フォルクスワーゲン・ポロ
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フォルクスワーゲン・ポロ(Polo)はドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンのコンパクトカーである。
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[編集] 概要
フォルクスワーゲンの主力モデルであるゴルフと同様、フロントにエンジンを横向きに配置し、前輪を駆動するというコンベンショナルなスタイルを採るコンパクトカーで、フォルクスワーゲンにとっては日本での年間販売台数が常に1万台を超える中核モデルである。また、販売台数の多くが女性に支えられており、ユーザーの60%が女性である。これは日本でのフォルクスワーゲン全体の女性ユーザーの比率を大きく超える。
モデルチェンジのたびにボディサイズが拡大してきたゴルフに対し、ポロは現行モデルでも2代目ゴルフ程度の大きさで、かつてゴルフが担っていたベーシックなコンパクトカーの役割を果たしており、このクラスのベンチマーク的存在である。
主なボディタイプはハッチバックタイプだが、歴代各モデルを通してセダンタイプが存在し、エステート、クーペタイプがラインナップされていた事もある。しかし、歴代モデルとも日本に導入されたのは一部のボディタイプのみである。現在、セダンタイプは中国、ラテンアメリカ、南アフリカ及びその他アフリカ地域にて販売されており、これらの地域ではハッチバックタイプよりも人気が高い。
歴代を通してスポーツモデルが存在するが3代目からはGTIを冠したポロGTIが存在し、2005年にはFWDのクロスオーバーSUVタイプの「クロスポロ」が登場している。
また、ルポの販売が終えられた2007年2月現在、日本のラインナップの中ではもっとも小さなモデルとなった。北米市場ではポロは販売されていない。(市場によってフォックスという下位モデルが存在する。)
[編集] 名称
フォルクスワーゲンからポロと同時期に発売されたモデルの車名が風の名称に由来する(ゴルフ、ジェッタ、ヴェント、ボーラ、シロッコetc)事からポロも同様にポーラーウィンド(polarwinds(極域電離圏からのプラズマ流出現象))に由来していると思われてきたが、スポーツのポロの意味合いも含んでいるとか、マルコ・ポーロにちなんでつけられた等、諸説ある。
[編集] 歴史
[編集] 初代(1975-1981年)
[編集] 前期型(1975-1979年)
70年代初頭、根本的にラインナップの見直しを図っていたVWのボトムレンジとして1975年3月に登場。ビートルの実質的後継車として、又、南ヨーロッパでのVWの勢力拡大の意図があった。ポロは前年に発表されていたアウディ50をベースに設計された。アウディ50との外観上の違いはエンブレム位だがアウディ50のエンジンが1.1リッターなのに対しポロは0.9リッターであり、ポロはアウディ50より下位に位置付けられていた。
デビュー当時、エンジンはこの0.9リッター(40ps)の2ドアのみで標準仕様と装備の充実したLの2グレード。最高速度は時速135キロ。(アウディ50の最高速度は時速145キロ)76年には1.1リッター(50ps)のエンジンが追加され、翌77年にはダービィと呼ばれるノッチバックタイプが加えられると同時にダービィには1.3リッター(60ps)エンジンもラインナップされた。サスペンション形式は当初からフロントがストラット、リアがトーションビームアクスル。アウディ50とは異なり、ブレーキは前後ともドラムブレーキで前のディスクブレーキはオプション。
[編集] 後期型(1979-1981年)
79年にはポロにも1.3リッター(60ps)エンジンが追加され、ポロGTと呼ばれるホットモデルが加わった。外観はバンパーを樹脂化、ライトが角形になったほかフロントグリルのデザインにも変更が加えられた。
80年にはさらにラインナップの拡充が図られ、LとGLに895cc(最高速度:135Km/h)。S、LS、GLSに1093cc(最高速度:142Km/h)が。又、LS、GLS、GTに1272ccエンジン(最高速度:154Km/h)が搭載された。前期型、後期型あわせて500,000台が生産された。
[編集] 搭載エンジン
