ブックオフコーポレーション
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種類 | 株式会社 | ||
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市場情報 |
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略称 | ブックオフ | ||
本社所在地 | 229-0004 神奈川県相模原市古淵二丁目14番20号 |
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電話番号 | 042-769-1511 | ||
設立 | 1991年8月1日 | ||
業種 | 小売業 | ||
事業内容 | 中古本・DVD・ビデオ等販売 | ||
代表者 | 取締役会長(CEO) 橋本真由美 代表取締役社長(COO) 佐藤弘志 |
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資本金 | 24億63百万円(2006年9月) | ||
売上高 | 422億12百万円(2006年3月期) | ||
総資産 | 219億73百万円(2006年3月期) | ||
決算期 | 毎年3月末日 | ||
主要株主 | アント・DBJ投資事業有限責任組合[1](14.52%) Ant Global Partners Japan Strategic Fund I, L.P.[2](14.52%) 株式会社TSUTAYA(6.0%) (2008年3月24日現在) |
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関係する人物 | 坂本孝(創業者) | ||
外部リンク | www.bookoff.co.jp/ | ||
ブックオフコーポレーション株式会社は、中古本販売チェーン「ブックオフ」 (BOOK OFF) を展開する企業。ハードオフ(HARD OFF)やTSUTAYA(レンタルビデオチェーン)などのフランチャイジー(加盟店)でもある。赤・黄・青の三色の店舗外観で知られているいわゆる新古書店の草分け的存在。
目次 |
[編集] 会社概要
全国に888店舗(2007年3月現在)。米国、フランス、カナダ、韓国にも事業展開し、ニューヨーク店、ロサンゼルス店、ハワイアラモアナシロキヤ店、パリ・オペラ座店、バンクーバー店、ソウル駅店など海外店舗は現在9店舗もある。
[編集] 沿革
- 1990年5月 - BOOK・OFF直営1号店開店
- 1991年8月 - 神奈川県相模原市相模原に株式会社ザ・アールを設立
- 1991年10月 - BOOK・OFF全国フランチャイズ展開開始
- 1991年11月 - BOOK・OFF加盟店1号店開店
- 1992年6月 - 商号をブックオフコーポレーション株式会社に変更
- 1998年5月 - BOOK・OFF海外1号店(ハワイ店)開店
- 1998年7月 - 本社を現在地に移転
- 2004年3月16日 - 東京証券取引所市場第二部に上場
- 2005年3月1日 - 東京証券取引所市場第一部に上場
- 2007年8月 - ECサイト「ブックオフオンライン」営業開始
- 2008年5月 - 関東最大級の秋葉原駅前店 営業開始
[編集] 関連会社
- ブックオフオンライン株式会社(ブックオフオンライン) - Web店舗にて、書籍・CD・DVD等の買取および中古販売を展開
[編集] フランチャイズ展開店舗名
- BOOK・OFF(ブックオフ) - 書籍・CD・DVD・ビデオ・ゲームの買取・販売
- B・KIDS(ビーキッズ) - 子供服古着・ベビー用品・マタニティ用品の買取・販売
- B・SPORTS(ビースポーツ) - 中古スポーツ用品・アウトドア用品の買取・販売
- B・STYLE(ビースタイル) - 婦人古着・小物の買取・販売
- B・LIFE(ビーライフ) - 中古雑貨・インテリア・ギフト商品の買取・販売
- B・Select(ビーセレクト) - 中古貴金属・腕時計・アクセサリーの買取・販売
- ブックオフ中古劇場 - 上記業態の大型複合店舗の総称。全国に数店舗を展開
(HARD・OFF、OFF・HOUSE、MODE・OFF、Garage・OFF、JUNK・HOUSE、BOX・SHOP、Hobby・OFFは、ハードオフコーポレーションがフランチャイズ展開している)
[編集] 概説
それまでの、本の古本屋の形をうち破り、「新古書店」と呼ばれる新しい古本屋の形態を作り上げた。店内はコンビニエンスストアの様な照明にし、店舗面積を広めにとり、さらに臭さを抜くための対策を施し、立ち読みも可能にした。これが受け入れられ、チェーンが爆発的に広がった。ただ、2007年ごろから飽和状態にあり、既存店前年比も落ち込みが見られている。設立当初は参入に消極的であったブックオフオンラインやイーブックオフなどのウェブ店舗も、現在は積極的に展開している。
