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ナポレオン (トランプ) - Wikipedia

ナポレオン (トランプ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ナポレオン(napoleon)はトランプを用いて行うトリックテイキングゲームの一つ。同名のゲームが二つあり、一つはイギリスで生まれ、他方は日本で生まれた。

イギリスのナポレオンがもとであり、日本のナポレオンはイギリスのものから名前のみを借りた。同名のゲームの別称「ナップ」についても、この項で説明する。

目次

[編集] イギリスのナポレオン(ナップとも)

[編集] 人数

2~7人程度。

[編集] 使用するカード

  • 2人の時:9から上の20枚。
  • 3人の時:7から上の32枚。
  • それ以上の時:52枚全て。

ジョーカーは使用しない。

[編集] ゲームの流れ

[編集] ディール

ディーラーは一人五枚ずつカードを裏向きに配る。 残ったカードは使用しない。

[編集] ビディング

ビディングはエルデスト(=ディーラーの左隣り)から順に左回りに行なわれる。 各プレイヤーは自分の番がきたら、自分が取れると思うトリック数を宣言をするかもしくはパスをする。

宣言する数字は次のルールを満たしていなければならない。

  • 2以上の数字である事
  • 前のプレイヤーが宣言した数字よりも大きい事。

5トリック全て取るという宣言の事をナポレオンという。

誰かがナポレオンが宣言された場合のみ、他のプレイヤーはウェリントンを宣言できる。ウェリントンもナポレオンと同じく5トリック全て取るという宣言である。(ウェリントンの目標はナポレオンと同じであるが、ナポレオンを宣言できるほど強い手を持ったプレイヤーがいるという条件下5トリック全て取らねばならないので、より達成が難しい)。

また誰かがウェリントンが宣言された場合のみ、他のプレイヤー(ナポレオンを宣言したプレイヤーを含む)はブリュッヒャーを宣言できる。ブリュッヒャーも同じく5トリック全て取るという宣言である。

ビディングは全員がパスするまで何周でも行なわれる。 全員がパスをしたら、最高の宣言をしたプレイヤーがディクレアラーになる。

[編集] プレイ

ルールは通常のトリックテイキングゲームと同じである。 オープニングリードはディクレアラーが行なう。またオープニングリードされたスートが切り札スートになる。全員の手札が無くなったらそのディールは終了である。

[編集] スコア

ディクレアラーが宣言を達成した場合、他の全てのプレイヤーはディクレアラーに下表に書かれた枚数だけチップを払う。逆にディクレアラーが宣言を達成できなかった場合には、ディクレアラーは他の全てのプレイヤーに下表に書かれた枚数だけチップを払う。

  • 2,3,4   :宣言と同じ枚数のチップ
  • ナポレオン:10枚
  • ウェリントン:20枚
  • ブリュッヒャー:40枚。

チップの清算が終わったら、次のディールを始める。 前回エルデストだったプレイヤーが次のディールではディーラーをつとめる。

上の点数のほかに、次のようなチップの払い方をすることもある。

パターン1

  • 2,3,4   :宣言と同じ枚数のチップ
  • ナポレオン:(成功)10枚(失敗)-6枚
  • ウェリントン:(成功)20枚(失敗)-12枚
  • ブリュッヒャー:(成功)40枚(失敗)-24枚。

パターン2

  • 2,3,4   :宣言と同じ枚数のチップ
  • ナポレオン:(成功)10枚(失敗)-10枚
  • ウェリントン:(成功)10枚(失敗)-20枚
  • ブリュッヒャー:(成功)10枚(失敗)-40枚。

[編集] ゲームの終了

いつゲームが終了になるのかに関して、明確なルールは無い。 プレイヤー間で事前に話し合いをして決めておく事が望ましい。


[編集] オプショナル・ルール

前述の宣言のほかにミゼールという宣言を認めるルールがある。

ディクレアラーがミゼールを宣言していた場合、ディクレアラーの目標は全てのトリックで負ける事である。ディクレアラーが1トリックでも勝ってしまったら、そのディールはディクレアラーの負けになる。

