ピアノ曲
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ピアノ曲(ピアノきょく)とは、ピアノで演奏するために作られた曲をいう。
ピアノの音色は、古今、多くの作曲家の心を捉え、数々の名曲が作られてきた。ピアノの優れた曲を多数残しているクラシックの大作曲家は、モーツァルト、ベートーベン、シューベルト、メンデルスゾーン、ショパン、シューマン、リスト、ブラームス、フォーレ、ドビュッシー、チャイコフスキー、ラフマニノフなどである。とりわけ、ショパンはピアノの詩人、と呼ばれているように、和音1つとっても、その響きが考えつくされた、もっともよく響く和音が選ばれている。
目次 |
[編集] 主な作曲家と作品
(ソナタについては、ピアノソナタの項を参照のこと)
特に広く知られた作品を作曲家の生年順に並べてある。なお、独奏曲以外の作品も含む。
- モーツァルト - きらきら星変奏曲、幻想曲
- ベートーヴェン - エリーゼのために、バガテル、エコセーズ
- シューベルト - 楽興の時、即興曲D899とD935
- ブルグミュラー - 25の練習曲(「貴婦人の乗馬」など)
- メンデルスゾーン - 無言歌(「春の声」など)、厳格な変奏曲
- シューマン - 謝肉祭、クライスレリアーナ、幻想曲、子供の情景(「トロイメライ」など)、森の情景(「予言の鳥」など)
- ショパン - 子犬のワルツ、英雄ポロネーズ、幻想ポロネーズ、幻想即興曲、24の前奏曲(「雨だれ」など)、練習曲(「別れの曲」、「革命」など)
- リスト - ラ・カンパネッラ、愛の夢、超絶技巧練習曲(マゼッパなど)、ハンガリー狂詩曲、3つの演奏会用練習曲(「ため息」など)
- ランゲ - 花の歌
- ブラームス - ハンガリー舞曲集、2つのラプソディー
- バダジェフスカ - 乙女の祈り
- ムソルグスキー - 展覧会の絵
- ドヴォルザーク - スラヴ舞曲集、ユモレスク
- グリーグ - 抒情小曲集
- フォーレ - 夜想曲など
- ドビュッシー - ベルガマスク組曲(「月の光」など)、子供の領分、前奏曲集、映像、練習曲集、喜びの島
- サティ - ジムノペディ、グノシエンヌ、神秘的なページ(ヴェクサシオンなど)
- スクリャービン - 練習曲、左手のための夜想曲
- ラフマニノフ - 音の絵、楽興の時
- ラヴェル - 水の戯れ、クープランの墓、マ・メール・ロワ、亡き王女のためのパヴァーヌ、高雅で感傷的なワルツ、古風なメヌエット、夜のガスパール、鏡、ハイドンの名によるメヌエット
- バルトーク - ルーマニア民俗舞曲、ミクロコスモス、アレグロ・バルバロ
- シマノフスキ - マズルカ集
- プロコフィエフ - トッカータ
- ガーシュウィン - 3つの前奏曲
- メシアン - 音価と強度のモード、鳥のカタログ、幼な子イエスに注ぐ20のまなざし
- ケージ - 4分33秒
- リゲティ - 練習曲
- 武満徹 - 閉じた眼
[編集] 参考
18世紀の前半にピアノ(当時は現代式のものではなくフォルテピアノ)がそれほど普及していたわけではなく、バロック音楽のうちで今日「ピアノ曲」として扱われている曲の多くは、もともとチェンバロのために作曲された。次の作曲家のチェンバロ作品は、19世紀以降のピアノ曲に影響を与えたり、あるいは現在でもピアノで演奏されて親しまれている。
- F.クープラン - 修道女モニカ
- ラモー - 鳥のさえずり、タンブーラン
- J.S.バッハ - 平均律クラヴィーア曲集、インヴェンションとシンフォニア
- ヘンデル - 愉快な鍛冶屋
- スカルラッティ - ソナタ(18世紀以降のピアノソナタとは別種で、本来は練習曲と呼ばれた)
- ダカン - かっこう
[編集] ピアノの練習曲
練習曲は、指を動きやすく強くする目的で書かれた曲である。ツェルニーは多数の優れた練習曲を残している。100番練習曲、110番練習曲、30番練習曲、40番練習曲、50番練習曲、60番練習曲がその代表的なもので、この順に難しくなっていく。ハノン、バイエル、モシェレス、ブラームスも優れた練習曲を残している。
ショパンのエチュード(練習曲)は、ただ、指の練習だけが目的ではなく、一つの完成した芸術作品になっている。そのほか、リストの超絶技巧練習曲や、ドビュッシーの12の練習曲は非常に難易度の高い練習曲である。ラフマニノフの前奏曲集やシューマンのトッカータもピアノの高度な技巧を要する難曲の1つであるが、これらの曲は難しいだけでなく、輝かしい演奏効果を持っている。
[編集] 片手のためのピアノ曲
片手のためのピアノ曲とは、右手もしくは左手だけで演奏する曲である。片手の強化や、片手が使えない人のために書かれたもので、音域、演奏効果などの問題から左手用のものが圧倒的に多い。
片手のピアノ曲は、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハなどが練習曲として書き始めた。19世紀に入ると、練習曲と共にピアニスティックな演奏会用作品が見られるようになる。20世紀に入ると、第一次世界大戦で右腕を失ったパウル・ヴィトゲンシュタインの委嘱により多くの独奏曲及びピアノ協奏曲が作られた。最近では、舘野泉が間宮芳生などに作品を委嘱し、初演している。
[編集] 代表的な片手用のピアノ曲
- ブラームス:左手のためのシャコンヌ(J.S.バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ ニ短調BWV1004より) - 右手を痛めたクララ・シューマンのために編曲、献呈。
- スクリャービン:左手のための前奏曲と夜想曲 作品9 - 作曲者が左手を痛めたときに作曲。
- ヴィトゲンシュタイン:彼自身も練習曲及び編曲(バッハからワーグナーまで)を残している。
- ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
- ゴドフスキー:左手のための多数の単独作品、及び「ショパンによる53の練習曲」の数曲。
他多数。
[編集] 3手用以上の奇数手のピアノ曲
連弾や4手用、6手用、8手用などがポピュラーであろうが、カーゲルの「Der Eid des Hippokrates」(1984)やブソッティの「Per Tre sul Piano](1959)・フェルドマンの「Piano for Three Hands](1957)などでは3手用、この他ラヴェルの「Frontispice pour piano]5手用のピアノ曲がある。
WDR:ケルン放送教会の提供