アレグロ・バルバロ
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アレグロ・バルバロ(伊語:Allegro barbaro )BB 63 (Sz. 49) は1911年に作曲されたベーラ・バルトークのピアノ独奏曲。バルトークの出世作である。
ピアノの弟子であるシャーンドル・ジェルジによれば、元々は『嬰ヘ調のアレグロ』と言う題名だったが、1912年にフランスの新聞に載ったバルトークとコダーイ・ゾルターンの演奏会評で「ハンガリーの2人の若き野蛮人」と書かれたことを皮肉って、出版時に現在の名前(直訳すると『野蛮なアレグロ』)としたという。
[編集] 特徴
バルトークの初期作品には特徴的なことだが、民族的な要素を駆使して、200小節以上をまとめ上げている。とりわけ、ハンガリー民謡やルーマニア民謡を結び付けて、旋律や和声法の斬新なテクスチュアに到達している。ハンガリー的な旋律は、ほとんどペンタトニックに依拠しているのに対して、ルーマニア的な旋律は、大部分にわたって半音階的である。バッソ・オスティナートには、アフリカの音楽の要素も見受けられる。
先のシャーンドルはバルトークからこの曲について学んだ際、演奏時にもっとも注意しなければならないこととして、たたきつけるようなダイナミズムの表現についてかなりこだわっていたことを覚えていると述べている。
[編集] 余談
この曲の楽譜は1918年にウニフェルザル社から出版された。ところが速度指定に誤植があり、バルトークは自分が意図した速度で演奏されないという事態があったことを知る。これ以降、バルトークは楽譜に「演奏時間:○分×秒」とまで記述するようになる。
ただしバルトーク本人の残されているこの曲の演奏では、修正されたはずの速度指定を作曲者自らが守っていない(指定より更に早い)。
なお、シャルル=ヴァランタン・アルカンは、この曲と同じタイトルを1847年に作曲した「長調のための12の練習曲」作品35の第5曲に付けている。ヘ長調だが、一度も♭が用いられないのが特徴。
[編集] 参考図書
- ポール・グリフィス・著、和田旦・訳『バルトーク -- 生涯と作品 --』 泰流社 1986年 ISBN 4884705599
- 『バルトーク ピアノ独奏曲集』演奏:シャーンドル・ジェルジ(シャーンドル自らによるライナーノーツ)