[編集] ギャラリー
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