- 895cc 直列4気筒 ガソリン 40ps 4MT(ハッチバック専用)
- 1093cc 直列4気筒 ガソリン 50ps 4MT
- 1272cc 直列4気筒 ガソリン 60ps 4MT
[編集] 2代目(1981-1994年)
[編集] 前期型(1981-1990年)
2代目の前期型は1981年8月にデビュー。垂直の独特のテールゲート形状で約1000Lというラゲッジスペースを実現した。1.1リッター(40ps)エンジンは燃焼室に改良が加えられることにより扱いやすいトルク特性へと改良された。翌年にはポロクーペ(日本にもCLモデルが少数限定輸入された)が追加されると同時に1.3リッター(55ps)エンジンも加えられた。1984年にはダービィがポロクラシックの名で限定輸入された。1986年にはクーペに「Gラーダー」と呼ばれるスーパーチャージャーを搭載した115psのGT G40が登場した。このモデルはVW初の過給機付モデルで、当時はまだ実用化されていなかった画期的な新技術を採用しており、最高速は時速200キロに達した。 又、86年には1.3リッターのディーゼルエンジンを搭載したモデルが追加された。
- 日本導入モデル(2代目前期型)
-
- 1984年 ポロクラシック 58ps 4MT
- 1988年 クーペCL(E-80NZ)50ps 5MT
- 1989年10月 クーペCL(E-80NZ)55ps 5MT
-
[編集] 後期型(1990-1994年)
1990年にマイナーチェンジ。角形ヘッドライトやバンパーのデザインに変更が加えられた。3種類のボディタイプは維持され、シャシーに改良が加えられた。EUの排ガス規制の関係上キャタライザーとともにフューエルインジェクションが標準となった。ダービィはマイナーチェンジと同時に姿を消し、ボディタイプはハッチバックとクーペの2種のみとなった。又、スペインで生産されていたダービィも1992年に生産中止となった。ホットモデルはG40に加えてポロG40カップカーが販売され、カップカーによるワンメイクレースも行われた。
[編集] 搭載エンジン
- 1093cc 直列4気筒 ガソリン 50ps 4MT(1981~1983)
- 1272cc 直列4気筒 ガソリン 60ps 4MT(1981~1984)
- 1043cc 直列4気筒 ガソリン 40ps 4MT(1983~)
- 1272cc 直列4気筒 ガソリン フューエルインジェクション・キャタライザー付(1983~)(日本導入モデル)
- 1272cc 直列4気筒 ガソリン 75ps 4MT(1982~)
- 1272cc 直列4気筒 ガソリン スーパーチャージャー付 (1986~)115ps
- 1.3L 直列4気筒 ディーゼル 45ps
- 1272cc 直列4気筒 ガソリン スーパーチャージャー付 113ps(GT G40専用 1987)
[編集] 3代目(1994-2001年)
[編集] 前期型(1994-1999年)
6N型と呼ばれる3代目はクラスを超えた高いボディ剛性、安全性、パッケージングなどを備え1994年夏にデビューした。
先代より全長は短くなったもののキャビンスペースは拡大し、同時にボディ後端に向かってボリュームを絞り込む事により高い空力性能を得ていた。また、内外装の質感の向上に加え、使用素材や解体後のリサイクルが考慮されていた。当初、ヨーロッパマーケット向けに用意されたエンジンは4種類で当時まだ珍しい樹脂製インテークマニホールドのほか各気筒ごとにインジェクターを持っていた。 セアト・イビーザとプラットフォームを共通化した。1995年にはセダンタイプのクラシックが、97年にはエステートが登場。
1996年に日本デビューしたポロのエンジンラインナップは当初1.6リッター(75ps)の2ドアハッチバック(MT/AT)のみだったが、その後4ドアハッチバック(AT)も追加された。日本仕様はATが日本のジヤトコ製で助手席SRS(エアバッグ)などが標準となり、これら日本向け仕様変更のために生じた重量増や日本での使用環境を考慮されブレーキが強化されている。内容はABSの標準化にEBD(エレクトロニック・ブレーキ・ディストリビューション)というシステムが採用された。これは前後のブレーキバランスをアクティブに最適に変化させるものである。これらのブレーキ強化を指示したのは、フェルディナンド・ピエヒ会長自身で、来日し日本仕様の最終テストを自ら行った際に指摘されたことにより行われた。一連のブレーキ強化に伴い標準のタイヤ/ホイールサイズが14インチとされた。前後のバンパーは上下が分割されたデザインと一体型の異なったデザインのものが存在する。