ミゼールはノートランプで行なわれる。ミゼールの宣言は3と4の宣言の間の強さである。

ディクレアラーがミゼールを宣言して勝った場合には、ディクレアラーは他の全員からチップを3枚受け取り、負けた場合にはディクレアラーは他の全員にチップを3枚払う。

[編集] 日本のナポレオン

日本のナポレオンには数多くの地方ルールがあり、プレイヤーを5人集めても5人とも知っているルールが異なる事もある。ここであげるルールは数あるルールの一つに過ぎない。後の項で他のローカルルールについても触れる。 ナポレオンはトリックテイキングゲームの一つであるポイントトリックゲームに属するので、当該項目を読んでおくと理解しやすい。 (ただし、以下は読まなくても理解できるように配慮して記述してある)。

[編集] 人数 

4~6人。5人が最適なので、以下では参加人数が5人の場合に関し説明をする。参加人数が5人でない場合もルールはほぼ同様である。

[編集] 使用するカード 

一組52枚。 これにジョーカーを加えた53枚でプレイする事が多いが、簡単の為、まずはジョーカーの無いルールを説明する。

[編集] 概要

このゲームでは絵札をとると1点になる。 ただしこのゲームではK, Q, JのみならずAと10も「絵札」とみなされる。 (A, K, Q, J, 10 の20枚は正しくはアナー・カード(価値あるカード)というが、日本では絵札という呼称が定着している。)

このゲームはナポレオン軍(「ナポレオン」と「副官」からなる)と連合軍(残りの人達からなる)の2チームのチーム戦で、 チームのメンバーが獲得した点の合計値を競い合う。

誰がナポレオンになるか、誰が副官になるかはそれぞれ競り(ビディング)と副官指定により決められる。 競りはカードが配られてすぐに始まる。 競りでは自分が何点とるか(とプラスアルファ)を宣言し、最高の宣言をした人がナポレオンになる。 次にナポレオンは副官指定カードを宣言し、副官指定カードを持っている人が(強制的に)副官になる。

このあとトリックテイキングルールに従ったゲームが行われる。詳細は後述。

ナポレオンが(副官と合計で)宣言以上の絵札を取ればナポレオン軍の勝ちで、そうでなければ連合軍の勝ちである。

なお、ゲーム中重要なのはこのナポレオンの宣言だけで、残りの宣言は忘れられる。 すなわち、ナポレオンになれなかった人は「11」と宣言したからといって11枚取る必要は無い。 また副官の宣言も忘れられる。副官は自分の宣言は守らなくてもよい代わりに、ナポレオンの宣言を(ナポレオンと副官の合計で)守らねばならない。


このゲームの最大の醍醐味のひとつは、副官をめぐる駆け引きである。 副官は副官指定カードによって決められるが、副官指定カードを持ってる人(=副官)は、自分が副官である事を皆に明かす必要は無い。 したがって誰で副官であるかは連合軍にはもちろんナポレオンにすら分からない。 したがって誰が副官であるかを推理して味方に絵札を獲得させる、副官が誰であるかを暴く、副官が連合軍に悟られないようにナポレオンをアシストするなど、様々な戦術があり得る。

なお、阿部徳蔵の『とらんぷ』などの古い本には「副官は自分の利益を忘れてひたすらナポレオンの為につくさねばならない」と書いてあるものがあるが、今のルールでは必ずしもこの限りではない。副官である事を連合軍に属するプレイヤーに知られないようにするため、わざと連合軍の味方をするといったプレイも戦術のうちである。


[編集] 配札

裏向きに1人10枚ずつカードを配る。残りの2枚は裏向きに伏せて中央に置いておく。配りおえたら各プレイヤーは自分のカードを見てよい。 (4人でプレイする場合は、各人に12枚ずつ配り、残りの4枚を裏向きに伏せて中央に置いておく。)

