ゴーレム
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ゴーレム(ヘブライ語: גולם, golem)は、ユダヤ教の伝承に登場する自分で動く泥人形。「ゴーレム」とはヘブライ語で「胎児」の意味。
作った主人の命令だけを忠実に実行する召し使いかロボットのような存在。運用上の厳格な制約が数多くあり、それを守らないと狂暴化する。
ラビ(律法学者)が断食や祈祷などの神聖な儀式を行った後、土をこねて人形を作る。呪文を唱え、「אמת」(emeth、真理)という文字を書いた羊皮紙を人形の額に貼り付けることで完成する。ゴーレムを壊すときには、「אמת」(emeth)の「א」( e )の一文字を消し、「מת」(meth、死)にすればよいとされる。
また、ゴーレムの体にはシェム・ハ・メフォラシュ(Shem-ha-mephorash)が刻まれる。 シェム・ハ・メフォラシュとは、出エジプト記14章の第19節を縦書きで下から上に書き、その左に第20節を上から下に、その左に第21節を下から上に綴ったものであるとされる。 (ヘブライ文字で書くと、19、20、21節とも各々72文字になる。)
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[編集] その他の神話・伝承のゴーレム
一般的なゴーレムは土(粘土)で作られるが、神話や伝説には石や金属で作られたものも登場する。
ギリシャ神話の鍛冶の神ヘパイストスによって作られた青銅の巨人タロスもゴーレムの一種と見ることができる。
また、旧約聖書『創世記』の天地創造においてアダムもヤハウェによって、土(ヘブライ語アダマー)に鼻からルーアハを吹き込まれた事からアダムもまたゴーレムであったのではないかといわれている。これが正しい説だとすれば、アダムこそが世界で最初に生まれたゴーレム(それも自我を持った)という事になる。
[編集] フィクション・創作のゴーレム
神話や伝承を元にしたゴーレムが、フィクションにも多数登場する。その多くが神話や伝承に習い、土や石で出来ているものであるが、その素材は多岐にわたり、更にバリエーションを広げている。中でも、メアリ・シェリーの小説『フランケンシュタイン』に登場したフランケンシュタインの怪物は、死体を素材として作られたゴーレム(フレッシュ・ゴーレム)といえる。また、その作られた素材により、弱点や強さが異なるように設定されている場合もある。
ゲームなどでモンスターとして扱われるゴーレムは、大きな体で力が強い。感情や意思を持たないか、もしくは乏しく、上手に表現できない。敵対する邪悪な存在というよりは、財宝や重要アイテムなど守る、云わば障害物や強力な人型防衛兵器(兵士)の様な扱いをされる事が多い。
[編集] 映画
[編集] 特撮
- 恐竜戦隊ジュウレンジャー(スーパー戦隊シリーズ)- 登場怪人であるドーラモンスターは、粘土の像に生命を吹き込むことで誕生するため、ゴーレムの一種と考えられる。また、同様の方法で作られる戦闘員の名はそのまま「ゴーレム兵」である。新型粘土の採用で性能を底上げするという描写も見られた。
- 轟轟戦隊ボウケンジャー- プレシャスとして登場。撃破方法も伝承と同じ方法である。
[編集] 漫画
- シャーマンキング- ユダヤ教伝承のゴーレムを基にしたロボットとして登場している。自爆スイッチに「א」の文字が書かれている。
- うしおととら- 28章に強力な衝撃波を発するゴーレムが登場する。ゴーレムに捕らわれた仲間が頭のeの文字を潰すように助言するが、主人公は勢いあまって頭ごと破壊してしまう。
- D.Gray-man- ボールに翼と尻尾が生えたような形状をしているもの(ティムキャンピー)や、傘の形をしていて剣などに変形するもの(レロ)、蝶形で人間を喰らう(ティーズ)など一風変わったものが登場している。
[編集] ゲーム
- ドラゴンクエスト- 城塞都市メルキドの城門にて勇者が戦うことになる。ゴーレムは強力だが、勇者は持っていた妖精の笛でゴーレムを眠らせ勝利する。このゴーレムについては次のような話が伝わっている。元々はメルキドが竜王との戦いから町を守るために創造されたものであった。ゴーレムに阻まれメルキドを攻めあぐんでいた竜王は一計を案じ、魔力でゴーレムを支配しようとした。ゴーレムは支配されメルキドの軍隊に攻撃するが、町を守る本来の目的は忘れておらず、竜王軍もメルキドに攻撃を加えることができなかった。これ以後メルキドを出入りしようとするものは、敵味方問わずにゴーレムに阻まれることになった。(「メルキドの守護神ゴーレム」より。堀井雄二監修『ドラゴンクエスト モンスター物語』、エニックス、1989年。ISBN 9784900527089。)
- ボンバーマン- ゴーレムをモデルとしたボンバーマンが登場する。
- ワイルドアームズシリーズ- (4thを除く作品でゴーレムという名称のロボットが複数登場する。
- REDSTONE- 大地に属する神獣として登場。神獣ではあるが人間が鉱山発掘やある場所を守護するために作られた存在であり、敵として登場するものは暴走もしくは主人がいなくなっても命令を守り続けているもの。