これまでのポロにはGTなどのスポーティーグレードが存在したが3代目前期型のモデル末期にはGTIの名を冠したモデルが3000台限定で販売された。(日本国内には導入されていない)
- 日本導入モデル(3代目前期型)
- 1996年8月 2D、4D(E-6NAHS)4AT
- 1996年10月 2D(E-6NAEE)5MT
- 1998年1月 デア・エアステ 2D、4D(限定モデル・E-6NAHS)4AT
- 1998年5月 シルバーセレクション 2D、4D(限定モデル・E-6NAHS)4AT
- 1998年6月 コンフォートプラス 4D(限定モデル・E-6NAHS)4AT
- 1998年11月 スポーツ 4D(限定モデル・E-6NAHS)4AT
- 1999年3月 グラデュエート 4D(限定モデル・E-6NAHS)4AT
- 1999年8月 オープンエア 2D(限定モデル・E-6NAHS)4AT
- 1999年11月 ホワイトセレクション 4D、ブラックセレクション 4D(限定モデル・E-6NAHS)4AT
- 2000年1月 ユング 2D、4D(限定モデル・E-6NAHS)4AT
[編集] 後期型(1999~2001)
1999年には3代目をベースに大幅なマイナーチェンジが行われたが、全体の60%(VWの発表では70%)が刷新され実質的にフルモデルチェンジに近い内容だった。エクステリアやインテリアも大幅に変更が加えられ、ボディ剛性はレーザー溶接の大幅な導入によりさらに高められた。モデルバリエーションは2/4ドア(AT)に加えオープンエア(AT)がある。これらはオールアルミ製の1.4リッターDOHCエンジンを搭載するが従来の1.6リッターと遜色のない程のパワーを発揮する。それに加え後期モデルにはVW伝統のホットモデルのグレードであるGTI(5MT)が正式にラインナップされ、日本にも導入された。又、国外ではポロクラシックがラテンアメリカで発売された。
2001年6月にはGTI風のフロントグリルや14インチアルミホイールなどを装備したGTが発売。
2001年12月1日には本革ステアリングや、フロントフォグランプ、14インチのアルミホイールを装備したポロプラスが195万円、国内3000台限定で発売された。2001年5月17日時点でポロは累計生産台数が700万台を突破した。
- GTI
GTIは1.6リッターの連続可変バルブタイミング式のDOHCエンジンを搭載するホットハッチに類するグレードである。このエンジンはGTI専用でヘッドカバーはアクセントカラーである赤色が配されている。このユニットは125ps/6500rpm、15.5kg・m/3000rpmを発揮し、最高速度は約時速205キロ。燃費は全グレード中最も良好な15.0km/lとなっている。
又、脚周りは固めにセッティングされ、フロントには強化されたスタビライザーが装着され、リアにも新規にスタビライザーが装着(他のグレードには設定なし)。グレードアップされたブレーキと45扁平のタイヤを履く。他にもエレクトリックデファレンシャルシステムが標準装備となっている。
GTIと他グレードとの外観上の違いはHIDヘッドランプにリアスポイラー、フロントグリルのメッシュパターンとBBSホイール、そしてそこから覗くブレーキキャリパーに赤い塗装が施されている点である。又、内装はメーター周りとシートのデザインが異なり、各部に革が使用され、ペダルはヒール・アンド・トゥ等のスポーツ走行に適した配置となっている。GTIのトランスミッションは5速のマニュアルのみで乾式単板ダイヤフラムとなっており、そのシフトノブはルポGTIと共通のデザインだがルポGTIの5速モデル(日本には導入されていない)のものより若干長くなっている。
GTIは国内で2000台弱が販売された。2ドアと4ドアのモデルが存在するものの、日本に導入されたのは4ドアのみである。
このポロGTI以降VWはゴルフⅣGTIの様なマイルドな性格のスポーツモデルからルポGTIやゴルフR32、そしてゴルフⅤGTIと、よりスポーツ色を高めたモデルをリリースしていく事になる。ポロGTIは(6N前期型GTIを含め)その転換点となったモデルといえる。
- 日本導入モデル(3代目後期型)