[編集] 競り

配り終えたら、ナポレオン(皇帝)を決める競りを行う。 競りでは自分が何点とるか(とプラスアルファ)を宣言し、最高の宣言をした人がナポレオンになる。

競りの詳細は以下の通りである。 前回のゲームのナポレオン(ルールによってはカードを配った人)から順に左回りで何周も競りを行う。

各プレイヤーは自分の番がきたら、「ハートで12枚」のような宣言をするか、もしくはパスする。 「ハートで12枚」という宣言は「自分がナポレオンになったら、ハートを切り札(後述)にして12枚の絵札を(ナポレオンと副官の合計で)獲得する」という意味であり、 スートも枚数も自分が好きなものを選んでよい。「パス」は「自信が無いのでナポレオンになるのを諦める」という意味である。

宣言には強さがあり、枚数が大きい宣言の方が強い。 同じ枚数の宣言であれば、\spadesuit\heartsuit\diamondsuit\clubsuitの順(ブリッジ・オーダー)に強い。例えば\spadesuitで12枚取るという宣言は、\diamondsuitで12枚取るという宣言よりも強い。 また最高の宣言は「スペードで20枚」である。 (注:ここでいうスート間の順位は、競りの段階においてのみ適用される。プレー中はこの限りではない。)

競りは左回りで何周も続く。 パス以外に新たな宣言をする場合、これまでに出た(自分もしくは他人の)どの宣言よりも高い宣言をしなければならない。 一度宣言してみたものの、一周する間に他の人が宣言をつり上げていたら、前の周の宣言を撤回して(自分もしくは他人のどの宣言よりも)さらに高い宣言をしてもよい。 ただし、一度でもパスした人は競りから「降りた」とみなされ、以後は競りの間中、全てパスを宣言しなければならない。

最高の宣言をした人以外の全ての人が降りてしまったら、競りは終了で、最高の宣言がナポレオンになり、宣言したスートが切り札になる。 なお、競りを始めてみたものの、誰一人宣言せずに全員がパスした場合はゲームは「流れて」しまい、カードを配り直してゼロからやり直す。

ナポレオンの目標は宣言を守る事で、副官とあわせて宣言以上の枚数を取らねばならない。 なお競りでは最高の宣言のみが有効で、後の宣言は忘れられる。 すなわち、ナポレオンになれなかった人は「11枚」と宣言したからといって11枚取る必要は無い。 また副官の宣言も忘れられる。副官は自分の宣言は守らなくてもよい代わりに、ナポレオンの宣言を(ナポレオンと副官の合計で)守らねばならない。

なお、事前に獲得宣言枚数の最低限度を決めておくことが多い。例えば最低11枚(=過半数)と決めておいた場合、各プレイヤーは10枚以下の宣言をすることはできない。

ナポレオンになる意思がないにも関わらず、戦略上何らかの宣言をしてもよい。 この宣言の結果、他の人はこれより高い宣言を強いられる事になる。 従って他の人がこれ以降何らかの宣言してナポレオンになってくれさえいれば、そのナポレオンに苦戦を強いる事ができる。 しかしもちろん、これ以降誰も宣言してくれなくて意に反して自分がナポレオンになってしまうこともありうる。

[編集] 副官指名

競りが完了したら、ナポレオンは任意のカードを1枚宣言する。そのカードを持っている者が副官となり、指定されたカードを副官指定カードという。 一般的に、ナポレオンは自分が持っていないカードの中でもっとも強いカードを副官指定カードにすることが多い。 (副官指定カードとして後述する役札や切り札を選んでもよい)。 再記になるが、副官は自分が副官である事を皆に明かす必要は無い

なお、副官指定カードをナポレオンが持っていた場合は、ナポレオンが副官を兼ね、他のプレイヤー全員が連合軍となる。手札が極めて強い場合は、勝利を独占するために初めから自分が持っているカードを指定することもできる。

[編集] カード交換

副官を指定したら、ナポレオンは余っていた2枚のカードを取り、不要なカードを2枚捨てることができる。捨てるのは取ったカードでも構わないし、絵札や役札を捨てても構わない。 捨てたカードに含まれる絵札は、ゲーム終了後、連合軍の得点に加算される。

なお、このとき余ったカードの中に副官指定カードが入っていることがある。この場合、副官指定カードを捨てたとしてもナポレオンが副官を兼ねることになる。 「副官指定後にカード交換」というルールなので、このような運の悪いケースも起こり得る。 ただし「カード交換後の副官指定」というルールを許容する人もいる。

