ナポレオン (ゲーム)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジャンル | リアルタイムウォー |
---|---|
対応機種 | ゲームボーイアドバンス[GBA] |
開発元 | 元気 |
発売元 | 任天堂 |
人数 | 1人(対戦モードは2人) |
メディア | ROMカートリッジ |
発売日 | 2001年3月21日 |
価格 | 4,800円(税抜き) |
『ナポレオン』は任天堂と元気によるゲームボーイアドバンス(GBA)用リアルタイムウォーゲーム。ゲームボーイアドバンスの本体と同時発売(2001年3月21日)された。
携帯電話とGBAを接続する「モバイルシステムGB(サービスは終了)」に対応。
目次 |
[編集] ゲームの概要
プレイヤーは18世紀のフランスの軍人であるナポレオン・ボナパルトとなり、その部下の指揮官、そしてその下の兵士にリアルタイムで命令を行い、敵軍を撃破していく。最終目的は蝋人形館の主人でマリー・アントワネットに憑依されたマダム・タッソーを倒すこと。
本作のオープニングムービーには「歴史の裏に隠された真実の物語」との表現があるが、ストーリーは必ずしも実際の歴史に忠実なものではなく、夢想的、もしくは荒唐無稽な背景設定がなされている。例えば敵軍にはウェリントン、ネルソン提督ら史実でナポレオンと戦った人物からジャンヌ・ダルクやノストラダムス、アレクサンドロス大王などフランス革命以前の人物が登場し、魔物なども出現する。フランス軍も架空の指揮官や実在ながら本作では女性として登場する指揮官が登場するなど大きくアレンジされている。つまり、現実の歴史を忠実に再現するという意味でのシミュレーションゲームではないし、歴史上の会戦を再現するという意味でのウォーゲームでもない。史実のタッソー婦人はマリー・アントワネットのデスマスクを作成したがオカルトとは無関係で、タッソー婦人の蝋人形館はロンドンとホンコンに実在しており観光名所となっている。
今日ではその珍妙な台詞回しや妙なグラフィックからバカゲーのひとつとして挙げられることもある。
プレイヤーは馬に乗ったナポレオンを操作する。ナポレオン自身には戦闘能力は存在しないが、以下の命令を出しながら勝利を目指す。気合入れ、集合のコマンドはSPを消費するが、時間が経てば回復する。
- 招集
- フランス軍の拠点・占領した街で兵士を雇う。ステージごとに招集可能な兵士の種類・数の上限は異なる。
- 命令
- ナポレオンを指揮官または兵士に重ねて実行。1体の敵を集中攻撃する場合や、特定の場所へ移動する際に使用。
- 回復
- ナポレオンを指揮官または兵士に重ねてBボタンを連打すると、体力が回復する。ナポレオン自身の体力は、ステージ上のアイテムを取るか指揮官・スーシェのスキルを使うかのどちらかで回復する。
- 気合入れ
- ナポレオンの周辺にいる部隊の士気を向上させ、攻撃速度を高める。SP消費。
- 集合
- Lボタンで「シューゴー」命令を出し、ナポレオンの周辺にいる部隊を集結させる。
このゲームでは、兵士と指揮官を敵に向けて移動させて攻撃を行う。指揮官は兵士と陣形を組むことができ、それにより兵士と指揮官の連帯行動になり、兵士の能力もアップする。マップ上には基地・本拠地などの建築物があり、敵の基地(本拠地ではない)と中立基地(敵が先に占領すると資金はもらえない)を占領することで新たなユニットを召集するための資金が調達出来る。
基本的には、ステージ上の敵本拠地を占領すれば勝利となる(ステージによってほかの勝利条件も存在する)。
クリア後は出撃した指揮官に対して「ほうび」を与え、この「ほうび」が一定値に達すると指揮官のレベルが上昇するが「ほうび」の分配の仕方によって指揮官の「やる気」が上下する(特に、複数人が出撃した場合は注意が必要)。
ステージクリアごとに「いだてんのてっぺき司令官」(スピード攻略・犠牲者0の場合)のような「称号」が与えられるが、ゲームの進行に影響は無い。
[編集] 指揮官
- アレッサンドロ・インザーギ
- 第1話から登場。架空の人物。ナポレオンとは士官学校時代からの旧知の仲で、革命を逃れた貴族による反乱を鎮圧すべくヴァンデ地方にナポレオンと共に派遣される。平均的能力を持ち、スキル「ガッツをいれる」でSPの回復速度を上げることが可能。