- 2000年5月 2D、4D、オープンエア(GF-6NAHW)4AT
- 2000年5月 GTI 4D(GF-6NARC)5MT
- 2001年6月 GT 4D(限定モデル・GF-6NAHW)4AT
- 2001年12月 ポロプラス 4D(限定モデル・GF-6NAHW)4AT
[編集] 搭載エンジン
- 1043cc 4気筒 ガソリン 45ps(1995~1997)
- 1272cc 4気筒 ガソリン 55ps(1995~1996)
- 1597cc 4気筒 ガソリン 75ps(日本導入モデル)
- 1389cc 4気筒 ガソリン(1996~)
- 1389cc 4気筒 ガソリン 75ps オールアルミ製(日本導入モデル)
- 1597cc 4気筒 ガソリン 125ps オールアルミ製(日本導入モデル)
- 999cc 4気筒 ガソリン 50ps オールアルミ製・マルチポイントインジェクション(1997~)
- 1597cc 4気筒 ガソリン 100ps(6K セダン、エステート専用)
- 1597cc 4気筒 ガソリン 75ps(6K セダン、エステート専用)
- 1.9リッター 4気筒 ディーゼル 64ps(6K セダン、エステート専用)
[編集] ポロ・プラヤ(1996~2002)
南アフリカ市場専用モデル。2002年、4代目の投入により販売を終了した。
[編集] 4代目(2001年-)
[編集] 前期型(2001-2005年)
2001年本国登場の4代目は1.2リッターから1.4リッターのガソリンエンジン仕様や1.4および1.9リッターのTDIディーゼルエンジン仕様があるが、日本では1.4リッター・ガソリンエンジンのみの設定であった。前述のように、ボディ剛性と衝突安全性向上を理由に大幅なサイズ拡大が行われ、日本でもベストセラーとなった2代目ゴルフ(ゴルフⅡ)とほぼ同等の大きさとなっている(とはいっても初代トヨタ・ヴィッツと大きさはあまり変わらない)。
日本仕様は、横滑り防止機構(ESP)、サイドエアバッグが標準装備されるなど安全装置が充実している。又、セアト・イビーザ、シュコダ・ファビアとプラットフォームを共通化している。
2004年1月31日から1500台限定で販売を開始されたアベニーダと呼ばれるモデルはベースとなる4ドアモデルに対し11万円高の199万円で14インチのアルミホイールやMMS(マルチメディアステーション:DVDナビゲーションシステム、MDプレーヤー、AM/FMラジオ、TV)を標準装備としたモデルである。モデル名のアベニーダ(avenida)は英語のavenue(アベニュー)に相当するスペイン語である。
2004年4月27日から販売を開始されたEUと呼ばれるモデルは左ハンドルで欧州車の雰囲気がより味わえるというもので、15インチアルミホイールが装備された。色はブラックパールマジックエフェクトとリフレックスシルバーメタリックの2色。価格は207万9000円。
2005年1月29日から1500台限定で発売が開始されたヴィアッジョはカーテンエアバッグが採用された新型モデルに前年に発売されたアベニーダと同等の装備が採用されたモデルである。ヴィアッジョ(viaggio)は英語のtrip(トリップ)に相当するイタリア語である。価格は211万5000円
2005年7月2日に発売が開始されたSEは1500台限定で202万6500円。ステアリングホイールやパーキングブレーキのグリップ、シフトノブにレザーを配しアルミホイールやダークな色のテールレンズが採用されている。色はブラックパールマジックエフェクトとリフレックスシルバーメタリック、フラッシュレッドの3色。SEの名はSummer Edition(サマーエディション)の頭文字をとったものである。
- 日本導入モデル(4代目前期型)
- 2002年5月 2D、4D(GH-9NBBY)4AT
- 2004年1月 アベニーダ 4D(限定モデル・GH-9NBBY)4AT
- 2004年4月 EU 4D(限定モデル・左ハンドル・GH-9NBBY)4AT
- 2004年10月 2D、4D(GH-9NBKY)4AT
- 2005年1月 ヴィアッジョ 4D(限定モデル・GH-9NBKY)4AT
- 2005年7月 SE 4D(限定モデル・GH-9NBKY)4AT
[編集] 後期型(2005年-)