[編集] カードの強さ

カードの強さは以下の順。

  1. スペードのA(スペキュレーション、オールマイティ、あるいは略してマイティ)
  2. 切り札のJ(表ジャック、正ジャックとも。正ジャ)
  3. 切り札と同じ色のもう1枚のJ(裏ジャック。裏ジャ)
  4. 切り札(A, K, Q, 10, ..., 2の順に強い)
  5. リード(後述)と同じスート(A, K, Q, J, 10, ..., 2の順に強い)
  6. その他

例えば、切り札がハートならダイヤのJが裏ジャック、切り札がクラブならスペードのJが裏ジャックになる。

1~3のカードを役札と言う。

[編集] 手札のプレイ

ここからは普通のトリックテイキングゲームと同じルールである。詳細はトリックテイキングゲームの項目を参照。

プレイヤー達はトリックと呼ばれる小ゲームを何度も繰り返す。 各トリックでは、まず一人が場に札(台札)を一枚出し(リードするという)、次にリードしたプレイヤーから左周りに、他のプレイヤーが順番に一枚ずつ札を出す。

このとき、リード以外の者は、リードと同じスートのカードを出さなければならない。たとえ役札や切り札や副官指定カードでもリードと同一スートならば必ず出さなければならないし、 逆にいえばリードと同一スートのカードがある限りその他のスートの札はたとえ役札や切り札や副官指定カードでも出す事はできない。 ただし、リードと同じスートのカードがない場合は、(役札や切り札や副官指定カードを含め)どの札を出してもよい。 (なおルールによっては、役札であればリードによる制限を受けないとする場合もある)。 また誤解されがちだが、役札や切り札や副官指定カードをリードしてもよい

全員が一枚ずつ札を出すと、そのトリックは終了となる。最も強い札を出したプレイヤーがそのトリックの勝者になる。場に出された札は、後のトリックでは使用しない。

場に出された札の中に絵札が入っていた場合、その絵札はすべてトリックの勝者が獲得する。トリックの勝者はこれらの絵札を、手札と混ざらないように、自分のそばに表向きのまま置いておく。絵札以外は場の隅にまとめて置いておく。

トリックの目的はあくまで絵札を取ることであり、トリックに勝利しただけでは一点も入らない。

前のトリックの勝者が次のトリックのリードを行なう。なお、最初のトリックのリード(オープニング・リード)はナポレオンが行なう。

スペキュレーションや裏ジャックは通常の札より強い特殊な札であるが、カードの出し方は通常のルールに従う。例えばスペキュレーションは、あくまでスペードの札として扱う。スペードの札がリードされた時手札にスペキュレーションしかなければスペキュレーションを出さねばならないし、ハートの札がリードされてハートの札を持っているのにスペキュレーションを出す事はできない。

注:一般的なトリックテイキングゲームでは役札が切り札スートに属するのに対し、ナポレオンでは役札がもとのスートに属する。

[編集] 勝敗と得点

全員の手札が全て無くなった時点、つまり10回のトリックが終わった時点でゲームは終了となる。

ナポレオン軍(ナポレオンと副官)が獲得した絵札の合計が、競りにおける宣言枚数よりも多ければナポレオン軍の勝利、1枚でも足りなければ連合軍の勝利である。ただし、ナポレオン軍が20枚すべてを獲得した場合は「革命」などと称して連合軍の勝利とするルールもある。

勝敗により、各自の得点をつける。一般的には、数回のゲームを繰り返し、合計得点を競う。

一般的な得点のつけ方は、

連合軍の場合
(宣言した枚数)-(宣言の最低枚数-1)
ナポレオンの場合
(連合軍の得点)×(連合軍の人数)÷3×2の値を四捨五入する
副官の場合
(連合軍の得点)×(連合軍の人数)÷3の値を四捨五入する

…となっている。

得点のつけ方(例)
ナポレオン軍の勝利 連合軍の勝利
ナポレオン軍も1枚以上獲得 ナポレオン軍が20枚獲得
ナポレオン (副官ありの場合) +2 -2 -4
ナポレオン (副官なしの場合) +4 -4 -8
副官 +1 -1 -2
連合軍 -1 +1 +2