- ジャン・ランヌ
- 第4話から登場。実在の人物だが、本作では何故か大阪弁を喋る。体力のステータスが高いうえ、スキル「能力上昇」は指揮下にある兵士の能力をアップする優れ物。また、ガーゴイル・ゴーレムと言ったモンスターと陣形が組める唯一の指揮官。史実のランヌはナポレオンに「友」とまで呼ばれた名将で、その勇気は伝説の勇者に例えられた。戦闘中砲弾を足に浴びて戦死したが、その死に際しナポレオンはひどく泣いた。ガスコーニュ訛りで知られた人物でもあった。
- ジョアシャン・ミュラ
- 第5話から登場。実在の人物。移動速度が高い。スキル「資金調達」はどこからともなく軍資金を調達するので、大部隊を編成したい場合に使える。史実のミュラは騎兵の指揮に優れた当代一の色男で、ナポレオンの妹と結婚してナポリ王になった。が、後に没落しかけた義兄を裏切っている。
- ジヌディーヌ・オージュロー
- 第8話から登場。実在の人物(姓は同じだが名前は史実と異なる)。指揮下に置ける兵士の数が少ないが、攻撃力が高くスキル「クリティカル」はほとんどの敵を一撃で倒せる。史実のオージュローは前線での戦闘指揮(だけ)に長けた人物である。
- シャルロット・スーシェ
- 第8話から登場。実在の人物であるルイ=ガブリエル・スーシェ(男性)がモデルと思われるが、本作では女性。スキル「いやしの手」はナポレオンの体力を回復する数少ない手段だが、平均的ステータスが低く前線で戦わせるには難。史実のスーシェは占領地域の統治にも長けた優秀な人物で、攻守ともに巧みな名将であった。
- ルイ=ニコラ・ダヴー
- プロローグより登場。指揮官としての参加は第12話から。実在の人物。ナポレオンの士官学校時代の教官で、移動以外のステータスに優れる。スキル「気合を入れる」は自動的に部隊の士気を高める。なお、ダヴーは史実においても極めて有能な指揮官であったが、ナポレオンの師ではなく一期後輩である。
[編集] ユニット
- 歩兵
- 近~中距離を攻撃可能なユニット。資金は非常に安価だが、攻撃力・体力共に乏しい。陸上戦において本拠地や中立基地を占領できるのはこのユニットと装甲兵のみ。
- 装甲兵
- 歩兵の上位ユニット。体力が格段にアップしている。ただし攻撃はできないため、専ら基地占領専門のユニットである。召集資金は歩兵の4倍以上。
- 騎兵
- 敵に接近して攻撃するタイプのユニット。攻撃力は中程度だが、射程が短いため移動している敵には攻撃が当たらないことがある。
- 重騎兵
- 騎兵の上位ユニット。近接する全ての敵に攻撃が可能。
- 砲台
- 中~遠距離を攻撃可能なユニット。召集資金は高め。攻撃力が高く、複数の敵に対して攻撃が可能。ただし移動速度が遅く、敵に接近された場合対処できないため陣形を組んでの行動が望ましい。
- 重砲台
- 砲台の上位ユニット。より遠距離への砲撃が可能となり、攻撃力も増している。
- 巨大砲塔
- 基地から召集することはできないが、あらかじめマップ上に用意された建設台に工作兵を使って建設することで使用可能になるユニット。巨大な砲弾をマップの指定した場所へ砲撃し、広範囲を攻撃する。砲撃には一定の時間がかかるが、その威力は全ユニット中トップで、誤ってナポレオンが巻き込まれた場合一撃で死亡する。
- 応援団
- 攻撃力を持たない支援ユニット。陣形に組まれていれば、自分以外のユニットの体力を自動的に回復する。応援団自身の体力は非常に低い。
- 工作員
- 巨大砲塔を建設するためのユニット。攻撃力は持たない。4体で1基の巨大砲塔を完成させることができる。
- 占領船
- 海戦に登場する海上ユニット。歩兵同様基地の占領が可能である。攻撃は騎兵と同じく近接した敵に対してのみ。
- 攻撃船
- 海戦に登場する海上の重砲台的ユニット。移動速度はそこそこあるが、近距離は攻撃できないので占領船の接近に弱い。
- ガーゴイル
- 召集速度、移動速度に優れるモンスターユニット。近~中距離への攻撃が可能。攻撃力は低いが即召集できる点が魅力である。ランヌとのみ陣形を組むことができる。
- ゴーレム
- 巨大砲塔を除けば最大の攻撃力を持つモンスターユニット。ただし近接した敵にしか攻撃できない。また、移動速度が極端に遅いのでランヌに陣形を組ませるのがベター。