湯浅譲二
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湯浅 譲二(ゆあさ じょうじ、1929年8月12日 - )は、日本の現代音楽の作曲家。福島県郡山市出身。福島県立安積高等学校を卒業したのち、慶應義塾大学医学部中退。
目次 |
[編集] 経歴と作品概論
若い頃、詩人・瀧口修造の下で組織された芸術家グループ・実験工房で、武満徹らと共に活動し、電子音楽や自作を含む現代音楽の演奏会の製作にかかわった。
アメリカのカリフォルニア大学サンディエゴ校で、ブライアン・ファーニホゥ、ロジャー・レイノルズらと共に作曲の教職に就いていた。
湯浅が自らの音楽を語る言葉として、次の文句が良く引き合いに出される。「私にとって音楽とは、音響エネルギー体の空間的・時間的推移である。」これはつまり音楽をその音響現象の中に見られるエネルギーの力学的運動として捉えることにより、その音楽の語り口(ナラティヴィティ)を見出そうというものである。このことによって湯浅はジャンルや様式、地域性などを超えたほとんどの音楽がこの言葉によって説明できるとしている。
もう一つ重要な言葉として、「コスモロジー」という言葉も湯浅は多用している。これは個々の人間が持つ個人性、その人の歩んできた歴史背景、学習・経験してきた事柄、さらに地域性、民族性、時代性などを包括する言葉である。これによって個々の作曲家には個性が反映され、作曲家独自のメッセージが生まれる、と湯浅は解説している。
UPICシステムを用いて制作された音楽作品は、宣伝の割には意外なほどにUPIC単体の為に制作されたものに傑作が少ないが、そのような不毛の中で「UPICによる始原への眼差し第一番」はその数少ない中の傑作であるばかりか、湯浅音楽の最高峰に位置付けられている。
[編集] 主な作品
題名に多用される「プロジェクション」という言葉は、サルトルの言葉「投企(プロジェprojet)」に基づくものである。
[編集] 管弦楽曲
- 筝とオーケストラのためのプロジェクション「花鳥風月」
- クロノプラスティク
- オーケストラの時の時
- 芭蕉の情景
- 交響組曲「奥の細道」
- 始原への眼差しII
- クロノプラスティクII
- クロノプラスティクIII
- 内触覚的宇宙V
- 始原への眼差しIII
ほか
[編集] 室内楽
- 7人の奏者のためのプロジェクション
- 相即相入
- 弦楽四重奏のためのプロジェクション
- インター・ポジ・プレイ・ション I
- 冬の日・芭蕉讃
- 相即相入 第2番
- 内触覚的宇宙III -虚空-
- 弦楽四重奏のためのプロジェクション II
- 内触覚的宇宙IV
- 冬の光のファンファーレ(長野オリンピック開会式のために作曲)
ほか
[編集] ピアノ曲
- 内触覚的宇宙
- オン・ザ・キーボード
- サブリミナル・ヘイ・J (ビートルズの「ヘイ・ジュード」と、自分の名前Jojiを掛け合わせたもの。)
- 内触覚的宇宙II・トランスフィギュレーション
ほか
[編集] 電子音楽、ミュジーク・コンクレート、コンピュータ音楽
- 葵の上(注:黛敏郎の同名のテープ音楽作品とは別)
- プロジェクション・エセムプラスティク
- ホワイトノイズによるイコン
- スペース・プロジェクションのための音楽
- ヴォイセス・カミング(電話の交換局、フィラー言語、政治演説から作られた、会話の音声に基づくテープ音楽)
- 夜半日頭に向かひて
- 白の研究
- UPICのための「始原への眼差し 第一番」
- 世阿弥・九位
ほか
[編集] 合唱曲
- アタランス(1971)
- オノマトペによるプロジェクション
- 問い(1971 谷川俊太郎のオリジナルテキストによる)
- 演奏詩 呼びかわし(1973)
- 芭蕉の俳句によるプロジェクション(1974)
- 無伴奏混声合唱のための「懐かしいアメリカの歌」(1984)
- 男声合唱のための「世阿弥「九位」によるコンポジション」(1984)
- 声のための「音楽(オトガク)」(1991)
- 女声合唱組曲「ふるさと詠唱」(1999 三谷晃一)
- Projection for Voice - as a sonic apparatus -(1999)
- 男声合唱のための「芭蕉の俳句による四季」(2002)
- 混声合唱曲「息」(2004 谷川俊太郎)
- 混声合唱曲「秋」(2006 谷川俊太郎)
- 混声合唱曲「風」(2006 谷川俊太郎)
[編集] 童謡
- はしれちょうとっきゅう(走れ超特急) 新幹線を描いた童謡。山中恒作詞。ミュジーク・コンクレートに携わった経験を活かし、曲の合間に新幹線の走る轟音を挿入した。
[編集] 映画音楽、テレビなどの音楽
- 映画
- テレビ
ほか