[編集] オプショナル・ルール

トランプゲームの中でもナポレオンは特にローカルルールが多いゲームである。 ナポレオンはもともとルールが複雑であるが、ローカルルールを付け加える事でさらに複雑になり、しかもプレイヤー毎に知っているルールが違うという問題が生じてしまう。

この為松田道弘は「トランプの楽しみ」で、

  • ジョーカーを使わない事
  • セイムツー・ルール(後述)を採用しない事
  • 役札を全て廃止する事

を提案している。

そこで本稿でもこれまでジョーカーとセイムツーの無いルールを説明してきたが、 オプショナル・ルールとしてジョーカーとセイムツーについても触れる。

[編集] ジョーカーに関するルール

ジョーカーに関するルールには様々なものがあるが、 一例として、ジョーカーをスペキュレーションよりも強い役札とみなす、というものがある。 なおジョーカーは切り札スートに属すものとみなす。 よって切り札がリードされたらジョーカーを出せるし、ジョーカーをリードしたら他の人は切り札を出さねばならない。

またジョーカーは絵札と違い、0点の札である。

なおジョーカーをいれる場合も、各人の手札は10枚で、中央の裏向きの札が3枚に増える。 ナポレオンになったプレイヤーは中央の3枚を取って、任意の3枚と交換する。

ジョーカーに関する他のルールとして例えば次のようなものがある。

  • ジョーカーよりもスペキュレーションの方が強い
  • そもそもジョーカーを使わない
  • ジョーカーはワイルドカードで、様々なカードの代わりになる。
  • ジョーカーは自分の番ならいつでも出せる。ジョーカーをリードする事を切り札請求と呼び、ジョーカーがリードされたら切り札を持っているプレイヤーは全員切り札を出さねばならない。(残りの人は任意の札を出してよい)。しかしジョーカーは(ジョーカーがリードされた場合もそうでない場合も)どのカードよりも弱いため勝つ事はできない。
  • ジョーカーはリードの場合にスペキュレーションの次に強く、リードでない場合最弱
  • ジョーカーをリードする場合、請求するスートを指定することができる。
  • ジョーカーは単なるパス札とする。ジョーカーがリードされた場合は、次のプレイヤーが出したカードがリードとなる。

[編集] セイムツー

セイムツー(セイム2)は以下のようなルールである。

  • トリックの5枚のカードが全て同じスートのとき、その中に2があれば2を出したプレイヤーを当該トリックの勝者とする。

ただし5枚の中に役札が入っていた場合、セイムツーが勝つのか役札が勝つのかはローカル・ルールによる。

セイムツー・ルールを採用するとルールが複雑になり過ぎるので、対策として次のような代替案もあり得る。

  • カードランクを2AK…43にする。

2は最高位であるにも関わらず0点の札なので、セイムツーを使わずにセイムツーとほぼ同じ事が達成される。

セイムツーのローカルルールとして例えば次のものがある。

  • 最初と最後のトリック(またはいずれか一方のみ)は、セイムツーを無効とすることがある。
  • a) セイムツーよりも役札のほうが強く、例え5枚のカードが全て同じスートでも、その中に役札があれば役札が勝つ場合、b) セイムツーはスペキュレーションを含むすべてのカードより強い、c) スペキュレーションよりは弱いが、他の役札よりは強い、などがある。なお、人数によってセイムツーが成立する難易度が異なるため、1)4人;正J>裏J>セイムツー、2)5人;正J>セイムツー>裏J、3)6人;スペキュレーション>セイムツー>正J>裏J、などと強さを調整するルールもある。

