メル・オット

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メル・オット（Melvin Thomas Ott, 1909年3月2日 - 1958年11月21日）は、1920～1940年代のアメリカ・メジャーリーグの選手。主なポジションは右翼手。ルイジアナ州グレツナ生まれ。右投げ左打ち。ニックネームは、"Master Melvin"（マスター・メルビン）。17才でメジャーデビューし、22年間ジャイアンツ一筋で活躍、通算511本塁打を放った。

目次 1 経歴 2 所属球団 3 年度別打撃成績 4 獲得タイトル・記録 5 監督としての戦績 6 特筆・エピソード 7 出典・外部リンク

[編集] 経歴

1926年に、当時のニューヨーク・ジャイアンツと17才で契約し入団。異例の若さでデビューした彼は、「ボーイ・ワンダー」としてファンの目を引く存在になる。5フィート9インチ (約175cm)、170ポンド (約77kg)と、さほど恵まれていない体格だったが、3年目の1928年には、18本塁打、打率.322をあげ、長距離打者としての真価を発揮し始める。

オットはその後、日本で言う「一本足打法」（投球前から足を上げて構えるスタイル）で本塁打を量産、1929年に自己最高の42本塁打を打ったのを皮切りに、1932年には初の本塁打王を獲得し、以降1936-1938の3年連続を含む、6回の本塁打王に輝いた。また選球眼もよかったのか、リーグ最高出塁率を記録したことが4度、四球数（記録はないが、敬遠を含むと思われる）がリーグ最多となったのが6度ある。1936年以降は、シーズン100四球以上を7年連続で記録していた。

1945年、ナショナルリーグの打者としては初めて500本塁打に到達、翌年からはほぼ監督に専念し、1947年に現役を引退した。

ジャイアンツの監督引退後は、1955年から1958年まで、主にデトロイト・タイガースの試合の中継に関わっていた。1949年に、彼の背番号『4』が、ジャイアンツの永久欠番に指定されている。1951年、記者投票によりアメリカ野球殿堂入り選手に選出された。1958年、ルイジアナ州ニューオーリンズにて交通事故死。享年49。

[編集] 所属球団

• ニューヨーク・ジャイアンツ (1926-1947年)

[編集] 年度別打撃成績

年度	チーム	試合	打数	得点	安打	二塁打	三塁打	本塁打	打点	盗塁	四球	三振	打率	出塁率	長打率
1926年	NYG	35	60	7	23	2	0	0	4	1	1	9	.383	.393	.417
1927年		82	163	23	46	7	3	1	19	2	13	9	.282	.328	.380
1928年		124	435	69	140	26	4	18	77	3	52	36	.322	.389	.524
1929年		150	545	138	179	37	2	42	151	6	113	38	.328	.442	.635
1930年		148	521	122	182	34	5	25	119	9	103	35	.349	.444	.578
1931年		138	497	104	145	23	8	29	115	10	80	44	.292	.391	.545
1932年		154	566	119	180	30	8	38	123	6	100	39	.318	.422	.601
1933年		152	580	98	164	36	1	23	103	1	75	48	.283	.365	.467
1934年		153	582	119	190	29	10	35	135	0	85	43	.326	.414	.591
1935年		152	593	113	191	33	6	31	114	7	82	58	.322	.404	.555
1936年		150	534	120	175	28	6	33	135	6	111	41	.328	.441	.588
1937年		151	545	99	160	28	2	31	95	7	102	69	.294	.405	.523
1938年		150	527	116	164	23	6	36	116	2	118	47	.311	.440	.583
1939年		125	396	85	122	23	2	27	80	2	100	50	.308	.439	.581
1940年		151	536	89	155	27	3	19	79	6	100	50	.289	.403	.457
1941年		148	525	89	150	29	0	27	90	5	100	68	.286	.399	.495
1942年		152	549	118	162	21	0	30	93	6	109	61	.295	.413	.497
1943年		125	380	65	89	12	2	18	47	7	95	48	.234	.388	.418
1944年		120	399	91	115	16	4	26	82	2	90	47	.288	.421	.544
1945年		135	451	73	139	23	0	21	79	1	71	41	.308	.410	.499
1946年		31	68	2	5	1	0	1	4	0	8	15	.074	.167	.132
1947年		4	4	0	0	0	0	0	0	0	0	0	.000	.000	.000
通算成績		2730	9456	1859	2876	488	72	511	1860	89	1708	896	.304	.410	.533

[編集] 獲得タイトル・記録

• 最多本塁打：6回 （1932年、1934年、1936年～1938年、1942年）
• 打点王：1回 （1934年）
• 最多得点：2回 （1938年、1942年）
• 最高出塁率：4回 （1930年、1932年、1938年、1939年）
• ワールドシリーズ出場：3回 （1933年、1936年、1937年）
• オールスターゲーム出場：12回、12年連続 （1934年～1945年）
• ダブルヘッダーで、二試合で6四球という、ナショナルリーグ記録を持っている。（1929年10月5日、1944年4月30日）
• MLBオールセンチュリー・チームにノミネート（1999年）
• 史上最年少で500打点到達（24歳74日）

[編集] 監督としての戦績

• 所属：ニューヨーク・ジャイアンツ （1942年～1948年）
• 戦績：1004試合、464勝530敗、勝率.467、リーグ最高順位：3位 （1942年）

[編集] 特筆・エピソード

• 2006年に、メル・オット、ミッキー・マントル、ハンク・グリーンバーグ、ロイ・キャンパネラの肖像が4枚一組になった切手シートが全米で売り出された。
• オットはお人好しだった性格で、そのために監督としての成績は今一つな内容に終わっており、レオ・ドローチャーからは「お人好しで野球に勝てるか！」と名指しで批判されている。

[編集] 出典・外部リンク

• National Baseball Hall of Fameによる紹介（英語）
• 年度別成績 (Retrosheet)

表・話・編・歴 500本塁打クラブ
バリー・ボンズ | ハンク・アーロン (755) | ベーブ・ルース (714) | ウィリー・メイズ (660) | サミー・ソーサ | ケン・グリフィー・ジュニア | フランク・ロビンソン (586) | マーク・マグワイア (583) | ハーモン・キルブルー (573) | ラファエル・パルメイロ (569) | レジー・ジャクソン (563) | マイク・シュミット (548) | ミッキー・マントル (536) | ジミー・フォックス (534) | ウィリー・マッコビー (521) | テッド・ウィリアムズ (521) | アレックス・ロドリゲス | フランク・トーマス | エディ・マシューズ (512) | アーニー・バンクス (512) | メル・オット (511) | ジム・トーミ | エディ・マレー (504)| マニー・ラミレス 太字は現役選手

表・話・編・歴 ニューヨーク・ジャイアンツ 1933年のワールドシリーズ ロースター
1 ジョジョ・ムーア / 2 キッドゥ・デービス / 3 ビル・テリー / 4 メル・オット / 5 トラビス・ジャクソン / 6 ヒューイー・クリッツ / 8 ガス・マンキューソー / 11 カール・ハッベル / 12 フレディ・フィッツシモンズ / 15 ハイ・ベル / 16 フランク・オドール / 17 ハル・シューマッハー / 20 ドルフ・ルケ / 23 ブロンディ・ライアン / 26 ホーマー・ピール 監督 ビル・テリー