現行モデルは、これまでの丸いライトの4代目に代わって、より攻撃的とも思える顔つきの新型が発売されている(エンジンなどの基本部分は変更なし)。デザインはアルファ・ロメオの元チーフデザイナーであるワルテル・デ・シルヴァ(Walter de’Silva)による。2005年の東京モーターショーでこのモデルに先代ゴルフGTIの1.8リッターターボエンジンを搭載した新型GTIが世界に先がけて発表され、12月20日に発売された。 また、2006年8月には日本でも1.6リッターと6速マニュアルモードつきATを装備した「1.6リッター スポーツライン」が投入され、それまでの車両重量に対する動力性能に不満があった点が解消されている。さらに「クロスポロ」やVWの新たなエントリーモデルに位置付けられる「1.4リッター トレンドライン」が加わるなど、ラインナップが大幅に拡大された。そして、2006年10月より装備を充実させつつ価格を195万円におさえた「1.4リッター コンフォートライン」が加わった。
2007年8月には特別仕様車のfeinが1000台限定で販売開始された。このモデルは既存のコンフォートラインをベースに、ステアリングホイール等に革を配し、各部にブルーのステッチを施すなど質感を向上させ、シートヒーターを装備するなど女性ユーザーをより強く意識したものとなっている。又、新たにクルーズコントロールシステムやフォグランプなどを標準で装備した。「fein」はドイツ語で上品、洗練、繊細を意味する。
2007年10月には1.4リッターモデルに改良が加えられ、エンジン出力が80ps(59KW)、13.5Kg・m(132Nm)に引き上げられた。またGTI(5MT)とfein(4AT)を除く全てのモデルが6速ティプトロニック付ATとされた。
2007年12月25日から「felice(フェリーチェ)」が1000台限定で販売が開始された。1.4リッターモデルをベースに専用の特別装備が用意される。
2008年2月にはGTIカップエディションが発売。専用の外装が装備されるが、動力性能は通常のGTIと同じである。価格は288万円で、4ドアのみ。
- GTI
1.8リッター、インタークーラー付ターボエンジンを搭載したホットモデル。2ドアと4ドアのボディタイプがあり、トランスミッションは5MTのみ。最高出力はそれぞれ150ps、22.4kg・mで、0-100km/h加速は8.2秒とのこと。最高速度は約時速216キロ。ただし、ルポGTIに比べヘッドライトもハロゲンのままなど標準グレードとの差は少ない。ルポGTIが6MTであるのに対し後発のポロが5MTなのはエンジン特性を考慮した結果である。 又、ドイツ本国ではGTIカップエディションというモデルが存在する。このモデルはADACポロカップレースのマシンに準じて開発されたもので、2ドアと4ドアのボディタイプがあり、外観は大きな開口部を持ったバンパーに、ホイールも17インチのものへと変更されるなど通常のGTIとは差別化が図られている。そして、エンジンは180ps、24.0kg・mに強化されたのに併せ、サスペンションはよりハードに固められ、ブレーキも大径化されるとともに後輪ブレーキディスクを通常のソリッドディスクからベンチレーテッド・ディスクに変更されるなど、各部も強化されている。 2008年には日本においても同名の限定モデルが発売された。専用の外装が装備されるが、エンジン出力など動力性能については通常のGTIと同じである。
- クロスポロ
欧州では2003年、最低地上高を上げルーフレールを装備することによってSUVのテイストを取り入れたモデル「ポロファン」を投入していた。2005年のポロのビックマイナーチェンジに合わせて2006年2月にマイナーチェンジを施した「クロスポロ」が投入された。2006年8月には日本への投入も発表された。
通常のポロと顔つきや車内のインテリアの基本は同じだが、最低地上高が20mm高く、ルーフレール、フォグランプ、17インチアルミホイールなどが装備され、ボディやシートのデザインもライムグリーンなどの鮮やかな色がラインナップされている。日本仕様はスポーツラインと同様の1.6リッターのガソリンエンジンと6速マニュアルモードつきATを搭載し駆動方式は本国仕様も含めて4WDではなく、FWDである。最高速度は時速182km。
- 日本導入モデル(4代目後期型)
- 2005年9月 2D、4D(GH-9NBKY)4AT
- 2005年12月 GTI 2D、4D(GH-9NBJX)5MT