[編集] その他のローカルルール

[編集] カードの強弱に関するローカルルール

[編集] 役札に関するローカルルール
  • リードがスペードであっても、スペキュレーションは出さなくてもよい。逆に、リードがスペードでなくても、スペキュレーションはいつでも出せる。つまり、スペキュレーションをどのスートにも属さない超越的なカードとするルール。
  • 最初と最後のトリック(またはいずれか一方)においては、役札を無効とする。この場合でも、スペキュレーションだけは有効とすることがある。
  • よろめきスペキュレーションキラーとも) : スペキュレーションとハートのQ(地方ルールによってはクラブの4)が同トリックに出た場合は、ハートのQの勝ちとするもの。ジョーカーに対して適用することもある。スペキュレーションキラーは、スペキュレーションと同トリックに出なかった場合は、単なるハートのQとして扱う。
    • よろめき返しよろめき返し返し :よろめき返しとは、よろめきとしてハートのQが出て、さらに同トリック中にハートのKが出た場合にハートのKを勝ちとするもの。よろめき返し返しとは、その条件下でさらにハートのAが出ると、ハートのAを勝ちとするもの。
  • ジョーカー請求 : クラブの3をリードした場合、ジョーカーを持っているプレイヤーはジョーカーを出さなければならない。(他のプレイヤーは通常のルールに従って札を出す)。
  • 裏切り : 副官がクラブの10を持っている場合に、そのクラブの10を出す際にナポレオンを裏切り、連合軍側につくことができるというもの。
    • ナポレオンによる裏切り : ナポレオンがクラブの10に加え全てのジョーカー持っている場合に、ナポレオン自身が副官を裏切り連合軍側につくことができるというもの。これらカードのいずれかを出すまでの間にこれらを提示して裏切りを宣言する。これが起こると副官が勝てる確率は殆どなくなるため、ジョーカーを複数枚入れてゲームを行うときのみに適用されることが多い。
  • 裏ジャックと表ジャックの強弱を逆とする。


[編集] 競りに関するローカルルール

[編集] 競りで全員がパスをした場合に関するローカルルール
  • 中央のふせられている札の1枚をディーラーが表にし、そのスートのJを持っている者がナポレオンとなる。該当者がいない場合にはもう1枚表にする。3枚とも表にしても該当者がいない場合はカードを配り直す。
  • ディーラーは最初に必ず宣言をしなければならない。
  • 中央のふせられている札を表にし、それから競りを続ける。それでも誰も宣言しなかった場合はカードを配り直す。
  • スペキュレーションを持っている者がスペード13枚で名乗り出る。

[編集] その他
  • 左周りに競りをしない。早いもの順。
  • 切り札を指定しない宣言ができる。これをノートランプ(略称:ノートラ)とよぶ。同じ枚数での競りの場合、ノートラは全てのスートより優先される。
  • 役札ではない最弱のカード、3を絵札にする。絵札の枚数は24枚になる。(3でとれるトリックは殆ど無いため、戦略的に難しくなる。)

[編集] 勝敗に関するローカルルール

  • ナポレオン軍が20枚の絵札を全て集めてしまった場合は、ナポレオン軍の負け。ただしナポレオンが競りの段階で20枚と宣言していた場合に限り、20枚集めてもナポレオン軍の勝ち。
  • ナポレオン軍が20枚の絵札を集めた場合も、ナポレオン軍の勝ち。(「パーフェクト」「完全勝利」「凱旋」などと呼ぶ) 

[編集] オープニング・リード(=1トリック目のリード)に関するローカルルール

  • オープニング・リードは切り札スート以外でなければならない。
  • オープニング・リードに限り、セイムツーは適用されない。

[編集] プレイヤーの人数が5人でない時に関するローカルルール

  • 5人でない場合はそもそもプレイしない。
  • 5人の場合と全くルールが同じ。
  • 中央の札の枚数が3枚になるように、事前に2の札を何枚か抜いておく。(セイム2・ルールを採用している場合は2の代わりに3の札を抜く)。

[編集] 歴史

(この項は主として松田道弘著「トランプものがたり」によった)。

日本のナポレオンはホイストの子孫であり、ファイブハンドレッドの影響を受けて出来上がったゲームである。ゲームの名前はイギリスのナポレオンから取った可能性が高い。

ホイスト、ファイブハンドレッド、イギリスのナポレオンのどれもが狭義のトリック・テイキング・ゲーム(1トリック1点と数えるゲーム)であるのに、日本のナポレオンがポイント・トリック・ゲーム(特定の札を取ると点が加算されるゲーム)である事は興味深い。

