ヴェクサシオン
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ヴェクサシオン(Vexations)は、作曲家エリック・サティの弟子だったロベール・キャビーが、フランスの古文書保管所から見つけてきたサティの3曲の遺作のうちの1曲。ロベール・キャビーはこれら3曲を「神秘的なページ」と名付けて1969年に公刊した。52拍からなる1分程度の曲を840回繰り返す、ギネスブックにも認定された世界一長い曲である。
作曲者のノートには「このモチーフを連続して840回繰り返し演奏するためには、大いなる静寂の中で、真剣に身動きしないことを、あらかじめ心構えしておくべきであろう」と書かれている。ヴェクサシオンとは「いやがらせ」「癪の種」という意味である。
1963年にジョン・ケージらによって初めて演奏された。この時は10人のピアニストと2人の助っ人が夕方6時から演奏を開始し、翌日の午後12時40分まで演奏をし続けた。日本で初めて演奏された時は、1967年12月31日昼前から1968年1月1日の朝まで年を越して演奏された。このときは、東京・アメリカ文化センターで石井真木、湯浅譲二ら16人によって演奏された。
2004年5月5日放送の「トリビアの泉」でも紹介され、実際に3人のピアニストが交替で演奏したところ、全て弾き終えるのに18時間18分かかった。