- 2006年9月 トレンドライン 2D(GH-9NBKY)4AT
- 2006年9月 スポーツライン 4D(GH-9NBTS)6AT(ティプトロニック付)
- 2006年9月 クロスポロ 4D(GH-9NBTS)6AT(ティプトロニック付)
- 2006年10月 コンフォートライン 4D(GH-9NBKY)4AT
- 2007年8月 fein 4D (GH-9NBKY)4AT
[編集] 搭載エンジン
- 1.2リッター 3気筒 9バルブ ガソリン 55ps
- 1.2リッター 3気筒 12バルブ ガソリン 64ps
- 1389cc 4気筒 16バルブ ガソリン 75ps(日本導入モデル)
- 1389cc 4気筒 16バルブ ガソリン 86ps
- 1389cc 4気筒 16バルブ ガソリン 100ps
- 1.9リッター 4気筒 TDI(ディーゼル)100ps
- 1389cc 3気筒 TDI(ディーゼル)75ps
- 1.9リッター 4気筒 TDI(ディーゼル)130ps
- 1780cc 4気筒 ガソリン インタークーラー付ターボ 150ps(日本導入モデル)
- 1597cc 4気筒 ガソリン 105ps(日本導入モデル)
[編集] 生産国
車台番号の11桁目に表記されているアルファベットにより判別することができる。
- 「W」…ヴォルフスブルク(ドイツ)
- 「K」…オスナブルグ(ドイツ)
- 「Y」…スペイン
- 「D」…スロヴァキア
- 「U」…南アフリカ
[編集] モータースポーツ
[編集] ラリー
- スーパー1600(JWRC)
- ポロはJWRC(ジュニアWRCについてはWRCを参照)に2002年よりエントリー。マシンは実質的にキットカーからコンバートしたものであり、初期は3代目後期型GTIをベースにオーバーフェンダーやリアスポイラーを追加していたものの他車とは比較的控えめな外観となっていた。その後4代目前期型をベースとしたもの(約215ps)に切換えられた。マシンのタフさには定評があったものの現在ではJRCでその姿を見かける事はない。2003年のトルコラリーで優勝を飾った。
- S2000
- 2007年現在、ポロS2000はIRC(Intercontinental Rally Challenge)を舞台に活躍。製作はVW南アフリカによるもので2003年モデルのポロスーパー1600がベースとなっている。IRCデビューは2007年6月の第3戦イプルーで、フレディ・ロイクスがドライブ。 ポロS2000のスペックはサイズがそれぞれ全長3916mm×全幅1800mm。重量は1185Kg。1984ccの直列4気筒エンジンを搭載し、最高出力は195kw(約280ps)/8250rpm、235Nmを発揮する。トランスミッションは6速シーケンシャル。駆動方式は4WDとなっている。 ヨーロッパにおける独占販売権を所持しているのは、ルネ・ジョルジュ・ラリー・スポート・ベルギーであるが、ポロ自体がモデル末期であるということからもパーツ等の供給は不安定気味との事である。
[編集] レース
- ワンメイクレース
- VWによる2代目後期型のGT G40カップカーによるワンメイクレースが行われていた。
- ドイツADAC主催のポロカップレースはモータースポーツの登竜門的存在のひとつとして高い人気がある。
[編集] その他
- 4代目初期型の日本向けカタログにトヨタ・カローラが写っている。バンパーが大型なので北米仕様と思われる。
- シュコダ・ファビア、セアト・イビーザとはプラットフォームを共通化している。
- 80年代中ごろのポロにはステアリングホイール中央部にヴォルフスブルクのロゴマークが配されていた。
- 2004年、ポロの偽CMの動画が一部に出回った。テロリスト風の男が9N型ポロに乗って自爆テロを謀る。カフェの前で爆発物のスイッチを押すが爆発は車内のみで収まり、周囲の人々も気付かないというもので、「small but tough」というポロのキャッチコピーにかけたものである。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- Volkswagen Polo(フォルクスワーゲン・ジャパン公式サイトより)
- Volkswagen Polo(ドイツ・フォルクスワーゲン公式サイトより ドイツ語)
- Poloの杜(ポロ リンク集)