[編集] ホイスト

日本のナポレオンは、イギリスのゲームホイストの子孫である。ホイストはコントラクト・ブリッジの先祖に当たるゲームで、4人でプレイするゲームで、向かい側の人とパートナーを組む。全員に13枚ずつカードを配り、トリックテイキングゲームを行う。より多くのトリックを取ったチームに、(取ったトリック数-6)点が入る。ホイストには宣言、副官、役札などの複雑なルールは無い。

[編集] 絵取り

ホイストが日本に入ってきた段階で絵取りというゲームに変化した。絵取りもやはり4人で行なうトリックテイキングゲームであるが、ホイストとは異なり絵札(もしくはA)を数多く取る事がゲームの目標である。

絵取りも初期の頃には向かい側の人とパートナーを組んで行なっていたが、次第にパートナーシップを組むルールは忘れられ、4人が別々に争うルールへと変化していった。

ナポレオンやツー・テン・ジャックはこの絵取りをベースにして作られたゲームである。

[編集] ファイブハンドレッドの影響(表ジャック、裏ジャック、副官)

絵取りがナポレオンに変容する際最も大きな影響を与えたのは、ファイブハンドレッドというゲームである。このゲームはアメリカのUSプレイングカードカンパニー社が作ったゲームで、オーストラリアの国民的ゲームである。

表ジャック、裏ジャックはファイブ・ハンドレッドのレフトバウアーライトバウアーのと呼ばれるスーパートランプ(役札)から来ている。ナポレオンにおける表ジャック、裏ジャックと同じく、レフトバウアーは切り札スートのジャックであり、ライトバウアーは切り札スートと同色のスートのジャックである。

なお、ライトバウアーと裏ジャックとでは所属スートが異なる。ライトバウアーは必ず切り札スートに属する。例えば\diamondsuitJがライトバウアーのとき、\diamondsuitJは本来の所属スートである\diamondsuitではなく切り札スートである\heartsuitのカードとして取り扱われる。

それに対しナポレオンの裏ジャックの場合、裏ジャックはもとのスートに属し、裏ジャックが\diamondsuitJなら、裏ジャックは\diamondsuitに属する。

ファイブハンドレッドはプレイヤーの人数によってルールが変化するゲームであるが、ファイブハンドレッドを5人で行なう場合には、副官のルールがある。副官のルールはかなり珍しいルールで、このルールを採用しているゲームはファイブハンドレッドと日本のナポレオンくらいしかないので、おそらく副官のルールもファイブハンドレッドからきたものと思われる。

[編集] 名前

イギリスに同名のゲーム「ナポレオン」(略してナップとも)があるので、ゲームの名前である「ナポレオン」は、このイギリスのゲームから来ている可能性が高い。

[編集] スペキュレーション

スペインやポルトガルの多くのゲーム(例えばオンブル)では、\spadesuitAはスパディールと呼ばれるスーパートランプ(役札)である。この為スペキュレーションのルールはスペインやポルトガルのゲームのいずれかから導入されたルールである可能性が高い。

[編集] 宣言

ファイブハンドレッドやイギリスのナポレオンはもちろんビディング(宣言)のルールを採用しているゲームは数多い為、どのゲームから宣言のルールが入り込んだのかを特定するのは難しい。

[編集] 関連項目

ナポレオンを収録したゲームソフト

  • だれでもアソビ大全 -2005年11月3日発売(日本国内のみ) ニンテンドーDS用ソフト。発売元は任天堂。イギリスのナポレオン(ナップ)・日本のナポレオンの両方が収録されている。
  • Wi-Fi対応世界のだれでもアソビ大全-2007年4月13日発売(日本国内のみ) ニンテンドーDS用ソフト。発売元は任天堂。『だれでもアソビ大全』の一部の収録ゲーム(7本)を変更し、ニンテンドーWi-Fiコネクションに対応している。このソフトでは,「日本のナポレオン」は収録ゲームからはずされているが、「イギリスのナポレオン(ナップ)」は、こちらでも収録されている。
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