また古本屋の店先などに従来よく書かれている「本買います」という言葉は店員が客より上の立場から言っているという点から、店員が客より下の立場からお願いする口調の「本お売りください」にした事が成功の要因とも言われている。この「お売りください」というキャッチコピーは、創業当時にパートタイマー(当時)の橋本真由美が考案したもので[3]、現在では各地のブックオフとは無縁の古書店でも利用されている。しかし顧客への訴求効果が薄れてきたため、2005年頃から店舗改装を機に、「お売りください」の看板を「買い取りセンター」に順次変更している。
マスコットキャラクターは、よむよむくん。
タレント清水國明をイメージキャラクターとして起用しているが、清水の実姉橋本真由美が、ブックオフの常務取締役であることが縁で起用された。なお、橋本は2006年6月24日付でブックオフの社長に就任した。パートタイマー出身者で東証一部上場企業の経営トップに就くのは非常に珍しいことであるとして脚光を浴びた。
イメージソングはあのねのね「この場所で光を」。サビにおける独特の早口が特徴的で店舗でも10分~15分毎にインフォメーションの裏で流れる。複合店舗ではインフォメーション・イメージソングを使用しないところも多い。
[編集] 売上水増し及び坂本CEOへの賄賂問題・社員へのセクハラ問題
2007年5月9日に、週刊文春に掲載された記事を発端として、子会社を通しての不適切な売上水増し(粉飾決算)問題と坂本孝CEOのリベート問題が発覚した。その後、ブックオフは調査委員会を設置し内部調査を開始。そして、2004年12月と2006年2月の2回にわたって、合計2,206万円の不適切な売り上げ計上の水増しがあったことを発表し、また坂本代表取締役会長兼CEOについては、1993年5月から2001年5月までの8年間に、丸善から約7億4,200万円のリベート(賄賂)を受け取っていたことを発表。坂本CEOは、当初この半分を自主的にブックオフに返還する意向を示していたが、後日、全額を返還すると訂正した。同年6月23日に坂本CEOは引責辞任し、橋本COOは代表権のない取締役会長に異動、新社長には執行役員企業戦略担当で戦略部門長の佐藤弘志が就任した。
また、その後、坂本によるセクハラ問題も浮上し、同年7月25日の調査委員会の報告により、セクハラ行為があったことが判明した[4]。坂本本人も、セクシャル・ハラスエント、パワー・ハラスメント行為、コンプライアンス意識が低い言動があったことを認めた。
[編集] 問題点
アダルトコーナーがレンタルビデオ店等と違い、未成年者が立ち入らないように隔離された場所に設置されていない為、教育上の問題も指摘されている。(これはフランチャイジーのTSUTAYAでも問題視されている)
[編集] 古書取扱について
通常の古書店は本の稀少性、状態等を見た上で個別に売値を設定しているが、ブックオフの場合はよほど状態が悪くない限り、同じ種類に分類された本は全て同じ値で売られている。このため、一般では高値で取引される本を安価で手に入れることも可能で、背取りを専門としている人に重宝されている。
しかし、買取りについては、状態不良・経過年数劣化を基準としており稀少性や古書性に対する考慮が疎かであるため「本の大切さを何も解かっていない」として忌み嫌われている。また、帯が付いていても店頭に並べる前の段階で外すこともある様で、漫画などは人気作の初版本であっても外される事が多い。(特に状態が良くない帯)
漫画家の小林よしのりは、著書ゴー宣・暫にて、ブックオフはわしら漫画家を食えなくしていく。ブックオフはただの文化破壊でしかないと述べている。
映画『凶気の桜』では、個人経営の「古き良き」古書店が、大型チェーン店に駆逐されていくことに批判がなされており、ブックオフの名が実名で登場する。
[編集] 関連項目
- 背取り
- 古物
- 古物商
- 古本
- 古本屋
- 新古書店
- ゾッキ本
- カメレオンクラブ ― かつてブックオフがフランチャイジー契約していた中古ゲーム販売店
- セカンドライフ ― 仮想空間内にブックオフセカンドライフ店を出店している。
[編集] 関連書籍
- 大塚桂一「ブックオフ革命」(1994年)
- 小田光雄「ブックオフと出版業界―ブックオフ・ビジネスの実像」(2000年)
- 村野まさよし・坂本孝・松本和那「ブックオフの真実――坂本孝ブックオフ社長、語る」(2003年)対談
- グロービスMBA ブックオフ探検隊「ブックオフ 情熱のマネジメント」(2004年)
[編集] 主な同業他社
- 古本市場(株式会社テイツー)
- ブックマーケット(株式会社エーツー)
- まんだらけ(株式会社まんだらけ)
- 満遊書店(有限会社満遊書店 有限会社アゲイン 有限会社グッドニュース 有限会社グッドホエールズ 等)
- ブックアイランド(外部リンク[1])
- ゲオ
- ブックマート
[編集] 外部リンク
[編集] 注記
- ^ アント・コーポレートアドバイザリー(日興コーディアルグループの日興アントファクトリーの子会社)と日本政策投資銀行とが共同で出資する投資ファンド。
- ^ 日興アントファクトリーの関連会社であるAGP Japan Strategic Investments, Ltd.が運用する投資ファンド。
- ^ http://woman.nikkei.co.jp/people/article.aspx?id=20070328f2000f2
- ^ http://www.nikkeibp.co.jp/news/biz07q3/540490/